【共通のみ】腎・泌尿器(解剖)についての問題「まとめ・解説」

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※問題の引用:厚生労働省より

※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。

MEMO

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【共通問題のみ】排尿・排便(過程・神経)についての問題「まとめ・解説」

第37回共通 15問

誤っている組合せはどれか。

1.膀胱尖:正中臍索
2.膀胱底:内尿道口
3.膀胱三角:粘液腺
4.内尿道括約筋:横紋筋
5.排尿筋:骨盤内臓神経

解答4

解説
1.〇 正中臍索とは、正中線上で臍と「膀胱尖」との間を走る腹膜ヒダである。
2.〇 膀胱底には、「内尿道口」と2つの尿管口が存在する。
3.〇 膀胱三角には「粘液腺」が存在する。他の部分にはない。
4.× 内尿道括約筋は、「横紋筋」ではなく平滑筋である。外尿道括約筋は横紋筋である。
5.〇 骨盤(内臓)神経は副交感神経であり、これは排尿を促す。

 

 

 

第41回共通 18問

成人で正しいのはどれか。

1.腎の中央部はほぼ第1腰椎の高さに位置する。
2.腎の長径は約20cmである。
3.尿管の長さは約5cmである。
4.膀胱頸は恥骨結合より高い位置にある。
5.女性の尿道は約20cmである。

解答1

解説
1.〇 腎の中央部は、ほぼ第1腰椎の高さに位置する。腎はTh12~L3の高さにあり、臥位と立位で約3cm移動する。左腎の方がやや大きく高位にある。
2.× 腎の長径は、「約20cm」ではなく約10cmである。ちなみに、幅径約5cm、厚さ約3cmである。
3.× 尿管の長さは、「約5cm」ではなく、約25cmから30cmである。
4.× 膀胱頸は恥骨結合より「高くなく」、低い位置にある。膀胱頸は、膀胱の下端に位置している。
5.× 女性の尿道は男性の「約20cm」より短く3cm程度である。特に女性は尿道が短いため、男性よりも膀胱炎を起こしやすく、感染は膀胱からさらに尿管を経て上行し、腎盂、腎臓に及ぶこともある(腎盂腎炎)。

 

 

 

第45回共通 午前59問

59.正しいのはどれか。

1.右腎は左腎よりも高い位置にある。
2.集合管は腎門を通る。
3.腎杯はネフロンに含まれる。
4.尿細管は腎小体に含まれる。
5.Henle係蹄は尿細管に含まれる。

解答5

解説

ネフロン(腎単位)とは?

ネフロン(腎単位)とは、腎臓における尿生成の機能単位のことをいい、腎小体と尿細管で構成されている。

1.× 逆である。左腎右腎より高い位置にある。右側には肝臓があるため低くなる。
2.× 集合管は、「腎門」ではなく腎杯を通る。ちなみに、腎門には腎動静脈、リンパ管、尿管が通る。
3.× 腎杯は、ネフロンには含まれない。なぜなら、腎小体と尿細管を合わせてネフロン(糸球体から遠位尿細管までの部分)というため。ちなみに、糸球体とボーマン嚢を合わせて腎小体という。多数のネフロンは集合管に合流し、尿を腎杯に送る。腎臓の実質部分の外側を皮質、内側を髄質といい、皮質に腎小体が左右それぞれ約100万個ずつ存在する。
4.× 尿細管は、腎小体に含まれない。なぜなら、糸球体と糸球体嚢を合わせて腎小体というため。
5.〇 正しい。Henle係蹄は尿細管に含まれる。尿細管は、近位尿細管→Henle係蹄→遠位尿細管→集合管とつながる。

 

 

第47回共通 午前58問

尿生成の流れの方向として正しいのはどれか。

1.腎盤から腎杯へ
2.尿道から膀胱へ
3.尿管から髄質部集合管へ
4.遠位尿細管から皮質部集合管へ
5.近位曲尿細管からBowman囊へ

解答

解説

尿生成の流れ

尿は腎小体(糸球体→Bowman嚢)で濾過され、尿細管(近位尿細管→ヘンレのループ→遠位尿細管→集合管)を通り腎杯、腎盂 (腎盤)、尿管、膀胱、尿道へと流れていく。糸球体から遠位尿細管までの部分をネフロン(腎単位)という。

1.× 逆である。腎盤から腎杯へではなく、腎杯から腎盤へ注ぐ。
2.× 逆である。尿道から膀胱へではなく、膀胱から尿道へと流れる。膀胱は尿を蓄積する。
3.× 逆である。尿管から髄質部集合管へではなく、髄質部集合管から尿管へ流れる。尿は腎小体(糸球体→Bowman嚢)で濾過され、尿細管(近位尿細管→ヘンレのループ→遠位尿細管→集合管)を通り腎杯、腎盂 (腎盤)、尿管、膀胱、尿道へと流れていく。
4.〇 正しい。遠位尿細管から皮質部集合管へ流れる。尿細管(近位尿細管→ヘンレのループ→遠位尿細管→集合管)となる。
5.× 逆である。近位曲尿細管からBowman囊へではなく、Bowman囊から近位曲尿細管へ流れる。糸球体で濾過され Bowman嚢に注いだ尿は近位尿細管へと流れる。

 

 

 

第48回共通 午前60問

腎臓について正しいのはどれか。2つ選べ。

1.右腎は左腎より高い位置にある。
2.腎皮質は髄質に比べて薄紅白色を呈する。
3.腎小体は腎皮質にある。
4.尿細管はネフロンの構成要素である。
5.Henle係蹄は腎小体にある。

解答3,4

解説
1.× 逆である。左腎右腎より高い位置にある。右側には肝臓があるため低くなる。
2.× 逆である。髄質は、腎皮質に比べて薄紅白色を呈する。
3.〇 正しい。腎小体(糸球体とボーマン嚢を合わせて腎小体)は、腎皮質にある。
4.〇 正しい。尿細管は、ネフロン(腎単位)の構成要素である。ネフロン(腎単位)とは、腎臓における尿生成の機能単位のことであり、腎小体と尿細管で構成されている。
5.× Henle係蹄(ヘンレけいてい)は、腎小体ではなく、腎髄質にある。腎小体から近位尿細管→Henle係蹄→遠位尿細管へとつながる。腎小体(糸球体とボーマン嚢を合わせて腎小体)は、腎皮質にある。

 

 

 

第48回共通 午後59問

泌尿器について正しいのはどれか。

1.尿管口は膀胱尖に開く。
2.尿管内部には複数の逆流防止弁がある。
3.排尿筋には大内臓神経が分布する。
4.内尿道口は膀胱三角の中央に開く。
5.男性の尿道は前立腺を貫いている。

解答

解説
1.× 尿管口は膀胱尖に開かない。尿管口は膀胱底部に開口する。膀胱尖は膀胱頂部に位置する。
2.× 尿管内部に逆流防止弁は存在しない。尿管は膀胱壁を斜めに貫くが、この構造が弁の働きをし、膀胱内の尿が尿管に逆流するのを防いでいる。
3.× 排尿筋には大内臓神経でなく、骨盤神経が分布する。排尿には骨盤神経 (副交感神経)が、蓄尿には下腹神経(交感神経)が関わる。大内臟神経は肝臟・脾臓・胃・膵臓・腎臟など腹部の諸臟器に分布する交感神経である。
4.× 左右の尿管口と内尿道口の3点を結んだものが、膀胱三角と呼ばれている。
5.〇 正しい。男性の尿道は前立腺を貫いている。したがって男性は、加齢などにより、前立腺が肥大すると尿道が塞がってしまい、尿閉になる。

 

 

第51回共通 午後58問

58 泌尿器系について正しいのはどれか。

1. 尿は腎杯、腎盤、尿管の順に流れる。
2. 左腎動脈の方が右腎動脈より長い。
3. 左腎の方が右腎より低位にある。
4. 尿管は膀胱の前上面に開口する。
5. 腎は結腸の前方にある。

解答1

解説

1.〇 正しい。尿は腎杯腎盤尿管の順に流れ、膀胱に至る。
2.× 右腎動脈の方が左腎動脈より長い。なぜなら、腎動脈は、腹大動脈から直接分枝した動脈であるため。
3.× 右腎の方が左腎より低位にある。なぜなら、右側に肝臓があるため。
4.× 尿管は膀胱の「前上面」ではなく後面に開口する。なぜなら、開口部は膀胱底部にあるため。
5.× 腎は結腸の「前方」ではなく後方にある。なぜなら、腎臓は後腹膜臓器であるため。

 

 

 

第52回共通 午後59問

59 腎臓の解剖について正しいのはどれか。

1. 糸球体は腎髄質に位置する。
2. 輸出細動脈は集合管につながる。
3. ネフロンは糸球体と尿細管からなる。
4. 輸入細動脈はHenle係蹄につながる。
5. 腎乳頭はBowman囊に覆われている。

解答:3

解説

(※図引用:「イラストボックス様」より)

尿の流れ

腎小体(糸球体→Bowman嚢)で濾過され、尿細管(近位尿細管→ヘンレのループ→遠位尿細管→集合管)を通り腎杯、腎盂(腎盤)、尿管、膀胱、尿道へと流れていく。

1.× 糸球体は、「腎髄質」ではなく腎皮質に集まる。糸球体とは、腎臓に血液を送る動脈が徐々に細くなった先にある毛細血管の球形の塊である。糸球体は、腎臓の機能単位であるネフロンの一部で、腎臓の外側部分である腎皮質に集まっている。腎髄質は腎臓の内側部分で、集合管などが存在する。
2.× 輸出細動脈は、「集合管」ではなく糸球体につながる。輸出細動脈とは、糸球体の毛細血管が収束したものである。輸出細動脈は糸球体から出て、腎小体を構成する。糸球体とボーマン嚢を合わせて腎小体という。ちなみに、集合管につながるのは、遠位曲尿細管である。尿は、腎小体(糸球体→Bowman嚢)で濾過され、尿細管(近位尿細管→ヘンレのループ→遠位尿細管→集合管)を通り腎杯、腎盂(腎盤)、尿管、膀胱、尿道へと流れていく。
3.〇 正しい。ネフロンは糸球体と(遠位)尿細管からなる。ボーマン嚢から尿細管が出ており、腎小体と尿細管を合わせてネフロン(腎単位)という。左右の腎合わせて、約200万個のネフロンがある。
4.× Henle係蹄につながるのは、「輸入細動脈」ではなく「近位尿細管と遠位尿細管」である。ちなみに、輸入細動脈は糸球体を通り、輸血細動脈へとつながる血管系である。糸球体から血液がろ過された後、輸出細動脈が形成され、これが腎小管周りの毛細血管を形成する。
5.× Bowman嚢に覆われているのは、「腎乳頭」ではなく糸球体である。腎乳頭とは、腎臓の内側部分、腎髄質の先端に位置し、集合管から尿が集められ、腎盂へと移動する場所である。

 

 

 

 

 

第53回共通 午後58問

泌尿器の解剖について正しいのはどれか。

1.膀胱括約筋は平滑筋である。
2.膀胱尖には膀脈三角が位置する。
3.膀胱底は膀胱の前方に位置する。
4.尿管は総腸骨動脈の後方を通る。
5.尿管壁は粘膜と外膜の2層からなる。

解答:1

解説
1.〇 正しい。膀胱括約筋は平滑筋である。ちなみに、外尿道括約筋は横紋筋である。
2.× 膀胱尖ではなく、膀胱底に膀脈三角が位置する。膀胱尖の後方にある膀胱底に膀胱三角が位置する。膀胱三角とは、左右の尿管口と内尿道口に囲まれた部分である。
3.× 膀胱底は、膀胱の前方ではなく、後方に位置する。
4.× 尿管は総腸骨動脈の後方ではなく、前方を通る。
5.× 尿管壁は粘膜と外膜の2層ではなく、3層(粘膜と筋層、外膜)からなる。

 

 

第54回共通 午前57問

57. 腎臓で誤っているのはどれか。

1. 遠位尿細管は集合管につながる。
2. 尿細管は腎小体の尿管極に始まる。
3. Henle係蹄は小葉間静脈につながる。
4. Bowman嚢は糸球体を包んでいる。
5. 輸入細動脈は糸球体につながる。

解答

解説

1. 〇:正しい。遠位尿細管は集合管につながる。糸球体から遠位尿細管までの部分をネフロン(腎単位)といい、多数のネフロンは集合管に合流し、尿を腎杯に送る。
2. 〇:正しい。尿細管は腎小体の尿管極に始まる。連結部を尿管極という。
3. ×:Henle係蹄は、小葉間静脈につながらない。Henle係蹄は、尿細管の一部であり、腎小体から近位尿細管へとつながり、Henle係蹄を経て遠位尿細管へとつながる。小葉間静脈とは、尿細管周囲の毛細血管の先の静脈絡である。
4. 〇:正しい。Bowman嚢は糸球体を包んでいる。ちなみに、糸球体とBowman嚢を合わせて腎小体と呼ぶ。
5. 〇:正しい。輸入細動脈は糸球体につながる。その後、輸出細動脈へとつながる血管系である。

 

 

 

第55回共通 午後58問

58 泌尿器について正しいのはどれか。

1.尿管口は膀胱尖に開く。
2.尿管内部には逆流防止弁がある。
3.男性の尿道は女性に比べて短い。
4.男性の尿道は前立腺を貫いている。
5.内尿道口は膀胱三角の中央に開く。

解答
解説

膀胱は、①上部の膀胱尖、②下部の膀胱底、③中間部の膀胱体に区別されている。

1.× 尿管口は膀胱底部に開口する。膀胱尖は膀胱頂部に位置する。
2.× 尿管内部には逆流防止弁は存在しない。尿管は膀胱壁を斜めに貫くが、この構造が便の働きをし、膀胱内の尿が尿管に逆流するのを防いでいる。
3.× 男性の尿道は女性に比べて、「短い」のではなく長い。男性は約20cm、女性は約3cmである。
4.〇 正しい。男性の尿道は前立腺を貫いている。そのため、男性は加齢などにより前立腺が肥大すると尿道がふさがり尿閉となる。
5.× 左右の尿管口と内尿道口の3点を結んだものが膀胱三角と呼ばれている。そのため、内尿道口は膀胱三角の各点であり、中央に開くことはない。

 

 

 

第55回共通 午前67問

67 腎臓の排尿機構で正しいのはどれか。

1.Bowman嚢は集合管に接続する。
2.近位尿細管ではNaが再吸収される。
3.ネフロンは糸球体と近位尿細管から構成される。
4.糸球体ではアルブミンは水よりも濾過されやすい。
5.糸球体濾過量は健常成人では1日に1~1.5Lである。

解答
解説
1.× Bowman嚢は、「集合管に接続する」のではなく、近位尿細管へ接続する。尿は、腎小体(糸球体→Bowman嚢)で濾過され、尿細管(近位尿細管→ヘンレのループ→遠位尿細管→集合管)を通り腎杯、腎盂(腎盤)、尿管、膀胱、尿道へと流れていく。
2.〇 正しい。近位尿細管では、Naが再吸収される。各部位での再吸収されるものは、以下にまとめたので参考にしてください。
3.× ネフロンは、「糸球体と近位尿細管」ではなく、糸球体から遠位尿細管までの部分から構成される。ネフロンとは、腎臓における尿生成の機能単位である。
4.× 糸球体では、アルブミン(タンパク質)はろ過されず、再び体内に流される。よって、アルブミンより水の方が濾過されやすい。アルブミン(タンパク質)が尿と一緒に排出されてしまうことがあり、これを「尿タンパク」と言う。その結果、血中アルブミン濃度が低下し、低アルブミン血症を引き起こす。
5.× 糸球体濾過量(原尿)は健常成人では1日に、「1~1.5L」ではなく約150Lである。尿細管で99%が再吸収され、実際の尿量は1.5Lとなる。

尿細管で吸収されるもの

◎近位尿細管で再吸収されるもの
グルコース・アミノ酸・ビタミン・水・ナトリウムイオン・カリウムイオン・カルシウムイオン・リン酸イオン・重炭酸イオン

◎ヘンレループで再吸収されるもの
水・ナトリウムイオン・クロールイオン

◎遠位尿細管で再吸収されるもの
水(抗利尿ホルモンにより促進される)・ナトリウムイオン(アルドステロンにより促進される)

 

 

第56回共通 午後59問

59 尿路について正しいのはどれか。(※不適切問題:解なし)

1.膀胱の粘膜は扁平上皮である。
2.内尿道括約筋は横紋筋からなる。
3.尿管内部には逆流防止弁がある。
4.成人の膀胱の最大容量は約1,200mLである。
5.成人の初発尿意は膀胱容量300~350mLで生じる。

解答 なし(採点対象から除外する。)
理由:選択肢に正解がないため。

解説
1.× 膀胱の粘膜は、「扁平上皮」ではなく移行上皮である。扁平上皮は、硬膜粘膜、直腸、膣・子宮頸部などにみられる。移行上皮は膀胱粘膜の伸縮性が部位に対応する。蓄尿・排尿の容積変化に応じて上皮層の厚さが変化する。
2.× 内尿道括約筋は、「横紋筋」ではなく平滑筋からなる。尿道括約筋は、下腹神経の刺激により収縮する不随意筋であり、排尿を抑制する。ちなみに、外尿道括約筋は陰部神経支配の随意筋(横紋筋)であり、収縮することで排尿を抑制する。
3.× 尿管内部に逆流防止弁は存在しない。尿管は膀胱壁を斜めに貫くが、この構造が弁の働きをし、膀胱内の尿が尿管に逆流するのを防いでいる。これを受動的逆流防止機構という。また、能動的逆流防止機構というものもあり、排尿時の膀胱三角部筋・尿管縦走筋の収縮と尿管周囲の鞘による固定で尿の逆流を防ぐ。
4.× 成人の膀胱の最大容量は、「約1,200mL」ではなく約800mLである。成人では、平均して300~500mLで最大尿意に達する。
5.× 成人の初発尿意の膀胱容量は、「300~350mL」ではなく100~150mLである。さらに尿意を我慢すると300~500mLで最大尿意に達する。

 

 

 

第57回共通 午後57問

57 腎臓について正しいのはどれか。

1.腎錐体は皮質にある。
2.一側の重さは約300gである。
3.エリスロポエチンを分泌する。
4.左腎は右腎より約1.5cm下位にある。
5.安静時の腎血流は心臓から拍出される血液の約5%である。

解答

解説

1.× 腎錐体は、皮質ではなく「髄質」にある。腎乳頭は、髄質の腎門に向かって、円錐形を呈する8~16個の腎錐体があり、その突出している先端の事である。つまり、腎髄質が腎盂部分に乳頭上に突出した部分である。
2.× 一側の重さは、約300gではなく「約120~150g」である。大きさは縦10~12cm、横5~6cmのそら豆程度といわれる。左腎のほうが右腎と比べて少し高い位置にある。
3.〇 正しい。エリスロポエチンを分泌する。エリスロポエチンは、腎臓から分泌され、赤血球を増加(骨髄での赤血球新生の促進)させる。他にも血液上昇を促す。腎臓は他にレニンが産生される。
4.× 左腎は右腎より約1.5cm「下位」ではなく「上位」にある。肝臓があるからといわれている。
5.× 安静時の腎血流は、心臓から拍出される血液の約5%ではなく「約20%」である。ちなみに、他の数値は、脳:15%、心臓を栄養する冠動脈:5%、腹部臓器:35%、筋肉:15%、その他皮膚や骨:10%である。

 

 

 

 

第58回共通 午後57問

57.腎臓で正しいのはどれか。

1.糸球体は腎髄質に集まる。
2.輸出細動脈は集合管につながる。
3.ネフロンは糸球体と尿細管からなる。
4.輸入細動脈はHenle係蹄につながる。
5.腎乳頭はBowman嚢に覆われている。

解答

解説

(※図引用:「イラストボックス様」より)

尿の流れ

腎小体(糸球体→Bowman嚢)で濾過され、尿細管(近位尿細管→ヘンレのループ→遠位尿細管→集合管)を通り腎杯、腎盂(腎盤)、尿管、膀胱、尿道へと流れていく。

1.× 糸球体は、「腎髄質」ではなく腎皮質に集まる。糸球体とは、腎臓に血液を送る動脈が徐々に細くなった先にある毛細血管の球形の塊である。糸球体は、腎臓の機能単位であるネフロンの一部で、腎臓の外側部分である腎皮質に集まっている。腎髄質は腎臓の内側部分で、集合管などが存在する。
2.× 輸出細動脈は、「集合管」ではなく糸球体につながる。輸出細動脈とは、糸球体の毛細血管が収束したものである。輸出細動脈は糸球体から出て、腎小体を構成する。糸球体とボーマン嚢を合わせて腎小体という。ちなみに、集合管につながるのは、遠位曲尿細管である。尿は、腎小体(糸球体→Bowman嚢)で濾過され、尿細管(近位尿細管→ヘンレのループ→遠位尿細管→集合管)を通り腎杯、腎盂(腎盤)、尿管、膀胱、尿道へと流れていく。
3.〇 正しい。ネフロンは糸球体と(遠位)尿細管からなる。ボーマン嚢から尿細管が出ており、腎小体と尿細管を合わせてネフロン(腎単位)という。左右の腎合わせて、約200万個のネフロンがある。
4.× Henle係蹄につながるのは、「輸入細動脈」ではなく「近位尿細管と遠位尿細管」である。ちなみに、輸入細動脈は糸球体を通り、輸血細動脈へとつながる血管系である。糸球体から血液がろ過された後、輸出細動脈が形成され、これが腎小管周りの毛細血管を形成する。
5.× Bowman嚢に覆われているのは、「腎乳頭」ではなく糸球体である。腎乳頭とは、腎臓の内側部分、腎髄質の先端に位置し、集合管から尿が集められ、腎盂へと移動する場所である。

 

 

 

第59回共通 午後67問

67 近位尿細管における再吸収率が最も高いのはどれか。

1.水
2.グルコース
3.水素イオン
4.クレアチニン
5.ナトリウムイオン

解答

解説

(図引用: 泌尿器のしくみと働き

ネフロンでの再吸収

ネフロンは、糸球体、近位尿細管、ヘンレ係蹄、遠位尿細管、集合管に分けられる。

①近位尿細管:低分子物質の再吸収(アミノ酸は糸球体で濾過され、100%が近位尿細管で再吸収される)
②遠位尿細管:Na+の再吸収、K+、H+の分泌。
③集合管:水の再吸収など

1.5.× 水/ナトリウムイオンは、80%程度再吸収される。
2.〇 正しい。グルコースが、近位尿細管における再吸収率が最も高い。近位尿細管では、低分子物質が再吸収される。グルコース・アミノ酸は糸球体で濾過され、ほぼ99%が近位尿細管で再吸収される。
3.× 水素イオンは、尿細管からほとんど再吸収されない。なぜなら、血液から水素イオンが尿細管に移動するプロセスをたどるため。このプロセスは、分泌という。水素イオンは酸性であるため、尿pH(基準値 6.0前後)をつかさどる。尿pHが低く、酸性に傾くと糖尿病を疑い、アルカリ性の場合は尿路感染症を疑う。
4.× クレアチニンは、尿細管からほとんど再吸収されない。なぜなら、老廃物の一つ(タンパク質をエネルギーとして使ったあとの代謝最終産物)であるため。クレアチニンとは、筋肉を動かすためのエネルギーを使った後に出てくる老廃物の一つで、体にとって不要なもので、尿として体の外に出す必要がある。したがって、尿の成分の一つである。腎不全の指標となる。本来は、尿素窒素と同様に腎臓の糸球体で濾過され尿中に排泄されるが、腎臓の機能が低下すると尿中に排泄される量が減少し、血液中にクレアチニンが溜まる。

尿細管で吸収されるもの

◎近位尿細管で再吸収されるもの
グルコース・アミノ酸・ビタミン・水・ナトリウムイオン・カリウムイオン・カルシウムイオン・リン酸イオン・重炭酸イオン

◎ヘンレループで再吸収されるもの
水・ナトリウムイオン・クロールイオン

◎遠位尿細管で再吸収されるもの
水(抗利尿ホルモンにより促進される)・ナトリウムイオン(アルドステロンにより促進される)

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