【PT/OT/共通】解剖・横断図についての問題「まとめ・解説」

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※問題の引用:厚生労働省より

※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。

MEMO

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目次 非表示

PT専門

第47問PT 午後5問

正常な肩関節のMRI画像を下記に示す。解剖で誤っているのはどれか。

1.①鎖骨
2.②関節唇
3.③関節窩
4.④上腕骨頭
5.⑤腱板

解答

解説

1.× ①は、鎖骨ではなく、肩峰である。①肩峰の右側が鎖骨である。
2.〇 正しい。②は、関節唇である。関節唇とは、関節窩の縁にあり、肩関節の安定性を高めると同時に、さまざまな衝撃から守るクッションの役割を果たしている。
3.〇 正しい。③は、肩甲骨関節窩である。
4.〇 正しい。④は、上腕骨頭である。
5.〇 正しい。⑤は、腱板である。

 

 

 

 

第48問PT 午後5問

5 20歳の女性。下肢機能障害のために血管造影検査を行った。図の矢印の部位(第8胸髄レベル)の閉塞が認められた。
 機能が維持されると考えられるのはどれか。

1.位置覚
2.痛覚
3.触覚
4.筋力
5.排尿機能

解答1

解説

血管造影検査から、「背側・腹側」からも読み取れるが、「1本か2本か」でも血管を断定することが可能である。腹側(1本)は「前脊髄動脈」である。前脊髄動脈が閉塞された疾患を、前脊髄動脈症候群という。前脊髄動脈症候群とは、支配領域である脊髄腹側約2/3の領域に血流障害が生じ、急速に発現する対麻痺ないし四肢麻痺、病変レベル以下での解離性感覚障害(温痛覚のみが障害され、触覚、振動覚、位置覚は保たれる)、膀胱直腸障害などを特徴とする。

1.〇 正しい。位置覚は、後索路を通るため機能が維持されると考えられる。後索路は、脊髄後角から同側の後索を通り、延髄でニューロンを換え、左右交差し、内側毛帯を通り、視床という経路となる。
2~3.× 痛覚/触覚は、脊髄視床路を通る。脊髄視床路は、脊髄後根から脊髄後角でニューロンを換え、左右交差し、反対の前側索を通過し、視床という経路になる。
4~5.× 筋力/排尿機能は、皮質脊髄路(錐体路)を通る。錐体路は、大脳皮質運動野→放線冠→内包後脚→大脳脚→延髄→(錐体交叉)→脊髄側索(胸髄レベルでは腹側を走る)→脊髄前角細胞という経路をたどる。

 

 

 

第52問PT 午後2問

2 図1の検査で異常がみられた場合、図2の脊髄横断面の模式図において損傷が考えられる部位はどれか。

 

1. ①
2. ②
3. ③
4. ④
5. ⑤

解答:5

解説

図1:振動覚の検査である。
図2:脊髄横断面の模式図であり、深い溝(前正中裂)がある方が腹側、浅い溝(後正中溝)がある方が背側である。

振動覚、位置覚の経路は、「後根 ⇒ 後索(下肢からの線維は薄束を通って薄束核に終わり、上肢からの線維は楔状束を通って楔状束核に終わる) ⇒ 延髄(後索核) ⇒ 毛帯交叉 ⇒ 内側毛帯 ⇒ 視床後外側腹側核 ⇒ 感覚野」となる。よって、5. ⑤が正しい。後索である。後索を通る触覚と深部感覚の障害が主体となり、温度覚・痛覚が温存された解離性知覚脱失を伴う。

1.× ①は前索である。前脊髄視床路(粗大な触覚・圧覚)が通り、その経路は「感覚神経→脊髄後角→(交叉)→脊髄前索→視床→後脚→大脳皮質体性知覚野」となる。
2.× ②は前角である。錐体路が通り、その経路は「大脳皮質運動野→放線冠→内包後脚→大脳脚→延髄→(錐体交叉)→脊髄側索→脊髄前角細胞」となる。
3.× ③は(外側)脊髄視床路である。外側脊髄視床路(温痛覚・粗大触圧覚)の経路は、「感覚神経→脊髄後角→(交叉)→脊髄側索→視床→後脚→大脳皮質体性知覚野」となる。
4.× ④は外側皮質脊髄路である。外側皮質脊髄路 (錐体路・運動)の経路は、「大脳皮質—放線冠—内包後脚—中脳の大脳脚—橋縦束―延髄で錐体交叉—脊髄の側索」となる。脊髄では、前脊髄動脈が脊髄の前2/3を支配しており、①~④は前脊髄動脈症候群で障害される部位である。前脊髄動脈症候群では、脊髄視床路や錐体路が障害され、感覚・運動のいずれも障害を受ける。後索に由来する深部感覚である振動覚や位置覚および表在感覚である触覚は温存される。

 

OT専門

第47回 午前6問

6 68歳の男性。体操中に頸部を急激に後方へ反らした際に受傷し、骨傷のない頸髄損傷と診断された。独歩は可能だが、上肢に強い運動障害を認める。
 損傷型として最も考えられるのはどれか。
 ただし、図の斜線部は頸髄横断面における損傷部位を示す。

 

解答

解説

本症例のポイント

・68歳の男性
・体操中に頸部を急激に後方へ反らした際に受傷。
・骨傷のない頸髄損傷。
・独歩は可能だが、上肢に強い運動障害を認める。
→中心性頸髄損傷が疑われる。

中心性頚髄損傷とは、転倒などの頸椎の過伸展により発生する。したがって高齢者に多い。中心性とは脊髄の中心が主に受傷される。そのため、下肢よりも上肢の障害が優位となる。四肢麻痺、手指の巧緻性低下などの運動障害、強いしびれなどの感覚障害、膀胱直腸障害を呈する。

1.× Brown-Sequard 症候群(ブラウン・セカール症候群:脊髄半側症候群)である。ちなみに、損傷髄節よりも下位の反対側に温痛覚障害が生じ、同側に触覚の低下・痙性麻痺・深部感覚障害が生じる。
2.× 前部性頸髄損傷である。ちなみに、障害レベル以下の温痛覚脱失、痙性麻痺、障害レベルの弛緩性麻痺を呈する。
3.× 脊髄後索の損傷である。主な症状は、解離性知覚脱失(触覚と深部覚の脱失で温痛覚は残存)である。
4.〇 正しい。中心性頸髄損傷が疑われる。中心性頚髄損傷とは、転倒などの頸椎の過伸展により発生する。したがって高齢者に多い。中心性とは脊髄の中心が主に受傷される。そのため、下肢よりも上肢の障害が優位となる。四肢麻痺、手指の巧緻性低下などの運動障害、強いしびれなどの感覚障害、膀胱直腸障害を呈する。また、宙吊り型の温痛覚障害も呈する。
5.× 損傷した頸髄のレベル以下の運動麻痺と感覚障害(すべての伝達路障害)が出現することになる。

 

 

 

 

第52回 午後5問

5 25歳の男性。右前腕切断。筋電義手の作製にあたり、ハンドを開くために長短橈側手根伸筋の筋電位を検出した。近位から見た右前腕横断面の模式図を示す。
 ハンドを閉じるために検出する筋はどれか。

1. ①
2. ②
3. ③
4. ④
5. ⑤

解答5

解説

 前腕筋電義手の電極の位置は、ハンドを開く際は手関節背屈群(伸展)に、ハンドを閉じる際は手関節掌屈群(屈曲)に設定する。

1.× ①深指屈筋であり、作用は第2~5指の両指節間関節の屈曲である。ちなみに、【起始】尺骨の内側面と前面、前腕骨間膜の一部、【停止】第2~5指末節骨底である。
2.× ②小指伸筋であり、作用は手関節の背屈、第5指の伸展である。ちなみに、【起始】上腕骨の外側上顆、総指伸筋の筋膜の尺側(小指伸筋筋膜)、【停止】第5指の指背腱膜である。
3.× ③長橈側手根伸筋であり、作用は手関節の背屈、橈屈である。ちなみに、【起始】上腕骨外側縁、外側上顆および外側上腕筋間中隔、【停止】第2中手骨底の背面橈側である。
4.× ④長掌筋であり、作用は手関節掌屈(屈筋)であるが、主な作用は手掌離膜に緊張を与えることである。また欠如している割合も一定数いる(日本人は約5%、欧米人は20%欠如している)。そのため、長掌筋をあえて選択することは少ない。ちなみに、【起始】上腕骨の内側上顆、前腕筋膜内面、【停止】手掌で手掌腱膜となる。
5.〇 正しい。⑤尺側手根屈筋であり、作用は手関節の掌屈、尺屈である。ちなみに、【起始】上腕頭:内側上顆と前腕筋膜、尺骨頭:肘頭から尺骨中部までの後縁、【停止】豆状骨、豆鉤靭帯、豆中手靭帯、有鉤骨、第5中手骨底である。

 

 

 

 

共通問題

第45回共通 午後52問

右下腿中央部やや上方の横断図を示す。ヒラメ筋はどれか。

解答

解説

1.× 前脛骨筋である。
2.× 長趾伸筋である。
3.〇 正しい。ヒラメ筋である。ヒラメ筋は、腓腹筋の前面に位置する。
4.× 腓腹筋である。
5.× 長趾屈筋である。

 

 

第46回共通 午後60問

手根管の模式図を示す。解剖で正しいのはどれか。

1.尺骨神経
2.尺骨動脈
3.正中神経
4.長母指屈筋腱
5.有頭骨

解答

解説

1.× 尺骨神経ではなく、橈側手根屈筋腱である。尺骨神経は、手根管の外側に位置する。
2.× 尺骨動脈ではなく、長母指屈筋腱である。尺骨動脈は、手根管の外側に位置する。
3.〇 正中神経である。正中神経は、手根管の内側を通る。よって、手根管症候群では、正中神経が圧迫される。
4.× 長母指屈筋腱ではなく、尺骨神経である。長母指屈筋腱は、尺骨間の内側に位置する。
5.× 有頭骨ではなく、有鈎骨である。有頭骨は、図5の左側に位置する骨である。

 

 

 

 

第46回共通 午後88問

88.第5胸髄レベルの脊髄横断面模式図に損傷部位を斜線で示す。
 右下肢にみられる症状はどれか。

1.運動麻痺
2.痛覚鈍麻
3.位置覚異常
4.振動覚低下
5.腱反射亢進

解答2

解説

Brown-Séquard症候群とは?

Brown-Sequard 症候群(ブラウン・セカール症候群:脊髄半側症候群)は、損傷髄節よりも下位の反対側に温痛覚障害が生じ、同側に触覚の低下・痙性麻痺・深部感覚障害が生じる。

1.× 運動麻痺は、第5胸髄レベル以下の左下肢にみられる。
2.〇 正しい。痛覚鈍麻は、第5胸髄レベル以下の右下肢にみられる。
3~5.× 位置覚異常/振動覚低下/腱反射亢進は、第5胸髄レベル以下の左下肢にみられる。

 

 

 

第50回共通 午前53問

53 頭部MRI のT2強調像(下図)を別に示す。海馬はどれか。


1. ①
2. ②
3. ③
4. ④
5. ⑤

解答3

解説

1.× ①は、側脳室である。
2.× ②は、視床である。
3.〇 正しい。③は、海馬である。
4.× ④は、である。
5.× ⑤は、側頭葉である。

 

 

第50回共通 午前54問

54 中脳レベルの横断面の模式図を示す。
錐体路はどれか。


1. ①
2. ②
3. ③
4. ④
5. ⑤

解答5

解説

錐体路とは、大脳皮質運動野―放線冠―内包後脚―大脳脚―延髄―錐体交叉―脊髄前角細胞という経路をたどる。

1.× ①は、上丘である。
2.× ②は、赤核である。
3.× ③は、黒質である。
4.× ④は、動眼神経核である。
5.〇 正しい。⑤は、大脳脚である。

 

 

 

第51回共通 午前52問

52 手根骨を図に示す。
矢印の部位はどれか。


1. 有鈎骨
2. 有頭骨
3. 舟状骨
4. 小菱形骨
5. 大菱形骨

解答4

解説

4.〇 正しい。矢印は、小菱形骨である。

 

 

 

 

第51回共通 午後52問

52 上腕骨遠位部の図を示す。
矢印の部位はどれか。


1. 肘頭窩
2. 外側上顆
3. 鈎状突起
4. 内側上顆
5. 上腕骨小頭

解答5

解説

1.× 肘頭窩は、上腕骨の後面にある。
2.× 外側上顆は、矢印の部分より近位の隆起である。
3.× 鈎状突起は、尺骨にある。
4.× 内側上顆は、矢印の部分より対側にある隆起である。
5.〇 正しい。上腕骨小頭である。

 

 

第52回共通 午前77問

77 頭部MRIのT1強調冠状断像を別に示す。矢印の部位はどれか。

1. 前頭弁蓋
2. 帯状回
3. 尾状核
4. 海馬
5. 島

解答:

解説

1.✖ 前頭弁蓋は、中心前溝下部と 外側溝上行枝の領域である。
2.✖ 帯状回は、大脳の内側面において、脳梁の辺縁を前後方向に走る脳回である。
3.✖ 尾状核は、大脳基底核に位置する神経核である。
4.〇 正しい。海馬である。
5.✖ 島は、島皮質は脳の外側面の奥、側頭葉と頭頂葉下部を分ける外側溝の中に位置している。

 

 

 

 

 

 

第53回共通 午後72問

下腿中央の横断面を図に示す。矢印の筋の作用で正しいのはどれか。2つ選べ。

1.膝関節の屈曲
2.足の底屈
3.足の内がえし
4.母指の屈曲
5.第2 ~ 5指の屈曲

解答:2,3

解説

矢印が向いている筋は、後脛骨筋である。

後脛骨筋の作用は足関節底屈・足の内返しである。
したがって、選択肢2.足の底屈・3.足の内がえしが適切である。

ちなみに、①前脛骨筋、②長趾伸筋、③長腓骨筋、④ヒラメ筋、⑤長母指屈筋、⑥腓腹筋、⑦長趾屈筋である。

 

 

 

第54回共通 午後72問

72. 右膝の内側面を図に示す。矢印の筋の作用で正しいのはどれか。2つ選べ。

1. 股伸展
2. 股内転
3. 股外旋
4. 膝伸展
5. 膝屈曲

解答3,5

解説
 矢印の示す筋は、縫工筋である。作用は股関節の屈曲と外転・外旋、膝関節の屈曲と内旋である。よって、選択肢3..5 股外旋/膝屈曲が正しい。

 

 

第56回共通 午後71問

71 右下腿の外側面を図に示す。矢印の筋の作用で正しいのはどれか。2つ選べ。

1.足の底屈
2.足の背屈
3.足の内がえし
4.足の外がえし
5.第2~5指の伸展

解答1・4

解説

矢印の筋は、長腓骨筋である。長腓骨筋の作用は、足関節底屈外返しである。したがって、選択肢1/4.足の底屈/足の外がえしが正しい。ちなみに、足の底屈に関わるその他の筋は、下腿三頭筋、後脛骨筋、長母趾屈筋、長趾屈筋がある。ちなみに、足の外がえしに関わるその他の筋は、短腓骨筋、第三腓骨筋、長趾伸筋がある。

2.× 足の背屈に関わる筋は、前脛骨筋、長趾伸筋、長母趾伸筋、第三腓骨筋がある。
3.× 足の内がえしに関わる筋は、前脛骨筋、後脛骨筋、長母趾伸筋、長母趾屈筋、長趾屈筋がある。
5.× 第2~5指の伸展は、長趾伸筋の作用である。

2 COMMENTS

大川 純一

コメントありがとうございます。
ご指摘通り間違えておりました。
修正致しましたのでご確認ください。
今後ともよろしくお願いいたします。

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