第53回(H30)理学療法士 国家試験解説【午前問題61~65】

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61.反射と脳神経の組合せで正しいのはどれか。

1.角膜反射:視神経
2.対光反射:動眼神経
3.前庭動眼反射:三叉神経
4.下顎反射:顔面神経
5.咽頭反射:副神経

解答:2

解説

1.× 角膜反射は、「視神経」ではなく、【求心性神経】三叉神経‐【遠心性神経】顔面神経である。
2.〇 正しい。対光反射は、【求心性神経】視神経‐【遠心性神経】動眼神経である。
3.× 前庭動眼反射は、「三叉神経」ではなく、【求心性神経】前庭神経(内耳神経)‐【遠心性神経】動眼神経、外転神経である。
4.× 下顎反射は、「顔面神経」ではなく、【求心性神経】【遠心性神経】ともに三叉神経である。
5.× 咽頭反射は、「副神経」ではなく、【求心性神経】舌咽神経‐【遠心性神経】迷走神経である。

 

苦手な人のために、問題や解説などまとめてみました。参考にしてください↓

理学療法士国家試験 反射と脳神経の組み合わせ問題4選「まとめ・解説」

 

完璧に覚えたい方用にまとめました。参考にしてください↓

【暗記用】反射中枢の組み合わせを完璧に覚えよう!

 

 

 

 

 

 

62.伸張反射について正しいのはどれか。

1.侵害受容反射である。
2.単シナプス反射である。
3.求心性線維はIb群線維である。
4.遠心性線維はγ運動線維である。
5.筋紡錘内の錘内線維を支配するのはα運動線維である。

解答:2


解説

1.× 侵害受容反射ではない。侵害反射は、痛みや組織の損傷をするような刺激が与えられた時に生じる反射である。筋紡錘は骨格筋の収縮を感知する感覚器(筋の長さとそれが変化する速さを感知する感覚器)として機能する。
2.〇 正しい。単シナプス反射である。
3.× 求心性線維は、「Ib群線維」ではなくIa群線維ある。ちなみに、Ib群線維は腱受容器の求心性線維である。
4.× 遠心性線維は、「γ運動線維」ではなくα運動線維ある。
5.× 筋紡錘内の錘内線維を支配するのは、「α運動線維」ではなくγ運動線維である。

 

苦手な人向けに、伸張反射についての過去問をまとめました。
良かったらどうぞ。

理学療法士国家試験 伸張反射についての問題5選「まとめ・解説」

 

 

 

 

63.運動単位について正しいのはどれか。

1.運動単位には求心性線維が含まれる。
2.1つの筋は単一の運動単位で構成される。
3.神経支配比が小さいほど微細な運動ができる。
4.随意運動時には大きな運動単位ほど先に活動を始める。
5.伸張反射では弱い刺激で活動を開始するのは速筋である。

解答:3


解説

 運動単位とは、1個のα運動ニューロンとそれが支配する筋線維群とを指す。運動単位は、常に活動を共にする一つの機能単位を構成する。

1.× 運動単位には求心性線維は含まれない。運動単位を構成するのは遠心性線維である。
2.× 1つの筋は単一の運動単位で構成されず、筋によって支配する線維の数は異なってくる。一つの筋は多数の筋線維からなるため、多数の運動単位で構成される。
3.〇 正しい。神経支配比が小さいほど微細な運動ができる。指の動きなどの精密な動きをする筋ほど一つの運動神経が支配する筋線維の数が少なく、支配支配比が小さい。
4.× 随意運動時には、「大きな」ではなく、小さな運動単位ほど先に活動を始める。通常、小さな運動単位から活動を開始し、ついで閾値の高い大きな運動単位が順次活動していく。これをサイズの原理と呼ぶ。
5.× 伸張反射では、弱い刺激で活動を開始するのは、「速筋」ではなく遅筋である。伸張反射では、弱い刺激で活動を開始する閾値の低い活動単位は遅筋で、強い刺激に反応する閾値の高いものは速筋である。

 

苦手な人向けに、過去問をまとめました。
理学療法士国家試験 運動単位についての問題5選「まとめ・解説」

 

 

 

 

 

64.抗体を産生するのはどれか。

1.好酸球
2.好中球
3.好塩基球
4.形質細胞
5.マクロファージ

解答:4


解説

1~3.× 好酸球、好中球、好塩基球は免疫応答に関与するため不適当。
1.好酸球は、寄生虫に対する免疫反応や、Ⅰ型アレルギーに関与する。
2.好中球は接着能、遊走能、貪食能、殺菌能を持ち、サイトカイン産生する。
3.好塩基球は、即時型アレルギーに関与する。
4.〇 正しい。形質細胞は、抗体を産生する。B細胞が形質細胞となり抗体産生に関わる。
5.× マクロファージは、単球から分化する抗原提示細胞であり、貪食能を持つことが特徴である。

細胞性免疫とは?

アレルギー反応の分類法としては、免疫反応による組織傷害の機序から分類したGellとCoombsの分類が使われることが多い。本分類はその反応に関与する抗体や細胞の違いにより分類されるが、現象的には皮膚反応出現にかかる時間と反応の性状により分けられる。Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ型は血清抗体が関与する体液性免疫(humoral immunity)、Ⅳ型は感作リンバ球による細胞性免疫(cellularimmunity)と大別される。

(※引用:「アレルギー総論」厚生労働省HPより)

 

 

 

 

 

 

65.胆汁について正しいのはどれか。

1.脂肪の吸収を抑制する。
2.消化酵素が含まれる。
3.食物の摂取によって分泌が増加する。
4.胆汁酸塩の大部分は大腸で再吸収される。
5.胆囊で産生される。

解答:3


解説

1.× 脂肪の吸収を、「抑制」ではなく促進する。なぜなら、胆汁は、脂肪を乳化し、脂肪の消化酵素による分解、消化吸収を促進する機能を持つため。
2.× 消化酵素は含まれない。消化酵素の働きを助ける作用がある。胆汁に含まれる胆汁酸は食べ物中の脂肪を乳化し、リパーゼなどの消化酵素による分解を受けやすくする作用を持つ。
3.〇 正しい。食物の摂取によって分泌が増加する。
4.× 胆汁酸塩の大部分は、「大腸」ではなく小腸(回腸末端部)で再吸収される。その後、肝臓に戻り再利用される。これを腸肝循環という。
5.× 「胆囊で産生される」のではなく、胆嚢は胆汁を蓄え濃縮する器官である。胆汁は肝臓で合成される。

胆汁についてまとめ
  • 肝臓で合成されるアルカリ性の物質で、胆嚢で濃縮されたうえ、貯蔵される。
  • 胆汁中には消化酵素は存在しない。しかし、胆汁中に含まれる胆汁酸は乳化作用とミセル形成作用を有するため、脂肪の消化吸収に重要な役割を果たす。
  • 胆汁はビリルビン、胆汁酸、コレステロール、リン脂質からなり、消化酵素は含まれない。胆汁は消化酵素の働きを助ける作用がある。

苦手な人のために、問題や解説など、覚えやすいようをまとめてみました。
理学療法士国家試験 胆汁についての問題4選「まとめ・解説」

 

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