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第54回(H31) 理学療法士国家試験 解説【午前問題91~95】

 

91. 下肢の末梢神経伝導検査で複数の神経に運動神経伝導速度低下を認めた。最も考えられる疾患はどれか。

1. 多発性筋炎
2. 視神経脊髄炎
3. 閉塞性動脈硬化症
4. 筋萎縮性側索硬化症
5. Guillain-Barré症候群

解答
解説
Guillain-Barré症候群は、免疫・炎症性ニューロパチーの代表的疾患であり、急性の運動麻痺を主張とする多発根ニューロパチーをきたす。多くは自然回復するが、一部重篤化することがある。Guillain-Barré症候群の検査は3つあり、①血液検査(抗ガングリオシド抗体の上昇)、②髄液検査(細胞数の増加を伴わない蛋白上昇)、③末梢神経伝導検査(伝導速度の低下、伝導ブロック、F波の伝導遅延などがみられる。)よって、5.Guillain-Barré症候群である。
4. 筋萎縮性側索硬化症でみられるのは、針筋電図にて随意収縮時に高振幅電位、安静時に線維束性収縮電位、筋生検にて筋線維の群集萎縮がみられる。

 

 

 

92. 慢性閉塞性肺疾患患者に推奨されないのはどれか。

1. 低脂肪食
2. 在宅酸素療法
3. 上肢の筋力トレーニング
4. 下肢の筋力トレーニング
5. インフルエンザワクチン接種

解答
解説
慢性閉塞性肺疾患(COPD)になると、。安静時でも、呼吸によって使われるエネルギー量が、普通の人よりも15~25%も高くなるため、体重低下や栄養不足になるリスクが高くなる。また、食事中に息切れしたり、疲れを感じたりすることで、食べる量が少なくなるケースもみられる。一昔前は、呼吸商との関連により、高脂肪食が勧められたが、現在では否定されている。ただ、脂肪が全カロリーの40%を超えるような高脂肪食では、下痢やお腹の不快感などを引き起こすことがあるので注意が必要である。逆に、脂肪の摂取が全カロリーの20%になるような低脂肪食は、二酸化炭素の生産を増やしてしまったり、必要な必須脂肪酸が不足してしまったりするので、注意が必要である。つまり、高・低脂肪食は避け、バランスのよい食事が必要である。よって、解答は1. 低脂肪食である。そのほか2~5は問題なく行える。

 

 

 

93. 細菌の産生する毒素が症状の原因となるのはどれか。解答3つあり。

1. 赤痢菌
2. サルモネラ
3. ボツリヌス菌
4. カンピロバクター
5. 腸管出血性大腸菌

解答1もしくは3もしくは5
解説
1. 〇:正しい。赤痢菌は、細菌性赤痢の原因の菌である。細菌の産生する毒素が症状の原因となる。
2. ×:サルモネラは、胃腸炎・食中毒の原因となる菌である。
3. 〇:正しい。ボツリヌス菌は、ボツリヌス食中毒の原因となる菌である。低酸素状態に置かれると発芽・増殖が起こり、毒素が産生する。
4. ×:カンピロバクターは、食中毒の原因となる菌である。改善病日でみるとカンピロバクターは、サルモネラと比較して早く回復する。
5. 〇:正しい。腸管出血性大腸菌は、O157の原因となる菌である。ベロ毒素を産生する大腸菌である。

 

 

 

94. 熱傷で正しいのはどれか。

1. 熱傷面積はⅠ、Ⅱ、Ⅲ度すべての面積を合わせて計算する。
2. Ⅰ度熱傷では水泡がみられる。
3. 浅達性Ⅱ度熱傷では水泡底は蒼白である。
4. 深達性Ⅱ度熱傷では疼痛がみられる。
5. Ⅲ度熱傷では創底から上皮化が起こる。

 

解答
解説
1. ×:熱傷面積はⅠ、Ⅱ、Ⅲ度すべての面積を合わせて計算するのではなく、成人は9の法則。小児は5の法則を用いる。
2. ×:Ⅰ度熱傷では水泡は見られない。症状は、発赤、熱傷、軽度の腫脹と疼痛である。また瘢痕にはならない。
3. ×:浅達性Ⅱ度熱傷では水泡底は蒼白ではなく、赤色である。
4. 〇:正しい。深達性Ⅱ度熱傷では疼痛がみられる。疼痛がないのはⅢ度熱傷からである。
5. ×:Ⅲ度熱傷では創底から上皮化が起こらず、植皮が必要である。

まとめたものはこちら↓↓

理学療法士国家試験 熱傷についての問題7選「まとめ・解説」

 

 

 

 

95. リハビリテーション医療における安全管理・推進のためのガイドライン2006に基づく、積極的なリハビリテーションを実施しない場合はどれか。

1. 安静時脈拍130/分
2. 安静時体温37.5℃
3. 安静時酸素飽和度92%
4. 安静時収縮期血圧160mmHg
5. 安静時拡張期血圧100mmHg

 

解答
解説
リハビリテーションの中止基準
1. 積極的なリハを実施しない場合
[1] 安静時脈拍 40/分以下または 120/分以上
[2] 安静時収縮期血圧 70mmHg 以下または 200mmHg 以上
[3] 安静時拡張期血圧 120mmHg 以上
[4] 労作性狭心症の方
[5] 心房細動のある方で著しい徐脈または頻脈がある場合
[6] 心筋梗塞発症直後で循環動態が不良な場合
[7] 著しい不整脈がある場合
[8] 安静時胸痛がある場合
[9] リハ実施前にすでに動悸・息切れ・胸痛のある場合
[10] 座位でめまい,冷や汗,嘔気などがある場合
[11] 安静時体温が 38 度以上
[12] 安静時酸素飽和度(SpO2)90%以下
1. 〇:正しい。安静時脈拍130/分は積極的なリハビリを行えない。
2. ×:安静時体温37.5℃ではなく、38℃以上である。
3. ×:安静時酸素飽和度92%ではなく、90%以下である。
4. ×:安静時収縮期血圧160mmHgではなく、70mmHg 以下または 200mmHg 以上である。
5. ×:安静時拡張期血圧100mmHgではなく、120mmHg 以上である。

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