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36 失語症の型と症状の組合せで正しいのはどれか。
1.Wernicke失語:聴覚理解が保たれる。
2.超皮質性失語復唱が障害される。
3.Broca失語:自発言語が障害される。
4.伝導失語:復唱が保たれる。
5.健忘失語:聴覚理解が障害される。
解答3
解説
1.× Wernicke失語は、聴覚と視覚の両方による言語の理解が障害されたものである。自発語に流暢さはあるが、自分で喋っていることに対する理解がないので、内容は理解のしにくい意味不明のものが多く、錯語、錯文法が目立つ。また、復唱も困難となる。つまり、発話の流暢性は可能だが、言語理解・復唱が困難である失語症である。
2.× 超皮質性失語は、言語表出障害に比べて、復唱は良好である。つまり、発話の流暢性は困難だが、言語理解・復唱は可能である失語症である。
3.〇 正しい。Broca失語は、自発言語が障害される。発話の理解は良好であるが、発語は非流暢であり、復唱は不良である。
4.× 伝導失語とは、言語の理解や発話の機能が保たれているものの、言葉を繰り返す能力が障害される失語症の一種である。つまり、発話の流暢性・言語理解は可能だが、復唱が困難である失語症である。
5.× 健忘失語健忘失語とは、簡単な物品の呼称が困難となって、なかなか物の名前が出てこないが、その他の点ではおおむね言語機能は保たれているものをいう。つまり、発話の流暢性・言語理解・復唱は可能である失語症である。
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【PT/OT/共通】失語ついての問題「まとめ・解説」
37 高血糖症状はどれか。
1.多飲
2.動悸
3.頻脈
4.空腹感
5.手指振戦
解答1
解説
高血糖症状は、著しい口渇、多飲、多尿、全身倦怠感などがある。これは、高血糖状態が続くと血漿浸透圧が上昇し、利尿が進むことで水・電解質の喪失が起こり、脱水状態に来す。
1.〇 正しい。多飲は、高血糖症状である。多飲のメカニズムとして、高血糖で、尿の量が増え濃くなった血液に対して、身体は多くの水分を使って薄めようする。体内にある水分では足りず、のどが渇いたというサインを発して、外から取り込もうとする。単純な喉の乾きとは異なり、血糖値が安定するまで水分を求めてしまうため、異常なほど飲んでしまう(多飲)。
2~5.× 動悸/頻脈/空腹感/手指振戦は、低血糖状態にてみられる。
血糖値が低下するとカテコラミン(インスリン拮抗ホルモン)の分泌が上昇し、交感神経刺激症状が出現する。さらに血糖値が低下すると脳・神経細胞の代謝が低下し、中枢神経症状が出現する。頭痛や空腹感などの比較的軽度な症状から始まるが血糖値が低下し続けると昏睡に至る。低血糖症状は、①自律神経症状と②中枢神経症状に分けられる。①自律神経症状は、冷感・顔面蒼白・頻脈・動悸・発汗・手の震え・空腹感などである。②中枢神経症状は、頭痛・集中力低下・視力低下・痙攣・昏睡などである。
38 椅子からの立ち上がり動作を観察したところ、両上肢で大腿前面を支持し、過度に体幹を前傾した状態から殿部離床し、その後体幹を前傾したまま早期に膝関節の伸展が見られた。最後に体幹を伸展し立ち上がりを終了した。この間、顕著な姿勢の動揺は認めなかった。
この動作異常が生じている心身機能・身体構造の問題点として最も考えられるのはどれか。
1.無動
2.片麻痺
3.運動失調
4.両下肢筋力低下
5.両股関節伸展可動域制限
解答4
解説
1.× 無動とは、パーキンソン病の四大症状と呼ばれるものの一つであり、立ち上がり動作時、すくみによって動作開始が困難になったり、滑らかな動作ができなくなる状態である。立ち上がり動作に至っては、無動により動作緩慢さがみられ、Parkinson病の症状の一つである姿勢反射障害により、体幹前傾角度が足りず、何度も離殿する様子が観察されることが多い。
2.× 片麻痺患者の立ち上がりでは、麻痺の程度にもよるが、体幹を前傾・非麻痺側への回旋しながら、非麻痺側下肢に優位に荷重し立ち上がる事が多い。また、麻痺側上肢で大腿前面を支持することができないことが多い。
3.× 運動失調症状を呈する人の立ち上がり動作では、動作時のふらつきや不安定性、全体的な動作粗大がみられる。したがって、顕著な姿勢の動揺やワイドベースで立ち上がることが多い。
4.〇 正しい。両下肢筋力低下での立ち上がり動作では、両上肢で大腿前面を支持することにより、下肢伸展筋力不足を補う。その後過度に体幹を前傾することにより、下肢筋力にかかるモーメントを減らす。さらに早期に膝関節の伸展を行うことにより、膝関節のロックを利用する。
5.× 両股関節伸展可動域制限が生じていても立ち上がり動作自体は問題がないことが多い。ただし、立位姿勢が体幹屈曲位、骨盤は前傾し、腰椎前弯が強調された姿勢になる。
Gowers徴候(登はん性起立)は、床から起立する時、まず床に手をついて、お尻を高くあげ、次にひざに手をあてて、手の力を借りて立ち上がる。デュシェンヌ型筋ジストロフィーでみられる症状である。
39 静的立位で下腿義足の足部内側が床から浮き上がった。
原因はどれか。
1.toe-out角が大きすぎる。
2.初期屈曲角が不足している。
3.初期内転角が不足している。
4.ソケットの外壁が高すぎる。
5.足部が外側に位置しすぎている。
解答3
解説
1.× toe-out角が大きすぎる(義足のつま先が外側に向きすぎている状態である)時でも、静的立位時の足部内側が浮き上がることはない。歩行時に立脚立位からつま先離地期に上体が内側へ倒れたり、内側ホイップの原因となる。立位時の足部はどちら側へとも浮き上がらないことが多い。
2.× 初期屈曲角度が不足していると、膝が後ろに押され反張膝がみられる。
3.〇 正しい。初期内転角が不足していると、ソケットが外側に傾き足底の内側が床面から浮き上がる。言い換えると、ソケットの外壁にゆるみが生じている。そのため、5°程度の生理的な内転角をつける。
4.× ソケットの外壁が高すぎたり低すぎたり、もしくは内壁が高すぎたり低すぎたり(いわゆるソケットの内・外壁の不適合)しても、ソケットと断端のフィッティングが良ければ、立位の足部はどちら側へとも浮き上がることは少ない。静的アライメントには影響しないことが多い。
5.× 足部が外側に位置しすぎている、またはソケットが内側に位置しすぎていると、足部外側が床から浮き上がる。これは、ソケットの外側近位部と内側遠位部に圧迫があり、ソケットの内側近位部に緩みがでるためである。
40 Wallenberg症候群に関連する摂食嚥下障害はどれか。
1.半側空間無視による先行期障害
2.観念失行による準備期障害
3.顔面麻痺による口腔期障害
4.食道入口部開大不全による咽頭期障害
5.胃食道逆流による食道期障害
解答4
解説
Wallenberg症候群(延髄外側症候群)は、椎骨動脈、後下小脳動脈の閉塞により延髄外側の梗塞を来す疾患である。①梗塞と同側の顔面感覚障害(温痛覚)、②梗塞と同側の運動失調(上下肢の動かしづらさ)、③梗塞と同側のホルネル(Horner)症候群(一側眼の瞼裂狭小化、縮瞳、眼球陥凹)、④梗塞と反対側の半身感覚障害(頸から下の温痛覚)、⑤嗄声、嚥下障害、⑥回転性めまい、眼振、⑦味覚障害が生じる。
(※参考:「脳・心臓疾患の認定基準に関する専門検討会報告書」厚生労働省HPより)
1.× 半側空間無視による先行期障害は生じない。なぜなら、半側空間無視は右頭頂葉障害で生じるため。
2.× 観念失行による準備期障害は生じない。なぜなら、観念失行は左頭頂葉(角回)~後頭葉障害で生じるため。日常使用している物品の操作ができない症状であり、先行期の障害である。
3.× 顔面麻痺による口腔期障害は生じない。なぜなら、顔面麻痺は顔面神経の障害で生じるため。Wallenberg症候群(延髄外側症候群)は、Ⅸ:迷走神経、Ⅹ:迷走神経の障害で球麻痺が起こる。Ⅶ:顔面神経の障害は起こらない。
4.〇 正しい。Wallenberg症候群の場合、患側の咽喉頭麻痺が出現する。Wallenberg症候群(延髄外側症候群)は、Ⅸ:舌咽神経、Ⅹ:迷走神経の障害で球麻痺が起こり、結果的に舌の萎縮や咽頭反射低下がみられる。食道入口部開大不全は患側、健側、両側のいずれかに出現する。
5.× 胃食道逆流による食道期障害は生じない。なぜなら、胃食道逆流症や食道裂孔ヘルニア、食道アカラシアなど食道性の障害で生じるため。
①先行期・・・飲食物の形や量、質などを認識する。
②準備期・・・口への取り込み。飲食物を噛み砕き、飲み込みやすい形状にする。
③口腔期・・・飲食物を口腔から咽頭に送り込む。
④咽頭期・・・飲食物を咽頭から食道に送り込む。
⑤食道期・・・飲食物を食道から胃に送り込む。