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31 杖のチェックアウトについて正しいのはどれか。
1. ロフストランド杖の前腕支え位置は前腕近位1/3とする。
2. T字杖の握りは肘関節が45 度屈曲する位置とする。
3. 松葉杖の脇当て位置は腋窩から15 cm下方とする。
4. 杖の長さは病態によらず同じ方法で決める。
5. 杖先ゴムの状態確認は年に1回行う。
解答:1
解説
1.〇 正しい。ロフストランド杖の前腕支え位置は、前腕近位1/3とする。前腕での支持がしっかりでき、肘関節の屈伸を妨げない位置に設定する。
2.× T字杖の握りは肘関節が、「45度」ではなく30度屈曲する位置とする。足趾の先端の位置から、前方15cm、外側15cmに杖をつく。高さは、大転子の高さを目安とする。
3.× 松葉杖の脇当て位置は、「腋窩から15cm下方」ではなく腋窩から2.5~5cm(2~3横指分)下方とする。
4.× 杖の長さは、「病態によらず同じ方法で決める」のではなく、病態によって変化する。あくまで目安であるため、各使用者の特性に合わせて決めるべきである。例:圧迫骨折を伴い円背が強い患者(立位時の手掌と床の高さが短い患者)には杖を短く設定するなど。
5.× 杖先ゴムの状態確認は、「年に1回」ではなく2~3か月に1度は行う。ただ利用者の活動量により大きく左右されるため、こまめに点検して付け替える。
32 鵞足をつくるのはどれか。
1. 大腿二頭筋
2. 内側広筋
3. 半腱様筋
4. 腓腹筋
5. ヒラメ筋
解答:3
解説
鵞足は、①縫工筋・②薄筋・③半腱様筋で形成される。よって選択肢3. 半腱様筋が正しい。
苦手な人向けに、まとめました。
【共通のみ】筋の作るくぼみや溝、走行についての問題「まとめ・解説」
33 脳血管障害の評価として用いられる評価法について正しいのはどれか。
1. mRSの評価項目に筋緊張がある。
2. SIASの評価項目に意識障害がある。
3. GCSの評価項目に関節可動域がある。
4. NIHSSの評価項目にバランスがある。
5. Fugl-Meyer Assessment の評価項目に感覚機能がある。
解答:5
解説
1.✖ mRS(modified Rankin Scale)は、脳卒中患者の病態を評価する。「まったく症状なし(grade0)」から「死亡(grade6)」までの7段階で評価する。mRSの評価項目に筋緊張はない。
2.✖ SIASは、脳卒中の機能障害を評価する。評価項目に意識障害はない。
3.✖ GCSは、意識障害を評価する。意識障害のある患者を開眼機能(E)、言語機能(V)、運動機能(M)の3点から評価したもので、評価項目に関節可動域はない。
4.✖ NIHSS(National Institutes of Health Stroke Scale)は、脳卒中重症度評価スケールである。評価項目にバランスはない。評価項目は、意識水準、意識障害(質問・従命)、最良の注視、視野、顔面麻痺、上肢の運動左右、下肢の運動左右、運動失調、感覚、最良の言語、構音障害、消去現象と注意障害である。点数がADL障害を十分に反映しないことからmRS、SIASなどを併用することがある。ベッドサイドでできる簡便な評価法の1つである。正常が0点で、点数が高いほど重症である。
5.〇 正しい。Fugl-Meyer Assessment の評価項目に感覚機能がある。Fugl-Meyer Assessmentは、脳血管障害後の総合評価法であり、上肢・下肢の運動機能、感覚、バランス、関節可動域、疼痛を評価する。
※図: 日本版modified Rankin Scale(mRS)
補足記事です。参考にどうぞ。
SIASとは?評価方法や評価項目は?【分かりやすく解説します】
GCSについてしっかり覚えたい方用にまとめました。参考にしてください↓
34 Parkinson病で主にみられる徴候はどれか。2つ選べ。
1. 眼振
2. 突進現象
3. 動作時振戦
4. 歯車様固縮
5. ミオクローヌス
解答:2,4
解説
- 静止時振戦
- 寡動(無動)
- 筋強剛(固縮)
- 姿勢反射障害
1.5.× 眼振/ミオクローヌスは、いずれも見られない。ミオクローヌスとは、自分の意志とは無関係な運動を起こす不随意運動の一つである。
2. 〇 正しい。突進現象/歯車様固縮は、Parkinson病で主にみられる徴候である。姿勢反射障害により、やっと歩き出しの第一歩が出ても重心のコントロールができず、前方に突進するような状態の歩行を突進現象という。歯車様固縮とは、固縮の1つであり、関節を受動運動すると歯車様抵抗がみられる。
3. パーキンソン病でみられる振戦は、「動作時振戦」ではなく安静時振戦である。ちなみに、動作時振戦は、薬剤性Parkinson症候群にみられやすい。
35 Duchenne型筋ジストロフィーにみられる症状はどれか。
1. 踵足変形
2. 視力低下
3. 深部感覚障害
4. Babinski反射陽性
5. 下腿三頭筋仮性肥大
解答:5
解説
Duchenne型筋ジストロフィーでは、近位筋優位の筋力低下が特徴の一つであり、登はん起立、殿筋・腓腹筋の仮性肥大、動揺歩行を呈す。また、早期より下腿三頭筋の短縮による尖足やハムストリングスの短縮による膝関節屈曲拘縮がみられる。
1.× 「踵足変形」ではなく尖足変形である。なぜなら、下腿三頭筋の短縮がおこるため。
2~4.× 視力低下/深部感覚障害/Babinski反射陽性は、筋疾患であるためいずれもみられない。ちなみに、Babinski反射陽性の場合、上位運動ニューロン障害を疑う。
5.〇 正しい。下腿三頭筋(腓腹筋など)の仮性肥大は、Duchenne型筋ジストロフィーで見られる症状である。
- 幼児期から始まる筋力低下
- 動揺性歩行
- ガワーズ徴候
- 腓腹筋などの仮性肥大
類似問題です↓
【PT専門】筋ジストロフィーについての問題「まとめ・解説」