第49回(H26) 理学療法士/作業療法士 共通問題解説【午後問題66~70】

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66 糖質代謝について正しいのはどれか。

1. ビタミンCが補酵素として関与する。
2. 酸化的リン酸化によって乳酸を生じる。
3. 中枢神経は脂肪酸をエネルギー源とする。
4. グルカゴンは糖新生系の生合成を促進する。
5. 甲状腺ホルモンは糖質代謝には関係しない。

解答4

解説

1.× 「ビタミンC」ではなく、ビタミンB1が補酵素として関与する。ビタミンCは、コラーゲンの生合成や体内の酸化還元反応に広く関与する。ビタミンB1不足に陥ると、糖質代謝が障害され、脚気(細胞内にピルビン酸・乳酸が増加し細胞の働きの障害)となる。
2.× 乳酸は、「酸化的リン酸化」ではなく嫌気的解糖によって生じる。酸化的リン酸化(電子伝達系)とは、 細胞内(ミトコンドリア)で起こる呼吸(電子伝達系の複合体を経て酸素に渡してH2Oにする)に関連した現象で一連のリン酸化(ATP合成)反応のこと。
3.× 中枢神経は、「脂肪酸」ではなく、グルコースのみをエネルギー源とする。
4.〇 正しい。グルカゴンは、糖新生系の生合成(グルコースより合成したグリコーゲンを分解し、再度グルコースをつくること)を促進する。また、グルカゴンは肝臓におけるグリコーゲン分解と糖新生を促すことで血糖上昇作用を促す。
5.× 甲状腺ホルモンは、糖質代謝を亢進させ、血糖増加に働くため関係ある

 

 

 

 

 

67 排便に関与する体性神経はどれか。

1. 陰部神経
2. 下殿神経
3. 下腹神経
4. 骨盤神経
5. 上殿神経

解答1

解説

体性神経系は、自律神経系とともに末梢神経系をなす。体性神経系は、感覚神経と運動神経とがある。体性感覚や特殊感覚に基づく骨格筋の反射による運動機能の調節、大脳皮質の働きに基づく意志による運動機能に関与する。

 

1.〇 正しい。陰部神経は、外肛門括約筋を支配する体性神経である。
2.× 下殿神経は、大殿筋を支配する運動神経である。
3.× 下腹神経は、排尿・排便・生殖器に関わる交感神経である。
4.× 骨盤神経(内臓)神経は、排尿・排便・生殖器に関わる副交感神経である。
5.× 上殿神経は、大腿筋膜張筋・小殿筋・中殿筋を支配する運動神経である。

類似問題です↓
【共通問題のみ】排尿・排便(過程・神経)についての問題「まとめ・解説」

 

 

 

 

68 基礎代謝について正しいのはどれか。

1. 男性は女性より低い。
2. 過食によって低下する。
3. 老化に伴い上昇する。
4. 寒冷の環境に慣れた人は低下する。
5. 副腎髄質ホルモンによって上昇する。

解答5

解説

1.× 男性は女性より、高い。なぜなら、男性の方が筋量が多いため。
2.× 過食によって、亢進する。なぜなら過食に伴い、消化管運動が亢進するため。
3.× 老化に伴い、減少する。なぜなら、老化に伴い、骨格筋の萎縮や筋肉量の減少をはじめとする様々な機能が低下するため。
4.× 寒冷の環境に慣れた人でも、関係なく増加する。なぜなら、体温を維持するため。
5.〇 正しい。副腎髄質ホルモンによって上昇する。なぜなら、代謝(糖代謝)を促進させるため。

類似問題です↓
【共通のみ】代謝(計算式)についての問題「まとめ・解説」

 

 

 

 

 

69 骨格筋の筋張力で誤っているのはどれか。

1. 活動張力は筋長が長くなるほど大きくなる。
2. 全張力から静止張力を引くと活動張力が得られる。
3. 求心性運動では速度が速いほど最大筋張力が小さい。
4. 筋張力が一定の場合、短縮速度は負荷が小さいほど速い。
5. 遠心性運動は求心性運動より大きな筋張力を発揮することができる。

解答1

解説

1.× 活動張力(筋が収縮するときに得られる張力)は、筋長が長くなるほど大きくなるとは限らない。なぜなら、筋が生体内での長さ付近のとき活動張力は最大となり、それより短縮・伸張しすぎると低下する特性を持つため。
2.〇 正しい。全張力から静止張力(筋の静止状態でその長さに従って大きくなる張力)を引くと活動張力が得られる。
3.〇 正しい。求心性運動では、速度が速いほど最大筋張力が小さい。速度と最大筋張力は反比例する。
4.〇 正しい。筋張力が一定の場合、短縮速度は負荷が小さいほど速い。同じ力であれば、負荷が小さいほど速く動かせる。
5.〇 正しい。遠心性運動は、求心性運動より大きな筋張力を発揮することができる。遠心性運動>等尺性運動>求心性運動の順に大きな筋張力を発揮できる。

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【PT/OT/共通】骨格筋の収縮(収縮様式)についての問題「まとめ・解説」

 

 

 

 

 

70 上肢の関節について誤っているのはどれか。

1. 腕橈関節は球関節である。
2. 上橈尺関節は車軸関節である。
3. 肘の生理的内反の角度を運搬角という。
4. 肘頭は肘屈曲位でHüter三角を構成する。
5. 腕尺関節は上橈尺関節と同一の関節包内にある。

解答3

解説

1.〇 正しい。腕橈関節は、球関節である。
2.〇 正しい。上橈尺関節は、車軸関節である。
3.× 肘の生理的内反の角度を、「運搬角」ではなく生理的外反という。運搬角(肘角)は、上腕骨長軸と前腕骨長軸とがなす角度をいう。
4.〇 正しい。肘頭は、肘屈曲位でHüter三角(ヒューター三角:肘関節屈曲位で内側上顆・外側上顆・肘頭を結ぶ二等辺三角形のこと)を構成する。これらは伸展時に一直線になる特徴を持つ。
5.〇 正しい。腕尺関節は、上橈尺関節と同一の関節包内にある。肘関節は、腕尺関節・腕橈関節・上橈尺関節が共通の関節包で包まれる複合関節である。

苦手な方向けにまとめました。参考にしてください↓

【共通問題】関節の形状についての問題「まとめ・解説」

 

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