第53回(H30)理学療法士 国家試験解説【午後問題21~25】

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21.入院患者100人の収縮期血圧を集計した標本Aの分布は、中央値や平均値の近くに測定値が集中していた。他の値より極端に小さい値が1つあり、再度確認したところ誤記入であることが分かったため、この値を除いて標本Bを作った。
 標本Aに比べ標本Bの方が大きい統計量はどれか。

1.分散
2.最大値
3.最頻値
4.平均値
5.標準偏差

解答:4

解説

「外れ値」とは、得られたサンプルの中で、他の値から大きく外れた値のことをいう。本問のおうに誤記入や測定ミスと理由が分かっているものは、「異常値」と呼ぶ。

1.×:分散とは、データの散らばりの度合いを表す値である。 分散を求めるには、偏差(それぞれの数値と平均値の差)を二乗し、平均を取る。標本Aの方が極端に小さい値がある分、ばらつきが大きいことになる。つまり、分散はAの方が大きい
2.×:最大値とは、実数値をとる関数が、その変域内でとる最も大きい値である。標本Aの極端に小さい値を除いたものが標本Bであるため、最大値はA・Bとも同じである。
3.×:最頻値とは、データ群や確率分布で最も頻繁に出現する値である。中央値や平均値の近くに測定値が集中している標本Aと標本Bでは同じであると考えられる。
4.〇:正しい。平均値とは、観測値の総和を観測値の個数で割ったものである。一番小さい値を除いた場合、平均値が大きくなる。
5.×:標準偏差とは、分散の正の平方根のことである。標本Aの方が極端に小さい値がある分、分散は大きくなるため、標準偏差も大きくなる。

 

 

 

 

 

 

22.疾患の予防対策で正しいのはどれか。

1.健康診断は一次予防である。
2.ワクチン接種は一次予防である。
3.禁煙は二次予防である。
4.合併症の予防は二次予防である。
5.糖尿病の運動療法は三次予防である。

解答:2

解説

疾病予防の概念

疾病の進行段階に対応した予防方法を一次予防、二次予防、三次予防と呼ぶ。

一次予防:「生活習慣を改善して健康を増進し、生活習慣病等を予防すること」
二次予防:「健康診査等による早期発見・早期治療」
三次予防:「疾病が発症した後、必要な治療を受け、機能の維持・回復を図ること」と定義している。
(※健康日本21において)

1.× 健康診断は「一次予防である」とは断言できない。なぜなら、健康診断の目的には、①「健康づくり」を念頭に置いた「健診(一次予防)」と、②「早期発見・早期治療(二次予防)」が含まれるため。
2.〇 正しい。ワクチン接種(発症そのものを予防する取り組み)は、一次予防である。
3.× 禁煙(発症そのものを予防する取り組み)は、「二次予防」ではなく一次予防である。
4.× 合併症の予防は、「二次予防」ではなく三次予防である。
5.× 糖尿病の運動療法は「三次予防である」とは断言することはできない。糖尿病の運動療法は、二次予防(一次予防も)も含まれるため。ただ、三次予防の要素が強いといえる。「糖尿病の運動療法には糖尿病発症を予防する1次予防としての運動療法,糖尿病が発症し体重管理,血糖管理などを行うことにより重篤な血管合併症の予防が目的の2次予防,脳血管障害や壊疽による下肢切断などのリハビリテーションや再発防止のための3次予防としての運動療法がある(図 1)」と記載されている(※引用:「糖尿病運動療法における理学療法士の役割」植木彬夫より)。

(※引用:「糖尿病運動療法における理学療法士の役割」植木彬夫より)

 

 

 

 

 

23.端座位で膝関節を完全伸展位から屈曲した際に生じるのはどれか。

1.前十字靭帯は弛緩する。
2.内側側副靭帯は緊張する。
3.屈曲初期に脛骨は外旋する。
4.内側半月板よりも外側半月板の方が大きく移動する。
5.屈曲初期にすべり運動が生じ、続いて転がり運動が加わる。

解答:4

解説

1.× 膝関節屈曲時、前十字靭帯は、「完全弛緩」ではなくある程度の緊張を保っている。ただ、前十字靭帯は膝関節伸展位に緊張が亢進する。
2.× 膝関節屈曲時、内側側副靭帯は、「緊張」ではなく弛緩する。内側・外側ともに伸展時に緊張し、屈曲時に弛緩する。
3.× 屈曲初期に脛骨は、「外旋」ではなく内旋する。終末強制回旋運動という。
4.〇 正しい。内側半月板よりも外側半月板の方が、大きく移動する。なぜなら、内側半月板は内側側副靭帯に月号しているため移動範囲が狭いが、外側半月板は外側側副靭帯と結合していないため。
5.× ①伸展位からの屈曲初期は転がり運動。②中間域は複合運動。③最終段階は滑り運動となる。

 

 

 

 

 

24.加齢に伴う生理的変化について正しいのはどれか。

1.肝重量の増加
2.自己抗体形成の低下
3.抗原抗体反応の低下
4.血繫アルブミン量の増加
5.クレアチニンクリアランスの増加

解答:3

解説

1.× 肝重量の「増加」ではなく、低下する。肝臓の他にも、腎臓・精巣・卵巣といった臓器は加齢とともに重量は低下する。なぜなら、加齢とともに組織を構成する細胞が徐々に死滅し、新しい細胞で置き換わることがないため。
2.× 自己抗体形成(自己の細胞ないし組織に対して産生される抗体のこと)は、「低下」ではなく、増加する。なぜなら、加齢とともに、慢性炎症や自己免疫疾患への罹患が増えることにも関連するため。
3.〇 正しい。抗原抗体反応(抗原と抗体間に起こる結合のこと)の低下する。
4.× 血繫アルブミン量は、「増加」ではなく低下する。血繫アルブミン量は、栄養状態の評価にも用いられる。
5.× クレアチニンクリアランスは、「増加」ではなく低下する。クレアチニンクリアランスとは、血漿中の特定成分を1分間に腎から尿中に排泄されるのに必要な血漿量で示される。

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【PT/OT/共通】加齢に伴う生理学的変化についての問題「まとめ・解説」

 

 

 

 

 

25.関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)の運動方向と測定肢位の組合せで正しいのはどれか。

1.肩屈曲:前腕回外位
2.股内旋 :膝関節伸展位
3.股外転:股関節伸展位
4.膝屈曲 :股関節伸展位
5.足底屈 :膝関節伸展位

解答:3

解説

1.× 肩屈曲は、「前腕回外位」ではなく前腕中間位で行う。
2.× 股内旋は、「膝関節伸展位」ではなく膝関節90°屈曲位で行う。
3.〇 正しい。股外転は、股関節伸展位で行う。
4.× 膝屈曲は、「股関節伸展位」ではなく股関節屈曲位で行う。
5.× 足底屈は、「膝関節伸展位」ではなく膝関節屈曲位で行う。

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【暗記確認用】ROMのランダム問題

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2 COMMENTS

ロロたん

23番の問題ですが、
完全伸展0~45°までが緊張したままとなり、それ以降の屈曲角度が増すと弛緩するというような状態になります。
そのため教科書などでも屈曲で弛緩するというような記載になってるようです。
そのため、完全進展からの屈曲初期は弛緩するどのことです。

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大川 純一

コメントありがとうございます。
問23の選択肢1の説明。
結論「前十字靭帯は、完全伸展位からの屈曲初期は弛緩する」ということですよね。
そうなりますと、問われている「生じるのはどれか?」に該当し、答えが1,4の複数正答になります。
つまり、「端座位で膝関節を完全伸展位から屈曲した際に、前十字靭帯は弛緩しない」説明をしないといけないわけです。説明が下手で申し訳ありませんが、今後ともよろしくお願いいたします。

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