第47回(H24) 理学療法士/作業療法士 共通問題解説【午後問題61~65】

 

61 運動単位当たりの筋線維数が最も少ないのはどれか。

1.側頭筋
2.上腕二頭筋
3.虫様筋
4.前脛骨筋
5.腓腹筋

解答3

解説

運動単位とは?

運動単位とは、1つの運動神経が支配する筋線維のことである。筋によって支配する線維の数は異なる。
①粗大運動を行う筋:神経支配比が大きく、運動単位は大きい。
②精巧な運動を行う筋:神経支配比が少なく、運動単位は小さい。
ちなみに、神経支配比とは、1つの運動神経が支配する筋線維の数のことをいう。

1.× 側頭筋が最も少ないとはいえない。運動単位当たりの筋繊維数は、側頭筋:930である。ちなみに、側頭筋は咀嚼筋のひとつであり、下顎骨の拳上と後退に関わる。
2.× 上腕二頭筋が最も少ないとはいえない。運動単位当たりの筋繊維数は、上腕二頭筋:750である。
3.〇 正しい。虫様筋が、運動単位当たりの筋線維数が最も少ない。運動単位当たりの筋繊維数は、虫様筋:110である。虫様筋は、中手指節関節(MP関節)の遠位で深指屈筋の4本の腱から起こる筋であり、指の精巧な運動に関わる。
4.× 前脛骨筋が最も少ないとはいえない。運動単位当たりの筋繊維数は、前脛骨筋:610である。
5.× 腓腹筋が最も少ないとはいえない。運動単位当たりの筋繊維数は、腓腹筋:1720である。

 
 

苦手な方は参考にどうぞ↓

理学療法士国家試験 運動単位についての問題5選「まとめ・解説」

 

 

 

 

 

 

62 自原抑制について正しいのはどれか。

1.受容器は筋紡錘である。
2.単シナプス反射である。
3.効果器は同名筋である。
4.反射の中枢は中脳にある。
5.求心性神経はⅠa 群である。

解答3

解説

自原抑制とは?

自原抑制(自己抑制)とは、筋が過剰に収縮し、健にかかる張力が大きくなったときに腱紡錘(ゴルジ腱器官)がそれを感知し、その健の筋が弛緩しにかかる張力を小さくする反射である。動筋の抑制性2シナプス反射となる。Ⅰb線維による。

1.× 受容器は、筋紡錘ではなく、腱紡錘(ゴルジ腱器官)である。
2.× 単シナプス反射ではなく、抑制性2シナプス反射である。Ⅰb線維とα運動神経の間に抑制性介在ニューロンが存在する。ちなみに、 Ⅰα線維による伸張反射は、単シナプス反射である。
3.〇 正しい。効果器は同名筋である。ちなみに、自原抑制(自己抑制)のほかに、伸張反射の効果器も同名筋である。
4.× 反射の中枢は、中脳ではなく脊髄にある。
5.× 求心性神経は、Ⅰα群ではなく、Ⅰb群ある。

 

詳しくはこちら↓

理学療法士国家試験 伸張反射についての問題5選「まとめ・解説」

 

 

 

 

63 脊髄後索の損傷によって生じるのはどれか。2つ選べ。

1.部位覚障害
2.位置覚障害
3.温痛覚解離
4.振動覚障害
5.Babinski 徴候

解答2/4

解説

深部感覚の伝導路

【深部感覚(振動覚、位置覚)の伝導路】
後根 ⇒ 後索(下肢からの線維は薄束を通って薄束核に終わり、上肢からの線維は楔状束を通って楔状束核に終わる) ⇒ 延髄(後索核) ⇒ 毛帯交叉 ⇒ 内側毛帯 ⇒ 視床後外側腹側核 ⇒ 感覚野

1.× 部位覚障害は、複合感覚に属する。複合感覚とは、二点識別感覚、皮膚書字覚、立体認知、二点同時刺激識別感覚といった知覚を含む高度な感覚である。刺激の局在部位を識別する感覚である。
2.4.〇 正しい。位置覚障害/振動覚障害は、脊髄後索の損傷によって生じる。なぜなら、脊髄後索は、深部感覚(振動覚、位置覚)の伝導路に含まれるため。ちなみに伝導路は、後根 ⇒ 後索(下肢からの線維は薄束を通って薄束核に終わり、上肢からの線維は楔状束を通って楔状束核に終わる) ⇒ 延髄(後索核) ⇒ 毛帯交叉 ⇒ 内側毛帯 ⇒ 視床後外側腹側核 ⇒ 感覚野である。
3.× 温痛覚解離は、脊髄側索の前方を上行する。
5.× Babinski 徴候は、錐体路障害でみられる。錐体路は、大脳皮質運動野→放線冠→内包後脚→大脳脚→延髄→(錐体交叉)→脊髄側索→脊髄前角細胞という経路をたどる。

 

参考にどうぞ↓

神経伝導路を1から分かりやすく解説します。
理学療法士国家試験 伝導路についての問題5選「まとめ・解説」

 

 

 

 

 

 

64 自律神経について正しいのはどれか。

1.興奮は不随意である。
2.精神的因子は関与しない。
3.体性内臓反射の求心路である。
4.副交感神経の節後線維は交感神経に比べて長い。
5.交感神経節前線維の伝達物質はノルアドレナリンである。

解答1

解説
1.〇 正しい。興奮は不随意である。不随意運動とは、本人の意思とは無関係に身体に異常な運動が起きることである。
2.× 精神的因子は関与する。精神的緊張状態、興奮状態で交感神経が働く。
3.× 体性内臓反射の求心路ではなく、遠心路である。ちなみに、体性内臓反射とは、【求心路】が体性感覚神経、【遠心路】が自律神経系からそれぞれ構成される反射機構である。これは、皮膚に侵害性刺激(いわゆる痛み刺激)を加えると交感神経系の機能が亢進し、心拍数の増大、血圧の増加等が生じる反射である。
4.× 副交感神経の節後線維は交感神経に比べて、長いのではなく短い。なぜなら、副交感神経系は節前線維を受ける標的臓器の中にあることが多いため。節後線維はこの末梢神経節ニューロンの軸索であり、1~数mmとごく短い。一方、交感神経系の節後繊維は、副交感神経系のそれよりも一般に長い走行路をとり、脊髄神経内を通り全身皮膚の立毛筋や汗腺に至るか、あるいは動脈壁を通り全身の諸内臓に分布する。
5.× 交感神経節前線維の伝達物質は、ノルアドレナリンではなくアセチルコリンである。ちなみに、節後線維の伝達物質がノルアドレナリンである。

 

 

 

 

 

 

65 頸動脈洞反射で誤っているのはどれか。

1.徐脈になる。
2.血圧が低下する。
3.化学的刺激によって生じる。
4.求心路は舌咽神経を介する。
5.遠心路は迷走神経を介する。

解答3

解説

頸動脈洞反射とは?

頸動脈洞反射(ツェルマーク・へーリング反射)とは、頸動脈を刺激することにより生じる迷走神経反射のことである。脈拍を抑えることを目的として利用されることがある(頸動脈洞マッサージ)。つまり、副交感神経優位になる。
求心路:舌咽神経
遠心路:迷走神経

1~2.〇 徐脈になる/血圧が低下する。なぜなら、副交感神経優位になるため。
3.× 化学的刺激ではなく、物理的刺激(圧刺激)によって生じる。頸動脈洞反射(ツェルマーク・へーリング反射)とは、頸動脈を刺激することにより生じる迷走神経反射のことである。頸動脈マッサージ、絞首などの物理的刺激(圧刺激)によって生じる。
4.〇 求心路は舌咽神経を介する。
5.〇 遠心路は迷走神経を介する。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)