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76 骨転移を最も生じやすいのはどれか。
1.胃癌
2.肝臓癌
3.前立腺癌
4.大腸癌
5.膀胱癌
解答3
解説
骨転移の頻度が特に高いのは、女性では乳癌・男性では前立腺癌である。各がん種の骨転移患者の割合は以下の通りである。①乳がん 21.6(%)、②肺がん 21.2(%)、③前立腺がん 7.6(%)、④腎がん 7.5(%)、⑤胃がん 6.8(%)、⑥子宮がん 6.6(%)、⑦肝臓がん 5.1(%)、⑧大腸がん 4.0(%)、⑨甲状腺がん 3.5(%)、⑩膀胱がん 1.7(%)、⑪食道がん 1.6(%)、⑫膵臓がん 1.4(%)である。
1.× 胃癌は、6.8(%)である。
2.× 肝臓癌は、5.1(%)である。
3.〇 正しい。前立腺癌は、選択肢の中で骨転移を最も生じやすい。骨転移の頻度が特に高いのは、女性では乳癌・男性では前立腺癌である。全体でも前立腺がん は、7.6(%)を占める。
4.× 大腸癌は、4.0(%)である。
5.× 膀胱癌は、1.7(%)である。
77 呼吸機能検査について正しいのはどれか。
1.呼吸筋力の低下で肺活量は低下する。
2.気道抵抗が増加すると1秒率は上昇する。
3.肺拡散能の低下では最大呼気流量は低下する。
4.肺コンプライアンスが低下すると機能的残気量は増加する。
5.換気血流比不均等では肺胞気-動脈血酸素分圧較差が低下する。
解答1
解説
1.〇 正しい。呼吸筋力の低下で肺活量は低下する。なぜなら、呼吸筋力が低下することで、十分な空気を吸い込むことが困難になるため(肺活量の低下)。他にも、血中酸素の低下(低酸素血症)、二酸化炭素の上昇(高炭酸血症)が起こる。ちなみに、肺活量とは、[最大吸気量 + 予備呼気量]のことをいう。つまり、限界まで吸い、限界まで吐いたときの空気の量である。
2.× 気道抵抗が増加すると1秒率は、上昇ではなく「低下」する。気道抵抗とは、気道を流れる空気の「通りにくさ」を意味し、気道内径の変化を伴う気道障害の指標となる。喘息など閉塞性換気障害のある人では、呼気時の気道抵抗は著明に上昇する。一方、1秒率とは、息を努力して吐き出したときに呼出される空気量のうち最初の一秒間に吐き出された量の割合である。つまり、1秒率の上昇は「呼出される空気の量が増加」したこととなり良い指標となる。
3.× 肺拡散能の低下では最大呼気流量は、低下ではなく「増加」する。肺拡散能とは、肺胞から肺胞の毛細血管に酸素などのガスを供給する能力のことである。COPDの場合は、肺胞の破壊による肺胞ガス交換面積の減少と肺毛細血管床の減少(毛細血管の破壊)のために、肺拡散能が低下する。
4.× 肺コンプライアンスが低下すると機能的残気量は、増加ではなく「低下」する。肺コンプライアンスとは、肺の膨らみやすさの指標である。肺、胸郭にはたえず縮まろうとする性質(弾性)があり、コンプライアンスは弾性の逆数で表される。肺が線維化して固くなる疾患では肺コンプライアンスは低下し、逆に肺の過膨張をきたす肺気腫等の疾患では上昇する。一方で機能的残気量とは、安静時呼気位の後に残っている空気量のことをいう。機能的残気量は、胸郭の弾性収縮力の障害が大きい疾患(肺線維症、胸郭変形、胸膜肥厚)で減少する。
5.× 換気血流比不均等では肺胞気-動脈血酸素分圧較差が、低下ではなく「増加」する。換気/血流比不均等とは、肺胞換気量と肺循環血流量の比がばらつき、ガス交換効率の低下した状態をいう。 例えば、血流が換気よりも大きく障害された場合には、換気は可能であるがガス交換のための血流に乏しい状態が生じる。これを死腔様効果と呼ぶ。一方、肺胞気/動脈血酸素分圧較差とは、肺胞レベルのガス交換障害を判定する際に用いられる数値である。 正常値は5~15(年齢によって異なる)。 肺疾患によってガス交換に異常をきたすと較差が開大し、数値が増加する。
78 下肢の深部静脈血栓症により塞栓をきたすことが最も多い臓器はどれか。
1.脳
2.肺
3.肝臓
4.心臓
5.腎臓
解答2
解説
肺塞栓症とは、肺動脈に血栓が詰まる病気のこと。血栓の9割以上は脚の静脈内にでき、この血栓を「深部静脈血栓症」といい、それが血液の流れに乗って右心房、右心室を経由して肺動脈まで運ばれてきて、肺塞栓症の原因となる。肺塞栓症と深部静脈血栓症は、極めて関係が深い病気で、二つを合わせて「静脈血栓塞栓症」と呼ばれる。深部静脈血栓症患者の約50%は潜在性の肺塞栓症を有し、肺塞栓症患者の30%以上は証明可能な深部静脈血栓症患者を有すると報告されている。したがって選択肢2.肺が下肢の深部静脈血栓症により塞栓をきたすことが最も多い臓器といえる。
79 欲求を満たせないときに、正反対の欲求を発展させ心的平衡を保とうとする防衛機制はどれか。
1.置き換え
2.合理化
3.反動形成
4.否認
5.抑圧
解答3
解説
1.× 置き換えは、受け入れ難い自己の感情を、対象を別のものに移すことで解消すること。例:親を攻撃する代わりに飼っているネコをいじめる。
2.× 合理化は、欲求が満たされないとき、その耐え難い感情をかなり強引な理屈づけを行って処理しようとすること。異性に振られたとき、「あんな奴と付き合わない方が自分のためになる」などと思い込む。
3.〇 正しい。反動形成は、欲求を満たせないときに、正反対の欲求を発展させ心的平衡を保とうとする防衛機制である。
4.× 否認は、容認したくない感情、経験を実際には存在しなかったかのように振る舞うこと。異性から振られたのに自分から振ったのだと思い込む。
5.× 抑圧は、容認し難い自分の欲求を無意識のうちに抑えつけてしまうこと。例:性的欲求、攻撃性などを無意識のうちに抑える。
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【OT/共通】防衛機制についての問題「まとめ・解説」
80 自己暗示により催眠状態を作り出し心身をリラックスさせる方法はどれか。
1.コラム法
2.自律訓練法
3.自由連想法
4.漸進的筋弛緩法
5.マインドフルネス
解答2
解説
1.× コラム法(思考記録表)は、嫌な感情が起こったときの状況、 気分、 自動思考などを表(コラム)に記述し、それらを改めるような思考を促すものである。
2.〇 正しい。自律訓練法は、自己暗示により催眠状態を作り出し心身をリラックスさせる方法である。自律訓練法は、シュルツにより開発された。自己催眠により全身をリラックスさせ、心身のコントロールを行うものである。適応疾患は、成人の心身症・不安神経症・強迫性障害である。
3.× 自由連想法(精神分析療法)は、無意識のうちに抑圧されていた葛藤を意識化させ、洞察し解決に向かわせるというものである。神経症性障害に適応がある。
4.× 漸進的筋弛緩法は、筋肉の収縮と弛緩を繰り返すことで身体をリラックスさせるリラクセーション法の一つである。道具を使用しない。Jakobson(ヤコプソン)法ともいう。
5.× マインドフルネス(マインドフルネスストレス低減法:瞑想)とは、意識的に現在の瞬間に、そして瞬間瞬間に展開する体験に判断を加えず注意を払うことである。今この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに捕らわれのない状態で、ただ観ることである。脳をリラックスさせ、リラックス状態になることで副交感神経が優位となる。カバットジン,J.によって提唱された「注意集中」とも言い換えることができ、心の動きに惑わされることなく、刻一刻と変化する内的状態を冷静に観察することである。