第48回(H25) 理学療法士/作業療法士 共通問題解説【午後問題66~70】

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66 血液について正しいのはどれか。

1.血小板は脾臓で作られる。
2.赤血球はpH調節に関与する。
3.白血球で最も多いのは好中球である。
4.エリスロポエチンは赤血球の破壊を促す。
5.血漿成分にフィブリノゲンは含まれない。

解答3(2も正解)
※厚生労働省は『3のみ』正解としている。

解説

1.× 血小板は、「脾臓」ではなく、骨髄の巨核球の細胞質から作られる。脾臓は、古い血小板を壊す役割を持つ。
2.〇 正しい。赤血球の主な機能は、酸素運搬であるが、他に炭酸脱水酵素を含みpH調節に関与する機能を持つ。
3.〇 正しい。白血球で最も多いのは、好中球である。白血球には、5種類(好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球、単球)がある。このうち好中球が、約60%を占める。
4.× エリスロポエチンは、腎臓から分泌され、赤血球を増加(骨髄での赤血球新生の促進)させる。他にも血液上昇を促す。
5.× 血漿成分にフィブリノゲンは含まれる。血漿成分には、フィブリノゲンの他にアルブミン、免疫グロブリンなどのタンパク質が含まれる。

 

 

 

 

 

67 内分泌物質の作用で正しいのはどれか。

1.バソプレシンは尿量増加に働く。
2.上皮小体ホルモンは血中Caを増加させる。
3.甲状腺ホルモンは基礎代謝率を低下させる。
4.インスリンはグルコースの細胞内取り込みを阻害する。
5.副腎皮質ホルモンは糖新生(グルコース産生)を阻害する。

解答2

解説

1.× バソプレシンは、尿量「増加」ではなく減少に働く。下垂体後葉から分泌される。
2.〇 正しい。上皮小体(副甲状腺)ホルモン(パラトルモン)は、血中Caを増加させる。
3.× 甲状腺ホルモンは、基礎代謝率を「低下」ではなく上昇させる。
4.× インスリンは、グルコースの細胞内取り込みを「阻害」ではなく促進する。なぜなら、インスリンは、膵臓のβ細胞から分泌され血糖低下に働くため。
5.× 副腎皮質ホルモンは、糖新生(グルコース産生)を「阻害」ではなく促進する。他にも、水・電解質・血圧調節、Na再吸収促進、K分泌促進、男性化などに関わる。

 

 

 

 

68 生理的老化について誤っているのはどれか。

1.残気量が増加する。
2.骨塩量が減少する。
3.水晶体の蛋白変性が起こる。
4.筋持久力より瞬発力が先に低下する。
5.低い声より高い声の方が聞き取りやすい。

解答5

解説

1.〇 残気量が増加する。一方、肺活量、一秒率、拡散能は低下する。
2.〇 骨塩量が減少する。そのため、骨粗鬆症になりやすくなる。
3.〇 水晶体の蛋白変性が起こる。これにより白内障となる。
4.〇 筋持久力より瞬発力が先に低下する。持久力の低下は緩やかである。
5.× 逆である。高い声より低い声の方が聞き取りやすい。老人性難聴は、高音域の聴力から障害される。

類似問題です↓
【PT/OT/共通】加齢に伴う生理学的変化についての問題「まとめ・解説」

 

 

 

 

 

69 体重60kgの人が速度70m/分で平地を歩行した場合、80kcalのエネルギーを消費するのに必要な歩行時間はどれか。
ただし、酸素消費量(ml/min/kg)=歩行速度(m/min)×0.1+3.5とする。

1.5分
2.30分
3.60分
4.90分
5.120分

解答2

解説

消費エネルギーの公式

消費エネルギー(kcal)=1.05(kcal/kg/h)×体重(kg)×METs数×運動時間(hour)

酸素消費量は、問題文中の式(※酸素消費量(ml/min/kg)=歩行速度(m/min)×0.1+3.5)より計算すると、10.5(ml/min/kg)である。

1METs=3.5(ml/min/kg)である。

この酸素消費量をMETsに換算する。

10.5÷3.5=3METs

最後に、消費エネルギーの式(消費エネルギー(kcal)=1.05(kcal/kg/h)×体重(kg)×METs数×運動時間(hour))に値を代入する。

80=1.05×60×3×X

X≒0.423

つまり、約25分である。

解答で一番近い選択肢2.30分が正解となる。

 

 

 

 

 

70 母指CM関節の屈曲に作用しない筋はどれか。

1.短母指外転筋
2.短母指屈筋
3.母指内転筋
4.母指対立筋
5.掌側骨間筋

解答5

解説

母指CM(手根中手骨)関節である。

1.〇 短母指外転筋は、母指CM関節の外転・屈曲に働く。
2.〇 短母指屈筋は、母指CM関節の屈曲に働く。
3.〇 母指内転筋は、母指CM関節の内転に働く。
4.〇 母指対立筋は、母指CM関節の屈曲(対立)に働く。
5.× 掌側骨間筋は、第2,4,5指の内転、背側骨間筋と共同して、おのおの基節骨の屈曲、中節・末節骨(DIP)の伸展に働く。

 

苦手な方向けにまとめました。参考にしてください↓

【暗記用】上肢筋の起始・停止・作用・神経を完璧に覚えよう!

 

4 COMMENTS

匿名

古い記事に申し訳ないです。
67番の解説2問目、上皮小体は甲状腺ではなく、副甲状腺だと思われます。
既出でしたら申し訳ありません。いつもお世話になっております。

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大川 純一

コメントありがとうございます。
ご指摘通り間違えておりました。
修正いたしましたのでご確認ください。
今後ともよろしくお願いいたします。

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匿名

PM66の問題についてです。
文献には、赤血球の働きとしてpH調節の記載もあるため、
選択肢は複数の解が選択出来るそうです。

返信する
大川 純一

そうですよね!
厚生労働省の正式な回答では『3のみ』となっていたため、一応『3のみ』と記載しておきましたが、複数の解に修正しちゃいます。
コメントありがとうございました。

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