【共通のみ】自律神経についての問題「まとめ・解説」

この記事には広告を含む場合があります。

記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。

 

※問題の引用:厚生労働省より

※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。

MEMO

・まとめてもらいたい問題や希望、漏れがあったらコメントください。

・当HPに「キーワード検索」の機能がありますので、そちらも積極的にお使いください。

第46回共通 午後63問

63.副交感神経の興奮によるものはどれか。

1.瞳孔散大
2.胆嚢弛緩
3.消化管蠕動抑制
4.気管支平滑筋収縮
5.外生殖器血管収縮

解答4

解説
1.× 瞳孔散大(瞳孔散大筋)は、交感神経の作用である。瞳孔括約筋は副交感神経の作用である。
2〜3.× 胆嚢弛緩/消化管蠕動抑制は、交感神経の作用である。
4.〇 正しい。気管支平滑筋収縮は、副交感神経の作用である。一方、交感神経の作用で気管を拡張させ、エネルギーを消費し臨戦態勢を作る。
5.× 外生殖器血管収縮は、交感神経の作用である。末梢血管に分類される。

 

 

 

 

第47回共通 午前62問

交感神経の興奮によって生じるのはどれか。2つ選べ。

1.気管支の拡張
2.筋血管の収縮
3.皮膚血管の収縮
4.涙腺分泌の亢進
5.消化腺分泌の亢進

解答1/3

解説

1.〇 正しい。気管支の拡張/皮膚血管の収縮は、交感神経の興奮によって生じる。交感神経と副交感神経は互いに拮抗性支配をしている。一般的に、交感神経は、攻撃的・興奮的になっている状態を反映し、副交感神経は安静状態を反映する。
2.× 筋血管の収縮は、副交感神経の興奮によって生じる。交感神経の興奮によって、筋血管の収縮は拡張する。なぜなら、運動時に血液を筋肉に送るための仕組み(骨格内血管拡張性交感神経線維)であるため。
4.× 涙腺分泌の亢進は、副交感神経の興奮によって生じる。交感神経の興奮によって、涙腺分泌は抑制する。
5.× 消化腺分泌の亢進は、副交感神経の興奮によって生じる。交感神経の興奮によって、消化腺分泌は抑制する。

 

 

 

第47回共通 午後64問

自律神経について正しいのはどれか。

1.興奮は不随意である。
2.精神的因子は関与しない。
3.体性内臓反射の求心路である。
4.副交感神経の節後線維は交感神経に比べて長い。
5.交感神経節前線維の伝達物質はノルアドレナリンである。

解答1

解説
1.〇 正しい。興奮は不随意である。不随意運動とは、本人の意思とは無関係に身体に異常な運動が起きることである。
2.× 精神的因子は関与する。精神的緊張状態、興奮状態で交感神経が働く。
3.× 体性内臓反射の「求心路」ではなく遠心路である。ちなみに、体性内臓反射とは、【求心路】が体性感覚神経、【遠心路】が自律神経系からそれぞれ構成される反射機構である。これは、皮膚に侵害性刺激(いわゆる痛み刺激)を加えると交感神経系の機能が亢進し、心拍数の増大、血圧の増加等が生じる反射である。
4.× 副交感神経の節後線維は交感神経に比べて、「長い」のではなく短い。なぜなら、副交感神経系は節前線維を受ける標的臓器の中にあることが多いため。節後線維はこの末梢神経節ニューロンの軸索であり、1~数mmとごく短い。一方、交感神経系の節後線維は、副交感神経系のそれよりも一般に長い走行路をとり、脊髄神経内を通り全身皮膚の立毛筋や汗腺に至るか、あるいは動脈壁を通り全身の諸内臓に分布する。
5.× 交感神経節前線維の伝達物質は、「ノルアドレナリン」ではなくアセチルコリンである。ちなみに、節後線維の伝達物質がノルアドレナリンである。

神経伝達物質

【アセチルコリン】
・交感神経の節前線維
・副交感神経の節前線維
・副交感神経の節後線維

【ノルアドレナリン】
・交感神経系の節後線維

 

 

第48回共通 午後62問

62 末梢神経について正しいのはどれか。

1.A群は最も太い。
2.B群は無髄である。
3.C群は有髄である。
4.交感神経節前線維はC群である。
5.交感神経節後線維はB群である。

解答1

解説

1.〇 正しい。A群は、最も太い。末梢神経は、①A→②B→③C順で太い。神経線維の直径が太いほど刺激に対する閾値は高く、活動電位の振幅は大きい
2.× B群は、「無髄」ではなく有髄である。ちなみにA群も有髄である。
3.× C群は、「有髄」ではなく無髄である。
4.× 交感神経節前線維は、「C群」ではなくB群である。
5.× 交感神経節後線維は、「B群」ではなくC群である。

神経伝達物質

【アセチルコリン】
・交感神経の節前線維
・副交感神経の節前線維
・副交感神経の節後線維

ノルアドレナリン
・交感神経系の節後線維

 

 

 

 

 

 

第48回共通 午後64問

副交感神経が交感神経より優位に働いたときの反応はどれか。

1.瞳孔散大
2.排尿筋弛緩
3.気管支収縮
4.心拍数増加
5.筋内血管拡張

解答

解説

1.× 副交感神経優位で、瞳孔散大ではなく、縮小する。
2.× 副交感神経優位で、排尿筋弛緩ではなく、収縮する。
3.〇 正しい。副交感神経優位で、気管支収縮である。
4.× 副交感神経優位で、心拍数増加ではなく、減少する。
5.× 副交感神経優位で、筋内血管拡張ではなく、収縮する。末梢血管は拡張する。

 

 

 

第49回共通 午後64問

自律神経について正しいのはどれか。

1.交感神経刺激は膀胱を収縮させる。
2.交感神経刺激は心筋の収縮力を低下させる。
3.副交感神経刺激は消化管運動性を低下させる。
4.副交感神経刺激は唾液分泌を抑制する。
5.副交感神経刺激は縮瞳を引き起こす。

解答

解説

1.× 交感神経刺激は膀胱を、「収縮(排尿)」ではなく弛緩(蓄尿)させる。
2.× 交感神経刺激は心筋の収縮力を、「低下」ではなく増加させる。
3.× 副交感神経刺激は消化管運動性を、「低下」ではなく亢進させる。
4.× 副交感神経刺激は唾液分泌を、「抑制」ではなく促進する。
5.〇 正しい。副交感神経刺激は、縮瞳を引き起こす。

 

 

第50回共通 午後63問

63 副交感神経の作用はどれか。

1. 気管支の収縮
2. 心拍数の増加
3. 涙液の分泌抑制
4. 膵液の分泌抑制
5. 内肛門括約筋の収縮

解答1

解説

1.〇 正しい。副交感神経の作用は、気管支の収縮させる。
2.× 副交感神経の作用は、心拍数の「増加」ではなく減少させる。
3.× 副交感神経の作用は、涙液の分泌「抑制」ではなく促進する。
4.× 副交感神経の作用は、膵液の分泌「抑制」ではなく促進する。
5.× 副交感神経の作用は、内肛門括約筋の「収縮」ではなく弛緩させ排便を促す。

 

 

 

第51回共通 午後65問

65 副交感神経の作用はどれか。

1. 瞳孔散大
2. 発汗促進
3. 心拍数減少
4. 気管支の拡張
5. 消化液の分泌抑制

解答3

解説

1.× 瞳孔散大は、交感神経の作用である。
2.× 発汗促進は、交感神経の作用である。
3.〇 正しい。心拍数減少は、副交感神経の作用である。
4.× 気管支の拡張は、交感神経の作用である。
5.× 消化液の分泌抑制は、交感神経の作用である。

 

 

 

第52回共通 午後64問

交感神経の作用はどれか。

1. 瞳孔の縮小
2. 膀胱の収縮
3. 心拍数の減少
4. 気管支の拡張
5. 膵液の分泌促進

解答:

解説

1. ✖ 交感神経が興奮すると、瞳孔は散大する。
2. ✖ 交感神経が興奮すると、膀胱の弛緩(蓄尿)が起こる。
3. ✖ 交感神経が興奮すると、心拍数の増加が起こる。
4. 〇 正しい。交感神経が興奮すると、気管支の拡張が起こる。
5. ✖ 交感神経が興奮すると、消化液の分泌は減少する。

 

 

第53回共通 午後63問

副交感神経の作用で収縮する筋はどれか。

1.立毛筋
2.排尿筋
3.血管平滑筋
4.瞳孔散大筋
5.内肛門括約筋

解答:2

解説

1.× 立毛筋は、副交感神経が興奮すると、弛緩する。
2.〇 正しい。排尿筋は、副交感神経が興奮すると、収縮する。
3.× 血管平滑筋は、副交感神経が興奮すると、弛緩する。
4.× 瞳孔散大筋は、交感神経支配のみで収縮(散瞳)する。副交感神経支配は、瞳孔括約筋のみで収縮(縮瞳)ある。
5.× 内肛門括約筋は、副交感神経が興奮すると、弛緩する。内尿道括約筋も副交感神経で弛緩する。

 

 

 

第55回共通 午後68問

68 男性生殖器系で正しいのはどれか。

1.勃起中枢は腰髄にある。
2.陰茎海綿体神経は動脈収縮作用をもつ。
3.射精は副交感神経の作用を介して起きる。
4.性的刺激による勃起には辺縁系が関与する。
5.射精後の精子は女性の膣内で1週間程度生存する。

解答
解説
1.× 勃起中枢は、「腰髄」ではなく仙髄(S2~4)にある。
2.× 陰茎海綿体神経は、「動脈収縮作用」ではなく静脈収縮作用をもつ。陰茎海綿体神経は、陰茎の勃起組織を支配する神経である。勃起時には、動脈を弛緩、勃起組織に血液を流入させ、それと同時に静脈を収縮させることで、血液の逃げ道をなくし、勃起を起こす。
3.× 射精は、「副交感神経」ではなく交感神経(下腹神経)の作用を介して起きる。勃起は副交感神経の作用を介して起こる。陰部の刺激が陰部神経を介して、射精中枢を興奮させ、それが一定のレベルを超えると射精中枢から交感神経(下腹神経)に刺激が伝わる。
4.〇 正しい。性的刺激による勃起には辺縁系が関与する。性的刺激は大脳を経て、辺縁系の一部である視床下部で処理され、勃起中枢へ興奮が伝わる。
5.× 射精後の精子は女性の膣内で、「1週間程度」ではなく48~72時間生存する。なぜなら、女性の膣内は酸性に保たれているため。精子は酸性の環境に弱く、腟内の精子は射精後約30分で急速に運動性が失われ、受精能力がなくなる。精子自体、膣内でなければ1週間程度生存する。

 

 

 

第56回共通 午後62問

62 交感神経および副交感神経の両方の刺激で促進されるのはどれか。

1.発汗
2.心拍
3.胃の蠕動
4.唾液腺分泌
5.立毛筋収縮

解答

解説
1.× 発汗は、交感神経優位で分泌活動が増加する。
2.× 心拍は、交感神経優位で増加する。
3.× 胃の蠕動は、副交感神経優位で増加する。
4.〇 正しい。唾液腺分泌は、交感神経優位でネバネバした唾液(粘液性)、副交感神経優位でサラサラ唾液(漿液性)が増加する。どちらの神経も分泌を促す。唾液腺は耳下腺・舌下腺・顎下腺の3つであり、いずれも副交感神経と交感神経の二重支配を受けている。
5.× 立毛筋収縮は、交感神経優位で収縮(鳥肌)となる。

 

 

第57回共通 午前54問

54 自律神経作用と支配する節前ニューロンの起始レベルとの組合せで正しいのはどれか。

1.細気管支の収縮:頸髄
2.顔面の汗腺の発汗:延髄
3.消化管蠕動の亢進:腰髄
4.瞳孔散大筋の収縮:胸髄
5.内尿道括約筋の収縮:仙髄

解答

解説

(今井昭一:薬理学.標準看護学講座5、金原出版、1998より改変)

自律神経系

 自律神経系は、支配臓器に至るまでの間に1回ニューロンを変える。ニューロン交代の場を神経節といい、神経節より中枢側を節前線維、末梢側を節後線維という。交感神経は、節前線維が胸髄と腰髄から出る神経をいう。副交感神経は、中脳・延髄および仙髄から出る神経をいう。副腎は、交感神経節前線維によって直接支配される例外的な臓器である。中脳・延髄から出た節前線維は、第Ⅲ、Ⅶ、Ⅸ、Ⅹ脳神経を経て頭部、胸部、腹部内臓を支配する。仙髄から出た節前線維は、主として骨盤内臓器を支配する。

1.× 細気管支の収縮(副交感神経)は、頸髄ではなく「延髄」である。迷走神経により気管支の収縮を担っている。
2.× 顔面の汗腺の発汗(交感神経)は、延髄ではなく「上頸神経節」である。交感神経系から神経節を作っており脊髄の中間外側核(Th1~L2,3)が担っている。
3.× 消化管蠕動の亢進(副交感神経)は、腰髄ではなく「延髄」である。迷走神経により消化管蠕動の亢進を担っている。
4.〇 正しい。瞳孔散大筋の収縮(交感神経)は、「胸髄(上頸神経節)」である。瞳孔散大筋は、収縮することにより虹彩が外側に引っ張られ、瞳孔が拡大する。毛様脊髄中枢、交感神経(Th1)、頸部交感神経節から神経支配を受けている。
5.× 内尿道括約筋の収縮(交感神経)は、仙髄ではなく「腰髄」である。

 

 

 

第59回共通 午後63問

63 自律神経の二重支配を受けるのはどれか。

1.汗腺
2.膵臓
3.脾臓
4.立毛筋
5.副腎髄質

解答

解説

”二重支配一覧”

・血管(交:収縮、副:弛緩)
・涙腺(交:涙出ない、副:涙する)
・瞳孔(交:拡大、副:縮小)
・唾液腺(交:濃い、副:薄い)
・肺、気管(交:拡張、副:縮小)
・心臓(交:増加、副:減少)
・肝臓(交:分解、副:合成)
・膵臓(交:分泌減少、副:分泌増加)
・胃(交:消化抑制、副:消化促進)
・大腸~直腸(交:蠕動抑制、副:蠕動促進)
・膀胱(交:蓄尿、副:放尿)

1.× 汗腺(発汗)は、交感神経優位で分泌活動が増加する。
2.〇 正しい。膵臓は自律神経の二重支配を受ける。交感神経でインスリン分泌低下、副交感神経でインスリン分泌亢進を行う。
3.× 脾臓は、交感神経(大内臟神経)の支配を受ける。脾臓は、乳幼児期の血球(赤血球・白血球・血小板)産生の担い手である。また、古くなった血球を処分したり、血液を貯えたりする働きのほかに、リンパ球(白血球の一種)の産生や血液中の異物の処理など免疫に関する働きもする。
4.× 立毛筋(立毛筋収縮)は、交感神経優位で収縮(鳥肌)となる。
5.× 副腎髄質は、交感神経支配を受ける。副腎髄質から分泌されるホルモンは、①アドレナリン、②ノルアドレナリン、③ドーパミンがあり、これらを総称してカテコールアミンという。

 

 

 

 

第59回共通 午前63問

63 副交感神経の機能を持つのはどれか。

1.横隔神経
2.骨盤神経
3.舌下神経
4.内耳神経
5.肋間神経

解答

解説

(今井昭一:薬理学.標準看護学講座5、金原出版、1998より改変)

1.× 横隔神経とは、第四頚神経を中心に構成され、首から縦隔を通って横隔膜にいたる。横隔神経は、運動神経感覚神経交感神経の線維を含む。 横隔膜は、この神経のみで運動と感覚を支配されている。感覚神経は、腱中心からの情報を受け取る。胸郭においては、縦隔胸膜と心膜に枝を出す。
2.〇 正しい。骨盤神経は、副交感神経の機能を持つ。骨盤神経とは、排尿・排便・生殖器に関わる自律神経(副交感神経)である。内肛門括約筋を支配しており、排便の不随意的な制御に関わっている。ちなみに、内尿道括約筋を支配しており、不随意に尿を止める。
3.× 舌下神経とは、舌の運動を支配する運動神経である。
4.× 内耳神経とは、聴覚と平衡感覚を伝える感覚神経である。聴覚伝導路は、(内耳神経→蝸牛神経核(橋)→中脳下丘→視床→側頭葉)である。
5.× 肋間神経とは、12個ある胸椎の間から左右に対となって出て各肋骨の下を走り、胸壁と腹壁の筋肉や皮膚の運動知覚を司っている末梢神経である。内腹斜筋、外腹斜筋などを支配する。つまり、感覚神経と運動神経である。

(※図引用:「イラストでわかる歯科医学の基礎 第4版 」永未書店HPより)

 

 

 

第59回共通 午後62問

62 交感神経の節前線維で直接支配されるのはどれか。

1.肝臓
2.心臓
3.気管支
4.唾液腺
5.副腎髓質

解答

解説
1~4.× 肝臓/心臓/気管支/唾液腺は、交感神経・副交感神経の2重支配を受けている。自律神経系は、支配器官に至るまでの間に必ず1回ニューロンを変える。神経節とは、ニューロン交代の場をいう。節前線維とは、神経節より中枢側の神経線維の場合、節後線維とは、末梢側の神経線維をいう。
5.〇 正しい。副腎髓質は、交感神経の節前線維で直接支配される。副腎は、交感神経節前線維によって直接支配される例外的な臓器である。副腎とは、腎臓の上端に位置する臓器でホルモンを分泌する役割を担っている。副腎髄質から、①アドレナリン、②ノルアドレナリン、③ドーパミンがあり、これらを総称してカテコールアミンという。

(※図引用:「自律神経系|神経系の機能」看護roo!様HPより)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)