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第54回(H31) 理学療法士国家試験 解説【午前問題96~100】

 

96. うつ病に起こりやすい思考障害はどれか。

1. 迂遠
2. 観念奔逸
3. 思考制止
4. 思考途絶
5. 滅裂思考

解答
解説
1. ×:迂遠は、一つ一つの観念にとらわれてしまうために、その都度その観念に対する注釈を付け加えたり、言葉を変えたりして反復して話をするために思考が円滑に進まない状態。てんかんや統合失調症患者にみられる。
2. ×:観念奔逸は、考えが次々と方向も決まらずにほとばしり出る状態。躁病によくみられる。
3. 〇:正しい。思考制止はうつ病に起こりやすい。考えがまとまらなくなり、決断力がなくなることをいう。
4. ×:思考途絶は、思考の流れが突然中断してしまうこと。統合失調症にみられる。
5. ×:話のつながりが悪く(連合弛緩)、これが高度になると支離滅裂な思考となる(滅裂思考)となる。統合失調症にみられる。

 

 

 

97. アルコール離脱せん妄で正しいのはどれか。

1. 生命への危険性は低い。
2. 羽ばたき振戦がみられる。
3. 抗酒薬を速やかに投与する。
4. 飲酒停止後72~96時間に多くみられる。
5. アルコール血中濃度の上昇に伴って生じる。

解答
解説
アルコール離脱症候群は、振戦せん妄ともいわれ、長年のアルコール飲酒者が急に断酒をしたときに起こる。せん妄は、ほとんどの患者にみられ、意識障害、不安、睡眠障害が起こる。
①飲酒後数時間以内に生じてくる発汗、いらつき、不安、手指振戦、不眠などの症状に始まり、断酒2~3日後に振戦せん妄が生じる。
②症状は、せん妄(様々な程度の意識混濁に見当識障害、不安感、恐怖感などを伴う)と幻視(特に小動物や小人の幻視)である。
③一週間以内に症状が治まることが多いが、回復しないままウェルニッケ脳症やコルサコフ症候群に移行する場合もある。
1. ×:生命への危険性は低くくない。ウェルニッケ脳症で、食事がとれなくなってビタミンB1が欠乏することで、けいれん発作などが起こり時に死に至る。
2. ×:羽ばたき振戦(wing beating)とは、肩関節を支点にして上肢全体が羽ばたくように大きく動く不随意運動のことをいう。肝性脳症にみられる。アルコール離脱症候群は手指・体幹の振戦が起こる。
3. ×:抗酒薬は、通常1日1回服用するようなものが多い。アルコール離脱せん妄が出現して速やかに服用するものはない。
4. 〇:正しい。飲酒停止後72~96時間に多くみられる。
5. ×:アルコール血中濃度の上昇ではなく低下に伴って生じる。

 

 

 

 

98. 夢に関連する睡眠障害がみられるのはどれか。

1. 睡眠時驚愕症
2. 睡眠時遊行症
3. レム睡眠行動障害
4. 睡眠関連摂食障害
5. 周期性四肢運動障害

解答
解説
1. ×:睡眠時驚愕症は、夜、眠っている時に突然起き上がり、極度のパニックを起こす障害。突然、目を開けて絶叫したり、激しく体を動したりするほか、心悸亢進、過呼吸、瞳孔散大、発汗といった強い自律神経興奮を示す。夢の映像はまったく、または少ししか想起されないのが特徴。「2.睡眠時遊行症」と密接に関係しているといわれる。
2. ×:睡眠時遊行症は、無意識の状態で起きだし、歩いたり何かをした後に再び就眠するが、その間の出来事を記憶していない状態を指す。その時間は、30秒から30分までの長さになり得る。夢の映像はまったく、または少ししか想起されないのが特徴。「1.睡眠時驚愕症」と密接に関係しているといわれる。
3. 〇:正しい。レム睡眠行動障害は、レム睡眠時には脳は覚醒時に近い活動をしており、全身の骨格筋は緊張が低下している。そのため、通常であれば夢で見たことを行動に起こすことはないが、レム睡眠行動障害は何らかの原因で筋緊張の抑制が障害されるために夢で見たことをそのまま行動に移してしまう。
4. ×:睡眠関連摂食障害は、女性に多く摂食障害と合併する事が多い。「2.睡眠時遊行症」と密接に関係する。原因の1つとしてダイエットによるストレスで、また食事制限をすることによって食欲が満たされないために、睡眠時に睡眠状態のまま歩き出し、過食してしまう。食べて満足すると、そのまま寝床へ戻る。これらの症状が睡眠時に無意識に起こるため、症状を自覚しないことが多い。
5. ×:周期性四肢運動障害は、睡眠中に下肢または上肢に繰り返し(通常は20~40秒毎に)筋収縮または蹴るような運動がみられるのが特徴である。通常、患者は夜間の睡眠分断や日中の過度の眠気を訴える。

 

 

 

99. 神経性無食欲症で正しいのはどれか。2つ選べ。

1. 骨密度は増加する。
2. 消化管の吸収不全がある。
3. 病識を持たないことが多い。
4. 食べ物に対する関心が低下する。
5. ボディーイメージのゆがみがある。

解答3,5
解説
神経性無食欲症は、思春期~青年期の若い女性に発症しやすい。神経性無食欲症の主な特徴は以下の通りである。①病的な痩せ願望、②ボディーイメージのゆがみ、③極端な食べ物制限と下剤などの乱用、④月経の停止、うぶげの増加、⑤乳房委縮はみられない、⑥性格的には頑固で競争心が強い、⑦母親との心的葛藤をみることがある。
1. ×:骨密度は低下する。エリストロゲン値が低いため、骨密度が減少し、骨粗鬆症のリスクが高まる。
2. ×:消化管の機能は正常であり、吸収不全はない。
3. 〇:正しい。神経性無食欲症は、病識を持たないことが多い。逆に神経性大食症は病識を有していることが多い。
4. ×:食べ物に対する関心は低下せず、拒食・過食や隠れ食いといった症状もみられる。また、神経性無食欲症と神経性大食症の移行もみられる。
5. 〇:正しい。ボディーイメージのゆがみがある。ボディーイメージのゆがみとは、痩せているのに太っていると考えること。

 

 

 

100. パニック障害の薬物療法で用いられるのはどれか。

1. 抗うつ薬
2. 抗精神病薬
3. 気分安定薬
4. 抗てんかん薬
5. 中枢神経刺激薬

解答
解説
パニック障害の薬物療法には主に2つの種類の薬を使う。選択的セロトニン再取込み阻害薬(SSRI)と呼ばれる種類の抗うつ薬はパニック障害にも効果が高く、脳内のセロトニンのバランスを改善するのに有効である。また、抗不安薬(安定剤)はGABAのはたらきを高めることによって、不安や恐怖感に大きな効果がある。特に抗不安薬は即効性があるため、頓服として常に持ち歩いていれば外出先でも安心感が得られる。
1. 〇:正しい。抗うつ薬は、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)などを用いる。つまり、上記を参考にすると、パニック障害にも用いられる。
2. ×:抗精神病薬の作用機序での主要物質はドーパミンである。ドーパミンは、日常的な快感を感じた時に脳内に分泌される脳内神経伝達物質で、統合失調症の急性期に使用されることが多い。
3. ×:気分安定薬とは、双極性障害(躁うつ病)において双方向性(抗操、抗うつ)の作用をもち、また気分変動を抑制し、躁うつ両病相の予防効果をもつ薬物の総称である。気分安定薬の薬理作用については明確でない。
4. ×:てんかん発作は、大脳の神経細胞の過剰な電気的興奮と、その興奮が広がることによって起こる。抗てんかん薬はこの「興奮系」を抑えるタイプと、興奮の広がりを抑える「抑制系」の働きを強めるタイプがある。
5. ×:中枢神経刺激薬は、中枢神経系に作用し、その機能を活発化させる薬物の総称である。

 

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※問題の引用:第54回理学療法士国家試験、第54回作業療法士国家試験の問題および正答について

※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。

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