第56回(R3) 理学療法士/作業療法士 共通問題解説【午後問題61~65】

 

61 三叉神経が関与するのはどれか。

1.咽頭反射
2.角膜反射
3.咳反射
4.前庭眼反射
5.対光反射

解答

解説
1.× 咽頭反射は、【求心性神経】舌咽神経、【遠心性神経】迷走神経である。咽頭反射は、気管に異物が入らないようにするための反射で、咽頭後壁や舌根部を舌圧子などで刺激すると嘔吐が誘発される。
2.〇 正しい。角膜反射は、【求心性神経】三叉神経、【遠心性神経】顔面神経である。角膜反射とは、角膜にものが触れると眼を閉じる反射である。角膜への刺激は、両側の顔面神経核に伝わるため両目が閉じる。
3.× 咳反射は、【求心性神経】舌咽神経、【遠心性神経】迷走神経である。咳反射は、咽頭・喉頭・気管の粘膜にカテーテルなどで刺激を与えると咳嗽が誘発される反射である。
4.× 前庭眼反射は、【求心性神経】前庭神経(内耳神経)、【遠心性神経】動眼神経、外転神経である。前庭眼反射とは、外耳道への注水により眼振が誘発される反射である。
5.× 対光反射は、【求心性神経】視神経、【遠心性神経】動眼神経である。瞳孔反射の一つであり、光の強さにより瞳孔の直径を変化させ、網膜に届く光の量を調節する反射である。瞳孔の収縮の有無を観察する。

 

 

 

 

 

 

62 交感神経および副交感神経の両方の刺激で促進されるのはどれか。

1.発汗
2.心拍
3.胃の蠕動
4.唾液腺分泌
5.立毛筋収縮

解答

解説
1.× 発汗は、交感神経優位で分泌活動が増加する。
2.× 心拍は、交感神経優位で増加する。
3.× 胃の蠕動は、副交感神経優位で増加する。
4.〇 正しい。唾液腺分泌は、交感神経優位でネバネバした唾液(粘液性)、副交感神経優位でサラサラ唾液(漿液性)が増加する。どちらの神経も分泌を促す。唾液腺は耳下腺・舌下腺・顎下腺の3つであり、いずれも副交感神経と交感神経の二重支配を受けている。
5.× 立毛筋収縮は、交感神経優位で収縮(鳥肌)となる。

 

 

 

 

 

63 伸張反射について誤っているのはどれか。

1.筋紡錘が筋の長さを検知する。
2.痙縮では伸張反射が低下する。
3.伸張反射は単シナプス反射である。
4.Ⅰa群神経線維はα運動神経に結合する。
5.錘外線維が伸ばされると錘内線維は活動を増す。

解答

解説

1.〇 筋紡錘が筋の長さを検知する。筋紡錘は、骨格筋の収縮を感知する感覚器(筋の長さとそれが変化する速さを感知する感覚器)であり、腱をたたいて骨格筋を急速に伸ばすと起こる筋単収縮(伸張反射)に関与する。
2.× 痙縮は、伸張反射が亢進する。痙縮は「腱反射亢進を伴った緊張性伸張反射(tonic stretch reflex)の速度依存性増加を特徴とする運動障害で、伸張反射の亢進の結果生じる上位運動ニューロン症候群の一徴候」と定義されている。痙縮は、上位運動ニューロン障害に生じる症状の一つであり、上位運動ニューロンによる抑制が効かなくなるために、伸張反射が出続けることで生じる。下位運動ニューロン障害では、痙縮は出現しない。
3.〇 伸張反射は、単シナプス反射である。伸張反射とは、外力により急に筋が引き伸ばされるとその筋が収縮する反射のことである。
4.〇 正しい。Ⅰa群神経線維は、α運動神経に結合する。筋紡錘が引き延ばされたことをⅠa群神経線維が伝え、a運動神経が筋を収縮させる。
5.〇 錘外線維が伸ばされると錘内線維(筋紡錘)は活動を増す。筋紡錘(錘内筋線維)は、筋力を出す錘外筋線維(いわゆる骨格筋)と平行になっており小さいのが特徴である。錘外筋線維は長いものでは30cmにもなるが、筋紡錘は1cm程度である。錘外筋線維が伸張されると筋紡錘(錘内筋線維)も伸張されて、感覚神経終末で受容器電位が発生する。

伸張反射とは?

単シナプス性である。筋紡錘に存在する一次終末から、Ⅰa群神経線維を介して、α運動神経にシナプスを形成する。伸張反射以外のほとんどの反射は多シナプス反射である。

詳しくはこちら↓

理学療法士国家試験 伸張反射についての問題5選「まとめ・解説」

 

 

 

 

 

 

64 心筋について正しいのはどれか。

1.平滑筋である。
2.単収縮は生じない。
3.ギャップ結合はみられない。
4.静止張力は骨格筋よりも大きい。
5.活動電位持続時間は約5msecである。

解答

解説
1.× 心筋は不随意筋であるが、平滑筋ではなく横紋筋である。筋組織は随意収縮が可能な骨格筋、不随意収縮の平滑筋と心筋の3種類に分けられる。
2.× 心筋の収縮は単収縮である。強縮は起こらない。1つの活動電位によって生ずる収縮を単収縮という。筋収縮の基本型は単収縮である。骨格筋では、単収縮が加重し融合すると収縮力の大きな強縮となる。なぜなら、骨格筋は活動電位の持続時間(不応期)が短いため。これは、円滑なポンプ作用を保つために重要である。
3.× ギャップ結合はみられる。ギャップ結合とは、細胞の介在板にみられる構造で、直径2nmの通路を隣接する細胞間で形成し、その通路をイオンや小分子が通過し、心筋の同期性収縮(繰り返される収縮のこと)に寄与していることである。これは心筋や平滑筋に見られ、この結合を介して興奮伝導が行われる。
4.〇 正しい。心筋の静止張力は、骨格筋よりも大きい。静止張力とは、筋が活動していなくても筋を伸展させるのに必要な力である。筋を引き延ばすためには筋の長さが長くなると大きな力が必要である。骨格筋の静止電位は、-70〜 -90mVに対して心筋の静止電位は、-80~ -115mVである。静止電位というのは興奮していない時の電位のことであり、静止電位がマイナスとなっているのはK+イオンチャンネルの透過性が比較的高いために生じている。
5.× 活動電位持続時間は、約5msecではなく、約500msec(約0.5sec)である。心筋活動電位はプラトー相を有することが特徴であり、このために活動電位の持続時間が非常に長いのが特徴である。心筋は、骨格筋や神経に比べて再分極相が非常に緩やかである。ちなみに、神経の活動電位持続時間は数msecである。

 

 

 

 

 

 

65 排便機構について正しいのはどれか。

1.骨盤神経は便意に関与する。
2.内肛門括約筋の弛緩は随意的に起こる。
3.排便反射は仙髄から抑制を受けている。
4.大腸の蠕動運動は縦走筋によって生じる。
5.外肛門括約筋は下腹神経の作用で弛緩する。

解答

解説
1.〇 正しい。骨盤神経は便意に関与する。便が直腸に入ることで直腸内壁が伸展すること(直腸壁伸展)で、その重さの刺激は骨盤神経を伝わり、仙髄の排便中枢→大脳に伝わり便意となる。
2.× 内肛門括約筋の弛緩は、随意的ではなく不随意的(平滑筋)に起こる。骨盤神経を介して置換する。ちなみに、随意的なのは外肛門括約筋(横紋筋)である。
3.× 排便反射の抑制は、大脳・脳幹の上位中枢から受けている。ちなみに、排便反射は、仙髄にて生じる。排便を我慢すると、排便抑制の刺激が骨盤神経、陰部神経に伝わり、内肛門括約筋、外肛門括約筋を緊張させ便意が消失する。
4.× 大腸の蠕動運動は、縦走筋ではなく、縦走筋輪状筋(主に輪状筋)によって生じる。輪状筋は食塊の口側で収縮し、肛門側で弛緩して食塊を肛門側に押し出す。ちなみに、縦走筋の収縮は、振り子運動で内容物を混和する。
5.× 外肛門括約筋は、下腹神経ではなく、陰部神経支配(体性神経支配)の作用で弛緩する。内肛門括約筋とは異なり、体性神経支配であるため意識化でコントロールが可能である。ちなみに、内肛門括約筋は、骨盤内臓神経(副交感神経支配)である。

排便の仕組み

①内肛門括約筋は、平滑筋、外肛門括約筋は随意筋よりなる。

②便が肛門の近くまでくると内肛門括約筋が弛緩するが、便が漏れないように随意的に外肛門括約筋を収縮させる。

③腹圧をかけることにより中枢から陰部神経に指令が伝わり、随意筋の外肛門括約筋が弛緩し排便に至る。

 

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