第59回(R6) 理学療法士/作業療法士 共通問題解説【午後問題91~95】

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91 筋萎縮性側索硬化症における典型的な筋電図検査所見で正しいのはどれか。

1.運動神経伝導検査における遠位潜時延長
2.感覚神経伝導検査における伝導ブロック
3.針筋電図検査における線維束攣縮の電位出現
4.反復刺激試験における漸減現象〈Waning〉
5.反復刺激試験における漸増現象〈Waxing〉

解答

解説

筋電図検査

筋電図検査とは、筋肉や神経に異常がないかについて、筋肉が収縮する時や神経を電気で刺激するなどの筋肉や神経の信号の伝わり方を記録する検査である。筋肉を随意的に収縮してもらったり、神経に電気的刺激をしたりすることにより、神経や筋肉に生じる電気的活動を記録する。この記録を評価することにより、神経や筋肉に疾患があるかを調べることができる。

・神経原性変化があると高振幅、長持続、多相性の波形に。
・筋原性変化があると低振幅、短持続、多相性の波形に。

1.× 運動神経伝導検査における「遠位潜時延長」は、絞扼性末梢神経障害で起こる。潜時とは、刺激を与えてからM波が立ち上がるまでの時間のことである。遠位の潜時の遅延があると、刺激部位より遠位での障害が考えられ、絞扼性末梢神経障害などの存在が示唆される。
2.× 「感覚神経」伝導検査における伝導ブロックは、脱髄性疾患(Guillain-Barré症候群)で起こる。ギラン・バレー症候群は、先行感染による自己免疫的な機序により、炎症性脱髄性ニューロパチーをきたす疾患である。一般的には細菌・ウイルスなどの感染があり、1~3週後に両足の筋力低下(下位運動ニューロン障害)や異常感覚(痺れ)などで発症する。感覚障害も伴うが、運動障害に比べて軽度であることが多く、他覚的な感覚障害は一般に軽度である。初期症状として、歩行障害、両手・腕・両側の顔面筋の筋力低下、複視、嚥下障害などがあり、これらの症状はピークに達するまでは急速に悪化し、時には人工呼吸器が必要になる。症状が軽い場合は自然に回復するが、多くの場合は入院により適切な治療(免疫グロブリン静注療法や血液浄化療法など)を必要とする。症状は6か月から1年程度で寛解することが多い。臨床検査所見として、①髄液所見:蛋白細胞解離(蛋白は高値,細胞数は正常)を示す。②電気生理学的検査:末梢神経伝導検査にて、脱神経所見(伝導ブロック、時間的分散、神経伝導速度の遅延、複合筋活動電位の低下など)がみられる。複合筋活動電位が消失あるいは著明な低下し、早期から脱神経所見を示す症例は、一般に回復が悪く機能的予後も不良である(※参考:「重篤副作用疾患別対応マニュアル ギラン・バレー症候群」厚生労働省様HPより)。本問題で問われている筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、一次運動ニューロン(上位運動ニューロン)と二次運動ニューロン(下位運動ニューロン)が選択的にかつ進行性に変性・消失していく原因不明の疾患である。つまり、運動ニューロン病であり、感覚神経は影響を受けにくい
3.〇 正しい。針筋電図検査における線維束攣縮の電位出現は、筋萎縮性側索硬化症における典型的な筋電図検査所見である。なぜなら、筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、上・下位の運動ニューロンのみが障害されるため。線維束攣縮とは、小さく、かつ局所的な、皮膚下に観察することが可能な不随意な筋肉の収縮及び弛緩運動である。
4.× 反復刺激試験における漸減現象〈Waning〉は、重症筋無力症で起こる。重症筋無力症とは、末梢神経と筋肉の接ぎ目(神経筋接合部)において、筋肉側の受容体が自己抗体により破壊される自己免疫疾患のこと。全身の筋力低下、易疲労性が出現し、特に眼瞼下垂、複視などの眼の症状をおこしやすいことが特徴(眼の症状だけの場合は眼筋型、全身の症状があるものを全身型と呼ぶ)。嚥下が上手く出来なくなる場合もある。重症化すると呼吸筋の麻痺をおこし、呼吸困難を来すこともある。日内変動が特徴で、午後に症状が悪化する。クリーゼとは、感染や過労、禁忌薬の投与、手術ストレスなどが誘因となって、急性増悪し急激な筋力低下、呼吸困難を呈する状態のことである。直ちに、気管内挿管・人工呼吸管理を行う。【診断】テンシロンテスト、反復誘発検査、抗ACh受容体抗体測定などが有用である。【治療】眼筋型と全身型にわかれ、眼筋型はコリンエステラーゼ阻害 薬で経過を見る場合もあるが、非有効例にはステロイド療法が選択される。胸腺腫の合併は確認し、胸腺腫合併例は、原則、拡大胸腺摘除術を施行する。難治例や急性増悪時には、血液浄化療法や免疫グロブリン大量療法、ステロイド・パルス療法が併用される。(※参考「11 重症筋無力症」厚生労働省HPより)
5.× 反復刺激試験における漸増現象〈Waxing〉は、Lambert-Eaton症候群(ランバート・イートン症候群)で起こる。Lambert-Eaton症候群とは、肺小細胞癌を高頻度に合併する傍腫瘍性神経症候群で、神経終末部のアセチルコリン(Ach)の放出障害をその病態の基盤とする神経筋接合部・自律神経疾患である。四肢筋力の易疲労性を生じ、筋の反復運動により筋力が増強する(waxing現象)のがみられる。

”筋萎縮性側索硬化症とは?”

 筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、主に中年以降に発症し、一次運動ニューロン(上位運動ニューロン)と二次運動ニューロン(下位運動ニューロン)が選択的にかつ進行性に変性・消失していく原因不明の疾患である。病勢の進展は比較的速く、人工呼吸器を用いなければ通常は2~5年で死亡することが多い。男女比は2:1で男性に多く、好発年齢は40~50歳である。
【症状】3型に分けられる。①上肢型(普通型):上肢の筋萎縮と筋力低下が主体で、下肢は痙縮を示す。②球型(進行性球麻痺):球症状(言語障害、嚥下障害など)が主体、③下肢型(偽多発神経炎型):下肢から発症し、下肢の腱反射低下・消失が早期からみられ、二次運動ニューロンの障害が前面に出る。
【予後】症状の進行は比較的急速で、発症から死亡までの平均期間は約 3.5 年といわれている。個人差が非常に大きく、進行は球麻痺型が最も速いとされ、発症から3か月以内に死亡する例もある。近年のALS患者は人工呼吸器管理(非侵襲的陽圧換気など)の進歩によってかつてよりも生命予後が延長しており、長期生存例ではこれらの徴候もみられるようになってきている。ただし、根治療法や特効薬はなく、病気の進行に合わせて薬物療法やリハビリテーションなどの対症療法を行うのが現状である。全身に筋萎縮・麻痺が進行するが、眼球運動、膀胱直腸障害、感覚障害、褥瘡もみられにくい(4大陰性徴候)。終末期には、眼球運動と眼瞼運動の2つを用いたコミュニケーション手段が利用される。

(※参考:「2 筋萎縮性側索硬化症」厚生労働省様HPより)

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92 先天性心疾患の中で頻度が高いのはどれか。

1.三尖弁狭窄症
2.動脈管開存症
3.肺動脈狭窄症
4.心室中隔欠損症
5.心房中隔欠損症

解答

解説

(※図引用:「看護roo!看護師イラスト集」より)

先天性心疾患病型別頻度

1位:心室中隔欠損症(VSD):56%
(※VSD+他の左-右短絡:4%)
2位:肺動脈狭窄症(PS):9.6%
3位:心房中隔欠損症:5.3%
4位:Fallot(ファロー)四徴症:4.5%
(※参考:「小児科の病気:先天性心疾患」徳洲会グループ様HPより)

1.× 三尖弁狭窄症は、患者数は全国で約500人である。三尖弁狭窄症とは、三尖弁口が狭小化することによって、右房から右室への血流が妨げられる病態である。 原因はほぼ全例でリウマチ熱で、症状として①頸部のはためくような不快感、②疲労、③皮膚冷感、④右上腹部不快感などがある。
2.× 動脈管開存症は、約2,000人に1人の頻度である。動脈管開存症とは、胎児期に開存している大動脈と肺動脈間に存在する動脈管が出生後も自然閉鎖せず開存状態を維持した疾患である。つまり、出生後に動脈管が自然閉鎖しない病気である。大動脈から肺動脈への短絡が生じ、管が大きいと左心系の容量負荷になる。出生後は肺動脈圧が下がるため、胎児期とは逆に大動脈から肺動脈へ血液が流れるようになり、肺の血流が増加する。したがって、典型例では、ピークがⅡ音に一致した漸増・漸減型で、高調・低調両成分に富む荒々しい雑音(machinery murmur)が左第2肋間を中心に聴取される。
3.× 肺動脈狭窄症は、心臓の先天性心疾患の8〜10%(第2位)である。肺動脈弁狭窄症とは、肺動脈流出路が狭小化することによって、収縮期の右室から肺動脈への血流が妨げられる病態である。ほとんどの症例が先天性であり、多くは成人期まで無症状である。徴候としては漸増漸減性の駆出性雑音(例:II音の分裂開大およびP2の遅延、粗い)などがある。診断は心エコー検査による。症状がみられる患者と圧較差が大きい患者には、バルーン弁形成術が必要である。
4.〇 正しい。心室中隔欠損症は、先天性心疾患の中で頻度が高い(約6割)。心室中隔欠損症とは、心室を隔てる壁に穴が開いているため血液の交通が生じる病気である。欠損を通る血液は左心室から右心室へ流れ、肺動脈に血液が多く流れることにより、肺うっ血や肺高血圧を引き起こす。多呼吸や陥没呼吸という呼吸器症状がみられ、哺乳不良や体重増加不良などの心不全症状が生じる。心室中隔欠損症の症状として、①肺動脈に血液が多く流れることにより、肺に血液がうっ滞する現象である「肺うっ血」や肺動脈の血圧が上昇する「肺高血圧」という状態を引き起こす。それにより呼吸が苦しくなり、多呼吸(呼吸数の増加)や陥没呼吸(肋骨の下が凹む呼吸様式)という呼吸器症状が初めに見られ、呼吸が苦しいことで哺乳不良や体重増加不良へとつながる。これらの症状を心不全症状と呼ぶ。
5.× 心房中隔欠損症は、心臓の先天性心疾患の5%(第3位)である。心房中隔欠損症は、左心房と右心房を仕切る心房中隔に欠損孔と呼ばれる穴が開いている疾患である。自然に塞がらない大きな穴は手術で塞ぐが、近年はカテーテル経由で塞ぐ治療も保険診療でできるようになった。

 

 

 

 

93 感染症で正しいのはどれか。

1.疥癬はネズミによって媒介される。
2.帯状疱疹は麻疹と同じウイルスが原因で発症する。
3.ボツリヌス菌による食中毒は感染型である。
4.ポリオは血液を介して感染する。
5.レジオネラ症は空調設備が感染源となる。

解答

解説
1.× 疥癬は、「ネズミ」ではなくヒゼンダニによって媒介される。疥癬とは、接触感染で、疥癬虫(ヒゼンダニ)による皮膚の角層内感染症で、強い痒み、丘疹が特徴である。(※読み:かいせん)
2.× 帯状疱疹は、「麻疹」ではなく水疱瘡と同じウイルスが原因で発症する。帯状疱疹とは、身体の左右どちらか一方に、ピリピリと刺すような痛みと、これに続いて赤い斑点と小さな水ぶくれが帯状にあらわれる病気である。多くの人が子どものときに感染する水ぼうそうのウイルスが原因で起こる。
3.× ボツリヌス菌による食中毒は、「感染型」ではなく毒素型である。食餌性ボツリヌス症(ボツリヌス食中毒)は、食品中でボツリヌス菌が増殖し、産生された毒素を経口的に摂取することによって発症する毒素型食中毒である。ボツリヌス菌とは、土壌や水などの環境中に生息し、缶詰や瓶詰め真空パック食品で問題となることが多い。潜伏期間は12~36時間で、症状は眼症状、嚥下障害、四肢麻痺、呼吸筋麻痺・死亡などである。ちなみに、食中毒には大きく①感染型、②毒素型に分類され、①感染型食中毒とは、食品中に増殖した原因菌(サルモネラ属菌、リステリア・モノサイトゲネス、腸炎ビブリオ、エルシニア菌等)を食品とともに摂取した後、原因菌が腸管内でさらに増殖して発症する食中毒になる。一方、②毒素型は、食品中で原因菌が増えることで作り出される毒素を食品と一緒に摂取することで食中毒となる。例えば、黄色ブドウ球菌やボツリヌス菌、セレウス菌(嘔吐型)である。
4.× ポリオは、「血液」ではなく経口(飲食物)を介して感染する。ポリオ〈急性灰白髄炎〉は、ポリオウイルスによって引き起こされ、伝播は主に経口(飲食物)を通じて感染するものである。ポストポリオ症候群は、ポリオの後遺症として60歳前後で筋力低下や手足のしびれ、疼痛などの症状が現れる障害である。ポリオウイルスによる急性灰白髄炎によって小児麻痺を生じた患者が、罹患後、数十年を経て新たに生じる疲労性疾患の総称であり、急性灰白髄炎後の症状には、筋力低下、筋萎縮、関節痛、呼吸機能障害、嚥下障害などの症状を呈する。筋力低下は急性期の小児麻痺で障害をみられなかった肢にも比較的高頻度で生じる。診断基準は、①ポリオの確実な既往があること、②機能的・神経学的にほぼ完全に回復し、15年以上も安定した期間を過ごせていたにも関わらずその後に疲労や関節痛、筋力低下などの症状が発現した場合である。
5.〇 正しい。レジオネラ症は空調設備が感染源となる。レジオネラ症とは、レジオネラ属菌による感染症である。 病型は、劇症型のレジオネラ肺炎と一過性のポンティアック熱の二つに分類される。 流行は季節によらず、中高年に多く発生している。レジオネラ肺炎は、全身倦怠感、頭痛、食欲不振、筋肉痛などの症状に始まり、咳や38℃以上の高熱、寒気、胸痛、呼吸困難が見られる。主な感染源は、レジオネラ属菌に汚染された循環式浴槽水、シャワー、ジャグジー、冷却塔水、加湿器などの人口環境水の目に見えないほど細かい水滴(エアロゾル)が主な原因となる。

感染経路と感染症

感染には、①接触感染、②空気感染、③飛沫感染がある。

①接触感染(例:流行性角結膜炎、疥癬、ノロウイルス感染症など)
(1)直接接触感染:感染者の皮膚粘膜との直接接触による伝播・感染する。
(2)間接接触感染:感染者の微生物で汚染された衣類、周囲の器物、環境などとの接触による伝播・感染する。

②飛沫感染(例:風疹、流行性耳下腺炎、 インフルエンザ、マイコプラズマ、百日咳など)
咳やくしゃみなどに伴って発生する飛沫(粒径5μm以上の粒子)が経気道的にヒトの粘膜に付着し感染する。飛散する範囲は1m以内であることが特徴。

③空気感染(例:結核、水痘、麻疹など)
飛沫核 (粒径5μm未満の粒子に付着した微生物)が長期間空中を浮遊し、これを吸い込むことで感染が伝播・感染する。

(※参考:「医療施設等における感染対策ガイドライン」厚生労働省様HPより)

 

 

 

 

 

94 転移性骨腫瘍で正しいのはどれか。

1.頭蓋骨に好発する。
2.前立腺癌では溶骨性転移が多い。
3.高率に低カルシウム血症をきたす。
4.痛みには温熱療法が第一選択となる。
5.造骨性の骨転移では病的骨折は少ない。

解答

解説

転移性骨腫瘍とは?

骨転移とは、転移性骨腫瘍ともいい、がん細胞が血液の流れで運ばれて骨に移動し、そこで増殖している状態のことをいう。骨転移は、どんながんでもおきる可能性がある。乳がん、前立腺がん、肺がんなどが、骨に転移しやすい。骨転移には、3種類(①溶骨型、②造骨型、③混合型)あげられ、①溶骨型骨転移がおきると、骨が弱くなり、痛みがでたり、ちょっとしたことで骨折してしまうことがある。

1.× 「頭蓋骨」ではなく体幹部(脊柱・骨盤・肋骨)に好発する。他にも大腿骨や上腕骨に転移しやすい。
2.× 前立腺癌では、「溶骨性」ではなく造骨性転移が多い。骨転移には、3種類(①溶骨型、②造骨型、③混合型)あげられる。溶骨型とは、骨が溶けてしまうタイプのことで、造骨型とは、骨を造るタイプでのことである。前立腺癌は、造骨性転移に分類される。
3.× 高率に「低」ではなくカルシウム血症をきたす。なぜなら、腎臓や肺、卵巣のがん細胞が、副甲状腺ホルモンと同様にカルシウムの血中濃度を上げるタンパク質を大量に分泌することがあるため。副甲状腺ホルモンとは、副甲状腺から分泌され、腎臓のカルシウム再吸収およびリンの排泄促進作用などがあり、血中のカルシウム濃度を上昇させる。
4.× 痛みには、「温熱療法」ではなく薬物療法が第一選択となる。むしろ、悪性腫瘍に対し温熱療法は禁忌である。なぜなら、代謝が上がり増殖を促すため。ちなみに、温熱療法の禁忌は、①急性炎症、②悪性腫瘍、③感覚障害と意識障害、④出血傾向、⑤循環障害・動脈硬化などである。いずれも本症例には当てはまらない。
5.〇 正しい。造骨性の骨転移では病的骨折は少ない。病的骨折は溶骨性転位が多い。ちなみに、病的骨折とは、骨の病変による強度低下が基盤となって、通常では骨折を起こすとは考えられない軽微な外力で生じる。

悪性腫瘍について

悪性腫瘍は、上皮性のものを「癌(癌腫)」、非上皮性のものを「肉腫」と呼ぶ。骨肉腫には、他の臓器に発生したがんが骨に転移する「転移性骨腫瘍」と、骨自体からがんが発生する「原発性骨悪性腫瘍」の2種類があり、後者は主に肉腫と呼ばれる腫瘍がほとんどである。

骨に腫瘍が転移する場合、溶骨型 (80%)と造骨型 (20%)がある。原発巣としては乳癌、前立腺癌、胃癌、甲状腺癌、肺癌などが多く、転移部位としては脊椎転移が多い。造骨型は、前立腺癌の骨転移の85%、乳癌の30%などとされる。ちなみに、転移性骨腫瘍では疼痛をコントロールすることが目標となる。骨痛に対しての鎮痛薬、放射線治療、ビスホスホネート系薬剤を用いる。

 

 

 

 

 

95 広範囲熱傷の病態と急性期治療で誤っているのはどれか。

1.高血糖になる。
2.全身浮腫を生じる。
3.輸液量を制限する。
4.基礎代謝量は増加する。
5.高蛋白の栄養療法にする。

解答

解説
1.4.〇 正しい。高血糖になる/基礎代謝量は増加する。熱傷は受傷直後より、ストレスホルモンや炎症性サイトカインの過剰産生(10~20倍に増加)によって、持続的な代謝亢進反応が生じ3~5年持続する。この反応により、高血糖や基礎代謝率の増加だけでなく、心拍出量、心筋酸素消費量、高度の脂肪分解および筋タンパク分解による異化亢進などが引き起こされる。
2.〇 正しい。全身浮腫を生じる。なぜなら、広範囲熱傷(全身性炎症反応)は、血管透過性が亢進し、循環血液量が減少、乏尿を伴う熱傷性ショックとなるため。浮腫とは、体液のうち間質液が異常に増加した状態を指す。主に皮下に水分が貯留するが、胸腔に溜まった場合は胸水・腹腔に溜まった場合は腹水と呼ばれる。軽度の浮腫であれば、寝不足や塩分の過剰摂取、長時間の起立などが要因で起きることがある。病的な浮腫の原因はさまざまだが、①血漿膠質浸透圧の低下(低アルブミン血症など)、②心臓のポンプ機能低下による血液のうっ滞(心不全など)、③リンパ管の閉塞によるリンパ液のうっ滞、④血管透過性の亢進(アナフィラキシーショックなど)に大別することができる。
3.× 輸液量を制限する「ことはない」。なぜなら、熱傷において初期に大量の体液が失われるため。適切な輸液療法が救命のカギなり、ときにはアルブミン液や乳酸リンゲル液などを1日に1万ml(一般の輸液ボトル20本分)以上も大量輸液することもある。
5.〇 正しい。高蛋白の栄養療法にする。なぜなら、受傷直後の熱傷患者は、代謝異化亢進状態(体の組織を壊してエネルギー源を得なければいけない状態)となるため。また、手術や感染症などにより代謝亢進やエネルギー消費が続く。したがって、体のあらゆる組織をつくるたんぱく質の栄養療法を実施する。

熱傷の分類

Ⅰ度:【深さ】表皮【症状】発赤、熱感、軽度の腫脹と疼痛、水泡形成(ー)【治癒】数日間、瘢痕とはならない。
Ⅱ度:【深さ】真皮浅層(SDB)【症状】強い疼痛、腫脹、水泡形成(水泡底は赤色)【治癒】1~2週間、瘢痕再生する。
Ⅱ度:【深さ】真皮深層(DDB)【症状】水泡形成(水泡底は白色、もしくは破壊)、知覚は鈍麻【治癒】3~4週間、瘢痕残す、感染併発でⅢ度に移行。
Ⅲ度:【深さ】皮下組織【症状】疼痛(ー)、白く乾燥、炭化水泡形成はない【治癒】一か月以上、小さいものは瘢痕治癒、植皮が必要。

 

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