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※問題の引用:理学療法士国家試験 厚生労働省より
※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。
第47回 71問
足部の関節について正しいのはどれか。
1.中足間関節は縦アーチを形成する。
2.横足根関節は横アーチを形成する。
3.足根中足関節では回内外が起こる。
4.距骨下関節では内返しが起こる。
5.距腿関節は背屈位で関節の遊びが大きくなる。
解答4
解説
1.× 中足間関節は、縦アーチではなく横アーチを形成する。中足間関節は、中足骨どうしの関節で、横アーチは「第1~5中足骨頭」からなる。ちなみに、内側縦アーチは「踵骨-距骨-舟状骨-内側楔状骨-第1中足骨」からなる。外側縦アーチは「踵骨-立方骨-第5中足骨」からなる。
2.× 横足根関節は、横アーチと関係ない。横足根関節(ショパール関節)は、内側の距踵舟関節と外側の踵立方関節からなる。一方で、中足間関節は、中足骨どうしの関節で、横アーチは「第1~5中足骨頭」からなる。
3.× 足根中足関節では、回内・外ではなく、底・背屈が起こる。回内外は、横足根関節(ショパール関節)で起こる。ちなみに、足根中足関節(リスフラン関節)は、 3つの楔状骨と立方骨、中足骨からなる。
4.〇 正しい。距骨下関節では内返しが起こる。内返しの他にも、外・内転、外返し運動が起こる。
5.× 距腿関節は、背屈位ではなく底屈位で、関節の遊びが大きくなる。なぜなら、距骨滑車は後方よりも前方が広いため。
第46問 午前70問
正しいのはどれか。
1.凹足では主に横アーチが高くなる。
2.足の縦アーチは外側が内側よりも高い。
3.距腿関節は底屈位で遊びが小さくなる。
4.足根中足関節では主にすべり運動が生じる。
5.横足根関節は距舟関節と距骨下関節とからなる。
解答4
解説
1.× 凹足では主に横アーチではなく縦アーチが高くなる。凹(おう)足は、先天性ないし小児期に発症する神経疾患でみられる。足には1つの横アーチと2つの縦アーチがあり、凹(おう)足では縦アーチが高くなる。内側縦アーチだけが盛り上がる凹足と、内側・外側の両方の縦アーチが盛り上がる凹足がある。
2.× 足の縦アーチは内側が外側よりも高い。足のアーチ形成:①外側縦アーチは踵骨・立方骨・第5中足骨からなる。②内側縦アーチは踵骨・距骨・舟状骨・内側楔状骨・第1中足骨からなる。内側が外側よりも高い。
3.× 距腿関節は底屈位で遊びが小さくではなく、大きくなる。距骨滑車は後方よりも前方が広いため、距腿関節は背屈では安定性が高く、内・外転はできない。底屈位では遊びが大きく、内外転が可能である。
4.〇 正しい。足根中足関節では主にすべり運動が生じる。足根中足関節は足根骨(楔状骨・立方骨)と中足骨の間の平面関節であり、リスフラン関節と呼ばれる。平面関節であり主にすべりの運動が生じる。
5.× 横足根関節(ショパール関節)は、距踵舟関節と外側の踵立方関節からなる。距骨下関節とは、距踵関節のことである。
第49回 午後71問
足について正しいのはどれか。
1.距腿関節の運動軸は膝軸に対して内捻5~15°である。
2.舟状骨は外側縦アーチを構成している。
3.背屈運動により果間距離は拡大する。
4.Lisfranc関節では内外旋が生じる。
5.Böhler角は40~50°である。
解答3
解説
1.× 距腿関節の運動軸は膝軸に対して、内捻5~15°ではなく、外捻20~30°である。
2.× 舟状骨は外側縦アーチではなく、内側縦アーチを構成している。内側縦アーチは、踵骨・距骨・舟状骨・内側楔状骨・第1中足骨からなる。外側縦アーチは、踵骨・立方骨・第5中足骨からなる。
3.〇 正しい。背屈運動により果間距離(内果と外果の距離)は拡大する。なぜなら、距骨滑車が前方に広い形状をしているため。
4.× Lisfranc関節(リスフラン関節)では、内外旋ではなく、わずかに底屈・背屈と内転・外転が生じる。なぜなら、強靭な靭帯で連結されているため。
5.× Böhler角(ベーラー角:X線足部側面像で踵骨隆起の上端と踵骨の上方頂点を結ぶ線、および、踵骨の上方頂点と前距骨関節面の先端を結ぶ線がなす角)は、40~50°ではなく、20~30°である。
第48回 午前72回
足部の運動で正しいのはどれか。
1.外がえしには長母指伸筋が関与する。
2.後脛骨筋は立位で横アーチの維持に働く。
3.距腿関節では足関節背屈位で内外転が可能である。
4.内がえしの運動は第2趾の長軸を中心として生じる。
5.踵腓靱帯は距骨下関節における外がえしを制限する。
解答2
解説
1.× 外がえしには、長母指伸筋が関与しない。長母指伸筋は内返しに作用する。外がえしは、長腓骨筋・短腓骨筋が主に作用する。
2.〇 正しい。後脛骨筋は、立位で横アーチの維持に働く。後脛骨筋の停止部は、「舟状骨粗面、内側、中間、外側楔状骨、立方骨、第2~3中足骨底」であり、横アーチを形成している骨を吊り上げる形で横アーチの維持に働く。
3.× 距腿関節では、足関節背屈位ではなく、底屈位で内外転が可能である。なぜなら、距骨滑車の幅は後方よりも前方に広いため。
4.× 内がえしの運動は、第2趾の長軸ではなく、第1・第2中足骨間の中央線を中心として生じる。
5.× 踵腓靱帯は、距骨下関節における外がえしではなく、内返しを制限する。踵腓靱帯は、足関節の外側を支えている。
第52回40問
部分損傷をきたした靱帯と強化すべき筋の組合せで適切なのはどれか。
1. 二分靱帯:後脛骨筋
2. 三角靱帯:短腓骨筋
3. 前脛腓靱帯:前脛骨筋
4. 前距腓靱帯:長腓骨筋
5. リスフラン靱帯:下腿三頭筋
解答:4
解説
内返し・外返しのどちらかの捻挫で損傷しやすい靭帯か整理しておく(例:内返し捻挫時は、足関節外側にある靭帯が損傷しやすい)。その拮抗する筋を強化する。
1.× 二分靱帯(Y靭帯)は、内返し捻挫時に損傷しやすい。そのため、外返し作用のある筋を鍛える必要がある。したがって、後脛骨筋ではなく主に長腓骨筋を鍛える。
2.× 三角靱帯(内側靭帯)は、外返し捻挫時に損傷しやすい。そのため、内返し作用のある筋を鍛える必要がある。そたがって、短腓骨筋ではなく主に後脛骨筋を鍛える。
3.× 前脛腓靱帯は、内返し捻挫時に損傷しやすい。そのため、外返し作用のある筋を鍛える必要がある。したがって、前脛骨筋ではなく主に長腓骨筋を鍛える。
4.〇 正しい。前距腓靱帯は、長腓骨筋を鍛える。なぜなら、前距腓靱帯は、外側靭帯の1つであり、底屈位にて内反力が加わったときに損傷が生じるため。強化訓練では、長・短腓骨筋を強化することで外反を強めて、外側靭帯の代償効果を目的とする。
5.× リスフラン靱帯は、足関節過底屈位で体重が乗り、足先からの外力で損傷しやすい。そのため、下腿三頭筋ではなく足関節背屈筋を鍛える。ちなみに、リスフラン靱帯は、第2中足骨と内側楔状骨を足背で連結して、アーチの保持に関与する。
第52回 午後73問
足部アーチについて正しいのはどれか。
1.外側縦アーチの要石は外側楔状骨である。
2.外側縦アーチは内側縦アーチよりも長い。
3.内側縦アーチは外がえしで高くなる。
4.内側縦アーチは中足指節関節の伸展時に高くなる。
5.足根骨部の横アーチで高い位置にあるのは立方骨である。
解説
内側縦アーチは、踵骨・距骨・舟状骨・内側楔状骨・第1中足骨からなる。
外側縦アーチは、踵骨・立方骨・第5中足骨からなる。
1.× 外側縦アーチの要石は、外側楔状骨でなく立方骨である。外側縦アーチは、踵骨-立方骨-第5中足骨で構成される。
2.× 逆である。内側縦アーチは外側縦アーチよりも長い。ちなみに、外側縦アーチは内側に比べて低く、長さも短い。足部のバランスに関与する。
3.× 内側縦アーチは、外がえしではなく、内返しで高くなる。外返しで低くなり、内返しで高くなる。なぜなら、内側縦アーチは、「土踏まず」を形成し、歩行時の衝撃吸収に重要な役割を持っているため。ちなみに、要石は舟状骨である。
4.〇 正しい。内側縦アーチは、中足指節関節の伸展時(背屈時)に高くなる。なぜなら、足底腱膜の緊張が高まるため。
5.× 足根骨部の横アーチで高い位置にあるのは、立方骨ではなく中間楔状骨である。ちなみに、足根骨部の横アーチは、内側・中間・外側楔状骨、立方骨で形成される。
第53回 午前73問
足の外側縦アーチを形成するのはどれか。2つ選べ。
1.踵骨
2.距骨
3.舟状骨
4.立方骨
5.中間楔状骨
解答:1,4
解説
外側縦アーチは、「踵骨-立方骨-第5中足骨」で構成されている。
よって、答えは、選択肢1.踵骨と4.立方骨である。
2.距骨は、内側縦アーチを形成する。
3.舟状骨は、内側縦アーチを形成する。ちなみに、内側縦アーチは、踵骨・距骨・舟状骨・内側楔状骨・第1中足骨からなる。
5.中間楔状骨は、横アーチを形成する。
覚えておこう!!
一般に足関節とは距腿関節のことを指し、脛骨の下関節面、内果関節面と腓骨の外果関節面および距骨滑車からなる蝶番関節であり、底屈・背屈運動を行う。
●横足根関節(ショパール関節)は、内側の距踵舟関節と外側の踵立方関節からなる。
●足根中足関節(リスフラン関節)は、 3つの楔状骨と立方骨、中足骨からなる。
●中足間関節は、中足骨どうしの関節であり、横アーチを形成する。ちなみに、内側縦アーチは、踵骨・距骨・舟状骨・内側楔状骨・第1中足骨からなる。外側縦アーチは、踵骨・立方骨・第5中足骨からなる。
●Böhler (ベーラー)角とは、X線足部側面像で踵骨隆起の上端と踵骨の上方頂点を結ぶ線、および、踵骨の上方頂点と前距骨関節面の先端を結ぶ線がなす角で、通常20~30°であり、踵骨骨折があると角度は減少する。
●舟状骨は内側縦アーチの最上部に存在する骨である。この足弓のかなめ石(key stone)と呼ばれる。