理学療法士国家試験 防衛機制についての問題4選「まとめ・解説」

 

※問題の引用:理学療法士国家試験 厚生労働省より
※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。

 

 

54回午前

80. 交通事故により下肢を骨折したが、リハビリテーションの回数が少ないことで、治療者に強い不満をぶつけてしまった。その後「先生は私を嫌っている」と考える防衛機制はどれか。

1. 回避
2. 投影
3. 否認
4. 抑圧
5. 合理化

解答2

解説
1. ×:回避は、葛藤や不安に直面したとき、白昼夢や病気に逃げ込むことである。防衛機制の「抑圧・否認・隔離」の総称を回避・逃避と表現することもある。
2. 〇:正しい。投影とは、事故の欠点や攻撃性を他人の中に見出し、他人を攻撃することで自己の劣等感、攻撃性をないものとすることである。
3. ×:否認は、否認したくない感情、経験を実際には存在しなかったかのように振舞うことである。
4. ×:抑圧は、否認しがたい自分の欲求を無意識のうちに抑えつけてしまうことである。
5. ×:合理化は、欲求が満たされない時、その耐え難い感情をかなり強引な理由付けを行って処理しようとすることである。

 

 

 

 

 

53回午前

79.欲求を満たせないときに、正反対の欲求を発展させ心的平衡を保とうとする防衛機制はどれか。

1.抑圧
2.否認
3.行動化
4.合理化
5.反動形成

解答:5


解説

1.× 抑圧は、容認しがたい自分の欲求を無意識のうちに抑えつけてしまうこと。
2.× 否認は、容認したくない感情、経験を実際には存在しなかったかのように振舞うこと。
3.× 行動化は、情緒的葛藤やストレス因子に対し、内省をせず実際の行動によって対処するもの。
4.× 合理化は、欲求が満たされない時、その耐え難い感情をかなり強引な理由付けを行って処理しようとすること。
5.〇 正しい。反動形成は、欲求を満たせないときに、正反対の欲求を発展させ心的平衡を保とうとする防衛機制である。

 

 

 

52回午前

78 自分自身が受け入れることができない衝動・観念を、他の人が持っているとする防衛機制はどれか。

1. 反動形成
2. 合理化
3. 否認
4. 投影
5. 抑圧

解答:

解説

1.✖ 反動形成は、満たされない欲求を反対の欲動によって打ち消すこと。
2.✖ 合理化は、欲求が満たされない時、その耐え難い感情をかなり強引な理由付けを行って処理しようとすること。
3.✖ 否認は、否認したくない感情、経験を実際には存在しなかったかのように振舞うこと。
4.〇 正しい。投影は、自分自身が受け入れることができない衝動・観念を、他の人が持っているとする防衛機制である。
5.✖ 抑圧は、否認しがたい自分の欲求を無意識のうちに抑えつけてしまうこと。

 

 

 

48回午前

79 葛藤が麻痺や失声などの神経症状となって現れるのはどれか。

1.解離
2.昇華
3.心気
4.転換
5.抑圧

解答4

解説

 葛藤とは、1人の人間が2つ以上の相反する感情を同時に持つ不安定な状態をいう。この状態が長く続くことに人は耐えられないので、何らかの「心の働き」により葛藤を解消しようとする。これを「防衛機制」という。

 

1.× 解離とは、意識あるいは人格の統合性が一時的に失われた状態である。
2.× 昇華とは、強い性衝動や支配欲など、社会的に不適応になりうる欲求を社会的・文化的に、より価値の高い目標に向け変えることである。
3.× 心気とは、器質的な要因が存在しないにもかかわらず、重い病気にかかっているのではないか、自分自身の外見に醜形・奇形などが存在するのではないか、などのとらわれがあり、現在の症状の基底に身体疾患や異常が存在しないという、数人の異なる医師の保証を受け入れようとしないことである。
4.〇 正しい。転換は、葛藤が麻痺や失声などの神経症状となって現れる。転換とは、自分では解決できないストレスや葛藤、欲求不満や、精神的につらい出来事が引き金となり、それが知覚・運動障害などに置き換えられる障害である。
5.× 抑圧とは、欲求・願望などを無意識のうちに抑えつけることである。

 

 

 

 

防衛機制を完璧にしよう!~国家試験に向けてのアドバイス~

ROMと違い、一字一句覚える必要はないが、自分で説明や例を提示できるようになりたい。少しでもうろ覚えだと、似たようなものが出題した際、緊張で解答のテンポを崩されかねない。確実に点を取れる問題だと思うので、少し時間をかけてしっかり覚えよう。「Ctrl」+「F」の検索ショートカットを使って、部位で探すと楽だと思います(Macなら⌘ + F)。

 

取り入れ(同一化、同一視)

特徴:自分にとって好ましい人・理想とする人の特性を取り入れてまねをし、それにより自己の欲求の満足を図ること。

例:好きなタレントの髪型をまねる。

 

 

反動形成

特徴:満たされない欲求を正反対の欲動によって打ち消すこと。

例:好きな子をいじめる。

 

 

合理化

特徴:欲求が満たされないとき、その耐え難い感情をかなり強引な理屈づけを行って処理しようとすること。

例:異性に振られたとき、「あんな奴と付き合わない方が自分のためになる」などと思い込む。

 

 

知性化

特徴:欲動や感情を論理的あるいは抽象的に考えたり、それらに関する知識を得たりなどしてコントロールすること。

例:性衝動を、性に関する知識で統制する態度。

 

 

分離

特徴:強い感情を伴った観念から感情を引き離した状態をいう。

例:不快な人に対して笑顔であいさつする。

 

 

抑圧

特徴:容認し難い自分の欲求を無意識のうちに抑えつけてしまうこと。

例:性的欲求、攻撃性などを無意識のうちに抑える。

 

 

抑制

特徴:容認し難い自分の欲求や考えを意図的に意識させないようにすること。

 

 

 

代理

特徴:無意識的な欲求が満たされない場合、これを意識可能な別の表象(イメージ)に置き換えることで欲求を満たすこと。

例:彼女と付き合えないので彼女の写真をじっと眺める。

 

 

象徴化

特徴:無意識の観念、概念などを間接的な別の事物などで代理表現する機能。

例:去勢される不安に対してハサミを連想する。

 

 

補償

特徴:劣等感を克服するため、それとは別の面で価値を実現したり、弱点そのものを克服したりすること。

例:病弱であるという劣等感を勉強で成果を上げることで克服したり、体を鍛えて体質そのものを変える。

 

 

 

置き換え(転換)

特徴:受け入れ難い自己の感情を、対象を別のものに移すことで解消すること。

例:親を攻撃する代わりに飼っているネコをいじめる。

 

 

昇華

特徴:性欲や支配欲などの基本的欲求を社会的に容認された方法で解消すること。

例:性欲を勉学にいそしむことで紛らわす。

 

 

投影(投射)

特徴:自己の欠点や攻撃性を他人の中に見出し、他人を攻撃することで自己の劣等感、攻撃性をないものとすること。

例:「父を嫌っている」という自分の感情を抑えて、「父が自分を嫌っている」と思い込む。

 

 

空想

特徴:現実には実現しない欲求を空想の中で満たすこと。

 

 

退行

特徴:ある程度の発達を遂げた者が、危機に際してより低い発達段階に「子どもがえり」して、未熟な行動により当面の困難を回避しようとするもの。

例:弟や妹が生まれたとき、両親の愛情が自分から弟妹に移ってしまうことをおそれて、おねしょをして両親の手を煩わせる。

 

 

否認

特徴:容認したくない感情、経験を実際には存在しなかったかのように振る舞うこと。

例:異性から振られたのに自分から振ったのだと思い込む。

 

 

打ち消し

特徴:反道徳的な考えや行為などに伴う罪悪感を、これと反対の行為をすることで償おうとすること。

例:宗教の戒律に反した行動をした後に祈る。

 

 

行動化

特徴:情緒的やストレス因子に対し、内省をせず、実際の行動によって対処するもの。

例:治療者に不満をもった思者が、面接場面で沈黙を続ける。

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