【PT/共通】反射と脳神経について問題「まとめ・解説」

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※問題の引用:厚生労働省より

※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。

MEMO

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目次 非表示

PT専門

第50回PT 午前45問

45 深部腱反射と反射中枢の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。

1. 下顎反射 — C1〜4
2. 上腕二頭筋反射 — C7、8
3. 回内筋反射 — C6〜T1
4. 下肢内転筋反射 — T12、L1
5. アキレス腱反射 — L5〜S2

解答3/5

解説

1.× 下顎反射は、「C1〜4」ではなくである。
2.× 上腕二頭筋反射は、「C7、8」ではなくC5~6である。
3.〇 正しい。回内筋反射は、C6〜T1である。
4.× 下肢内転筋反射は、「T12、L1」ではなくL3~4である。
5.〇 正しい。アキレス腱反射は、L5〜S2である。

 

 

 

第56回PT 午前30問

30 第Ⅶ脳神経の検査はどれか。

1.眼球運動
2.眼輪筋筋力
3.咀嚼筋力
4.調節反射
5.軟口蓋反射

解答

解説

第Ⅶ脳神経(顔面神経)の働き

第Ⅶ脳神経は、顔面筋支配の運動神経、涙腺や口蓋腺などの分泌作用制御の副交感神経、および味覚を司る感覚神経を含む混合神経である。

第Ⅶ脳神経(顔面神経)の障害により、顔面表情筋の障害、角膜反射低下、聴覚過敏、味覚低下(舌前2/3)、涙分泌低下、唾液分泌低下など。

1.× 眼球運動は、主にⅢ:動眼神経支配(内側直筋・上直筋・下直筋・下斜筋)である。他にも、Ⅳ:滑車神経(上斜筋)、Ⅵ:外転神経(外側直筋)である。
2.〇 正しい。眼輪筋筋力は、顔面神経支配(第Ⅶ脳神経)である。目の周りを取り囲むように密集しており、主にまぶたの開閉に作用する。
3.× 咀嚼筋は、主にⅤ:三叉神経支配である。咀嚼筋とは下顎骨の運動(主に咀嚼運動)に関わる筋肉の総称である。咀嚼筋は一般的に、咬筋、側頭筋、外側翼突筋、内側翼突筋の4種類が挙げられる。
4.× 調節反射は、Ⅲ:動眼神経支配である。調節反射とは、ピントを合わせる機能である。遠くを見る時に瞳孔は散大し、近くを見るときには瞳孔は収縮する。
5.× 口腔は、口唇から咽頭までの間の腔である。歯の内側を口蓋、口蓋の後方が硬口蓋(骨でできている)という。そして、硬口蓋の後方にあるのが軟口蓋であり、咽頭と鼻を遮断する役割を担っている。軟口蓋反射とは、摂食・嚥下の際に起こる一連の流れの一部であり、軟口蓋による鼻咽頭閉鎖により、食物の鼻への逆流を防止する。ちなみに、のどの運動系は、Ⅸ:迷走神経である。

 

 

 

 

第58回PT 午前7問

7.両眼を強く閉眼するよう指示したところ、左側の兎眼が認められた。
 同じ脳神経の障害で生じる症状はどれか。


1.右方視したときの様子
2.普通に開眼したときの様子
3.歯をむき出しにしたときの様子
4.「アー」と発声したときの軟口蓋と咽頭後壁の様子
5.舌をまっすぐ出したときの様子

解答

解説

兎眼とは?

目が閉じにくくなる(兎眼)は、脳腫瘍や脳血管障害によるベル麻痺で起こる。兎眼は、顔面神経の麻痺で起こる。その支配下にある眼輪筋が麻痺し、目を閉じることができなくなると、常に目を開いた状態になる。この状態を兎眼(とがん)という。

1.× 右方視したとき、図の左目が右方視(内側眼球運動)できていない。これは内側直筋の障害で、内側直筋の支配神経である動眼神経障害が考えられる。
2.× 普通に開眼したとき、図の左目は瞳孔反射ができていない。対光反射は、【求心性神経】視神経、【遠心性神経】動眼神経である。瞳孔反射の一つであり、光の強さにより瞳孔の直径を変化させ、網膜に届く光の量を調節する反射である。瞳孔の収縮の有無を観察する。
3.〇 正しい。歯をむき出しにしたとき、図の左の口角が挙上できていない。口角挙上筋は顔面神経支配である。顔面神経は、表情筋の運動、涙腺や口蓋腺などの分泌作用制御の副交感神経、および味覚を司る感覚神経を含む混合神経である。したがって、顔面神経の障害により、顔面表情筋の障害、角膜反射低下、聴覚過敏、味覚低下(舌前2/3)、涙分泌低下、唾液分泌低下などが起こる。
4.× 「アー」と発声したとき、図はカーテン徴候陽性となっている。これは迷走神経麻痺(迷走神経障害)が考えられる。
5.× 舌をまっすぐ出したとき、図ではまっすぐ出せていない。舌の運動は、舌下神経(Ⅻ)が支配する。

(※画像引用:やお歯科クリニック様HPより)

カーテン徴候とは?
カーテン徴候とは、一側の迷走神経麻痺がある場合には口蓋垂が健側に傾くこと。咽頭後壁も健側に牽引される。
 
 
眼球運動の筋と支配神経

【眼球運動:筋】
外側:外直筋
内側:内直筋
外上方:外直筋+上直筋
内上方:内直筋+下斜筋
外下方:外直筋+下直筋
内下方:内直筋+上斜筋

【支配神経】
①動眼神経:内側直筋・上直筋・下直筋・下斜筋
②滑車神経:上斜筋
③外転神経:外側直筋

 

 

第59回PT 午後30問

30 脳神経と働きの組合せで正しいのはどれか。

1.副神経:僧帽筋の運動
2.滑車神経:眼球の内転運動
3.顔面神経:咀嚼筋の運動
4.三叉神経:舌前2/3の味覚
5.舌下神経: 声帯の運動

解答

解説

(※図引用:「イラストでわかる歯科医学の基礎 第4版 」永未書店HPより)

1.〇 正しい。副神経は、僧帽筋の運動である。副神経とは、僧帽筋や胸鎖乳突筋など、首を動かす筋肉に分布する運動神経である。ちなみに、胸鎖乳突筋の【起始】胸骨部:胸骨柄前面、鎖骨部:鎖骨の胸骨端、【停止】乳様突起、後頭骨の上項線の外側部、【作用】両側が同時に作用すると首をすくめて顎を突き出す。片側が働けば顔面を対側に回す。吸息の補助、【支配神経】副神経外枝、頸神経叢筋枝(C2,C3)である。
2.× 眼球の内転運動は、「滑車神経」ではなく動眼神経である。なぜなら、眼球の内転運動は、内直筋であるため。動眼神経は、内直筋・上直筋・下直筋・下斜筋を支配する。動眼神経とは、外側直筋と上斜筋以外の眼筋を支配する運動神経と、眼球内の瞳孔括約筋や毛様体筋を支配する副交感神経を含んでいる。ちなみに、滑車神経は、上斜筋をつかさどる。
3.× 咀嚼筋の運動は、「顔面神経」ではなく三叉神経である。三叉神経とは、咀嚼運動にかかわる脳神経である。三叉神経は、主に咀嚼筋の咀嚼運動と顔面の皮膚感覚を司る。運動神経と感覚神経を含む。
4.× 舌前2/3の味覚は、「三叉神経」ではなく顔面神経である。
顔面神経とは、表情筋の運動、涙腺や口蓋腺などの分泌作用制御の副交感神経、および味覚を司る感覚神経を含む混合神経である。したがって、顔面神経の障害により、顔面表情筋の障害、角膜反射低下、聴覚過敏、味覚低下(舌前2/3)、涙分泌低下、唾液分泌低下などが起こる。
【味覚】顔面神経舌:前2/3、舌咽神経:後1/3
【知覚(痛覚)】三叉神経:前2/3、舌咽神経:後1/3
5.× 声帯の運動は、「舌下神経」ではなく反回神経である。反回神経は、運動神経、知覚神経を含む混合神経で声帯や嚥下機能を司っている。前枝は喉頭粘膜、声帯裂、甲状披裂筋、外側輪状披裂筋に分布する。後枝は後輪状披裂筋、横披裂筋、斜披裂筋に分布する。喉から胸にかけて走行する。反回神経の枝は喉頭や声帯に分布し、障害により嗄声を生じる。反回神経は、右が鎖骨下動脈を、左が大動脈弓を前方から後方へ回り、この周囲に癌が浸潤することで嗄声が生じる。嗄声とは、声帯を振動させて声を出すとき、声帯に異常が起こり「かすれた声」になっている状態である。嗄声の原因は、①声帯自体に問題がある場合と、②声帯を動かす神経に問題がある場合がある。ちなみに、舌下神経とは、舌の運動を支配する運動神経である。

眼球運動の筋と支配神経

【眼球運動:筋】
外側:外直筋
内側:内直筋
外上方:外直筋+上直筋
内上方:内直筋+下斜筋
外下方:外直筋+下直筋
内下方:内直筋+上斜筋

【支配神経】
①動眼神経:内側直筋・上直筋・下直筋・下斜筋
②滑車神経:上斜筋
③外転神経:外側直筋

 

共通問題

第37回共通 24問

反射中枢の部位で誤っている組合せはどれか。

1.角膜反射:橋
2.眼輪筋反射:小脳
3.腹壁反射:胸髄
4.膝蓋腱反射:腰髄
5.足底反射:仙髄

解答2

解説

1.〇 正しい。角膜反射は、「」に反射中枢がある。角膜反射は、【求心性神経】三叉神経、【遠心性神経】顔面神経である。角膜反射とは、角膜にものが触れると眼を閉じる反射である。角膜への刺激は、両側の顔面神経核に伝わるため両目が閉じる。
2.× 眼輪筋反射は、「小脳」ではなく橋(顔面神経核)に反射中枢がある。眼輪筋反射とは、瞬目反射(※読み:しゅんもくはんしゃ)ともいい、三叉神経を求心路として起こる。瞬目反射とは、結膜や角膜に異物が接触すると迅速に閉眼して眼球を防御する反射である。遠心路は、顔面神経で眼輪筋が収縮して閉眼する。瞬目反射の有無は、こよりなど柔らかい物で角膜を刺激する
3.〇 正しい。腹壁反射は、「第5~12胸髄」に反射中枢がある。腹壁反射(腹皮反射)とは、表在反射のひとつである。表在反射とは、皮膚や粘膜を刺激することでみられる反射のことで、消失により錐体路障害を示す徴候である。腹壁反射とは、検者を背臥位にして両膝を軽く屈曲し膝を立て、腹筋を弛緩させる。先の鈍い針で肋骨縁①にそって上から下に向けてこする。また、腹壁を上②、中③、下④の3つに分けて、腹壁皮膚を外側より内側に向けてこすり、刺激側の腹筋が収縮し、臍が刺激側へ動けば陽性である。陽性の場合、錐体外路系の障害により消失する。【判定】刺激側の腹筋が収縮し、臍が刺激側へ動けば陽性である。
4.〇 正しい。膝蓋腱反射は、「第2~4腰髄」に反射中枢がある。
5.〇 正しい。足底反射は、「第1~2仙髄」に反射中枢がある。足底反射とは、表在反射のひとつである。表在反射とは、皮膚や粘膜を刺激することでみられる反射のことで、消失により錐体路障害を示す徴候である。足底を背、ピン、ハンマーの柄などで踵から足先に向けてこする。【判定】足趾屈曲すれば陽性である。

 

 

第44回共通 7問

腹壁反射の中枢がT5~6となる刺激部位はどれか。なお、図中の矢印は刺激の方向を示す。

解答

解説

腹壁反射(腹皮反射)とは、表在反射のひとつである。表在反射とは、皮膚や粘膜を刺激することでみられる反射のことで、消失により錐体路障害を示す徴候である。腹壁反射とは、検者を背臥位にして両膝を軽く屈曲し膝を立て、腹筋を弛緩させる。先の鈍い針で肋骨縁①にそって上から下に向けてこする。また、腹壁を上②、中③、下④の3つに分けて、腹壁皮膚を外側より内側に向けてこすり、刺激側の腹筋が収縮し、臍が刺激側へ動けば陽性である。陽性の場合、錐体外路系の障害により消失する。【判定】刺激側の腹筋が収縮し、臍が刺激側へ動けば陽性である。

1.〇 T5~6である。
2.× T6~9である。
3.× T9~11である。
4.× T11~L1である。
5.× L1~2である。

 

 

第45回共通 午前62問

62.反射と反射中枢との組合せで正しいのはどれか。

1.下顎反射:C1ー3
2.上腕二頭筋反射:C3、4
3.上腕三頭筋反射:C6ー8
4.膝蓋腱反射:T12、L1
5.アキレス腱反射:L3、4

解答3

解説
1.× 下顎反射は、「C1ー3」ではなくである。軽く口を開かせて、下顎のオトガイ部に検者の左母指あるいは示指を当て、その指の上を叩打する。下顎が上昇すれば亢進。
2.× 上腕二頭筋反射は、「C3、4」ではなくC5ー6である。上肢を軽度外転させ、肘をやや屈曲位にして、前腕を回内外中間位にする。上腕二頭筋付着部近くに検者の母指を当て、その上を叩打する。肘関節屈曲が起これば反射出現(+)。
3.〇 正しい。上腕三頭筋反射は、C6ー8(主にC7)である。前腕部をつかみ肘を軽く屈曲位にして、肘頭上部の上腕三頭筋腱部を直接叩打する。肘関節伸展が起これば反射出現(+)。
4.× 膝蓋腱反射は、「T12、L1」ではなくL2ー4である。①背臥位、②座位、③増強法と3種類検査法があり、判定は、膝関節の伸展が起これば反射出現(+)である。
5.× アキレス腱反射は、「L3、4」ではなくS1ー2である。背臥位検査や膝立ち位の検査法があり、判定は、足関節の底屈が起これば反射出現(+)である。

 

 

 

 

 

 

第53回共通 午前61問

反射と脳神経の組合せで正しいのはどれか。

1.角膜反射:視神経
2.対光反射:動眼神経
3.前庭動眼反射:三叉神経
4.下顎反射:顔面神経
5.咽頭反射:副神経

解答:2

解説
1.× 角膜反射は、視神経ではなく、【求心性神経】三叉神経‐【遠心性神経】顔面神経である。
2.〇 正しい。対光反射は、【求心性神経】視神経‐【遠心性神経】動眼神経である。
3.× 前庭動眼反射は、三叉神経ではなく、【求心性神経】前庭神経(内耳神経)‐【遠心性神経】動眼神経、外転神経である。
4.× 下顎反射は、顔面神経ではなく、【求心性神経】【遠心性神経】ともに三叉神経である。
5.× 咽頭反射は、副神経ではなく、【求心性神経】舌咽神経‐【遠心性神経】迷走神経である。

 

 

 

第55回共通 午前68問

68 体温調節の中枢で正しいのはどれか。

1.中脳
2.扁桃体
3.視床下部
4.小脳虫部
5.補足運動野

解答
解説
1.× 中脳は、なめらかな動きを可能にする錐体外路性運動系の重要な中継所を含むほか、対光反射、視聴覚の中継所、眼球運動反射、姿勢反射(立ち直り反射)、γ運動ニューロン活動抑制、歩行リズムの中枢を司る。
2.× 扁桃体は、情動反応の処理と記憶において主要な役割を持つ。
3.〇 正しい。視床下部は、体温調節の他にも、ストレス応答摂食行動睡眠覚醒など多様な生理機能を協調して管理する。
4.× 小脳虫部の損傷では、体幹失調・歩行時の動揺・構音障害・眼振などをきたす。
5.× 補足運動野は、自発的な運動の開始、異なる複数の運動を特定の順序に従って実行する、両手の協調動作などの役割を果たす。

 

 

第56回共通 午後65問

61 三叉神経が関与するのはどれか。

1.咽頭反射
2.角膜反射
3.咳反射
4.前庭眼反射
5.対光反射

解答

解説
1.× 咽頭反射は、【求心性神経】舌咽神経、【遠心性神経】迷走神経である。咽頭反射は、気管に異物が入らないようにするための反射で、咽頭後壁や舌根部を舌圧子などで刺激すると嘔吐が誘発される。
2.〇 正しい。角膜反射は、【求心性神経】三叉神経、【遠心性神経】顔面神経である。角膜反射とは、角膜にものが触れると眼を閉じる反射である。角膜への刺激は、両側の顔面神経核に伝わるため両目が閉じる。
3.× 咳反射は、【求心性神経】舌咽神経、【遠心性神経】迷走神経である。咳反射は、咽頭・喉頭・気管の粘膜にカテーテルなどで刺激を与えると咳嗽が誘発される反射である。
4.× 前庭眼反射は、【求心性神経】前庭神経(内耳神経)、【遠心性神経】動眼神経、外転神経である。前庭眼反射とは、外耳道への注水により眼振が誘発される反射である。
5.× 対光反射は、【求心性神経】視神経、【遠心性神経】動眼神経である。瞳孔反射の一つであり、光の強さにより瞳孔の直径を変化させ、網膜に届く光の量を調節する反射である。瞳孔の収縮の有無を観察する。

 

 

 

第57回共通 午前53問

53 深部反射と反射中枢の組合せで誤っているのはどれか。

1.上腕二頭筋反射:C5・6
2.上腕三頭筋反射:C7・8
3.腕橈骨筋反射:C8・Th1
4.膝蓋腱反射:L2~4
5.アキレス腱反射:S1・2

解答

解説

1.〇 正しい。上腕二頭筋反射は、C5・6(筋皮神経)である。上肢を軽度外転させ、肘をやや屈曲位にして、前腕を回内外中間位にする。上腕二頭筋付着部近くに検者の母指を当て、その上を叩打する。
2.〇 正しい。上腕三頭筋反射は、(C6)C7・8(橈骨神経)である。前腕部をつかみ、肘関節軽度屈曲位にて、肘頭上部の上腕三頭筋腱部を直接叩打する。
3.× 腕橈骨筋反射は、「C8・Th1」ではなく、「C5・6(橈骨神経)」である。手首をつかんで肘を軽く屈曲位にして、前腕を回内外中間位か、やや回内位にし、橈骨下端を直接に叩打する。
4.〇 正しい。膝蓋腱反射は、L2~4(大腿神経)である。①背臥位検査法、②座位検査、③増強法がある。
5.〇 正しい。アキレス腱反射は、S1・2(脛骨神経)である。背臥位検査の他に、①両下肢の股関節を軽度屈曲、外転、外旋位にして、膝関節を軽度屈曲させて両踵をつける。検者は足関節を背屈位にしてアキレス腱部を叩打する方法、②一側下腿の前面に健側下腿をのせ、足関節を背屈位にしてアキレス腱部を叩打する方法がある。

 

 

第59回共通 午前54問

54 脳神経と支配筋の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。

1.動眼神経:眼輪筋
2.三叉神経:咬筋
3.顏面神経:広頸筋
4.舌咽神経:舌筋
5.副神経:側頭筋

解答2・3

解説

(※図引用:「イラストでわかる歯科医学の基礎 第4版 」永未書店HPより)

1.× 眼輪筋は、「動眼神経」ではなく顔面神経である。動眼神経とは、外側直筋と上斜筋以外の眼筋を支配する運動神経と、眼球内の瞳孔括約筋や毛様体筋を支配する副交感神経を含んでいる。
2.〇 正しい。咬筋は、三叉神経である。咀嚼筋とは、下顎骨の運動(主に咀嚼運動)に関わる筋肉の総称である。咀嚼筋は一般的に、咬筋、側頭筋、外側翼突筋、内側翼突筋の4種類が挙げられる。三叉神経とは、咀嚼運動にかかわる脳神経である。三叉神経は、主に咀嚼筋の咀嚼運動と顔面の皮膚感覚を司る。運動神経と感覚神経を含む。
3.〇 正しい。広頸筋は、顏面神経である。広頸筋とは、頚部、鎖骨下方の皮膚を上に引き、筋膜を緊張させる筋肉である。【起始】下顎骨縁、【停止】下顎骨縁である。顔面神経とは、表情筋の運動、涙腺や口蓋腺などの分泌作用制御の副交感神経、および味覚を司る感覚神経を含む混合神経である。したがって、顔面神経の障害により、顔面表情筋の障害、角膜反射低下、聴覚過敏、味覚低下(舌前2/3)、涙分泌低下、唾液分泌低下などが起こる。
4.× 舌筋は、「舌咽神経」ではなく舌下神経である。舌下神経とは、舌の運動を支配する運動神経である。一方、舌咽神経とは、知覚・運動・分泌を受けもつ混合神経で、舌の後部3分の1の感覚や咽頭筋の運動を支配する。 また分泌線維は耳下腺に分布し、唾液の分泌を司る。 鼓室粘膜の知覚もこの神経が支配する。
5.× 側頭筋は、「副神経」ではなく三叉神経である。咀嚼筋とは、下顎骨の運動(主に咀嚼運動)に関わる筋肉の総称である。咀嚼筋は一般的に、咬筋、側頭筋、外側翼突筋、内側翼突筋の4種類が挙げられる。副神経とは、僧帽筋や胸鎖乳突筋など、首を動かす筋肉に分布する運動神経である。

 

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