第48回(H25) 理学療法士/作業療法士 共通問題解説【午後問題61~65】

 

61 骨格筋の興奮収縮連関について正しいのはどれか。

1.筋小胞体からMg2+が放出される。
2.横行小管の中をCa2+が運搬される。
3.アクチンフィラメントのATPが加水分解を生じる。
4.筋線維膜の電位依存性Na+チャネルが開いて脱分極が生じる。
5.トロポニンが移動してミオシンフィラメントの結合部位が露出する。

解答4

解説

1.× 筋小胞体からMg2+ではなく、Ca2+が放出される。横行小管(T管)から伝わった脱分極電位により筋小胞体から、Ca2+が放出される。一般的な筋収縮は、細胞外からもしくは、筋小胞体から放出されるCa2+に依存する。
2.× 横行小管(T管)の中を、Ca2+が運搬されるのではなく、細胞膜で発生した刺激が移動し筋小胞体へと伝わる。
3.× アクチンフィラメントではなく、ミオシンフィラメントのATPが加水分解を生じる。
4.〇 正しい。筋線維膜の電位依存性Na+チャネルが開いて脱分極が生じる。活動電位の発生には、Na+が関与する。
5.× トロポニンが移動して、ミオシンフィラメントではなく、アクチンフィラメントの結合部位が露出する。Ca2+がトロンポニンに結合すると、ATPのエネルギーを利用して、アクチンフィラメントの結合部位が露出し、アクチンがミオシンに引き寄せながら滑走することで筋収縮が起こる。

筋収縮の機序

①筋小胞体から放出されたCa2+がトロポニンと結合する。
②ATPエネルギーを利用したミオシンの頭部首振り運動が起こる。
アクチンフィラメントを引き寄せながらミオシンフィラメント上を滑走して筋収縮が起こる。

 

 

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理学療法士国家試験 骨格筋の構造ついての問題5選「まとめ・解説」

 

 

 

 

 

62 末梢神経について正しいのはどれか。

1.A群は最も太い。
2.B群は無髄である。
3.C群は有髄である。
4.交感神経節前線維はC群である。
5.交感神経節後線維はB群である。

解答1

解説

1.〇 正しい。A群は、最も太い。末梢神経は、①A→②B→③C順で太い。神経線維の直径が太いほど刺激に対する閾値は高く、活動電位の振幅は大きい
2.× B群は、無髄ではなく有髄である。ちなみにA群も有髄である。
3.× C群は、有髄ではなく無髄である。
4.× 交感神経節前線維は、C群ではなく、B群である。
5.× 交感神経節後線維は、B群ではなく、C群である。

 

 

 

 

 

63 筋紡錘について正しいのはどれか。

1.二次終末は核鎖線維に比べ核袋線維との結合が強い。
2.手の虫様筋に比べ上腕二頭筋で高密度に存在する。
3.Ⅱ群線維は筋紡錘の動的感受性を調整している。
4.Ⅰa群線維は核袋線維からの求心線維である。
5.錘内筋はα運動ニューロンに支配される。

解答4

解説

筋紡錘は、筋線維の中にあり、筋が伸ばされたことを感知し、筋を縮ませる働きを持つ。筋紡錘の中には、錘内線維と呼ばれる少数の筋線維があり、核袋線維と核鎖線維からなる。

 

1.× 逆である。二次終末は、主に核鎖線維(絶対長の変化を検知)に終始する。したがって、核袋線維比べ核鎖線維との結合が強い。
2.× 逆である。上腕二頭筋に比べ手の虫様筋で高密度に存在する。筋紡錘の密度は筋によって異なり、手指を動かす筋肉では筋紡錘の密度が高くなっており、手指の微妙な動きの制御が可能になっている。
3.× 筋紡錘の動的感受性を調整しているのは、Ⅰa群線維である。Ⅱ群線維は、求心線維であり、静的感受性(絶対長の変化)を調節している。
4.〇 正しい。Ⅰa群線維は、核袋線維からの求心線維である。Ⅰa群線維は、筋紡錘の伸展を感知する。錐内線維である核袋線維と核鎖線維にⅠa線維の終末が存在する。
5.× 錘内筋は、α運動ニューロンではなく、γ運動ニューロンの支配を受ける。α運動ニューロンは、錘外筋線維を支配する。

 

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64 副交感神経が交感神経より優位に働いたときの反応はどれか。

1.瞳孔散大
2.排尿筋弛緩
3.気管支収縮
4.心拍数増加
5.筋内血管拡張

解答3

解説

1.× 副交感神経優位で、瞳孔散大ではなく、縮小する。
2.× 副交感神経優位で、排尿筋弛緩ではなく、収縮する。
3.〇 正しい。副交感神経優位で、気管支収縮である。
4.× 副交感神経優位で、心拍数増加ではなく、減少する。
5.× 副交感神経優位で、筋内血管拡張ではなく、収縮する。末梢血管は拡張する。

 

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65 ヘモグロビン酸素解離曲線を図に示す。
矢印の方向に曲線を移動させる状態はどれか。2つ選べ。

1.体温の下降
2.激しい運動
3.代謝性アルカローシス
4.動脈血の二酸化炭素分圧の上昇
5.血中2,3-DPGX(ジフォスフォグリセリン酸)の濃度低下

解答2/4

解説

ヘモグロビン酸素解離曲線の曲線が右方向に動くということは、ヘモグロビン酸素親和性が低下(ヘモグロビンが酸素を離しやすい状態=組織への酸素供給の増加)していることを表す。つまり、組織での代謝が高まり、酸素需要度が高くなっているときに曲線の偏位が起こる。

酸素需要度が高い状態

①PaCO2の上昇(pHの低下)
②血中2,3-DPGXの上昇
③H+の上昇(pHの低下)
④血液温度上昇

1.× 体温の下降ではなく、上昇により、組織での酸素需要は増加し、酸素解離曲線が右方向へ移動する。
2.〇 正しい。激しい運動により体温が上昇し、素解離曲線が右方向へ移動する。
3.× 代謝性アルカローシスではなく、アシドーシスにより、PaCO2の上昇(pHの低下)し、酸素解離曲線が右方向へ移動する。
4.〇 正しい。組織代謝が高まり、動脈血の二酸化炭素分圧の上昇する。その結果、酸素解離曲線が右方向へ移動する。
5.× 血中2,3-DPGX(ジフォスフォグリセリン酸)の濃度低下ではなく、上昇すると、酸素解離曲線が右方向へ移動する。血中2,3-DPGX(ジフォスフォグリセリン酸)は、嫌気性代謝により産生される。温度などの影響で変化する血中2,3-DPGXは、酸素よりヘモグロビンに対する親和性が高く、ヘモグロビンと酸素の結合を調節することで、組織における酸素の放出を調節している役割を持つ。

 

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