第48回(H25) 理学療法士/作業療法士 共通問題解説【午後問題81~85】

 

81 精神療法とその技法の組合せで正しいのはどれか。

1.精神分析:あるがまま
2.内観療法:自由連想法
3.認知療法:自動思考
4.箱庭療法:造園作業
5.森田療法:身調べ

解答3

解説

1.× 精神分析とは、フロイトにより開発され「自由連想法」によって無意識のうちに抑制されていた葛藤を意識化させ、洞察し解決に向かわせるものである。あるがままは、選択肢5.森田療法である。
2.× 内観療法とは、自分が身近な人からしてもらったことや、迷惑をかけたことなどを繰り返し想起して(これを「見調べ」という)自己洞察力を深める方法である。自由連想法は、選択肢1.精神分析である。
3.〇 正しい。認知療法は、自動思考の組み合わせで正しい。認知療法とは、認知(物事に対するとらえ方)のゆがみに気づかせて、それを行動療法的に修正していこうとする治療法である。「自動思考」とは、本人が意識せずに勝手に浮かび上がってくる思考のことをいう。このような自らの考え方の癖に気づくことを重要視している。
4.× 箱庭療法は、被害者が一定の大きさの箱に種々の人形や模型を自由に並べ、その内容について治療者と話し合うことで、被害者の内面の諸問題を明らかにしていく方法である。造園作業は、実際の農作業を行うことを指し、作業療法の一種である。
5.× 森田療法とは、目的・行動本意の作業を繰り返すことにより、症状にとらわれず、症状を「あるがまま」に受け入れながら生活できるようにする方法である。選択肢2.身調べは、内観療法である。

 

 

 

 

 

82 Duchenne型筋ジストロフィーについて、厚生省筋萎縮研究班の機能障害度分類によるステージとリハビリテーションの内容の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。

1.ステージ2:下腿三頭筋のストレッチ
2.ステージ3:長下肢装具による歩行訓練
3.ステージ4:非侵襲的陽圧換気療法の開始
4.ステージ5:中殿筋の最大抵抗運動
5.ステージ6:座位保持装置による脊柱変形の予防

解答1/5

解説

1.〇 正しい。ステージ2(階段昇降に介助(手すり、手による膝おさえなど)を必要とする)は、下腿三頭筋のストレッチが有効である。この時期は、自立歩行が可能な初期レベルであり、廃用性筋委縮と関節拘縮防止(尖足進行防止)のために、下腿三頭筋のストレッチを行う。
2.× ステージ3(階段昇降不能 平地歩行可能 通常の高さのイスからの立上がり可能)は、自立歩行が可能であるため、長下肢装具による歩行訓練は時期尚早である。
3.× ステージ4(歩行可能 イスからの立上がり不能)は、呼吸機能障害を起こしていないため、非侵襲的陽圧換気療法の開始は時期尚早である。
4.× ステージ5(歩行不能 四つ這い可能)の適応訓練は、車椅子訓練四つ這いで廃用性筋委縮を防ぐ。この時期は、中殿筋の筋力低下は顕著で、仮性肥大を呈することもあり、中殿筋の最大抵抗運動は負荷が強すぎる。
5.〇 正しい。ステージ6(四つ這い不能だが、いざり移動可能)は、座位保持装置による脊柱変形の予防が有効である。この時期は、四肢変形に加えて、脊柱・胸郭変形が増大し、呼吸機能障害により肺機能が低下してくるので、脊柱変形の予防は重要である。

厚生省「筋萎縮症」対策研究会による障害段階分類

ステージ1 歩行可能 介助なく階段昇降可能(手すりも用いない)
ステージ2 階段昇降に介助(手すり、手による膝おさえなど)を必要とする
ステージ3 階段昇降不能 平地歩行可能 通常の高さのイスからの立上がり可能
ステージ4 歩行可能 イスからの立上がり不能
ステージ5 歩行不能 四つ這い可能
ステージ6 四つ這い不能だが、いざり移動可能
ステージ7 這うことはできないが、自力で坐位保持可能
ステージ8 ベッドに寝たままで体動不能 全介助

 

 

 

 

 

83 肩手症候群で正しいのはどれか。

1.初期は疼痛を伴わない。
2.末期に手指腫脹がみられる。
3.初期に皮膚紅潮がみられる。
4.慢性期の温熱療法は禁忌である。
5.複合性局所痛症候群(CRPS)Ⅱ型である。

解答3

解説

 脳卒中後の肩手症候群は、肩の疼痛性運動制限と手の腫脹(発赤を伴う)・疼痛を主徴とする。上肢の麻痺が重度であるほど合併しやすい。一般に数か月~半年ほどの経過で痛みは軽減していくが、骨萎縮(Sudeck骨萎縮)や手指の拘縮が残る。

 

1.× 初期は、疼痛を伴う
2.× 手指腫脹がみられるのは、末期ではなく初期である。初期は腫脹を伴うが、慢性期には患肢が拘縮し腫脹は消退する。
3.〇 正しい。初期に皮膚紅潮がみられる。初期は血管運動性変化(血液の増加、皮膚温上昇、皮膚紅潮)が起こる。これは動脈が拡張し、循環血液量が健側よりも増加するためである。
4.× 慢性期の温熱療法は、拘縮予防が期待できるため適応である。炎症が強い急性期は温熱療法を行わない方が良い。
5.× 複合性局所痛症候群(CRPS)は、Ⅱ型(末梢神経損傷後に起こるもの)ではなく、Ⅰ型(主要な末梢神経損傷を伴わないもの)である。

 

 

 

 

 

84 下肢切断について正しいのはどれか。

1.大腿標準切断では股内転拘縮を生じやすい。
2.下腿標準切断では外反膝を生じやすい。
3.Syme切断では断端末に創を生じやすい。
4.Chopart関節離断では足内反拘縮を生じやすい。
5.Lisfranc切断では足外反変形を生じやすい。

解答4

解説

1.× 大腿標準切断は、股内転拘縮ではなく、股関節外転・屈曲拘縮を生じやすい。なぜなら、大腿標準切断では、主に股関節内転筋群の切断が股関節屈曲・外転筋力より多く、筋の不均等が生じるためである。
2.× 下腿標準切断は、外反膝(X脚)ではなく、膝関節屈曲拘縮を生じやすい。
3.× Syme切断(サイム切断)では、断端末に創を生じやすいのではなく、断端末の形状が良好で荷重をかけることができるのが特徴である。Syme切断(サイム切断)は、足関節部での切断をいう。
4.〇 正しい。Chopart関節離断(ショパール関節離断)は、足内反拘縮を生じやすいのではなく、尖足・内反変形が生じやすい。Chopart関節離断(ショパール関節離断)とは、足根間関節での切断をいう。
5.× Lisfranc切断(リスフラン切断)は、足外反変形ではなく、尖足・内反変形が生じやすい。Lisfranc切断(リスフラン切断)は足根中足関節での切断をいう。

 

 

 

 

 

85 病態とその治療薬の組合せで正しいのはどれか。

1.ジスキネジア:L-dopa
2.重症筋無力症:コリンエステラーゼ阻害薬
3.前立腺肥大症:抗コリン薬
4.間質性肺炎:メトトレキサート
5.消化管出血:アスピリン

解答2

解説

1.× ジスキネジアは、L-dopaの副作用である。ジスキネジアとは、自分の意志とは無関係に身体が動いてしまう不随意運動である。L-dopaは、ドパミンに代謝され、随意運動をスムーズに調整する作用を持ち、主にParkinson病に適応となる。L-dopaを長期服用すると、副作用として、ジスキネジアがみられる。
2.〇 正しい。重症筋無力症は、コリンエステラーゼ阻害薬を治療薬として服用する。重症筋無力症は、アセチルコリン抗体により、神経筋接合部でアセチルコリンとアセチルコリン受容体の結合が阻害され、神経伝達障害がみられる自己免疫疾患である。コリンエステラーゼ阻害薬は、アセチルコリンの分解を阻止し、アセチルコリン受容体への結合確率を高めることにより、神経筋接合部伝達障害を改善させる。
3.× 前立腺肥大症に、抗コリン薬は禁忌である。抗コリン薬を服用すると交感神経系が亢進状態となり、尿閉を悪化させる。
4.× 間質性肺炎は、メトトレキサートの副作用である。メトトレキサートは、抗がん剤やリウマチ治療薬として用いられる免疫抑制剤に分類される薬剤である。
5.× 消化管出血に、アスピリンは禁忌である。アスピリンは、抗炎症作用のほかに抗血小板作用がある。出血時間が延長するため禁忌である。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)