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31 変形性膝関節症で正しいのはどれか。2つ選べ。(※不適切問題:解3つ)
1.男性に好発する。
2.一次性の頻度が高い。
3.起立動作時の痛みが強い。
4.膝外反変形を生じやすい。
5.エックス線写真で骨硬化像がみられる。
解答2・3・5(3通りの解答を正解として採点する)
理由:3つの選択肢が正解であるため。
解説
1.× 男性ではなく、肥満傾向の女性(中年期以降)に好発する。日本人の多くは内反変形(O脚)を取り、50歳代で発症し、65歳以上で急増する。男女比率は1:2~1:4と女性に多い病気である。
2.〇 正しい。一次性の頻度が高い。変形性膝関節症は、1次性(加齢・筋力低下・肥満)と2次性(代謝性疾患・外傷・先天性異常等の原因)に分けられる。90%以上は1次性関節症といわれる。
3.〇 正しい。起立動作時の痛みが強い。主に運動開始時に疼痛がある。起立動作時以外にも、歩き始めやしゃがみ込み動作時にも痛みが発生する。ちなみに、変形性膝関節症を発症すると痛みの頻度が多くなり、膝関節運動が阻害され、正座やしゃがみ込む動作の際に痛みが生じることがある。また、炎症が伴い膝関節周囲に腫脹や熱感を生じることもある。
4.× 膝外反変形(X脚)ではなく「内反変形(O脚)」を生じやすい。
5.〇 正しい。エックス線写真で骨硬化像がみられる。変形性膝関節症の場合には、X線写真で軟骨の下にある骨が硬くなる「軟骨下骨硬化」や、関節の隙間が狭くなる「関節裂隙の狭小化」、棘状の骨である「骨棘形成」などを認める。ちなみに、エックス線撮影は立ったまま行われる。
32 SIASに含まれるのはどれか。
1.意識レベル
2.痛覚
3.非麻痺側筋力
4.病的反射
5.麻痺側筋力
解答3
解説
SIAS(Stroke Impairment Assessment Set)は、脳卒中の機能障害を定量化するための評価である。運動機能だけでなく感覚障害、高次脳機能障害まで幅広く評価する事ができる。項目は、9種の機能障害に分類される22項目からなる。各項目とも3あるいは5点満点で評価される。
1.5.× 意識レベル/麻痺側筋力は、SIASに含まない。
2.× 痛覚は、SIASに含まない。感覚の項目として、①上肢触覚、②下肢触覚、③上肢位置覚、④下肢位置覚が含まれる。また、痛覚ではないが疼痛も評価項目として含まれる。
3.〇 正しい。非麻痺側筋力は、SIASに含まれる。①握力、②健側大腿四頭筋力を測定する。
4.× 病的反射は、SIASに含まない。筋緊張の項目として、①上肢筋緊張、②下肢筋緊張、③上肢腱反射、④下肢反射が含まれる。
SIASについて詳しいことはこちら↓↓
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33 Parkinson病の評価で適切なのはどれか。
1.Beevor徴候
2.Finkelstein test
3.MAS
4.SARA
5.Westphal現象
解答5
解説
1.× Beevor徴候は、方法は、仰臥位で頭部を挙上させると、おへそが上方へ移動する神経徴候神経所見である。下部腹直筋は第10~12胸髄レベルで支配されていることから、同部位の器質的病変(脊髄腫瘍、脱髄性疾患、脊髄梗塞、脊髄空洞症など)では陽性になる。
2.× Finkelstein test(フィンケルシュタインテスト)の陽性は、狭窄性腱鞘炎を疑う。方法は、母指を中に入れて手を握り手関節の尺屈を強制させる。
3.× MASで表される評価は2つあるが、一番有名なものとしてMAS(Modified Ashworth Scale)があげられる。MAS(Modified Ashworth Scale)は、筋緊張の程度を6段階(0、1、1+、2、3、4)に分類して評価するものである。MASと略される評価法としては、このほかに脳卒中の運動機能評価に用いるMAS(motor Assessment Scale)がある。これは上肢機能だけでなく座位バランスや歩行なども評価する。
4.× SARA(scale for the assessment and rating of Ataxia)は、脊髄小脳変性による失調症の定量的な評価法である。全8項目(歩行、立位、座位、言語障害、指追い試験、鼻指試験、手の回内・回外運動、踵脛試験)の評価セットである。四肢の運動失調の他、歩行障害、構音障害、眼球運動障害を簡便に評価できる。
5.〇 正しい。Westphal現象(ウエストファル現象)は、Parkinson病の評価に用いる。Westphal現象(ウエストファル現象)とは、筋を受動的に短縮させた時に、短縮させた筋に持続的な筋収縮が誘発される現象である。前脛骨筋に最も出やすい。固縮があるParkinson病に多く見られる。
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【共通問題のみ】パーキンソン病についての問題「まとめ・解説」
34 熱傷について正しいのはどれか。
1.Ⅰ度熱傷では水庖がみられる。
2.Ⅲ度熱傷では創底から上皮化が起こる。
3.深達性Ⅱ度熱傷では痛覚鈍麻がみられる。
4.浅達性Ⅱ度熱傷では水疱底は蒼白である。
5.熱傷面積はⅠ、Ⅱ、Ⅲ度すべての面積を合わせて計算する。
解答3
解説
- Ⅰ度:【深さ】表皮【症状】発赤、熱感、軽度の腫脹と疼痛、水泡形成(ー)【治癒】数日間、瘢痕とはならない。
- Ⅱ度:【深さ】真皮浅層(SDB)【症状】強い疼痛、腫脹、水泡形成(水泡底は赤色)【治癒】1~2週間、瘢痕再生する。
- Ⅱ度:【深さ】真皮深層(DDB)【症状】水泡形成(水泡底は白色、もしくは破壊)、知覚は鈍麻【治癒】3~4週間、瘢痕残す、感染併発でⅢ度に移行。
- Ⅲ度:【深さ】皮下組織【症状】疼痛(ー)、白く乾燥、炭化水泡形成はない【治癒】一か月以上、小さいものは瘢痕治癒、植皮が必要。
1.× 水庖がみられるのは、「Ⅰ度熱傷」ではなく「浅達性Ⅱ度熱傷」である。ちなみに、Ⅰ度熱傷は、水泡形成はない。
2.× 創底から上皮化が起こるのは、「Ⅲ度熱傷」ではなく「深達性Ⅱ度熱傷」である。ちなみに、Ⅲ度熱傷は、炭化水泡形成はない。上皮化とは、欠損した皮膚や粘膜が治癒過程において上皮すなわち表皮や粘膜上皮で再度被覆されることである。 創傷の治癒過程では、肉芽組織が形成された後、表皮細胞が遊離・増殖して再生上皮が形成される。
3.〇 正しい。深達性Ⅱ度熱傷では、痛覚鈍麻がみられる。
4.× 水疱底は蒼白であるのは、「浅達性Ⅱ度熱傷」ではなく「深達性Ⅱ度熱傷」である。ちなみに、浅達性Ⅱ度熱傷は、水疱底は赤色である。
5.× 熱傷面積は、「Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ度すべての面積を合わせて計算する」ではなく「成人は9の法則・小児は5の法則」として計算する。
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35 疼痛検査に用いるのはどれか。2つ選べ。
1.face scale
2.GCS
3.mRS
4.MTS(Modified Tardieu Scale)
5.NRS
解答1・5
解説
1.〇 正しい。face scaleは、疼痛検査に用いる。痛みの表現を言語や数値ではなく、人の顔の表情によって評価するスケールである。0~5の6段階で患者に自分の心情に近い表情を選んでもらい、痛みを評価する。
2.× GCS(Glasgow Coma Scale)は、意識障害を評価する。意識障害のある患者を開眼機能(E)、言語機能(V)、運動機能(M)の3点から評価する。
3.× mRS(Modified Rankin scale:モディファイド・ランキン・スケール)は、脳卒中患者の状態を症状なしから死亡までに分類できる。脳卒中の病態を「全く症状なし(Grade:0)」から「死亡(Grade:6)」までの7段階で評価したものである。
4.× MTS(Modified Tardieu Scale)は、痙縮の評価指標である。①筋伸張の速度、②筋の反応の質、③筋の反応の角度を評価する。
5.〇 正しい。NRS(numerical rating scale:数字評価スケール)は、疼痛検査に用いる。痛みの強さを評価する。0(痛みなし)~10(想像できる最大の痛み)の数字で11段階に区分し、現在の痛みの程度を示してもらう。
GCSについてしっかり覚えたい方用にまとめました。参考にしてください↓