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理学療法士国家試験 脳性麻痺についての問題9選「まとめ・解説」

※問題の引用:理学療法士国家試験 厚生労働省より
※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。

 

 

第49回 午後29問

6歳までの脳性麻痺で最も多いタイプはどれか。

1.痙直型

2.失調型

3.弛緩型

4.混合型

5.アテトーゼ型

 

解答1

解説

脳性麻痺の最も多いタイプを問いている。年齢関係なく、一番多いのは「痙直型」と覚えておく。最近は医療の進歩によって周産期トラブルで仮死状態となった児が救命されることが増え、低酸素性虚血性脳症により重度重複障害をもった四肢麻痺が増えてきている。近年では核黄疸による障害児が減った(急性期における早期発見、光線療法・交換輸血の早期治療を行う)ために、核黄疸(ビリルビン脳症)で大脳基底核に損傷をうけてアテトーゼ型となる児は、みられにくくなっている。

1.〇 痙直型が最も多く、四肢麻痺や、上肢の麻痺が軽微な両麻痺を呈す。

2.× 失調型は、運動失調を伴うタイプである。

3.× 弛緩型は、2~3歳頃に他タイプに移行することが多く、数は少ない。

4.× 混合型は痙直型とアテトーゼ型が合わさったタイプである。

5.× 最近は混合型が多く、純粋なアテトーゼ型は減少している。

 

 

 

 

第46回 午後14問

4歳の男児。脳性麻痺痙直型両麻痺。図のような理学療法を行っている。訓練目的として誤っているのはどれか。

1.上肢パラシュート反応の促通

2.股関節内転筋の緊張抑制

3.股関節伸展筋の促通

4.体幹伸展筋の促通

5.膝屈曲筋の促通

 

解答5

解説

痙直型両麻痺に対する理学療法では、亢進した筋緊張を抑制し、病的反射の抑制、適切な反射の促通、運動パターンの学習を行う。

1.〇 上肢パラシュート反応の促通:上肢パラシュート反応は, つかまり立ちの始まる9ヵ月頃に出現し生涯続く反応である。よって促通する必要がある.

2.〇 股関節内転筋の緊張抑制:股関節内転筋は筋緊張が亢進しやすいため抑制する。図から検者が股関節外転位に保っているのが読み取れる。

3.〇 股関節伸展筋の促通:股関節は屈筋群の筋緊張が亢進しやすいため、伸筋群の促通が必要である。図から読み取れる。

4.〇 体幹伸展筋の促通:図から、体幹伸展を促通されていることが読み取れる。

5.× 膝屈曲筋の促通:膝関節は伸筋群と屈筋群の同時収縮で筋緊張が亢進しやすいため、膝関節筋への促通アプローチは適切ではない。

 

 

 

 

第46回 午後37問

重度の痙直型四肢麻痺児に起こりやすいのはどれか。2つ選べ。

1.前腕回外拘縮

2.中手指節間関節伸展拘縮

3.脊柱側弯変形

4.股関節外転拘縮

5.膝関節屈曲拘縮

 

解答3,5

解説

痙直型四肢麻痺は大脳の広範囲の障害によって主動筋と拮抗筋が同時に作用し続ける。主動筋、拮抗筋の相反性抑制が起き、筋の機能不全がみられる。下肢に関しては両麻痺と同様の変形をきたすと考えてよい。

1.× 前腕回外拘縮:前腕は回内位となる。

2.× 中手指節間関節伸展拘縮:手指は屈曲位となる。

3.〇 脊柱側弯変形:神経疾患や筋疾患に伴って生じる神怪筋性側弯症を合併する。

4.× 股関節外転拘縮:股関節は内転位で拘縮し、重度の場合、脱臼も伴う。

5.〇 膝関節屈曲拘縮:膝関節は屈筋・伸筋の同時収縮で緊張している。膝関節屈曲拘縮にもなるし反張膝にもなり得る。両方とも起こりやすい。

 

 

 

 

第47回 午後16問

3歳の男児。痙直型右片麻痺。図に示す右上下肢の肢位に影響しているのはどれか。2つ選べ。

1.逃避反射

2.陽性支持反応

3.交叉性伸展反射

4.緊張性迷路反射

5.非対称性緊張性頸反射

 

解答2,5

解説

頭部を左に回旋させていること、右上肢が屈曲位、右下肢が伸展位となっていることに留意する。

1.× 逃避反射:逃避反射は屈筋反射のことであり、四肢の皮膚に疼痛刺激を加えると四肢の屈筋が収縮して、刺激から遠ざかるように四肢を引っ込める反射である。図では右上肢が屈曲位となっているが、これは上肢に対する刺激で起こっているものではないので誤りである。

2.〇 陽性支持反応:陽性支持反応とは、足底が床に触れると下肢筋の同時収縮が起こり、下肢全体が伸展パターンとなる反応である。図では膝関節が過伸展し、足関節が底屈位となっているため正しい。正常では3~8か月で消失する。

3.× 交叉性伸展反射:交叉性伸展反射は、背臥位で一側の下肢を屈曲し他側を伸展させ、伸展側の下肢を他動的に屈曲すると非刺激側下肢が屈曲位から伸展する反射である。脳性麻痺児の姿勢反射のひとつであるが図とは異なる。正常であれば2か月で消失する。

4.× 緊張性迷路反射:緊張性迷路反射は、腹臥位や背臥位そのものが刺激となり、腹臥位では全身の屈筋の緊張が亢進し、背臥位では逆に全身の伸筋の緊張が亢進する反射である。脳性麻痺児の姿勢反射のひとつであるが図とは異なる。4~6か月で消失する。

5.〇 非対称性緊張性頸反射:非対称性緊張性頸反射は、背臥位で頸部を一側に回旋すると顔面側上下肢が伸展し、後頭部側上下肢は屈曲する反射である。図では頭部が左に回旋し、右上肢が屈曲位となっているため、正しい。

 

 

 

 

第48回 午後39問

脳性麻痺痙直型両麻痺児の歩行の特徴で正しいのはどれか。

1.重心の上下動が小さい。

2.骨盤の回旋が大きい。

3.股関節の内旋が大きい。

4.歩幅が大きい。

5.歩行率が小さい。

 

解答3

解説

痙直型の特徴として、痙縮に支配されているため、動筋と拮抗筋が同時に過剰を起こしたり、緊張性相反性抑制による動筋の機能不全がみられ、滑らかな動作や素早い動作が困難となる。

1.× 重心の上下動が小さいのではなく、大きくなる。柔軟な動きができないため、上下の重心動揺は大きくなる。

2.× 骨盤の回旋が大きいは間違い。骨盤・下肢の運動性と支持性は低下するため、骨盤回旋は小さくなる。

3.〇 正しい。股関節の内旋が大きい。股関節が内転・内旋しやすく、尖足になりやすいため、体幹の側方動揺が大きい。

4.× 歩幅が大きいのではなく小さい。

5.× 歩行率が小さいのは間違い。歩幅が小さくなるため、歩行率(単位時間当たりの歩数)は大きくなる。

 

痙直型両麻痺児の歩行の特徴

①股関節が内転・内旋しやすく、尖足になりやすいため、体幹の側方動揺が大きい。
②股・膝関節の屈曲が大きい。
③股関節は内転・内旋位をとりやすい。
④尖足になりやすく、足先から接地する。
⑤連合反応が強く、歩行時には上肢は屈曲位をとる。

 

 

 

第47問 午前16問

4歳の女児、脳性麻痺,座位保持姿勢を図に示す。姿勢の特徴で正しいのはどれか。

1.片麻痺が疑われる。

2.重心は前方に偏位している。

3.ハムストリングスの短縮が疑われる。

4.対称性緊張性頸反射の影響がみられる。

5.頸部の立ち直り反応の低下が疑われる。

 

解答3

解説

脳性麻痺の分類や姿勢の特徴、短縮筋を問う問題である。大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋をあわせてハムストリングスといい、股関節の伸展と膝関節の屈曲に関与する。ハムストリングスが慢性的に短縮すると膝をうまく伸ばせなくなり、膝関節伸展の動きを妨げる.

1.× 両下肢に伸展パターンがみられ、両下肢にも麻痺があると考えられるため、片麻痺が疑われるというのは間違い。

2.× 円背、骨盤後傾がみられ、重心は前方ではなく、後方に偏位していると考えられる。バランスをとるため下肢の伸展パターンが出現している。

3.〇 正しい。両側の膝が軽度屈曲している状態であるため、ハムストリングスの短縮が疑われる。ただ重力により膝関節軽度屈曲している可能性も考えられる。長坐位を指示し、同様の姿勢を取っていたら分かるが。微妙な問題である。

4.× 対称性緊張性頸反射は頸部伸展に伴って上肢伸展、下肢屈曲がみられる反射のことであり、この図からは確認することができない。

5.× 座位保持可能であることから、頸部の立ち直り反応の低下しているとは考えにくい。

 

 

 

 

 

 

第48回 午後16問

6歳の女児。脳性麻痺痙直型両麻痺。手指の巧緻動作は拙劣だが上肢・体幹の機能障害は比較的軽度で、座位バランスは良好である。両手で平行棒につかまれば椅子から立ち上がることができ、平行棒内立位は片手支持でも安定して保持できる。歩き出そうとすると支持脚股関節、膝関節の屈曲が生じ、尻もちをつきそうになり歩けない。この患者の歩き出しの問題への対処として行う理学療法で適切なのはどれか。

1.バルーン上座位保持練習

2.バルーン上腹臥位での体幹伸展練習

3.台上座位からの立ち上がり練習

4.壁にお尻で寄りかかった立位での風船遊び

5.低い台に片足を乗せるステップ動作の練習

 

解答5

解説

脳性麻痺は、受胎期から新生児期までの間に生じた、脳の非進行性病変に基づく疾患の総称である。痙直型両麻痺は、上半身の障害が軽く下半身に痙縮があるタイプである。歩き出そうとすると支持脚股関節・膝関節の屈曲が生じ、尻もちをつきそうになり歩けない、ということから必要な練習を選ぶ問題である。悪い動作パターンを変えられる練習はどれか?と考える。

1.バルーン上座位保持練習:座位でのバランスは良好であり、座位保持練習は必要ない。

2.バルーン上腹臥位での体幹伸展練習:立位は安定しており、体幹筋の訓練は必要ないと考えられる。

3.台上座位からの立ち上がり練習:両手で平行棒につかまれば立ち上がることができる。立ち上がり練習よりも立位での練習を優先させるべきである。

4.壁にお尻で寄りかかった立位での風船遊び:壁にお尻で寄りかかった立位を取ることは、下肢の筋力強化には有効であるが寄りかかった姿勢が股関節屈曲位となり、不良姿勢を改善させる運動にはなっていない。

5.低い台に片足を乗せるステップ動作の練習:低い台に片足を乗せるステップ動作の練習を行うことで、支持脚も伸展位を取らせることができる。股関節屈曲、膝関節屈曲で、後方に重心がある悪いパターンからの脱却のために必要な訓練となる。

 

 

 

第52回 午前20問

2歳の女児。痙直型四肢麻痺。臥位では頭部コントロール良好で、背臥位から腹臥位への寝返りが可能である。背臥位と腹臥位での様子を図に示す。この時期に優先して行う理学療法で最も適切なのはどれか。

1. 下肢の筋力増強

2. 介助下での歩行練習

3. 椅子からの立ち上がり練習

4. 立位での陽性支持反射の促通

5. 座位での体幹の立ち直り反応の促通

 

解答:5

解説

痙直型脳性麻痺では、錐体路障害となる両下肢痙性があるため、両股関節の内転・内旋・膝関節伸展、および尖足となるため、両下肢の分離運動が困難である。また両下肢と比較して両上肢の麻痺は軽度である。痙性麻痺を主症状として、筋トーヌス亢進、深部腱反射亢進、病的反射亢進、クローヌス出現、おりたたみナイフ現象がみられる。理学療法では、亢進した筋緊張を抑制し、病的反射の抑制、適切な反射の促通、運動パターンの学習を行う。

1.✖ 下肢の筋緊張が亢進しやすいため、筋力増強より筋緊張の抑制を図るのが適切である。

2.3.4.✖ 陽性支持反応により、下肢全体の伸展筋の筋緊張が亢進し、股関節伸展・内転・内旋位および足部の尖足を助長するため不適切である。

5.〇 正しい。座位での体幹の立ち直り反応の促通である。

 

 

 

 

 

第53回 午後27問

アテトーゼ型脳性麻痺で残存しやすい反射はどれか。

1.Galant反射

2.吸啜反射

3.自動歩行

4.手掌把握反射

5.探索反射

 

解答:1

解説

アテトーゼ型は、麻痺の程度に関係なく四肢麻痺であるが上肢に麻痺が強い特徴を持つ。

1.〇:Galant反射の消失が遷延している場合、アテトーゼ型脳性麻痺である可能性が高い。

2.×:乳幼児は正常でも陽性となるが、成人の陽性は前頭葉障害、両側大脳の広範な障害を疑う。

3.×:この反射は、乳児は足の裏が平面に触れると、一方の足を逆の足の前に移動させることによって歩行しようとする。2か月には消えてしまう。

4.×:乳幼児は正常でも陽性となるが、前頭葉障害では障害の反対側が陽性となる。

5.×:この反射は、それが何であれ頬や口をなでるものの方向に頭を向け、頭を移動させることによって目標を探す。4か月には消える。

 

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