理学療法士国家試験 伝導路についての問題5選「まとめ・解説」

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※問題の引用:理学療法士国家試験 厚生労働省より
※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。

 

 

第46回 午前53回

外側皮質脊髄路が交叉するのはどこか。

1.放線冠
2.内包
3.中脳
4.延髄
5.脊髄

解答4

解説

外側皮質脊髄路 (錐体路・運動)

大脳皮質—放線冠—内包後脚—中脳の大脳脚—橋縦束―延髄で錐体交叉—脊髄の側索

1~3.5.× 放線冠/内包後脚/中脳大脳脚/脊髄は、外側皮質脊髄路(錐体路)であるが交叉しない
4.〇 正しい。延髄で外側皮質脊髄路が交叉する(錐体交叉)。

 

 

 

 

 

第47回 午前54問

外側皮質脊髄路について正しいのはどれか。2つ選べ。

1.後索を通る。
2.延髄で交叉する。
3.運動前野からの投射線維を含まない。
4.脊髄で前角細胞にシナプス結合する。
5.上肢に対応する線維は下肢に対応する線維よりも外側にある。

解答2,4

解説

外側皮質脊髄路 (錐体路・運動)

大脳皮質—放線冠—内包後脚—中脳の大脳脚—橋縦束―延髄で錐体交叉—脊髄の側索

1.× 後索は通らない。後索は、深部感覚と精密な触覚の伝導路である。振動覚、位置覚の経路は、「後根 ⇒ 後索(下肢からの線維は薄束を通って薄束核に終わり、上肢からの線維は楔状束を通って楔状束核に終わる) ⇒ 延髄(後索核) ⇒ 毛帯交叉 ⇒ 内側毛帯 ⇒ 視床後外側腹側核 ⇒ 感覚野」となる。
2.〇 正しい。延髄で交叉する。これを錐体交叉という。その後、対側の側索を下行する。
3.× 運動前野からの投射線維を含む。運動前野は、一次運動野に情報を与える。
4.〇 正しい。脊髄で前角細胞にシナプス結合する。脊髄で前角細胞にシナプス結合し二次ニューロンへ接続する。
5.× である。下肢に対応する線維は、上肢に対応する線維よりも外側にある。上肢に対応する線維は、脊髄の内側に走行しているため、中心性脊髄損傷が生じると上肢優位の麻痺が生じる。

 

 

 

 

 

第48回 午前55問

下行性の神経線維が通るのはどれか。

1.薄束
2.錐体
3.楔状束
4.内側毛帯
5.外側毛帯

解答

解説

1.3.× 薄束/楔状束は、脊髄後索にある。後索は、身体の振動覚・位置覚・微細な触覚の上行路である。
2.〇 正しい。錐体は、錐体路のひとつで延髄にある。錐体路は外側皮質脊髄路ともいい、運動の指令を大脳から全身に伝える経路である。つまり、錐体路は下行路である。
4.× 内側毛帯は、橋にある。内側毛帯は、意識できる深部感覚(位置覚・振動覚)の上行路である。
5.× 外側毛帯は、聴覚の伝導路のひとつで上行路である。

 

 

 

 

第46回 午後53問

温痛覚の伝導路はどれか。

1.前皮質脊髄路
2.後脊髄小脳路
3.前脊髄小脳路
4.前脊髄視床路
5.外側脊髄視床路

解答

解説

温痛覚は感覚神経→脊髄後角→外側脊髄視床路→後外側腹側核(視床) →後脚→大脳皮質体性知覚野へと伝わっていく。

1.× 前皮質脊髄路は、錐体路の一部である。
2.× 後脊髄小脳路は、下肢の筋固有覚と関節覚を伝える。
3.× 前脊髄小脳路は、下肢の深部感覚を伝える.
4.× 前脊髄視床路は、粗大な触覚・圧覚を伝える。
5.× 外側脊髄視床路は温痛覚を伝える。

 

 

 

 

 

第48回 午後55問

視覚の伝導路はどれか。

1.外側膝状体
2.レンズ核
3.放線冠
4.脳弓
5.下丘

解説

視覚の伝導路

視神経→視交叉→視索→外側膝状体→視放線→後頭葉(視覚野)

1.〇 正しい。外側膝状体は、視床の一部で視覚の中継核である。
2.× レンズ核(被殻と淡蒼球)とは、大脳基底核である。
3.× 放線冠は、内包を通る投射線維である。
4.× 脳弓は、海馬から乳頭体に至る有髄線維束である。
5.× 下丘は、中脳にある。聴覚の伝導路の一部である。

 

 

 

 

 

第52回 午後62問

四肢からの感覚神経伝導路について正しいのはどれか。

1. 触覚の線維は中脳で交叉する。
2. 圧覚の線維は脊髄視床路を通る。
3. 温度覚の線維は脊髄節で交叉する。
4. 一次ニューロンの細胞体は後角にある。
5. 痛覚の伝導路は延髄で二次ニューロンになる。

解答3

解説

1.× 触覚の線維は、中脳ではなく、脊髄で交叉する(白交連)。触覚は延髄で交叉(毛帯交叉)する経路(識別のある触覚と識別のない触覚の一部)と脊髄で交叉する経路(前脊髄視床路、識別のない触覚の一部)がある。
2.× 圧覚の線維は、脊髄視床路ではなく、前脊髄視床路を通る。脊髄視床路には、前脊髄視床路と外側脊髄視床路の2つがある。外側脊髄視床路は、温痛覚の線維の経路である。(問題文が不適当である)
3.〇 正しい。温度覚の線維は脊髄節で交叉する。温痛覚は、脊髄に入ってからすぐに対側へ交叉し、外側脊髄視床路を上行する。
4.× 一次ニューロンの細胞体は、後角ではなく、脊髄後根神経節(脊髄神経節)にある。
5.× 痛覚の伝導路は、延髄ではなく、脊髄後角で二次ニューロンになる。

 

 

 

 

 

第53回 午後55問

視神経から視覚野に至る視覚伝導路の順で正しいのはどれか。

1.視索→視交叉→視放線→外側膝状体
2.視索→視放線→外側膝状体→視交叉
3.視交叉→視索→外側膝状体→視放線
4.視放線 →視交叉→視索→外側膝状体
5.視交叉→外側膝状体→視索→視放線

解答:3

解説

視覚伝導路は、「視神経―視交叉―視索―外側膝状体―視放線―視覚野」となる。

よって、答えは選択肢3.視交叉→視索→外側膝状体→視放線となる。

 

 

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覚えておこう!!

伝導路一覧

・聴覚伝導路

蝸牛神経→蝸牛神経核→上オリーブ核→中脳下丘→内側膝状体→上側頭回

 

・視覚伝導路

視神経―視交叉―視索―外側膝状体―視放線―視覚野

 

 

・外側皮質脊髄路 (錐体路・運動)

大脳皮質—放線冠—内包後脚—中脳の大脳脚—橋縦束―延髄で錐体交叉—脊髄の側索

 

 

・前皮質脊髄路(錐体路の一部・運動)

大脳皮質—放線冠—内包後脚—中脳の大脳脚—橋縦束—延髄—交叉せずに脊髄前索を下降(10~25%程度)

重要事項①延髄で交差せずに同側に下降すること、②支配はL2まで。

 

 

・前脊髄視床路(粗大な触覚・圧覚)

感覚神経→脊髄後角→(交叉)→脊髄前索→視床→後脚→大脳皮質体性知覚野

 

 

・外側脊髄視床路(温痛覚・粗大触圧覚)

感覚神経→脊髄後角→(交叉)→脊髄側索→視床→後脚→大脳皮質体性知覚野

 

さらに詳しくまとめた記事になります。

神経伝導路を1から分かりやすく解説します。

2 COMMENTS

大川 純一

コメントありがとうございます。
第48回の問54は、このページで紹介していません。
他の問題のことでしょうか?
また質問文をもう少し詳細を書いていただけたら幸いです。
第48回の問54の選択肢2が「錐体路交差」で書き間違えているのでしょうか?

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