第51回(H28) 理学療法士/作業療法士 共通問題解説【午前問題71~75】

 

71 手について正しいのはどれか。

1. 側副靱帯はMP関節屈曲で緊張する。
2. 母指のCM関節は3度の自由度をもつ。
3. 手のアーチ構造は横アーチのみからなる。
4. 手掌の皮膚は手背の皮膚に比べ伸展性に富む。
5. 鉤形握りは母指と他の指の対立運動により可能となる。

解答1

解説

1.〇 正しい。側副靱帯はMP関節屈曲で緊張する。日常生活で側副靭帯は、拳を強く握った際の関節の安定性に寄与する働きをする。
2.× 母指のCM関節は3度ではなく、2度の自由度をもつ。母指のCM関節は、鞍関節であり、橈側外転—尺側内転、掌側外転一掌側内転の2度の自由度となる。
3.× 手のアーチ構造は横アーチのみではなく、縦アーチも存在する。
4.× 手掌の皮膚は手背の皮膚に比べ伸展性に富むというのはである。手背の皮膚の方が、手掌の皮膚に比べ伸展性に富む。
5.× 鉤形握りは母指を用いない。手提げかばんを持つような把持様式である。

 

 

 

 

 

 

72 足部縦アーチの保持に関与する筋・靱帯で正しいのはどれか。

1. 虫様筋
2. 後脛骨筋
3. 前距腓靱帯
4. 短母指伸筋
5. 浅横中足靱帯

解答2

解説

1.× 虫様筋は、足の内在筋である。第2~5指のMP関節屈曲、PIP関節・DIP関節の伸展、第2~4指を母指方向へ内転に働く。
2.〇 正しい。後脛骨筋は、足部内側縦アーチの保持に関与する。
3.× 前距腓靱帯は、距骨と腓骨をつなぐ靭帯である。
4.× 内側縦アーチの関与は、短母趾伸筋ではなく、長母趾屈筋が関与する。
5.× 浅横中足靱帯は、中足骨骨頭を横につなぐ靴帯である。

足部縦アーチに関与する筋

内側縦アーチ:前・後脛骨筋、長趾・長母趾屈筋、母趾外転筋。

外側縦アーチ:長・短腓骨筋、小趾外転筋

 

苦手な方向けにまとめました。参考にしてください↓

理学療法士国家試験 足関節の構造についての問題4選「まとめ・解説」

 

 

 

 

 

 

73 顔面の筋の作用で正しいのはどれか。

1. 頰筋は頰壁を歯列に押し付ける。
2. 大頰骨筋は下唇を下制する。
3. オトガイ筋は口裂を閉じる。
4. 口輪筋は口角を挙上する。
5. 鼻根筋は鼻孔を広げる。

解答1

解説

1.〇 正しい。頰筋は頰壁を歯列に押し付ける。
2.× 大頰骨筋は、下唇を下制ではなく、口角を挙上する。下唇を下制は、下唇下制筋である。
3.× オトガイ筋は、口裂を閉じるのではなく、下唇を前方へ突き出す。口裂を閉じるのは、口輪筋である。
4.× 口輪筋は、口角を挙上するのではなく、口裂を閉じる・口笛を吹く。口角を挙上するのは、大頬骨筋である。
5.× 鼻根筋は、鼻孔を広げるのではなく、眉間に横しわをつくる。鼻孔を広げるのは、鼻筋・鼻中隔下制筋である。

苦手な方向けにまとめました。参考にしてください↓

【暗記用】咀嚼筋、頚部筋の起始・停止・作用・神経を完璧に覚えよう!

 

 

 

 

 

 

74 次の歩行周期で足関節が最も底屈位となるのはどれか。(※不適切問題:解答なし)

1. 踵接地
2. 足底接地
3. 立脚中期
4. 爪先離地
5. 遊脚中期

解答(解なし:採点除外)
理由:選択肢において正解を得ることが困難なため

解説

 歩行周期の足関節は、爪先(足尖)離地期(爪先離地の直後)に最大底屈となり、踵離地期に最大背屈となる。不適切問題になった具体的な理由として、「爪先離地」と「爪先離地””」の違いによるものと考えられる。前者はその一瞬を指すが、爪先離地期とすると爪先離地の前後を示すことになる。足関節は、爪先離地の直後に最大底屈になるため不適切問題となった。よって、選択肢の中では、選択肢4. 爪先離地が正しい。

 

 

 

 

 

 

75 輸血時に移植片対宿主病が起こる可能性が最も高いのはどれか。

1. 血小板濃厚液
2. 新鮮血
3. 新鮮冷凍血漿
4. 赤血球濃厚液
5. 保存血

解答2

解説

 輸血後移植片対宿主病(輸血後GVHD)とは、輸血後に受血者の体内で供血者のリンパ球が生着し、受血者の組織を攻撃する病態である。家族間の輸血で生じやすい。本症の予防で最も効果が確実なのは、輸血用血液製剤に放射線照射を行い、血液製剤に含まれるリンパ球を排除することである。

 

1.× 血小板濃厚液は、血小板の補充に使用されるものである。リンパ球は含まれていないので、輸血後移植片対宿主病は起こりにくい。
2.〇 新鮮血が、最も輸血後移植片対宿主病を起こしやすい。なぜなら、新鮮血は、文字通り新鮮な全血であるため。赤血球・白血球・血小板・血症(凝固因子)などが含まれ、リンパ球活性が高く、最も輸血後GVHDが起こりやすい。
3.× 新鮮冷凍血漿は、血液凝固因子の補充に使用されるものである。リンパ球は含まれていない。
4.× 赤血球濃厚液は、赤血球の補充に使用されるものである。リンパ球などの血球は含まれていない。
5.× 保存血は、全血でありリンパ球は含まれているが、時間がある程度経過して(放射線照射が行われているものもある)ため、リンパ球は活性を低下もしくは失っている。そのため、新鮮血と比べると輸血後移植片対宿主病は起こりにくい。

 

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