第56回(R3) 理学療法士/作業療法士 共通問題解説【午前問題66~70】

 

66 膵液について正しいのはどれか。

1.酸性を示す。
2.脂肪分解酵素は含まれない。
3.膵液の主成分はインスリンである。
4.膵液分泌量は1日約300mLである。
5.セクレチンは膵液の分泌を促進させる。

解答

解説

膵液に含まれる消化酵素はトリプシン、キモトリプシン、ヌクレアーゼ、膵アミラーゼ、リパーゼである。トリプシンとキモトリプシンは蛋白を、ヌクレアーゼは核酸を、アミラーゼはデンプンと糖質を、リパーゼは脂質を分解する。

1.× 膵液は、弱アルカリ性(pH8程度)を示す。ちなみに、酸性は胃液である。胃の中で産生になっている内容物を中和する働きがある。
2.× 膵液に含まれるリパーゼは、脂肪分解酵素が含まれる。リパーゼは膵臓から消化液として分泌され、脂肪を分解して脂肪酸とグリセリンを生成させる酵素である。
3.× 膵液の主成分は、外分泌される消化酵素(トリプシン、キモトリプシン、ヌクレアーゼ、膵アミラーゼ、リパーゼ)である。膵臓のランゲルハンス島細胞からは、糖の代謝に必要なインスリン、グルカゴン、ソマトスタチンなどのホルモンが分泌される。これらは、膵内分泌ホルモンである。
4.× 膵液分泌量は、1日約800〜1000mLである。
5.〇 正しい。セクレチンは、膵液の分泌を促進したり、胃液の混じった酸性の粥状食物を中和させたりする作用がある。セレクチンは十二指腸粘膜の深部に位置するS細胞から分泌される。

 

 

 

 

 

 

67 蓄尿時に作用する体性運動神経はどれか。

1.陰部神経
2.下殿神経
3.下腹神経
4.骨盤神経
5.閉鎖神経

解答

解説

排尿中枢は、仙髄(S2~4)にあり、膀胱壁が拡張するとその知覚が排尿中枢に伝えられる。普段は大脳から蓄尿の指令が出ているが、排尿の命令が出ると陰部神経を介して外尿道括約筋が弛緩し、副交感神経を介して排尿筋が収縮する。

1.〇 正しい。陰部神経は、蓄尿時に作用する体性運動である、陰部神経が排尿中枢からの指令を受けて外尿道括約筋を収縮させることで蓄尿が可能となる。
2.× 下殿神経は、大殿筋の支配神経である。
3.× 下腹神経(交感神経)は、膀胱壁排尿筋を支配している。しかし、下腹神経(交感神経)が支配する膀胱壁排尿筋は、平滑筋であるため随意的なコントロールはできない。
4.× 骨盤神経(副交感神経)は、膀胱の収縮に作用するため、蓄尿ではなく排尿に関与しており、随意的なコントロールはできない。
5.× 閉鎖神経は、外閉鎖筋・長内転筋・短内転筋・小内転筋・大内転筋・薄筋の支配神経である。また、大腿内側の皮膚感覚を支配している。

 

 

 

 

 

 

68 副腎皮質ホルモンについて正しいのはどれか。

1.血糖値に影響しない。
2.ストレス時に変動しない。
3.早朝に分泌が最大となる。
4.ペプチドホルモンである。
5.アドレナリンから生合成される。

解答

解説

副腎皮質ホルモン

副腎皮質ホルモンには、①アルドステロン、②コルチゾール、③アンドロゲンがある。

1.× 血糖値に影響する。副腎皮質ホルモンであるコルチゾールアルドステロンは、血糖値を上昇させる作用がある。
2.× ストレス時に変動する。コルチゾールは、心身のストレスによって急激に分泌量が増加する。そのため、ストレスホルモンとも呼ばれている。循環動態およびエネルギー代謝の維持に関与する。
3.〇 正しい。副腎皮質ホルモンは、早朝に分泌が最大となり、夜には分泌が少なくなるのが一般的である。このリズムが崩れて、ストレスによって慢性的にコルチゾールの分泌量が増えると不眠症うつ病などのストレス関連疾患に繋がる場合が多い。
4.× 副腎皮質ホルモンは、ペプチドホルモンではなく、ステロイドホルモンである。ホルモンは①ペプチドホルモン、②ステロイドホルモン、③アミン・アミノホルモン、④糖タンパクホルモン、⑤その他の5つ分類される。①ペプチドホルモンは、成長ホルモン・インスリンなど大部分のホルモンが含まれる。②ステロイドホルモンは、副腎皮質ホルモンの他に性腺ホルモンも含まれる。コレステロールを原料として作られたステロイド骨格を盛るホルモンである。③アミン・アミノホルモンは、副腎髄質ホルモン(アドレナリン、ノルアドレナリン)、甲状腺ホルモンがある。
5.× 副腎皮質ホルモンは、アドレナリンではなくコレステロールを母体として生合成される。脂溶性のホルモンである。生合成とは、生体内で簡単な化合物から複雑な化合物が作られるこという。

 

 

 

 

 

 

69 エネルギー代謝率の計算式で正しいのはどれか。

1.内的仕事量 ÷ 全仕事量
2.労作代謝量 ÷ 基礎代謝量
3.基礎代謝量 ÷ 基準体表面積
4.労作代謝量 ÷ 安静時代謝量
5.基礎代謝実測値 ÷ 基礎代謝基準値

解答

解説

計算式

エネルギー代謝率(RMR:Relative Metabolic Rate)は、活動による代謝量の増加が基礎代謝量の何倍であるかを表す指標である。つまり、何もしないでいるときの状態に対して、活動や運動で何倍くらいのエネルギーが消費されたかを示す比率である。
【エネルギー代謝率(RMR)= 労作代謝量(作業時の代謝量 − 安静時の代謝量)÷ 基礎代謝量】で表される。

ちなみに、エネルギー代謝に関する知識でよく問われるのは、
①呼吸商(RQ)= 二酸化炭素排出量 ÷ 酸素消費量
②基礎代謝量(BM):安静、空腹時のエネルギー消費量。体重、性別、年齢によって増減し、体表面積に比例する。
③代謝当量(MET):安静座位の代謝量を基準とした運動強度。ある強度の運動時における代謝量が、安静座位時の代謝量の何倍に当たるかを表す。

※1METs = 3.5mL /分/kgの酸素消費量

1.× 内的仕事量 ÷ 全仕事量は、内的仕事率(PIT)の公式である。内的仕事率(PIT)とは、作業筋自身が重心周りの運動のために出力する仕事と定義されている。つまり、総仕事量に占める内的仕事量の割合を指すことが多い。
2.〇 正しい。エネルギー代謝率=労作代謝量÷基礎代謝量を表す。
3.× 基礎代謝量 ÷ 基準体表面積は、体表面積当たり基礎代謝基準値(kcal/m2/時)を求めている。基礎代謝量と体表面積は比例すると考えられている。また、エネルギー代謝率(relative metabolic rate:RMR)とも比例すると考えられている。
4.× 労作代謝量(労作代謝量)÷ 「安静時代謝量」は、代謝当量(METs)が求められる。
5.× 基礎代謝実測値(kcal/m2/時)とは、基礎代謝量 ÷ 基準体表面積で求められる。基礎代謝基準値(kcal/kg体重/日)とは、エネルギー必要量を推定するために性・年齢別に定められた、体重あたりの 基礎代謝量の代表値である。

 

 

 

 

 

 

70 筋の作用で正しいのはどれか。(※不適切問題:解なし)

1.内側翼突筋は両側が同時に作用すると下顎骨を前に突き出す。
2.咬筋は片側だけが作用すると下顎骨を同側に移動させる。
3.オトガイ横筋は下唇を突き出し小さなくぼみを作る。
4.大頬骨筋は口角を引き上げる。
5.皺眉筋は眉毛を挙上する。

解答 なし(採点対象から除外する。)
理由:選択肢において正解を得ることが困難なため。 

解説
1.△ 内側翼突筋は、両側が同時に作用すると下顎骨を前に突き出す。また片側の収縮では下顎を反対側に移動させる。
2.× 咬筋は、両側同時に収縮することで下顎骨を上に引き上げる(閉口)。咬筋は、強力な咀嚼筋である。
3.× オトガイ横筋は、口角および上唇を下方へ引く。ちなみに、オトガイ筋は下唇を突き出す。
4.△ 大頬骨筋は、口角を上外側に引き上げる作用を持つ。
5.× 皺眉筋(しゅうびきん)は、眉毛の挙上ではなく、眉間に皺を寄せる働きを持つ。ちなみに、眉毛の挙上は、前頭筋が担う。

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