第48回(H25) 理学療法士/作業療法士 共通問題解説【午後問題86~90】

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86 熱傷について正しいのはどれか。

1.Ⅰ度では皮膚の発赤をきたす。
2.浅達性Ⅱ度では肥厚性瘢痕を残す。
3.Ⅲ度では強い痛みがある。
4.小児の熱傷面積の概算には9の法則が用いられる。
5.熱傷指数はⅠ度とⅡ度の面積から算出する。

解答1

解説

1.〇 正しい。Ⅰ度は、皮膚の発赤をきたす。皮膚の発赤、熱感、軽度の腫脹と疼痛がみられ、水疱は見られない。
2.× 浅達性Ⅱ度は、真皮浅層までの障害で、強い疼痛・腫脹・水泡形成がみられるが、1~2週間で治癒し、瘢痕再生する。肥厚性瘢痕を残すのは、深達性Ⅱ度である。
3.× Ⅲ度では、痛みは感じない。皮下組織までの障害で、疼痛を感じず、皮膚は白く乾燥、炭化する。水疱形成もみられない。
4.× 小児の熱傷面積の概算には、「9」ではなく5の法則が用いられる。9の法則は成人に用いる。熱傷面積の概算は深度とともに、重症度の基準となる。
5.× 熱傷指数は、「Ⅰ度とⅡ度の面積」ではなく、Ⅱ度とⅢ度の面積から算出する。熱傷指数=Ⅱ度熱傷面積(%)×1/2+Ⅲ度熱傷面積(%)で求められる。10~15%以上の重症熱傷で全身管理を要する。

 

苦手な方向けにまとめました。参考にしてください↓

【PT/OT/共通】熱傷についての問題「まとめ・解説」

 

 

 

 

 

87 小児に多い骨折はどれか。

1.上腕骨近位端骨折
2.上腕骨顆上骨折
3.腰椎圧迫骨折
4.大腿骨頸部骨折
5.脛骨骨幹部骨折

解答2

解説

2.〇 正しい。上腕骨顆上骨折は、肘関節伸展時転倒で生じる小児に多い骨折である。合併症は神経麻痺(正中神経または橈骨神経)、フォルクマン拘縮、内反肘変形などである。
1.3.4~5.× 上腕骨近位端骨折/腰椎圧迫骨折/大腿骨頸部骨折/脛骨骨幹部骨折は、高齢者に起こりやすい。ちなみに、脛骨骨幹部骨折は、高齢者が転倒して起こるものと、青壮年者における交通外傷などによるものに分けられる。

 

 

 

 

 

 

88 腰部脊柱管狭窄症でみられるのはどれか。

1.Trendelenburg徴候
2.下肢の腱反射亢進
3.腰椎前弯増強
4.間欠性跛行
5.槌趾変形

解答4

解説

1.× Trendelenburg徴候(トレンデレンブルグ徴候)は、主に変形性股関節症に起こりやすい。Trendelenburg徴候(トレンデレンブルグ徴候)とは、歩行時の患側(中殿筋に麻痺がある側)での片脚起立時に、健側(遊脚側)の骨盤が下がる現象である。
2.× 下肢の腱反射亢進は、上位運動ニューロンの障害で起こる。腰部脊柱管狭窄症では、脊髄前角細胞以遠の下位運動ニューロン障害である。
3.× 腰椎前弯「増強」ではなく減少である。なぜなら、腰椎前弯が増強すると、腰部の脊髄神経の通り道が狭くなり症状が悪化するため。なので、腰部脊柱管狭窄症の患者はできるだけ前かがみ(体幹前屈)になり、腰椎前弯を減少させ、脊柱管を広げようとする戦略をとる。
4.〇 正しい。間欠性跛行は、腰部脊柱管狭窄症の特徴的な症状である。間欠性跛行とは、歩行継続している際、次第に下肢の疼痛、しびれ、脱力を感じ歩行困難となるが、一次休息することにより症状が軽減し、再び歩行が可能となることである。
5.× 槌趾変形の原因は、本態性(原因不明)のものが多い。脳性麻痺や二分脊椎といった神経疾患の他、リウマチや痛風で起こりやすい。槌指変形とは、中足趾節関節の背側の亜脱臼に起因するZ型の変形である。

痛風とは?

 痛風とは、体内で尿酸が過剰になると、関節にたまって結晶化し、炎症を引き起こして腫れや痛みを生じる病気である。風が患部に吹きつけるだけで激しい痛みが走ることから痛風と名づけられたといわれている。男性に頻発する単関節炎で、下肢、特に第1中足趾関節に好発する。尿酸はプリン体の代謝の最終産物として産生され、代謝異常があると尿酸の産生過剰・排泄障害が生じ高尿酸血症となる。高尿酸血症は痛風や腎臓などの臓器障害を引き起こすほか、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣を合併しやすい。

 

 

 

 

 

89 絞扼性神経障害と障害される神経の組合せで正しいのはどれか。

1.肘部管症候群:橈骨神経
2.円回内筋症候群:尺骨神経
3.手根管症候群:正中神経
4.梨状筋症候群:外側大腿皮神経
5.足根管症候群:総腓骨神経

解答3

解説

1.× 肘部管症候群は、「橈骨神経」ではなく、肘部管で尺骨神経が絞扼される。
2.× 円回内筋症候群は、「尺骨神経」ではなく、正中神経が絞扼され、高位不全麻痺が起こる。
3.〇 正しい。手根管症候群は、正中神経が障害され、猿手や母指対立不能がみられる。
4.× 梨状筋症候群は、「外側大腿皮神経」ではなく坐骨神経が絞扼される。
5.× 足根管症候群は、「総腓骨神経」ではなく脛骨神経が絞扼される。

 

 

 

 

 

90 姿勢発達の順序を矢印で示す。
 正しいのはどれか。

解答5

解説

1.× 発達の順序がである。腹ばいの状態から、手と腕の力を使って上半身を起こせるようになる。
2.× 発達の順序がである。支持基底面が少なくなるにつれ、体幹の筋力・バランス能力が発達していることが分かる。
3.× 発達の順序がである。仰向けの状態から、下肢・殿部を上げられるようになる。
4.× 発達の順序がである。不安定な座位から、上肢の操作性・体幹回旋を伴うことが可能となる。
5.〇 正しい。両手つかまり立ちから、片手を上げ、さらに体幹回旋して立てるようになる。

 

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