第46回(H23) 理学療法士/作業療法士 共通問題解説【午後問題51~55】

 

※問題の引用:第46回理学療法士国家試験、第46回作業療法士国家試験の問題および正答について

※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。コメント欄にて誤字・脱字等、ご指摘お待ちしています。よろしくお願いいたします。

 

51.肩甲下筋の付着部位で正しいのはどれか。

解答2

解説
1.× 上腕骨大結節である。ここには、棘上筋・棘下筋・小円筋が停止する。ちなみに、小円筋は大結節稜の上端にも付着する。
2.〇 正しい。上腕骨小結節である。肩甲下筋が停止する。ちなみに、肩甲下筋は小結節稜上端内側にも付着する。
3~4.× 上腕骨小結節稜である。広背筋・広背筋・肩甲下筋が停止する。
5.× 上腕骨大結節稜である。大胸筋が停止する。

参考にどうぞ↓

【暗記用】上肢筋の起始・停止・作用・神経を完璧に覚えよう!

 

 

 

 

 

 

52.頭頂葉にあるのはどれか。

1.角回
2.帯状回
3.歯状回
4.海馬傍回
5.中心前回

解答1

解説

1.〇 正しい。角回は頭頂葉にある。読み書きに関係する。
2.△ 帯状回は、前頭葉~頭頂葉(大脳の内側面)に、脳梁の辺縁を前後方向に走る。頭頂葉に含まれると思うが、わかる方いたらコメント欄にて教えてください。
3~4.× 歯状回/海馬傍回は、側頭葉の内側にある。
5.× 中心前回は前頭葉である。ちなみに、中心後回は頭頂葉にある。

大脳辺縁系とは?

大脳辺縁系は脳梁を取り囲むように大脳の内側部に存在し、本能・情動・記憶などを司る構造物の総称である。構成要素としては、辺縁葉(梁下野、帯状回、海馬傍回)、海馬、扁桃体、乳頭体、中隔核などがあげられる。

 

 

 

 

 

 

53.温痛覚の伝導路はどれか。

1.前皮質脊髄路
2.後脊髄小脳路
3.前脊髄小脳路
4.前脊髄視床路
5.外側脊髄視床路

解答5

解説

外側脊髄視床路(温痛覚・粗大触圧覚)

感覚神経→脊髄後角→(交叉)→脊髄側索→視床→後脚→大脳皮質体性知覚野

1.× 前皮質脊髄路は、錐体路の一部である。大脳皮質—放線冠—内包後脚—中脳の大脳脚—橋縦束—延髄—交叉せずに脊髄前索を下降(10~25%程度)となる。①延髄で交差せずに同側に下降すること、②支配はL2までである。2.× 後脊髄小脳路は、主として下半身の深部感覚を伝える線維である。脊髄に入り後索をやや上行したのち、あるいは直接に後角の胸髄核に達する。ここでニューロンを代えて、同側の側索の後外側部の表層を後脊髄小脳路として上行し、下小脳脚を経て小脳に至る。(非交叉性)姿勢の調節運動における個々の筋の精密な協調のために必要な情報である。
3.× 前脊髄小脳路は、下肢の深部感覚を伝える。
4.× 前脊髄視床路は、粗大な触覚・圧覚を伝える。感覚神経→脊髄後角→(交叉)→脊髄前索→視床→後脚→大脳皮質体性知覚野となる。
5.〇 正しい。外側脊髄視床路は、温痛覚(粗大触圧覚)の伝導路である。感覚神経→脊髄後角→(交叉)→脊髄側索→視床→後脚→大脳皮質体性知覚野となる。

 

詳しく勉強されたい方はこちら↓

理学療法士国家試験 伝導路についての問題5選「まとめ・解説」

 

 

 

 

 

 

54.下肢の筋と支配神経との組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。

1.中殿筋:下殿神経
2.縫工筋:閉鎖神経
3.膝窩筋:脛骨神経
4.後脛骨筋:総腓骨神経
5.短指屈筋:内側足底神経

解答3/5

解説

1.× 中殿筋は、下殿神経ではなく上殿神経である。ちなみに、下殿神経支配は大殿筋である。
2.× 縫工筋は、閉鎖神経ではなく大腿神経である。ちなみに、閉鎖神経支配は内転筋群(恥骨筋・長内転筋・短内転筋・大内転筋・薄筋・外閉鎖筋)である。
3.〇 正しい。膝窩筋は、脛骨神経である。
4.× 後脛骨筋は、総腓骨神経ではなく、脛骨神経である。ちなみに、総腓骨神経支配は大腿二頭筋(短頭)である。
5.〇 正しい。短指屈筋は、内側足底神経(脛骨神経) である。

 

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【暗記用】下肢筋の起始・停止・作用・神経を完璧に覚えよう!

 

 

 

 

 

 

55.神経再生の過程で迷入再生をきたしやすい顔面神経の解剖学的特徴はどれか。(※採点対象外:解なし)

1.耳下腺内を走行する。
2.支配筋に筋紡錘がない。
3.骨性神経管内を走行する。
4.多数の運動終板を形成する。
5.神経束構造が欠落している。

解答 なし
理由:設問分の表現が不明確で正解が得られないため。

解説

迷入再生とは

迷人再生とは、走行の途中で障害を受けた神経線維が再生する際に、正しい神経支配と繋がらずに他の構造への神経線維に迷入してしまい、異常な連動運動などを生じることをいう。

例「ワニの涙症候群」:顔面神経麻痺の後遺症で、唾液の分泌を支配する神経と涙の分泌を支配する神経が混同してしまうと、食事の時に派が勝手に出てしまうこと。他にも、眼輪筋と口輪筋が正しく繋がらず、眼すると口角が動くなどの病的共同運動を生じることがある。

1.〇 正しい。顔面神経は、耳下腺内を走行する。ただし耳下腺を支配しておらず迷入再生の特徴とはいえない。
2.〇 正しい。支配筋に筋紡錘がない。顔面筋は他の骨格筋とは異なり、筋紡錘が存在しないことも顔面神経麻痺後の病的共同運動(迷入再生の特徴)の原因の一つである。
3.〇 正しい。骨性神経管内を走行する。側頭骨の中の複雑な形態の骨性顔面神経管を通ることも顔面神経麻痺後の病的共同運動(迷入再生の特徴)の原因の一つである。
4.× 多数の運動終板を形成するとは一概にいえない。厳密にどれほどで多数か少数かの線引きがあいまいであるため。ただし、迷入再生の原因は運動終板ではなく、顔面神経が多くの筋を支配していることが重要である。
5.〇 正しい。神経束構造が欠落している。通常の末梢神経は神経内膜に包まれており、それが集合したものを神経周膜が包むという構造になっている。しかし、一部の顔面神経は神経周膜を欠くため迷入再生をきたしやすい。

 

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