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第53回(H30)理学療法士 国家試験解説【午後問題16~20】

16.4歳の男児。痙直型両麻痺。しばしば割り座で座る。バニーホッピングと交互性パターンの四つ這いを併用して移動する。PCW (postural control walker)を用いた歩行練習を実施している。この児に対する遊びの指導内容で最も適切なのはどれか。

 

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解答:3


解説

痙直型の特徴として、機敏性の低下、筋力低下、脊髄反射の亢進など。それらに加えて、脊髄レベルでの相反神経作用の障害として、動筋と拮抗筋が同時に過剰収縮を起こす病的な同時収縮や痙直の強い拮抗筋からの過剰な緊張性相反性抑制による動筋の機能不全がみられる。また、両麻痺は両下肢の麻痺に、軽~中等度の両上肢、体幹の麻痺を伴うことが多い。

■痙直型両麻痺児の歩行の特徴
①股関節が内転・内旋しやすく、尖足になりやすいため、体幹の側方動揺が大きい。
②股・膝関節の屈曲が大きい。
③股関節は内転・内旋位をとりやすい。
④尖足になりやすく、足先から接地する。
⑤連合反応が強く、歩行時には上肢は屈曲位をとる。といった特徴がある。

1.×:四つ這いを併用して移動することができるため、必要ない。

2.×:しばしば割り座でいることが多いため、ステップアップとして3の方が正しい。

3.〇:正しい。膝関節屈曲位で適切な姿勢でトレーニングできている。

4.×:足底を床につかず、下肢の伸筋優位の不良姿勢となっている。

5.×:PCW (postural control walker)で歩行練習を行っているため必要ない。

 

17.70歳の男性。3年前に右手の振戦によってParkinson病を発症し、在宅で治療を行っている。ADLは自立していたが、1か月前に風邪をひいてから歩く速さが遅くなり、歩行の際に一歩目が思うように前に出ず、歩き出してからも前方に転びそうになることが多いという。在宅での理学療法における歩行指導で適切なのはどれか。2つ選べ

1.両下肢に弾性包帯を装着する。

2.足関節に重鍾バンドを装着する。

3.一歩目を小さく前に出すよう指導する。

4.床にはしご状の目印を付けてまたがせる。

5.かけ声などをかけてもらいながら歩くよう指導する。

 

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解答:4,5


解説

1.×:小脳性の運動失調性歩行障害に適応される方法である。

2.×:1と同様である。

3.×:大きく前に出すのが正しい方法である。

4.〇:正しい。

5.〇:正しい。

 

18.36歳の男性。手にバスケットボールが当たって受傷した。来院時の手指の写真とエックス線単純写真とを別に示す。この病態として正しいのはどれか。

1.槌指

2.ばね指

3.ボクサー骨折

4.ムチランス変形

5.Bennett骨折

 

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解答:1


解説

1.〇:正しい。槌指はDIP関節の過屈曲で起こる。伸筋腱の断裂・末節骨背側の骨折・末節骨背側の骨折と掌側亜脱臼の3ステージに分かれる。

2.×:指の付け根で屈筋腱と靱帯性腱鞘の間で炎症が起こり、腱の動きがスムーズでなくなる。更年期の女性や手の使いすぎに多い。糖尿病、リウマチ、透析患者にもよく発生する。

3.×:手の拳による強打の衝撃で、中手骨骨折に起こる。第4・5中手骨の頸部に発生しやすい。

4.×:指の末端が短縮した状態。関節リウマチに起こる。

5.×:第1中手骨基部関節内骨折のこと。尺側基部に三角形の小骨片を残して遠位骨片に転位する。

 

19.65歳の男性。身長165 cm。図のように歩行補助具として杖の長さを調整する際、指標とすべき杖先の位置を示す。aの距離と肘の角度bの組合せで正しいのはどれか。


 

1,20cm:100度

2,15cm:100度

3.15cm:150度

4.5cm:150度

5.5cm:180度

 

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解答:3


解説

肘関節30°屈曲し、15cm×15cm外前方に出した場所が正しい。よって、答えは3である。

 

20.71歳の男性。うっ血性心不全。2週前から顔面と下肢とに浮腫がみられるようになり、安静にしていても呼吸困難があるため入院となった。入院2日後、離床練習開始となった。医療面接における質問で重要性が低いのはどれか。

1.「咳や痰はないですか」

2.「仰向けで寝られますか」

3.「喉が渴きやすいですか」

4.「息切れは少なくなりましたか」

5.「手足のむくみは少なくなりましたか」

 

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解答:3


解説

リスク管理

  • 心不全患者では、運動による正常な血圧反応がみられないことがある。
  • とくに運動をしたにもかかわらず、血圧が低下するような場合には、胸痛や息切れなど心不全徴候の悪化がないか確認する。
  • 安静時心拍数が増加している場合、心不全の悪化を疑う。
  • 心機能が低下している患者では浅く速い呼吸をしやすい。心不全徴候を認めていないか確認する。
  • 運動療法中には胸痛や息切れ、眩暈や動悸などの自覚症状悪化がないかをモニタリングする。
  • 運動療法実施時において、モニタ心電図で不整脈の発見や心拍数の把握、運動による心電図の虚血性変化を把握する。
  • 高齢者や糖尿病の患者では、胸痛などの自覚症状がない場合があり、他覚的な所見が重要である。

 

1.×:うっ血性心不全は、心臓のポンプ機能低下により、肺や下半身に体液が貯留してしまい、肺水腫などを引き起こす疾患で、肺水腫になると呼吸困難を生じ、夜間発作性呼吸困難や起座呼吸などの特徴的な症状を伴う。そのため、質問の重要度が高い。

2.×:仰臥位は、気道が狭窄するため、呼吸がしにくくなる。さらに、うっ血性心不全で呼吸困難に陥っているため、質問の重要度は高い。

3.〇:「喉が渴きやすさ」は糖尿病患者に多く聞かれる高血糖症状である。

4.×:呼吸困難感を聞く質問である。重要度は高い。

5.×:入院2週前から顔面と下肢とに浮腫がみられていたため、現在の浮腫の程度を聞く質問の重要度は高い。

 

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