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76 良性腫瘍と比較した悪性腫瘍の特徴はどれか。
1. 出血壊死が少ない。
2. 細胞の分化度が高い。
3. クロマチンが増加する。
4. 膨脹性発育がみられる。
5. 細胞質に対して核の占める割合が小さい。
解答3
解説
1.× 出血壊死が、「少ない」のではなく多い。なぜなら、無秩序な増殖をするため。
2.× 細胞の分化度が、「高い」のではなく低い。なぜなら、細胞接着因子をつくられず転移しやすいため。
3.〇 正しい。クロマチンが増加する。クロマチンとは、DNAとタンパク質複合体である。
4.× 膨脹性発育がみられるのは良性腫瘍である。悪性腫瘍は浸潤性発育である。
5.× 細胞質に対して核の占める割合が、「小さい」のではなく大きい。
77 心尖部の聴診で心室収縮期に持続する逆流性雑音を聴取するのはどれか。
1. 大動脈弁狭窄症
2. 心室中隔欠損症
3. 心房中隔欠損症
4. 肺動脈弁狭窄症
5. 僧帽弁狭窄症
解答2
解説
1.× 大動脈弁狭窄症(左心室から血液を送り出そうとするが、その先にある大動脈狭窄しているため)、収縮期に雑音を聴取するが、「逆流性雑音」ではなく駆出性音を聴取できる。
2.〇 正しい。心室中隔欠損症では、収縮期に左室から右室へシャント(血液が本来通るべき血管と別のルートを流れる状態のことである)し、本来の血流の方向とは異なるので逆流性雑音となる。
3.× 心房中隔欠損症は、肺動脈領域の収縮期駆出性雑音、Ⅱ音の固定性分裂、Ⅲ音を聴取できる。
4.× 肺動脈弁狭窄症は、大動脈弁狭窄症と同様に、収縮期駆出性雑音を聴取できる。
5.× 僧帽弁狭窄症は、僧帽弁解放音や拡張中期雑音(ランブル)を心尖部で聴取できる。
①僧帽弁閉鎖不全症(MR)
②心室中欠損症(VSD)
③三尖弁閉鎖不全症(TR)
78 転移・逆転移で適切なのはどれか。
1. 転移は逆転移を誘発する。
2. 陰性転移の解釈は避ける。
3. 逆転移は治療の阻害因子となる。
4. 逆転移は治療者の意識的反応である。
5. 心理治療の目標は陽性転移の出現である。
解答1
解説
患者さんが治療者に対して何らかの感情をもつことを転移といい、逆に治療者が患者に対して感情をもつことを逆転移という。その感情が愛情などプラスのものである場合を陽性転移、憎悪などマイナスのものである場合を陰性転移という。
1.〇 正しい。転移は逆転移(治療者側が患者に対して様々な感情を抱くこと)を誘発する。転移・逆転移は心理治療で必ず起こることである。
2.× 陰性転移の解釈は避ける必要ない。なぜなら、陽性・陰性転移は、解釈・分析を行うことで患者の葛藤を知る手掛かりとなるため。
3.× 逆転移は治療の阻害因子とはならない。なぜなら、治療者の過去の生活史と患者側の転移が結びついて治療者側に活性化されてくる感情である。つまり、患者の転移を知る手掛かりとして重要である。
4.× 逆転移は、治療者の「意識的反応」ではなく無意識的反応である。転移や逆転移は、両者ともに無意識的反応である。
5.× 心理治療の目標は陽性転移の出現ではない。陽性転移は治療の継続のためには有効ではあるが、これを出現させることが治療の目的・目標ではない。
79 「自分が幼稚園に行っている間にお母さんがいなくなってしまう」と思いこみ、登園をしぶる心理はどれか。
1.退行
2.抑圧
3.置き換え
4.反動形成
5.分離不安
解答5
解説
1.× 退行とは、ある程度の発達を遂げた者が危機に際してより低い発達段階に「子供がえり」して、未熟な行動をすること。
2.× 抑圧とは、容認し難い自分の欲求を無意識のうちに抑えつけ、意識に上らせいようにすることをいう。
3.× 置き換え(転換)とは、受け入れ難い自己の感情を、別のものに対象を移すことで解消することである。
4.× 反動形成とは、満たされない欲求を正反対の行動によって打ち消すことである。
5.〇 正しい。分離不安である。分離不安とは、強く愛着をもった人あるいは本人と引き離されてしまうのではないかという非現実的な不安のことである。たえず親のそばから離れなかったり、不登校になったりする場合もある。
80 遅延再生を含まないのはどれか。
1. リバーミード行動記憶検査(RBMT)
2. Mini Mental State Examination(MMSE)
3. 改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)
4. Rey Auditory Verbal Learning Test(RAVLT)
5. Ravenʼs Colored Progressive Matrices(RCPM)
解答5
解説
遅延再生とは、検査の前半で言葉やフレーズを覚えてもらい、一定の時間が経過した後に質問し、その内容を再生することができる能力を指す。
1.〇 リバーミード行動記憶検査(RBMT)とは、日常的に遭遇する状況を想定して行う記憶障害検査である。その状況で素点、標準プロフィール点(SPS)、スクリーニング点(SS)を算出し年齢別のカットオフ値で評価する。項目としては言語課題・視覚空間課題・近時記憶・即時記憶や展望記憶などが含まれる。
2.〇 Mini Mental State Examination(MMSE)とは、認知障害(認知症・せん妄・健忘性障害)のスクリーニングとして国際的によく用いられている検査である。内容は、見当識・記銘力・注意と計算・想起・言語・組み立ての各項目があり、30点満点で評価する。26点以下で軽度認知障害の疑いを示し、23点以下では認知障害の可能性が高いことを示す。
3.〇 改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)とは、簡便に知能を検査する方法である。見当識、記銘・再生、計算、言語の流暢性の各項目により、30点満点中20点以下を、軽度以上の認知症があるとする。
4.〇 Rey Auditory Verbal Learning Test(RAVLT:レイ聴覚性言語学習検査)とは、意味関連のない15語よりなる語系列(リストA)を読み上げ、直後に呈示順にかかわらずできる限り多くの単語を口頭で回答させ(即時再生)、次にこれとは異なる15の単語からなるリストBを同様の方法で回答させ、さらにその後にリストAのうちまだ覚えている単語を口頭で回答させる(遅延再生)検査である。視覚性の即時記憶と近時記憶をみる。
5.× 含まない。Ravenʼs Colored Progressive Matrices(RCPM:レーブン色彩マトリクス検査)とは、問題は36問あり、標準図案の欠如部に合致するものを被検者に選ばせる検査である。言語を介さずに答えられる検査で、被検者に負担をかけることなく推理能力(知的能力)を測定できる。遅延再生は含まれない。