リハビリ特化型通所サービス 明日へ【施設案内】

理学療法士国家試験 熱傷についての問題7選「まとめ・解説」

※問題の引用:理学療法士国家試験 厚生労働省より
※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。

他の年の記事はこちら↓↓

第54回(H31) 理学療法士国家試験 解説【午前問題1~5】 第53回(H30)理学療法士 国家試験解説【午前問題1~5】 第52回(H29) 理学療法士国家試験 解説【午前問題1~5】

 

第45回 午前89問

熱傷で正しいのはどれか。2つ選べ。

1.Ⅲ度熱傷は真皮層までの損傷をいう。

2.四肢関節部位は特殊部位と呼ばれる。

3.瘢痕形成の予防として圧迫と伸張とが用いられる。

4.手の熱傷では手内筋プラスポジションとなりやすい。

5.小児の熱傷面積を算出する場合は9の法則を用いる。

 

解答2,3

解説

1.× Ⅲ度熱傷は『真皮層』までではなく『皮下組織』までの損傷をいう。熱傷深度は第1度、第Ⅱ度、第Ⅲ度に分かれる。第Ⅰ度は表皮までの障害。第Ⅱ度は真皮までの障害で障害部位によって、真皮浅層と真皮深層の2種類にさらに分かれる。第Ⅲ度は皮下組織まで障害された状態である。

2.〇 正しい。四肢関節部位は特殊部位と呼ばれる。顔面、頸部、会陰・肛門部、手足などは重篤となりやすく、障害も残りやすいため、特殊部位と呼ばれる。

3.〇 正しい。瘢痕形成の予防として圧迫と伸張とが用いられる。

4.× 手の熱傷では手内筋プラスではなく、マイナスポジションとなりやすい。手内在筋マイナスポジションとは、母指内転位、MP過伸展、PIP・DIP関節屈曲位のとなるものを指す。手の熱傷でなりやすい。

5.× 小児の熱傷面積を算出する場合は9の法則ではなく、5の法則を用いる。熱傷面積の判定は、成人には9の法則・小児には5の法則を用いる。熱傷面積の算定は深度とともに重症度の基準となる。

 

 

 

 

 

第48回 午後86問

熱傷について正しいのはどれか。

1.Ⅰ度では皮膚の発赤をきたす。

2.浅達性Ⅱ度では肥厚性瘢痕を残す。

3.Ⅲ度では強い痛みがある。

4.小児の熱傷面積の概算には9の法則が用いられる。

5.熱傷指数はⅠ度とⅡ度の面積から算出する。

 

解答1

解説

1.〇 正しい。Ⅰ度では皮膚の発赤をきたす。Ⅰ度は表皮までの障害で、皮膚の発赤、熱感、軽度の腫脹と疼痛がみられ、水疱はみられない。

2.× 浅達性Ⅱ度では肥厚性瘢痕を残すのは間違いである。瘢痕を残すのは、深達性Ⅱ度である。一方、浅達性Ⅱ度は、真皮浅層までの障害で、強い疼痛、腫脹、水疱形成がみられる。1~2週間で治癒し、瘢痕再生する。

3.× Ⅲ度では強い痛みはない。Ⅲ度は皮下組織までの障害で、疼痛を感じず、皮膚は白く乾燥、炭化する。水疱形成はみられない。

4.× 小児の熱傷面積の概算には9の法則ではなく、5の法則が用いられる。熱傷面積の算定は、成人には9の法則・小児には5の法則を用いる。

5.× 熱傷指数はⅠ度とⅡ度の面積から算出するのではなく、Ⅱ度とⅢ度の熱傷面積で算出する。詳しくは、以下に計算式を示す。熱傷指数(Burn Index) =Ⅱ度熱傷面積(%) × 1/2+ Ⅲ度熱傷面積(%)により算出する。10~15%以上の重傷熱傷で全身管理を要する。

 

 

 

 

 

第48回 午前31問

熱傷の部位と起こりやすい拘縮を予防する肢位の組合せで適切でないのはどれか。

1.前頚部——頸椎伸展

2.前胸部——肩関節外転

3.肘窩部——前腕回内

4.膝窩部——膝関節伸展

5.下腿後面—足関節背屈

 

解答3

解説

熱傷部位によって起こしやすい拘縮のタイプがあるため、それを理解した上でポジショニングを行う。

1.〇 前頚部——頸椎伸展:正しい。頸椎は軽度伸展位とする。頸部を伸展位にするには、首の後ろに巻いたタオル等を挿入する。

2.〇 前胸部——肩関節外転:正しい。前胸部熱傷は肩関節内転拘縮になりやすいので、肩関節外転位を取る。

3.× 肘窩部——前腕回内:間違いである。肘関節前面(肘窩部)の熱傷では、屈曲拘縮が起こりやすいので、肘関節は伸展位に保持する。

4.〇 膝窩部——膝関節伸展:正しい。膝窩部熱傷は屈曲拘縮を起こしやすいので、膝関節は伸展させる。

5.〇 下腿後面—足関節背屈:正しい。下腿後面熱傷は足関節底屈拘縮が起こりやすいので、足関節は背屈させる。

 

 

 

 

 

 

第45回 午後20問

44歳の患者。両上肢と体幹とに図のようなⅡ度の熱傷がある。受傷後3日目に保持すべき肢位で正しいのはどれか。

  1. 頸部:中間位
  2. 肩関節:外転位
  3. 右前腕:回内位
  4. 体幹:軽度屈曲位
  5. 膝関節:軽度屈曲位

 

解答2

解説

1.× 頸部:中間位→頸部は首の後ろに巻いたタオル等を挿入し、軽度伸展位とする。

2.〇 正しい。肩関節:外転位→肩関節は、内転・内旋に拘縮しやすいので、外転・外旋位とする。

3.× 右前腕:回内位→前腕は、回外位とする。

4.× 体幹:軽度屈曲位→体幹は、軽度伸展位とする。

5.× 膝関節:軽度屈曲位→屈曲に拘縮しやすいため、伸展位とする。

 

 

 

 

 

 

第47回 午前49問

熱傷患者の理学療法で誤っているのはどれか。

1.温浴時に関節可動域訓練を併用する。

2.植皮術直後から関節可動域訓練を行う。

3.ゆっくりした持続的な皮膚の伸張を行う。

4.スプリントの圧迫によってケロイド形成を抑制する。

5.初期の安静肢位として肩関節外転·外旋位をとらせる。

 

解答2

解説

熱傷の理学療法として、変形拘縮の予防、瘢痕形成予防、浮腫の軽減、筋力維持改善、全身体力の維持を行う。

1.〇 正しい。温浴時に関節可動域訓練を併用する。熱傷では皮膚組織の破壊により可動域が制限されるため、関節可動域訓練はゆっくりと持続的かつ愛護的に行う。

2.× 植皮術直後から関節可動域訓練を行うのは間違いである。移植直後から関節可動域訓練をすることは、移植された皮膚の生着を妨げるため不適切である。

3.〇 正しい。ゆっくりした持続的な皮膚の伸張を行う。皮膚の瘢痕形成、組織の収縮化を防ぐために行う。

4.〇 正しい。スプリントの圧迫によってケロイド形成を抑制する。ケロイドは外観的・機能的に障害を残すので、その予防が必要となる。

5.〇 正しい。初期の安静肢位として肩関節外転·外旋位をとらせる。体幹の熱傷では、肩関節の内転・内旋拘縮を予防するため、肩関節を外転・外旋位にするのが好ましい。

 

 

 

 

 

第53回 午前77問

熱傷について正しいのはどれか。

1.第I度熱傷では熱感はみられない。

2.浅達性第Ⅱ度熱傷では癒痕を残す。

3.深達性第Ⅱ度熱傷の水痕底は発赤している。

4.第Ⅲ度熱傷では疼痛が著明である。

5.鼻咽腔内に煤が見られたときは気道熱傷が疑われる。

解答:5解説

1.×:表皮までの熱傷。発赤、熱感、軽度の腫脹と疼痛が認められるが、水泡は認められない。

2.×:瘢痕は再生するのが特徴である。瘢痕を残すのは、3(深達性第Ⅱ度熱傷)である。

3.×:水痕底は白色もしくは破壊になるのが特徴である。発赤しているのは2(浅達性第Ⅱ度熱傷)である。

4.×:疼痛はない。白く乾燥・炭化水泡形成はない。

5.〇:正しい。煤(すす)と読む。

 

おすすめ参考書↓↓

 

覚えておこう!!

  • 肘関節前面の熱傷では、屈曲拘縮が起こりやすいので伸展位に保持する。
  • 膝関節前面の熱傷では、伸展拘縮が起こりやすいので軽度屈曲位に保持する。
  • 膝窩部の熱傷では屈曲拘縮を起こすので、膝関節は伸展させる。
  • 下腿後面の熱傷では足関節底屈拘縮が起こるので、背屈方向へ伸張する。
  • 足関節背面の熱傷では背屈方向に拘縮をきたしやすいため、軽度底屈位とする。
  • 前胸部の熱傷では肩関節内転拘縮になりやすいので、外転方向の運動を行う。

 

熱傷の分類

程度深さ症状治癒
Ⅰ度表皮発赤、熱感、軽度の腫脹と疼痛、水泡形成(ー)

数日間

瘢痕とはならない

Ⅱ度真皮浅層(SDB)強い疼痛、腫脹、水泡形成(水泡底は赤色)

1~2週間

瘢痕再生する

真皮深層(DDB)水泡形成(水泡底は白色、もしくは破壊)、知覚は鈍麻

3~4週間

瘢痕残す

感染併発でⅢ度に移行

Ⅲ度皮下組織疼痛(ー)、白く乾燥、炭化水泡形成はない

一か月以上

小さいものは瘢痕治癒

植皮が必要

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)