第53回(H30)理学療法士 国家試験解説【午後問題26~30】

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26.異常歩行と原因の組合せで正しいのはどれか。

1.鶏歩:脛骨神経麻痺
2.踵足歩行:脳卒中
3.動揺歩行:小脳性運動失調症
4.大殿筋歩行:筋ジストロフィー
5.はさみ脚歩行:正常圧水頭症

解答:4

解説

1.× 鶏歩は、「脛骨神経麻痺」ではなく腓骨神経麻痺で生じる。鶏歩(垂足歩行)とは、垂れ足になり、踵を高く上げつま先から投げ出すように歩くこと。
2.× 踵足歩行(らくだ歩行)は、「脳卒中」ではなくL4,5脊髄損傷二分脊椎ポリオで起こる。踵足は、足のつま先が宙に浮いた状態で、踵だけが接地し、直立と歩行を行う。
3.× 動揺歩行(トレンデレンブルグ歩行やアヒル歩行)は、「小脳性運動失調症」ではなく肢帯筋の筋力低下(中殿筋の筋力低下やDuchenne型筋ジストロフィー)で起こる。
4.〇 正しい。大殿筋歩行は、筋ジストロフィーで起こる。大殿筋歩行は、患側において踵接地時に頚部・体幹が伸展し、骨盤が前方へ移動する。両側の障害では体幹を常に後方へ傾けた歩行となる。
5.× はさみ脚歩行(痙性対麻痺歩行)は、「正常圧水頭症」ではなく、両大脳半球・脳幹・脊髄側索における両側錐体路障害脳性麻痺で生じる。尖足で歩行し、両膝をするように歩く。

 

 

 

 

 

27.アテトーゼ型脳性麻痺で残存しやすい反射はどれか。

1.Galant反射
2.吸啜反射
3.自動歩行
4.手掌把握反射
5.探索反射

解答:1

解説

アテトーゼ型は、麻痺の程度に関係なく四肢麻痺であるが上肢に麻痺が強い特徴を持つ。また、不随運動が主体であることや、原始反射・姿勢反射が残存しやすいことがあげられる。

1.〇 正しい。Galant反射(ガラント反射)の消失が遷延している場合、アテトーゼ型脳性麻痺である可能性が高い。Galant反射(ガラント反射)とは、児を腹臥位に抱いた状態で、下部胸椎レベルで脊柱の脇を沿うようにこすり下ろすと体幹を同側に傾ける反射をいう。1~2か月頃に消失する。
2.× 吸啜反射は、正常乳幼児でも陽性となるが、成人の陽性は前頭葉障害両側大脳の広範な障害を疑う。反射は2~3か月頃に消失する。
3.× 自動歩行(自立歩行反射)は、乳児は足の裏が平面に触れると、一方の足を逆の足の前に移動させることによって歩行しようとする。2か月に消失する。
4.× 手掌把握反射は、正常乳幼児でも陽性となるが、前頭葉障害では障害の反対側が陽性となる。手掌把握反射は、手掌に指先を押し付けると握りしめる反射をいう。
5.× 探索反射は、何であれ頬や口をなでるものの方向に頭を向け、頭を移動させることによって目標を探す。4か月に消失する。

 

苦手な人向けにまとめました。参考にどうぞ↓↓

【PT/OT/共通】脳性麻痺についての問題「まとめ・解説」
【暗記用】姿勢反射を完璧に覚えよう!

 

 

 

 

28.慢性腰痛に対する認知行動療法でないのはどれか。

1.痛みの有無を頻回に尋ねる。
2.腰痛の不安を解消する映像を見せる。
3.腰を反らせても痛まない成功体験を繰り返させる。
4.痛みがあってもできる活動があることを認識させる。
5.適切な身体活動は痛みを増悪させないことを説明する。

解答:1

解説

 認知行動療法とは、自然に頭に浮かんだ考えを記録して、個人の信念や思考様式をもとに施行のプロセスを把握し、より合理的な考え方ができるように導く方法である。特徴として、症状を媒介する認知を変化させることが目標である。慢性腰痛の患者は、その痛みから活動が必要以上に制限されることが多いため、認知行動療法が有効となる。

 

1.× 痛みの有無を頻回に尋ねると、むしろ認知のゆがみを生み出す可能性が高い。また、尋ねるだけでは、認知行動療法にならない。尋ねた後、教示すると認知行動療法となる。
2~5.〇 腰痛の不安を解消する映像を見せる/腰を反らせても痛まない成功体験を繰り返させる/痛みがあってもできる活動があることを認識させる/適切な身体活動は痛みを増悪させないことを説明することは、慢性腰痛に対する認知行動療法である。痛みという症状を映像・成功体験・活動などで認知させている。

 

 

 

 

 

 

 

29.内頸動脈系と比べて椎骨脳底動脈系の血流障害でみられやすいのはどれか。2つ選べ。

1.複視
2.運動失調
3.Broca失語
4.一過性黒内障
5.半側空間無視

解答:1,2

解説

 内頸動脈主幹部の閉塞は、側副血行路の発達や閉塞の機序によって、無症状から重篤なものまで多彩な症状をきたす。中大脳動脈閉塞の症状の他、眼動脈の虚血により病側の視力消失がみられることがある。

 脳底動脈主幹部の完全閉塞は重篤な症状をきたす。回転性めまい、悪心・嘔吐がしばしば前駆し意識障害がほぼ全例に認められる。四肢麻痺、球麻痺、除脳硬直、瞳孔異常(瞳孔不同、縮瞳など) 眼球運動障害、昏睡、発熱、血圧上昇などがみられ、早期に死亡することが多い。

1~2.〇 正しい。複視/運動失調は、内頸動脈系と比べて椎骨脳底動脈系の血流障害でみられやすい。
3.× Broca失語は、内頚動脈の血流障害でみられる。
4.× 一過性黒内障は、一過性黒内障は、眼動脈という目の網膜に血流を送る血管の血流低下によるもので、一時的に片目が見えなくなる。この場合には同側の内頚動脈狭窄が強く疑われる。
5.× 半側空間無視は、内頚動脈の血流障害でみられる。なぜなら、半側空間無視は、劣位半球の頭頂葉の障害で起こるため。

 

 

 

 

 

 

30.脳卒中片麻痺の亜脱臼に対する肘屈曲型アームスリングのチェックアウトで正しいのはどれか。

1.頸部で上肢を支持する。
2.肩関節は内旋位とする。
3.前腕は回外位とする。
4.手関節は掌屈位とする。
5.手部は肘関節より低くする。

解答:2


解説

アームスリングとは?

 アームスリングは、①肘関節屈曲型と②肘関節伸展型とに大別され、亜脱臼を予防し、肩関節を良好な位置で保つことで肩関節軟部組織の損傷からくる関節痛を予防するために利用される。

1.× 「頸部」ではなく、で上肢を支持する。頚部には負担をかけないようにする。
2.〇 正しい。肩関節は内旋位とする。なぜなら、肩関節は体幹に固定・安定しやすいようにするため。
3.× 前腕は、「回外位」ではなく、回内位とする。
4.× 手関節は、「掌屈位」ではなく、中間位(背屈方向がの望ましい)とする。
5.× 手部は、肘関節より「低く」ではなく、平行(肘関節と同じ高さに保持)する。なぜなら、麻痺肢を下げた状態にすると浮腫が増強するため。

 

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