第49回(H26) 理学療法士国家試験 解説【午後問題31~35】

 

31 前脊髄動脈症候群において損傷レベル以下で低下する感覚はどれか。

1. 二点識別覚
2. 運動覚
3. 位置覚
4. 温度覚
5. 振動覚

解答4

解説

前脊髄動脈症候群(脊髄前2/3の障害)は、温痛覚の伝導路である脊髄視床路や錐体路が障害される。つまり、障害レベル以下の両側温痛覚障害運動障害が生じる。選択肢4.温度覚が障害されやすい。

 

1.× 二点識別覚は、脊髄後索(触覚)を経由する。
2~5.× 運動覚/位置覚/振動覚/は、脊髄後索(深部感覚)を経由する。

苦手な方向けにまとめました。参考にしてください↓

神経伝導路を1から分かりやすく解説します。

 

 

 

 

 

32 Perthes病で正しいのはどれか。

1. 股関節の内転が制限される。
2. 股関節の外旋が制限される。
3. Trendelenburg徴候は陰性である。
4. 保存的治療には免荷装具が用いられる。
5. 発症年齢が低いほど機能的予後は悪い。

解答4

解説

Perthes病

 男女比は4:1で、小柄な男児に多く見られる。小児期における血行障害による大腿骨頭・頚部の阻血性壊死(虚血と阻血は同義であり、動脈血量の減少による局所の貧血のこと)が原因で骨頭・頚部の変形が生じる骨端症である。初期症状は、跛行と股関節周囲の疼痛(大腿部にみられる関連痛)、股関節の可動域制限である。治療は、大腿骨頭壊死の修復が主な目標である。治療後は歩容の異常がなく、通常の日常生活を送れるようになることが多い。

1~2.× 股関節の内転・外旋ではなく、外転・内旋が制限される。
3.× Trendelenburg徴候は、陰性ではなく、陽性である。なぜなら、患側の中殿筋の萎縮をきたすため。
4.〇 正しい。保存的治療には免荷装具が用いられる。患側の股関節を外転位に保持したまま免荷する装具(Perthes病装具:外転装具、トロント装具など)を使用する。治療期間が2~3年かかることもある。
5.× 発症年齢が低いほど、機能的予後は良好である。なぜなら、時間経過とともに、骨がつぶれて変形が生じてしまうため。

 

 

 

 

 

33 Duchenne型筋ジストロフィーで正しいのはどれか。

1. 常染色体劣性遺伝である。
2. 下肢の腱反射は亢進する。
3. 下肢の関節拘縮を生じやすい。
4. 閉塞性換気障害を生じやすい。
5. 前脛骨筋に仮性肥大を生じやすい。

解答3

解説

 筋ジストロフィーは、骨格筋の変性・壊死と筋力低下を主徴とする遺伝性の疾患総称である。そのうちのDuchenne型筋ジストロフィーは、X連鎖劣性遺伝で①幼児期から始まる筋力低下、②動揺性歩行、③登攀性起立(Gowers徴候:ガワーズ徴候)、④腓腹筋などの仮性肥大を特徴とする。

 

1.× 常染色体劣性遺伝ではなく、X連鎖劣性遺伝である。
2.× 下肢の腱反射は、亢進ではなく低下する。なぜなら、筋の変性があり筋張力が小さくなるため。
3.〇 正しい。下肢の関節拘縮を生じやすい。股・膝関節屈曲拘縮足関節尖足拘縮がみられる。(腸腰筋・大腿筋膜張筋・ハムストリングス・下腿三頭筋に短縮が生じやすい)
4.× 閉塞性換気障害ではなく、拘束性換気障害を生じやすい。なぜなら、呼吸筋障害・胸郭や脊柱の可動性低下・変形を伴うため。
5.× 前脛骨筋(下腿前面)ではなく、下腿後面(ふくらはぎ)に仮性肥大(ふくはらぎが異常に太くなることで、原因はふくらはぎに筋肉ではなく、脂肪や結合組織が増えること)を生じやすい。

 

 

 

 

 

34 膝半月板断裂で陽性を示すのはどれか。

1. Jacksonテスト
2. Lachmanテスト
3. McMurrayテスト
4. Oberテスト
5. Roosテスト

解答3

解説

1.× Jacksonテスト(ジャクソンテスト)は、頚部神経根障害(頚椎椎間板ヘルニア)を検査する。
2.× Lachmanテスト(ラックマンテスト)は、前十字靭帯損傷を検査する。
3.〇 正しい。McMurrayテスト(マックマリーテスト)は、半月板損傷があるときに陽性となる。
4.× Oberテスト(オーバーテスト)は、腸脛靭帯の短縮を検査する。
5.× Roosテスト(ルーステスト)は、胸郭出口症候群を検査する。

 

 

 

 

 

35 手指の拘縮・変形とその原因の組合せで正しいのはどれか。

1. Volkmann 拘縮 ― 上腕の阻血
2. Dupuytren 拘縮 ― 手掌腱膜の断裂
3. ボタンホール変形 ― PIP関節の伸筋腱断裂
4. スワンネック変形 ― DIP関節の屈筋腱断裂
5. 槌指変形 ― MP関節の屈筋腱断裂

解答3

解説

1.× Volkmann拘縮(フォルクマン拘縮)は、上腕の阻血ではなく、前腕のコンパートメント症候群(筋区画症候群)となる。つまり前腕の組織全体の圧力が高まり、前腕屈筋群の壊死と正中・尺骨神経麻痺が起こる。
2.× Dupuytren拘縮(デュピュイトラン拘縮)は、手掌腱膜の断裂ではなく、手掌腱膜の瘢痕化が原因で手指の屈曲変形が起こる。手掌腱膜の肥厚(瘢痕化)による手掌部の伸展制限、手指の屈曲拘縮を認めるものをDupuytren拘縮(デュピュイトラン拘縮)といい、中年以降の男性に多く、原因不明である。
3.〇 正しい。ボタンホール変形は、PIP関節の伸筋腱断裂(PIP関節:屈曲位、DIP関節:過伸展)ではなく、手指のDIP関節過伸展位、PIP関節屈曲位となる変形である。ボタンホール変形が起こる原因は、中央索の切創や皮下断裂などである。また、関節リウマチによる PIP 関節の滑膜炎による原因もある。
4.× スワンネック変形は、DIP関節の屈筋腱断裂(DIP関節は屈曲できず伸展位をとるの)ではなく、手指のDIP関節屈曲位・PIP関節過伸展位となる変形である。スワンネック変形は、PIP関節の屈筋腱が断裂するなどの理由で起こる。
5.× 槌指変形は、MP関節の屈筋腱断裂ではなく、DIP関節の伸筋腱の断裂で起こる。

 

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