第45回(H22) 理学療法士/作業療法士 共通問題解説【午前問題71~75】

 

71.肘関節で正しいのはどれか。

1.腕橈関節は球関節である。
2.腕尺関節には関節円板がある。
3.肘角は小児よりも成人で大きい。
4.腕尺関節は回内・回外運動を行う。
5.橈骨輪状靱帯は橈骨に付着している。

解答1

解説

肘関節について

肘関節は、上腕骨、尺骨、橈骨によって構成される複関節である。
腕尺関節、上橈尺関節、腕橈関節の3つの関節を一括して関節包が包む。

1.〇 正しい。腕橈関節は球関節である。ちなみに、腕尺関節はらせん関節、上橈尺関節は車軸関節である。
2.× 関節円板があるのは、腕尺関節ではなく、下橈尺関節である。ちなみに、他にも顎関節や胸鎖関節に関節円板が存在する。
3.× である。肘角は、成人よりも小児で大きい。ちなみに、男性よりも女性で大きい。肘角とは、上腕軸と前腕軸とがつくる角度のことであり、正常では160~170度である。 
4.× 腕尺関節は、回内・回外運動ではなく、屈曲・伸展運動を行う。ちなみに、腕橈関節は屈伸、回内・外運動も行う。
5.× 橈骨輪状靱帯は、橈骨に付着していない。橈骨頭の周囲を取り囲むように尺骨に付着している。

 

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72.膝関節で正しいのはどれか。

1.外側側副靱帯は屈曲位で緊張する。
2.最終伸展時に脛骨の外旋が起こる。
3.外側半月は外側側副靱帯と結合する。
4.大腿骨軸と脛骨軸とは軽度内反している。
5.後十字靱帯は大腿骨の顆間窩後方に付着する。

解答2

解説

1.× 外側(内側)側副靱帯は、屈曲位では緊張ではなく弛緩する。伸展位で緊張する。なぜなら、立脚期の膝関節の安定性を確保するため。
2.〇 正しい。最終伸展時に脛骨の外旋が起こる。膝関節はらせん関節のため、屈曲位から完全伸展すると脛骨の外旋が起こる。これを終末強制回旋運動(スクリューホームムーブメント)という。したがって、最終伸展時に脛骨の外旋が起こることで、立位・歩行の立脚期につま先が外を向く。
3.× 外側半月は外側側副靱帯と結合しない。なぜなら、結合していた場合、伸展時に脛骨の外旋が困難であるため。内側半月は関節包を介して内側側副帯と結合する。
4.× 大腿骨軸と脛骨軸とは、軽度内反ではなく軽度外反(5~10°)している。
5.× 後十字靱帯は、大腿骨ではなく脛骨の顆間窩後方に付着する。①脛骨の顆間隆起の後方と②大腿骨の内側顆外側面の前方を結ぶ。後十字靱帯は、脛骨の後方移動を防ぐ靭帯である。

 

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73.呼気の補助筋で図中の矢印の方向へ胸郭を引き下げるのはどれか。

1.腹直筋
2.大腰筋
3.腰方形筋
4.内腹斜筋
5.外腹斜筋

解答4

解説

呼吸運動について

①安静吸気:横隔膜・外肋間筋。
②安静呼気:呼気筋は関与しない。
③努力吸気:呼吸補助筋(僧帽筋、胸鎖乳突筋・斜角筋・大胸筋・小胸筋・肋骨挙筋など)が関与。
④努力呼気:内肋間筋・腹横筋・腹直筋が関与。

1.× 腹直筋の作用は、胸郭の前部を引き下げまたは骨盤の前部を引き上げ、また脊柱を前方に曲げる。ちなみに、【起始】恥骨結合と恥骨結節との間、【停止】第5~第7肋軟骨、剣状突起の前面である。
2.× 大腰筋の作用は、股関節屈曲。ちなみに、【起始】第12胸椎~第4腰椎の椎体と椎間円板、すべての腰椎の肋骨突起、第12肋骨、【停止】大腿骨の小転子である。
3.× 腰方形筋の作用は、腰椎を同側に曲げる。両側が働けば腰椎を後ろへ曲げる(腰を反らす)。ちなみに、【起始】腸骨稜と腸腰靭帯、腰椎肋骨突起、【停止】第12肋骨、腰椎肋骨突起である。
4.〇 正しい。内腹斜筋は、呼気の補助筋で図中の矢印の方向へ胸郭を引き下げる。ちなみに、【起始】腰腱膜、腸骨稜前部の中間線および鼠経靭帯の外側部、【停止】腱膜は2枚に分かれて腹直筋鞘の前後両葉に入り白線に終わる(弓状線より下部では前葉のみ)、最後部:第10~12肋骨の下縁である。
5.× 外腹斜筋の作用は、肋骨の引き下げ、脊柱の屈曲、骨盤の引き上げ、また脊柱を同時に曲げ、上体を対側に回す。腹圧を高め、腹式呼吸のとき呼息を行う。ちなみに、【起始】第5(6)~12肋骨の外面、【停止】腱膜は腹直筋鞘の前葉に入って白線に終わる。鼠経靭帯、恥骨稜、最後部:腸骨稜外唇である。

 

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74.歩行中の矢状面上の関節運動を図に示す。
 この関節はどれか。

1.肩関節
2.肘関節
3.股関節
4.膝関節
5.足関節

解答5

解説


1.3.× 肩関節/股関節は、1回の歩行周期に屈曲・伸展を各1回行う。
2.4.× 肘関節/膝関節の場合、伸展10°以上の可動域を示すことは考えにくい。
5.〇 正しい。足関節は、図のような矢状面上の関節運動を示す。1回の歩行周期に2回の背屈と底屈を行う。踵接地前に背屈している足関節は垂接地直後に背屈から足底接地するため底屈する。足関節の運動は背屈から底屈へと反転して蹴りだす。足尖離地後は、クリアランスの確保のため急速に背屈運動へと変わる。

 

 

 

 

 

75.アポトーシスで正しいのはどれか。

1.細胞環境の悪化によって生じる。
2.高濃度の酸素投与で予防できる。
3.マクロファージの浸潤を伴う。
4.DNAの断片化が生じる。
5.核が膨張する。

解答4

解説

アポトーシスとは?

アポトーシスとは、プログラムされた細胞死である。生体内のマクロファージに食べられる。一方、壊死(ネクローシス)とは、局所の組織の不可逆的な障害による細胞死をさし完全に区別される。

1.× 細胞環境の悪化(感染、熱、外傷など)によって生じるのは、壊死(ネクローシス)である。アポトーシスとは、生理的条件下で細胞自らにプログラムされた細胞死である。
2.× 高濃度の酸素投与で予防できるのは、壊死(ネクローシス)である。アポトーシスとは、高濃度の酸素で予防できるものではない。
3.× マクロファージの浸潤を伴うのは、壊死(ネクローシス)である。アポトーシスは、細胞の内容物は細胞外に放出されず、生体内のマクロファージに食べられる。
4.〇 正しい。DNAの断片化が生じる。細胞内での変化は、まず核で起こることが多く、DNAの断片化という独特の分子病態像を示す。①細胞膜構造の変化→②核が凝縮する→③DNAの断片化→④「アポトーシス小胞」と呼ぶ構造となる。
5.× 核が膨張するのは、壊死(ネクローシス)である。アポトーシスは、核・細胞質は萎縮する。

 

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