第46回(H23) 作業療法士国家試験 解説【午前問題1~5】

 

※問題の引用:第46回理学療法士国家試験、第46回作業療法士国家試験の問題および正答について

※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。コメント欄にて誤字・脱字等、ご指摘お待ちしています。よろしくお願いいたします。

 

1 器具の写真を下図に示す。
 名称で正しいのはどれか。2つ選べ。

1.①くいきり
2.②釘抜き
3.③かんな
4.④さしがね
5.⑤Cクランプ

解答2・5

解説
1.× ①くいきりではなく、「ペンチ」である。主な用途は、先でモノを強くつかみ、針金を曲げる・切るなどである。ちなみに、くいきりは、金工に使用される道具で、タイルを希望する大きさに割るために跡をつける道具である。
2.〇 正しい。②釘抜きである。主な用途は、てこの力を使用し少ない力で釘を抜くために木工で使用される道具である。
3.× ③かんなではなく、「ノミ」である。主な用途は、木材に溝や穴を作るための道具である。ちなみに、かんなは、木材の表面をけずって加工する道具である。
4.× ④さしがねではなく、「筋ケヒキ」である。主な用途は、板に平行な線を引く時に使用する道具である。ちなみに、「さしがね」は、木材の長さを測る時に使用する直角定規である。
5.〇 正しい。⑤Cクランプである。主な用途は、木工作業時に木片を固定する道具である。

 

 

 

 

 

 

2 関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)で正しいのはどれか。

1.頸部側屈
2.肩甲帯屈曲
3.肩関節屈曲
4.手関節伸展
5.母指尺側内転

解答

解説
1.× 頸部側屈の【基本軸】第7頸椎棘突起と第一仙椎の棘突起を結ぶ線、【移動軸】頭頂と第7頸椎棘突起を結ぶ線、【測定部位及び注意点】①体幹の背面で行う、②腰かけ座位とする。設問の頸部側屈の関節軸が、両側の肩峰を結ぶ高さ(Th2)である。
2.× 肩甲帯屈曲の【基本軸】両側の肩峰を結ぶ線、【移動軸】頭頂と肩峰を結ぶ線である。設問の図の基本軸が、体幹背面である。
3.〇 正しい。肩関節屈曲の【基本軸】肩峰通る床への垂直線(立位または坐位)、【移動軸】上腕骨、【測定部位及び注意点】①前腕は中間位とする体幹が動かないように固定する。②脊柱が前後屈しないように注意する。
4.× 手関節伸展(背屈)の【基本軸】橈骨、【移動軸】第二中手骨、【測定部位及び注意点】前腕は中間位とする。設問の図は、尺側で測定している。つまり、基本軸が尺骨、移動軸が第5中手骨になっている。
5.× 母指尺側内転の【基本軸】示指(橈骨の延長上)、【移動軸】母指、【測定部位及び注意点】運動は手掌面とする以下の手指の運動は、原則として手指の背側に角度計を当てる。設問の図は、基本軸が中指である。

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3 姿勢反射・反応で最も初期にみられるのはどれか。

解答

解説
1.× 前方へのパラシュート反射である。パラシュート反応とは、防御的に四肢を伸展して頭部を保護したり、支持して姿勢を安定させようと働く反応である。抱き上げた子どもの体を支えて下方に落下させる、もしくは座位で前方・側方・後方に倒すと、両手を伸ばし、手を開いて体を支える。下方:6ヵ月、前方:6~7ヵ月、側方:7~8ヵ月、後方:9~10ヵ月で発現し、生涯継続する。
2.〇 正しい。設問の中で姿勢反射・反応で最も初期にみられる。自律歩行(自動歩行、脚踏み反射)は、新生児の腋窩を押えて起立させ、足を床につけ前傾させると数歩、歩行する。胎児期後期から出現し、生後1、2 ヵ月までに消失する
3.× 頸の立ち直り反射である。頸の立ち直り反応(NOB)とは、背臥位の子どもの頭を一方に向けると,頸筋群の固有感覚受容器が刺激されて、肩・体幹・腰部がその方向に丸太様に全体的に回転する。4~6 ヵ月に出現し、5歳までに消失する。
4.× 引き起こし反応である。引き起こし反応とは、背臥位で新生児の両手を検者の両手でもち、ゆっくりと座らせるように引き起こす。両上肢の屈曲緊張が増し、首を屈曲させて起き上がる反応を示す。1~2ヵ月: 頭部背屈・上肢伸展。3~4ヵ月:頭と頸は体幹と平行して遅れないようについてくる。四肢屈曲。5~6ヵ月:頸は体幹と平行し、肘曲して引き起こしに協力する。7~8ヵ月:肘屈曲、下肢伸展、頸前屈。
5.× 側方へのパラシュート反射である。下方:6ヵ月、前方:6~7ヵ月、側方:7~8ヵ月、後方:9~10ヵ月で発現し、生涯継続する。

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4 動悸を訴えた患者の心電図を示す。
 考えられるのはどれか。

1.心房細動
2.心房粗動
3.心室細動
4.心室粗動
5.心室頻拍

解答

解説

1.× 心房細動は、心原性脳塞栓症の原因として最も多い不整脈である。心房細動は、心臓がこまかく震えている状態である。血栓ができやすいため脳塞栓の原因となり最多である。心房細動の特徴として、心房の興奮が形・大きさともに不規則であり、基線が揺れている(f波)。心房が正常に収縮しないためにP波が消失し、QRS波が不規則である。
2.〇 正しい。心房粗動が考えられる。心房粗動の特徴は、①規則正しいRR間隔、②幅の狭いQRS波、③P波の代わりに規則正しい心房粗動波(F波)が認められる。
3.× 心室細動は、脈のかたちが一定ではなく不規則で、心室がけいれんを起こし1分間の脈拍数が300など数えられないくらい速くなった状態である。心室頻拍は血圧が保たれ、すぐには意識を失わないこともありますが、心室細動になると、発症から5~10秒で意識がなくなって失神し、その状態が続くとそのまま亡くなることが多い。心室頻拍の場合も、ほうっておくと心室細動に移行して、意識がなくなって突然死を起こすことがある。除細動の適応である。また、基礎心疾患を伴う場合は、植え込み型除細動器(ICD)の適応となる。
4.× 心室粗動は心室細動に比べ規則正しい大きな波形が現れる心室頻拍から移行するので心室頻拍をみたら放置してはならない。
5.× 心室頻拍の特徴は、①脈拍数は上昇、②幅広いQRS波が規則正しく出現、③RR間隔は狭くなっている。脈が突然1分間に180など急激に速くなっているものの、心電図の波形が一定のものをいう。

 

 

 

 

 

 

5 32歳の男性。右環指中手骨骨折に対する固定術後8週経過。エックス線写真(A)と手指の写真(B)とを下図に示す。
 この患者の作業療法で正しいのはどれか。2つ選べ。

1.MP関節の屈曲訓練
2.母指と環指との対立訓練
3.夜間安静スプリントの装着
4.逆ナックルベンダーの装着
5.手術創癒着部への極超短波療法

解答1・2

解説


1.〇 正しい。MP関節の屈曲訓練を実施する。なぜなら、写真から環指に限らず他の4指の屈曲制限が見られるため。
2.〇 正しい。母指と環指との対立訓練を実施する。なぜなら、写真から環指の関節可動域制限が最も認められるため。母指の運動は、屈曲・伸展・外転・内転・対立の5つの動作を担い、手指の中でも最も複雑な運動を行い、つまみ動作や握り動作時に安定性を得る役割をしている。  
3.× 夜間安静スプリントの装着は優先度が低い。なぜなら、本症例は術後8週経過しているため。夜間安静スプリントの目的は、手関節の固定・支持・変形予防・ 保護等のため、手関節・手指を良肢位に保持することである。したがって、対象者は橈骨神経麻痺・片麻痺・ 脳卒中片麻痺などである。
4.× 逆ナックルベンダー(MP伸展補助装具)の装着は優先度が低い。なぜなら、逆ナックルベンダー(MP伸展補助装具)は、橈骨神経麻痺低位型に適応となり、MP関節を伸展位に矯正(MP関節屈曲拘縮)することを目的とするため。本症例の場合、さらにMP関節屈曲制限の増大につながる恐れがある。
5.× 手術創癒着部への極超短波療法は禁忌である。なぜなら、本症例のエックス線画像から、金属プレートで固定されていることが分かるため。金属固定をしている部位への照射は禁忌である。極超短波療法(マイクロ波)とは、深部温熱療法である。2450MHzの電磁波を利用し、エネルギーの半価層(エネルギーが半減する深度)は、3~4cm、筋の加温に有効である。

 

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