第56回(R3) 理学療法士/作業療法士 共通問題解説【午後問題56~60】

 

56 体性感覚神経の一次ニューロンの細胞体があるのはどれか。

1.延髄
2.視床
3.脊髄後角
4.大脳皮質
5.脊髄後根神経節

解答

解説

 体性感覚性神経系には、触覚・固有覚(位置覚と振動覚)を伝える後索・内側毛帯路と、温痛覚(温度覚と痛覚)を伝える脊髄視床路の二つの伝導路がある。どちらの伝導路も、感覚受容器から大脳皮質に情報が伝わるまでに3種類のニューロンがかかわっている。このニューロンを末梢から順に一次・二次・三次ニューロンという。

①一次ニューロンは、脊髄後根神経節に細胞体があり、そこから末梢の感覚受容器と脊髄の両側に軸索を伸ばしている。触覚・固有覚の経路(後索・内側毛帯路)では、一次ニューロンは脊髄に入ると同側の後索を上行する。第六胸髄以下のニューロンは後索の内側寄りにある薄束を通る。それより上のニューロンは後索の外側にある楔状束を通る。一次ニューロンは、延髄に入るとそれぞれ薄束核、楔状束核と呼ばれる神経核でシナプスを形成しニューロンを交代する。

②二次ニューロンは、延髄で交叉(左右のニューロンが入れ替わる)し、内側毛帯と呼ばれる束になってさらに上行して視床の後外側腹側核(VPL核)に入り、三次ニューロンとシナプスを形成する。

③三次ニューロンは、視床から大脳の内包後脚を通り、頭頂葉の中心後回(ブロードマンの脳地図の3,1,2野)にある感覚野に至る(参考:Wikiより)。

したがって、選択肢5.脊髄後根神経節が正しい。すべての感覚神経(体性感覚)の一次ニューロンの細胞体は、脊髄後根神経節に存在する。

1.3.× 延髄/脊髄後角は、二次ニューロンである。
2.4.× 視床/大脳皮質は、三次ニューロンである。

まとめ

痛みの伝導路は、侵害受容器(神経細胞一次ニューロン)が痛み刺激を受けた後、 →脊髄後角(二次ニューロン)→視床(三次ニューロン)→大脳皮質へ伝導される。

 

 

 

 

 

 

57 橈骨神経が支配する筋はどれか。2つ選べ。

1.肘筋
2.回外筋
3.背側骨間筋
4.方形回内筋
5.短母指外転筋

解答1・2

解説
1.〇 正しい。肘筋の支配神経は、橈骨神経である。
2.〇 正しい。回外筋の支配神経は、橈骨神経深枝である。
3.× 背側骨間筋の支配神経は、尺骨神経である。
4.× 方形回内筋の支配神経は、正中神経である。
5.× 短母指外転筋の支配神経は、正中神経である。

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58 動脈と脈拍の触知部位との組合せで正しいのはどれか。

1.総頚動脈:胸鎖乳突筋の前縁
2.上腕動脈:上腕二頭筋腱の外側縁
3.橈骨動脈:前腕掌側面の内側近位部
4.大腿動脈:鼠径部の腸腰筋の外側
5.足背動脈:外果の後方

解答

解説
1.〇 正しい。総頚動脈は、胸鎖乳突筋の前縁(頚部の前外側)で触知する。
2.× 上腕動脈は、上腕二頭筋腱の外側縁ではなく、上腕遠位部の上腕二頭筋腱の内側(肘関節肘窩:上腕前面の尺側)で触知する。
3.× 橈骨動脈は、前腕掌側面の内側近位部ではなく、前腕遠位側の橈側で行う。
4.× 大腿動脈は、鼠径部の腸腰筋の外側ではなく、大腿三角(Scarpa三角)内の縫工筋の内側で触診する。大腿三角(Scarpa三角)とは、鼠径靭帯・縫工筋・長内転筋である。腸腰筋は触診するのは困難であるが、大腿動脈は腸腰筋内側に位置している。
5.× 足背動脈は、外果の後方ではなく、足背の長母指伸筋腱と長指伸筋腱の間で触知する。

 

 

 

 

 

 

59 尿路について正しいのはどれか。(※不適切問題:解なし)

1.膀胱の粘膜は扁平上皮である。
2.内尿道括約筋は横紋筋からなる。
3.尿管内部には逆流防止弁がある。
4.成人の膀胱の最大容量は約1,200mLである。
5.成人の初発尿意は膀胱容量300~350mLで生じる。

解答 なし(採点対象から除外する。)
理由:選択肢に正解がないため。

解説
1.× 膀胱の粘膜は、扁平上皮ではなく、移行上皮である。扁平上皮は、硬膜粘膜、直腸、膣・子宮頸部などにみられる。移行上皮は膀胱粘膜の伸縮性が部位に対応する。蓄尿・排尿の容積変化に応じて上皮層の厚さが変化する。
2.× 内尿道括約筋は、横紋筋ではなく平滑筋からなる。尿道括約筋は、下腹神経の刺激により収縮する不随意筋であり、排尿を抑制する。ちなみに、外尿道括約筋は陰部神経支配の随意筋(横紋筋)であり、収縮することで排尿を抑制する。
3.× 尿管内部に逆流防止弁は存在しない。尿管は膀胱壁を斜めに貫くが、この構造が弁の働きをし、膀胱内の尿が尿管に逆流するのを防いでいる。これを受動的逆流防止機構という。また、能動的逆流防止機構というものもあり、排尿時の膀胱三角部筋・尿管縦走筋の収縮と尿管周囲の鞘による固定で尿の逆流を防ぐ。
4.× 成人の膀胱の最大容量は、約1,200mLではなく、約800mLである。成人では、平均して300~500mLで最大尿意に達する。
5.× 成人の初発尿意は、膀胱容量300~350mLではなく、100~150mLである。さらに尿意を我慢すると300~500mLで最大尿意に達する。

 

 

 

 

 

 

60 DNAに含まれないのはどれか。

1.アデニン
2.ウラシル
3.グアニン
4.シトシン
5.チミン

解答

解説

 DNAは、アデニンとチミン、グアニンとシトシンが結合している。したがって、選択肢2.ウラシルがDNAに含まれない。ちなみに、ウラシルとは、伝令RNA<mRNA>のヌクレオチドを構成する塩基である。伝令RNA<mRNA>は、3個の塩基の組み合わせが1つの暗号(コドン)の単位を形成する。そのとき、RNAはチミンがなく、代わりにウラシルがある。ヌクレオチドとは、5炭糖(リン酸・デオキシリボース)、塩基(グアニン・チミン・アデニン・シトシンの中のいずれか1つ)より構成される核酸の最小単位のことである。

 

2 COMMENTS

大川 純一

コメントありがとうございます。
詳しくは「有料記事」の方で書いてまして、ここでお答えすると良く思わない方がいると思います。
ヒントとしましては、「一次ニューロン」の細胞体を答える問題です。

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