【共通問題のみ】パーキンソン病についての問題「まとめ・解説」

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※問題の引用:厚生労働省より

※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。

MEMO

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【OT専門のみ】パーキンソン病についての問題「まとめ・解説」

【PT専門のみ】パーキンソン病についての問題「まとめ・解説」

 

45回 午前92問

92.Parkinson病で認められるのはどれか。2つ選べ。

1.反張膝
2.前傾姿勢
3.突進歩行
4.大殿筋歩行
5.はさみ足歩行

解答2.3

解説

1.× 反張膝は、大腿四頭筋の筋力低下片麻痺などで起こる。
2.〇 正しい。前傾姿勢は、Parkinson病で認められる。Parkinson病は、無動・寡動、筋固縮、安静時振戦、姿勢反射障害がみられる。前傾姿勢は、これらが複合してみられる。
3.〇 正しい。突進歩行は、Parkinson病で認められる。他にも、すくみ足、小刻み歩行がみられる。
4.× 大殿筋歩行は、立脚相に体幹後傾(股関節伸展位)を呈する。立脚期に体幹前屈位(股関節屈曲位)で姿勢を保持できないため、急激に腹部を前に突き出すようにして股関節を最大伸展させロックすることが特徴である。筋ジストロフィーなどでみられる。
5.× はさみ足歩行(痙性対麻痺歩行)は、足尖で歩行し、両膝をするように歩く。

 

 

 

49回 午前84問

84 抗Parkinson病薬の長期投与によって生じうる症状として誤っているのはどれか。

1. 高血圧
2. on-off現象
3. 精神症状の出現
4. wearing-off現象
5. 不随意運動の増強

解答1

解説

1.× 「高血圧」ではなく、(起立性)低血圧が副作用である。
2.〇 正しい。on-off現象(治療薬の服薬時間や血中濃度によらず、急激な症状の増悪と軽快が繰り返される現象)は、長期治療による合併症の一つである。
3.〇 正しい。精神症状の出現(不安、うつ、幻覚、妄想など)は、L-dopaの長期使用による副作用である。
4.〇 正しい。wearing-off現象(薬効時間が短縮し、内服してから短時間でパーキンソニズムが出現する現象)は、抗Parkinson病薬の長期使用による副作用である。
5.〇 正しい。不随意運動の増強(ジスキネジアなど)は、長期使用による副作用である。以前、L-dopaの長期投与によるものと考えられていたが、近年は線条体シナプスの変性によると考えられている。

 

 

 

 

49回 午後89問

89 Parkinson病の症状、徴候について正しいのはどれか。

1. 企図振戦
2. アテトーゼ
3. Myerson徴候
4. ミオクロニー発作
5. 折りたたみナイフ現象

解答3

解説

1.× 企図振戦(安静時には出現せずに、動作を起こす時に生じる3~6Hzの振戦)は、小脳障害の症状(小脳失調)である。
2.× アテトーゼ(不随意運動)は、大脳基底核障害の症状でみられる。アテトーゼ型の脳性麻痺などでみられる。
3.〇 正しい。Myerson徴候(マイヤーソン徴候)とは、眉間を指などで軽打し続けると、健常者ならば数回の瞬目反射が起き、以降は減衰・停止するが、Parkinson病ではその瞬目反射が減衰せずに継続する徴候のこと。
4.× ミオクロニー発作とは、突然の瞬間的な筋収縮のことである。てんかんの発作の症状の一つである。
5.× 折りたたみナイフ現象は、他動的運動に対する速度依存性(速く動かすほど抵抗が強くなる)の筋緊張異常である。錐体路障害で起こる。

 

 

 

53回 午後88問

88 .Parkinson病について正しいのはどれか。

1.喫煙者に多い。
2.再発と寛解とを繰り返す。
3.孤発性症例が家族性症例より多い。
4.30〜40歳代での発症が最多である。
5.我が国の有病率はAlzheimer病より多い。

解答:3


解説

1.× 喫煙者に多いなどの報告はなく、喫煙者との関連性は今のところ報告されていない。Parkinson病は、中脳の黒質の変性により、線条体のドパミンが不足する進行性の神経変性疾患である。
2.× 再発と寛解とを繰り返すのが特徴的なものは、多発性硬化症である。
3.〇 正しい。孤発性症例が家族性症例より多い。孤発性は90%以上を占めている。
4.× 「30〜40歳代」ではなく、65~75歳代での発症が最多である。
5.× 我が国の有病率は、Alzheimer病より少ない。パーキンソン病の患者数約10万人。アルツハイマー病の患者数は、約200万人いるといわれている。

多発性硬化症とは?

 多発性硬化症は、中枢神経系の慢性炎症性脱髄疾患であり、時間的・空間的に病変が多発するのが特徴である。病変部位によって症状は様々であるが、視覚障害(視神経炎)を合併することが多く、寛解・増悪を繰り返す。視力障害、複視、小脳失調、四肢の麻痺(単麻痺、対麻痺、片麻痺)、感覚障害、膀胱直腸障害、歩行障害、有痛性強直性痙攣等であり、病変部位によって異なる。寛解期には易疲労性に注意し、疲労しない程度の強度及び頻度で、筋力維持及び強化を行う。脱髄部位は視神経(眼症状や動眼神経麻痺)の他にも、脊髄、脳幹、大脳、小脳の順にみられる。有痛性強直性痙攣(有痛性けいれん)やレルミット徴候(頚部前屈時に背部から四肢にかけて放散する電撃痛)、ユートホフ現象(体温上昇によって症状悪化)などが特徴である。若年成人を侵し再発寛解を繰り返して経過が長期に渡る。視神経や脊髄、小脳に比較的強い障害 が残り ADL が著しく低下する症例が少なからず存在する長期的な経過をたどるためリハビリテーションが重要な意義を持つ。

(参考:「13 多発性硬化症/視神経脊髄炎」厚生労働省様HPより)

 

 

54回 午前90問

90. Parkinson病でみられないのはどれか。

1. 便秘
2. 運動失調
3. 動作緩慢
4. 静止時振戦
5. レム睡眠行動障害

解答

解説
 パーキンソン病は、黒質のドパミン神経細胞の変性を主体とする進行性変成疾患である。4大症状として①安静時振戦、②筋強剛(筋固縮)、③無動・寡動、④姿勢反射障害を特徴とする。また、自律神経障害による便秘や起立性低血圧、排尿障害、レム睡眠行動障害などが起こる。レム睡眠行動障害とは、レム睡眠の時期に体が動き出してしまう睡眠障害の1つである。 睡眠時随伴症に分類される。

2. ×:運動失調は、主に小脳の障害でみられることが多い。

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