第59回(R6) 理学療法士/作業療法士 共通問題解説【午後問題51~55】

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※解答の引用:第59回理学療法士国家試験及び第59回作業療法士国家試験の合格発表について(厚生労働省HPより)

 

51 関節の組合せで正しいのはどれか。

1.肩関節:臼状関節
2.胸鎖関節:蝶番関節
3.上橈尺関節:車軸関節
4.腕尺関節:球関節
5.MCP関節:鞍関節

解答

解説
1.× 肩関節は、「臼状関節」ではなく球関節である。球関節は、肩関節、腕橈関節があげられる。ちなみに、臼状関節は股関節である。
2.× 胸鎖関節は、「蝶番関節」ではなく鞍関節である。ただし、複合運動として軸回旋の運動も含めるならば3軸性の関節である。鞍関節は、母指手根中手(CM)関節、胸鎖関節である。ちなみに、蝶番関節は、指節間関節(PIP・DIP関節)である。
3.〇 正しい。上橈尺関節は、車軸関節である。車軸関節は、上橈尺関節(=近位橈尺関節)、環軸関節である。
4.× 腕尺関節は、「球関節」ではなくらせん関節である。らせん関節は、腕尺関節、距腿関節、膝関節である。
5.× MCP関節は、「鞍関節」ではなく楕円関節(顆状関節)である。楕円関節(顆状関節)は、橈骨手根関節、手根中央(尺側)関節、顎関節、中手指節関節である。

参考にどうぞ↓

【共通問題】関節の形状についての問題「まとめ・解説」

 

 

 

 

 

52 ヤコビー〈Jacoby〉線上に位置する椎骨はどれか。

1.T12
2.L1
3.L2
4.L3
5.L4

解答

解説

(※引用:「イラスト素材:手の骨」illustAC様より)

1~4.× T12/L1/L2/L3は、Jacoby線上に位置しない。
5.〇 正しい。L4が、ヤコビー〈Jacoby〉線上に位置する。ヤコビー線とは、左右の腸骨稜の最高点を結んだ線のことである。第4・5腰椎の棘突起間にある。腰椎穿刺や脊髄くも膜下麻酔を安全に行うための基準となる。

 

 

 

 

53 滑車神経が支配する外眼筋はどれか。

1.下斜筋
2.下直筋
3.上斜筋
4.上直筋
5.外側直筋

解答

解説

眼球運動の筋と支配神経

【眼球運動:筋】
外側:外直筋
内側:内直筋
外上方:外直筋+上直筋
内上方:内直筋+下斜筋
外下方:外直筋+下直筋
内下方:内直筋+上斜筋

【支配神経】
①動眼神経:内側直筋・上直筋・下直筋・下斜筋
②滑車神経:上斜筋
③外転神経:外側直筋

1.× 下斜筋/下直筋/上直筋は、動眼神経が支配する。ちなみに、動眼神経とは、外側直筋と上斜筋以外の眼筋を支配する運動神経と、眼球内の瞳孔括約筋や毛様体筋を支配する副交感神経を含んでいる。
3.〇 正しい。上斜筋は、滑車神経が支配する。
4.× 5.× 外側直筋は、外転神経が支配する。

(※図引用:「イラストでわかる歯科医学の基礎 第4版 」永未書店HPより)

 

 

 

 

 

54 温痛覚の経路はどれか。

1.脊髄小脳路
2.皮質脊髄路
3.前脊髄視床路
4.網様体脊髄路
5.外側脊髄視床路

解答

解説

錐体外路とは?

錐体外路とは、錐体路以外の運動指令を行うための経路を総称したものである。錐体外路中枢や、大脳基底核、視床腹部、脳幹などと微調整しながら姿勢や運動に対する指令を骨格筋へ伝える。

1.× 脊髄小脳路は、前・後あるが、いずれにしても非意識型深部感覚を伝える。
2.× 皮質脊髄路は、前・外側あるが、いずれにしても錐体路(もしくは一部)で運動を伝える。
3.× 前脊髄視床路は、粗大な触覚・圧覚を伝える。感覚神経→脊髄後角→(交叉)→脊髄前索→視床→後脚→大脳皮質体性知覚野
4.× 網様体脊髄路は、外側・内側あるが、いずれにしても錐体外路(もしくは一部)で姿勢制御に寄与する。外側路は主に四肢の制御に、内側経路は主に体幹・姿勢制御に寄与する。
5.〇 正しい。外側脊髄視床路は、温痛覚の経路である。温痛覚のほかに粗大触圧覚も伝え、伝導路は【感覚神経→脊髄後角→(交叉)→脊髄側索→視床→後脚→大脳皮質体性知覚野】である。

まとめ

聴覚:蝸牛神経→蝸牛神経核→上オリーブ核→中脳下丘→内側膝状体→上側頭回

視覚:視神経→視交叉→外側膝状体→視放線→視覚野

・外側皮質脊髄路 (錐体路・運動)
大脳皮質—放線冠—内包後脚—中脳の大脳脚—橋縦束―延髄で錐体交叉—脊髄の側索

・前皮質脊髄路(錐体路の一部・運動)
大脳皮質—放線冠—内包後脚—中脳の大脳脚—橋縦束—延髄—交叉せずに脊髄前索を下降(10~25%程度)※重要事項①延髄で交差せずに同側に下降すること、②支配はL2まで。

・前脊髄視床路(粗大な触覚・圧覚)
感覚神経→脊髄後角→(交叉)→脊髄前索→視床→後脚→大脳皮質体性知覚野

・外側脊髄視床路(温痛覚・粗大触圧覚)
感覚神経→脊髄後角→(交叉)→脊髄側索→視床→後脚→大脳皮質体性知覚野

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【PT/OT/共通】伝導路についての問題「まとめ・解説」

 

 

 

 

 

55 一次ニューロンの細胞体が主に存在する部位はどれか。

1.後角
2.後索
3.前角
4.側索
5.後根神経節

解答

解説

MEMO

 体性感覚性神経系には、触覚・固有覚(位置覚と振動覚)を伝える後索・内側毛帯路と、温痛覚(温度覚と痛覚)を伝える脊髄視床路の二つの伝導路がある。どちらの伝導路も、感覚受容器から大脳皮質に情報が伝わるまでに3種類のニューロンがかかわっている。このニューロンを末梢から順に一次・二次・三次ニューロンという。

①一次ニューロンは、侵害受容器から、細胞体がある脊髄後根神経節を経由し、二次ニューロンとシナプスする後角の手前までのことをいう。

②二次ニューロンは、二次ニューロンの細胞体が主に存在する後角から脊髄を経由し、三次ニューロンとシナプスする視床の手前までのことをいう。

③三次ニューロンは、視床から頭頂葉の中心後回(ブロードマンの脳地図の3,1,2野)にある感覚野までをいう。(参考:Wikiより)。

1.× 後角には、二次ニューロンの細胞体が主に存在する部位である。
2.× 後索は、二次ニューロンに分類される。
3.× 前角は、二次ニューロンに分類される。
4.× 側索は、二次ニューロンに分類される。
5.〇 正しい。後根神経節は、一次ニューロンの細胞体が主に存在する部位である。後根が脊髄神経節をつくる。細胞体とは、神経細胞の中で細胞核などの細胞小器官が集中し、樹状突起と軸索が会合する部位である。神経細胞内でのタンパク合成など、一般的な細胞としての機能はほとんどここで行われる。すべての感覚神経(体性感覚)の一次ニューロンの細胞体は、脊髄後根神経節に存在する。

 

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