第50回(H27) 理学療法士/作業療法士 共通問題解説【午前問題71~75】

この記事には広告を含む場合があります。

記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。

 

71 前腕の回内に働く筋はどれか。

1. 深指屈筋
2. 示指伸筋
3. 尺側手根屈筋
4. 橈側手根屈筋
5. 長橈側手根伸筋

解答4

解説

1.× 深指屈筋は、第2~5指の両指節間関節の屈曲に作用する。
2.× 示指伸筋は、示指の伸展に作用する。
3.× 尺側手根屈筋は、手関節の掌屈、尺屈に作用する。
4.〇 正しい。橈側手根屈筋は、手関節掌屈、橈屈、肘関節回内に作用する。ちなみに、前腕の回内に働く主な筋は、方形回内筋や円回内筋である。
5.× 長橈側手根伸筋は、手関節の背屈、橈屈に作用する。

 

苦手な方向けにまとめました。参考にしてください↓

【暗記用】上肢筋の起始・停止・作用・神経を完璧に覚えよう!

 

 

 

 

 

72 基本肢位からの股関節の運動とそれに作用する筋の組合せで正しいのはどれか。2 つ選べ。

1. 外旋 — 大殿筋
2. 伸展 — 腸腰筋
3. 内転 — 中殿筋
4. 屈曲 — 大腿二頭筋
5. 屈曲 — 大腿筋膜張筋

解答1/5

解説

1.〇 正しい。大殿筋は、股関節伸展・外旋・外転、上部:内転、下部:骨盤の下制に働く、
2.× 腸腰筋は、「股関節伸展」ではなく、股関節屈曲・外旋に働く。
3.× 中殿筋は、「股関節内転」ではなく、股関節外転、前部:内旋、後部:外旋に働く。
4.× 大腿二頭筋は、「股関節屈曲」ではなく、股関節伸展・外旋、膝関節屈曲に働く。
5.〇 正しい。大腿筋膜張筋は、股関節屈曲・内旋・外転、膝関節伸展に働く。

 

苦手な方向けにまとめました。参考にしてください↓

【暗記用】下肢筋の起始・停止・作用・神経を完璧に覚えよう!

 

 

 

 

 

73 足部の運動で正しいのはどれか。2 つ選べ。

1. 第三腓骨筋は内がえしに作用する。
2. 長母指伸筋は外がえしに作用する。
3. 長腓骨筋は横アーチの維持に作用する。
4. 長指屈筋は内側縦アーチの維持に作用する。
5. 後脛骨筋は外側縦アーチの維持に作用する。

解答3/4

解説

1.× 第三腓骨筋は、「内がえし」ではなく、足関節背屈・外返しに作用する。
2.× 長母指伸筋は、「外がえし」ではなく、足関節背屈・母趾の伸展に作用する。
3.〇 正しい。長腓骨筋は、横アーチの維持に作用する。立方骨外側から第一中足骨へ横方向の張力が働くことにより横アーチの維持に働く。ちなみに、踵骨・立方骨を底部より持ち上げることにより外側縦アーチの維持にも作用する。
4.〇 正しい。長指屈筋は、内側縦アーチの維持に作用する。ちなみに他にも内側縦アーチの維持は、前・後脛骨筋、長母指屈筋が作用している。
5.× 後脛骨筋は、「外側縦アーチの維持」ではなく、内側縦アーチの維持に作用する。外側縦アーチの維持は、長・短腓骨筋が作用する。

 

苦手な方向けにまとめました。参考にしてください↓

【PT/OT/共通】足関節の構造についての問題「まとめ・解説」

 

 

 

 

 

74 正常歩行時の重心移動幅の減少への関与が小さいのはどれか。

1. 骨盤傾斜
2. 二重膝作用
3. 膝関節の回旋
4. 骨盤の回旋運動
5. 骨盤の側方移動

解答3

解説

 重心位置の振幅が少ない歩行は、一般的に効率の良い歩行といわれる。重心移動幅の減少の5つの要素には、①骨盤回旋、②骨盤傾斜、③膝関節屈伸、④足関節の底背屈、⑤骨盤の側方移動があげられる。

 

1.〇 骨盤傾斜は、重心の上下移動を減らす。遊脚側が下方に5°傾斜する。
2.〇 二重膝作用(ダブルニーアクション)は、重心の上下移動を減らす。膝関節が1歩行周期に2回屈伸する作用の事である。踵接地時(一度目の膝屈曲時)の衝撃を軽減し、重心の上下移動を減らす。
3.× 膝関節の回旋(終末強制回旋運動:膝関節最終伸展時に脛骨が大腿骨に対し軽度の外旋運動を起こす現象)により、膝関節の安定性が増加する。しかし、歩行時の重心位置の振幅の関与は、選択肢の中から関与が小さい
4.〇 骨盤の回旋運動は、重心の上下移動を減らす。片側に4°両側合計8°回旋する。
5.〇 骨盤の側方移動は、重心の上下移動を減らす。片側に約3cm移動し、左右方向の重心移動の振幅を減らす。

類似問題です↓
【OT/共通】歩行周期についての問題「まとめ・解説」

 

 

 

 

 

75 疾患と病理変化の組合せで誤っているのはどれか。

1. Parkinson病 — 大脳白質の変性
2. 多発性硬化症 — 中枢神経の脱髄
3. Huntington病 — 線条体の変性
4. Alzheimer型認知症 — 大脳皮質の変性
5. 筋萎縮性側索硬化症 — 脊髄前角細胞の脱落

解答1

解説

1.× Parkinson病は、「大脳白質の変性」ではなく、中脳の黒質の変性・脱落である。大脳白質の変性は、加齢による現象であったり、認知症にみられる。
2.〇 正しい。多発性硬化症は、中枢神経の脱髄である。多発性の脱髄巣(空間的多発)が、寛解と再発を繰り返して(時間的多発)生じるのが特徴である。
3.〇 正しい。Huntington病は、線条体(尾状核・被殻)の変性である。
4.〇 正しい。 Alzheimer型認知症は、大脳皮質の変性である。ちなみに、白質も委縮する。
5.〇 正しい。筋萎縮性側索硬化症は、脊髄前角細胞の脱落である。他にも、脊髄前根や側索、前角の変性も見られる。

多発性硬化症とは?

 多発性硬化症は、中枢神経系の慢性炎症性脱髄疾患であり、時間的・空間的に病変が多発するのが特徴である。病変部位によって症状は様々であるが、視覚障害(視神経炎)を合併することが多く、寛解・増悪を繰り返す。視力障害、複視、小脳失調、四肢の麻痺(単麻痺、対麻痺、片麻痺)、感覚障害、膀胱直腸障害、歩行障害、有痛性強直性痙攣等であり、病変部位によって異なる。寛解期には易疲労性に注意し、疲労しない程度の強度及び頻度で、筋力維持及び強化を行う。脱髄部位は視神経(眼症状や動眼神経麻痺)の他にも、脊髄、脳幹、大脳、小脳の順にみられる。有痛性強直性痙攣(有痛性けいれん)やレルミット徴候(頚部前屈時に背部から四肢にかけて放散する電撃痛)、ユートホフ現象(体温上昇によって症状悪化)などが特徴である。若年成人を侵し再発寛解を繰り返して経過が長期に渡る。視神経や脊髄、小脳に比較的強い障害 が残り ADL が著しく低下する症例が少なからず存在する長期的な経過をたどるためリハビリテーションが重要な意義を持つ。

(参考:「13 多発性硬化症/視神経脊髄炎」厚生労働省様HPより)

 

2 COMMENTS

大川 純一

コメントありがとうございます。
ご指摘通り間違えておりました。
修正しましたのでご確認ください。
今後ともよろしくお願いいたします。

返信する

大川 純一 へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)