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51 骨代謝で正しいのはどれか。
1.骨芽細胞が分化して骨細胞になる。
2.破骨細胞は間葉系幹細胞に由来する。
3.骨形成が優位になると骨粗鬆症になる。
4.副甲状腺ホルモンは骨形成を促進する。
5.骨に負荷がかかると骨吸収が促進される。
解答1
解説
1.〇 正しい。骨芽細胞が分化して骨細胞になる。骨芽細胞とは、骨形成を担う細胞であり、骨基質蛋白合成と基質小胞を介した石灰化を誘導する。自ら産生した骨基質に埋まり骨細胞へと分化を成し遂げる。つまり、骨芽細胞は、骨基質の合成を行い、成熟(分化)すると骨の中に取り込まれて骨細胞となる。
2.× 破骨細胞は、「間葉系幹細胞」ではなく骨髄造血幹細胞に由来する。なぜなら、破骨細胞は骨吸収を行う細胞であるため。造血系、特に単球・マクロファージ系列(骨髄造血幹細胞に由来)から分化する。
・造血幹細胞とは、赤血球・白血球・血小板のもとになる細胞のことである。
・間葉系幹細胞とは、体に自然に備わっている体性幹細胞で、骨細胞・軟骨細胞、脂肪細胞、神経細胞、幹細胞などさまざまな細胞に分化できるといわれている細胞である。
3.× 「骨形成」ではなく骨吸収が優位になると骨粗鬆症になる。
・骨粗鬆症とは、骨量が減って骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気である。
・骨吸収とは、その名の通り骨組織の吸収であり、つまり、破骨細胞が骨の組織を分解してミネラルを放出し、骨組織から血液にカルシウムが移動するプロセスである。
4.× 副甲状腺ホルモンは、「骨形成」ではなく骨吸収を促進する。なぜなら、血中カルシウム濃度を上げる(=骨吸収を促進する)作用を持っているため。
・副甲状腺ホルモンとは、副甲状腺から分泌され、腎臓のカルシウム再吸収およびリンの排泄促進作用などがあり、血中のカルシウム濃度を上昇させる。
5.× 骨に負荷がかかると、「骨吸収」ではなく骨形成が促進される。これをウルフの法則(Wolffの法則)という。骨はそれに加わる力に抵抗するのに最も適した構造を発達させる。
骨折の治癒過程において、「①炎症期→②仮骨形成期→③仮骨硬化期→④リモデリング期」となる。
①炎症期:骨折後2〜3日で活動のピークを迎える。骨折した人が経験する初期の痛みのほとんどがこの炎症によるものである。
②仮骨形成期:骨折後1週間が過ぎると骨芽細胞が活動し、1週間目から14週目ぐらいは仮骨が形成する時期である。仮骨とは、骨折した場合に折れたり欠損したりした骨の代わりに、新たにできる不完全な骨組織のことである。
③仮骨硬化期:8週間目から36週間目ぐらいにあたる。
④リモデリング期:硬化仮骨が患部の機能とともに回復に、本体の骨に吸収、添加作用していく時期である。これが20週目から52週目ぐらいにあたる。
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52 関節と構造の組合せで正しいのはどれか。
1.腕尺関節:らせん関節
2.手根間関節:鞍関節
3.肩甲上腕関節:楕円関節
4.橈骨手根関節:平面関節
5.母指手根中手関節:球関節
解答1
解説
1.〇 正しい。腕尺関節:らせん関節
らせん関節は、腕尺関節、距腿関節、膝関節が該当する(※膝関節は、顆状関節という文献もあり)。ほかにも、蝶番関節=らせん関節ではないみたいで、腕尺関節は、らせん関節と蝶番関節の両方に属し、はっきりと区別されてはいないみたいである(※文献によってさまざま)。ただ、らせん関節で分類しているところが多い。
2.× 手根間関節は、「鞍関節」ではなく平面関節である。
・平面関節は、肩鎖関節、手根間関節、手根中央関節(橈側)、中手間関節、椎間関節、足根間関節があげられる。
・鞍関節は、母指手根中手関節(CM)、胸鎖関節があげられる。
3.× 肩甲上腕関節は、「楕円関節」ではなく球関節である。
・球関節は、肩甲上腕関節、腕橈関節があげられる。
・顆状関節(楕円関節)は、橈骨手根関節、手根中央(尺側)関節、顎関節、中手指節関節(MP関節)があげられる。
4.× 橈骨手根関節は、「平面関節」ではなく顆状関節(楕円関節)である。
5.× 母指手根中手関節は、「球関節」ではなく鞍関節である。
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53 味覚を支配する脳神経はどれか。(※不適切問題:解2つ)
1.三叉神経
2.舌咽神経
3.迷走神経
4.副神経
5.舌下神経
解答2・3(複数の選択肢を正解)
理由:複数の正解があるため。
解説
【味覚】顔面神経(鼓索神経):舌前2/3、舌咽神経:後1/3、大錐体神経:軟口蓋、迷走神経:咽頭部
【知覚(痛覚)】三叉神経:前2/3、舌咽神経:後1/3
1.× 三叉神経とは、咀嚼運動にかかわる脳神経である。三叉神経は、主に咀嚼筋の咀嚼運動と顔面の皮膚感覚を司る。運動神経と感覚神経を含む。
2.〇 正しい。舌咽神経は、味覚(後1/3)を支配する。舌咽神経とは、知覚・運動・分泌を受けもつ混合神経で、舌の後部3分の1の感覚や咽頭筋の運動を支配する。 また分泌線維は耳下腺に分布し、唾液の分泌を司る。 鼓室粘膜の知覚もこの神経が支配する。
3.〇 正しい。迷走神経は、味覚(咽頭部)を支配する。迷走神経とは、感覚神経・運動神経の一つである。嚥下運動や声帯の運動、耳介後方の感覚などに作用する。内臓(胃、小腸、大腸や心臓、血管など)に多く分布し、体内の環境をコントロールしている。刺激すると徐脈、咳、嘔吐などを生じる。強い痛みや精神的ショックなどが原因で、迷走神経が過剰に反応すると、心拍数や血圧の低下、失神などを引き起こす(迷走神経反射)。
4.× 副神経とは、胸鎖乳突筋・僧帽筋を支配している運動神経である。
5.× 舌下神経とは、舌の運動を支配する運動神経である
(※図引用:「イラストでわかる歯科医学の基礎 第4版 」永未書店HPより)
54 胃で正しいのはどれか。
1.幽門には弁がある。
2.胃底は噴門より下部にある。
3.噴門は第1腰椎レベルにある。
4.幽門は第11胸椎レベルにある。
5.胃切痕は大彎の遠位1/3にある。
解答 1
解説
1.〇 正しい。幽門には弁(幽門弁)がある。幽門には、幽門弁(幽門括約筋)が存在し、胃内容物の排出を調整する役割がある。※ただし、幽門弁と心臓の弁は構造や役割、仕組みが異なることに注意が必要である。
・胃の幽門弁は、厚い筋肉(幽門括約筋)で、筋肉の収縮と弛緩で食物の流れを調節する。
・心臓の弁は、薄い膜状の構造で、血液が一方向に流れるよう、圧力差によって開閉し、逆流を防止する目的である。
2.× 胃底は、噴門より「下部」ではなく上部にある。
・胃底とは、胃の左側に位置し、噴門から水平に線を引いた上方に位置する部分をいう。 上方に向けて丸みを帯びているので、胃の中でガスが発生するとこの部分にたまる。
・噴門とは、食道の下端、胃の入口の所である。ふだんは閉じており、食物が食道にはいると、反射的に開く。
3.× 「噴門」ではなく幽門は、第1腰椎レベルにある。
4.× 「幽門」ではなく噴門は、第11胸椎レベルにある。
5.× 胃切痕は、「大彎」ではなく小彎の遠位1/3にある。角切痕とは、小彎の鋭く凹んだ部位である。
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55 平衡聴覚器で正しいのはどれか。
1.鍋牛は内耳にある。
2.内リンパと外リンパは交通している。
3.耳管により内耳と咽頭は交通している。
4.骨半規管は2つの半規管で構成される。
5.鼓膜に付着している耳小骨はキヌタ骨である。
解答1
解説
(※図引用:「耳の構造・説明図」illustAC様より)
1.〇 正しい。鍋牛は内耳にある。中耳は、外耳と内耳にある空間のことである。構成は、鼓膜・鼓室・耳管・乳突洞・乳突蜂巣からなる。ちなみに、鼓室には3つの耳小骨(ツチ骨→キヌタ骨→アブミ骨)があり、鼓膜から内耳へ音の振動を伝える。
2.× 内リンパと外リンパは交通「していない」。なぜなら、内・外リンパは、内耳の中を満たす液体であるが、それぞれ内リンパ腔、外リンパ腔に存在しているため。蝸牛管は、外リンパの流れが受容器の刺激となって、膜を通して内リンパに伝わり、基底板が振動し、蝸牛神経へと伝える働きを持つ。
3.× 耳管により、「内耳」ではなく中耳と咽頭(上咽頭)は交通している。耳管とは、鼓膜の前壁から始まり、中耳と上咽頭を連絡する管であり、中耳内の圧を調整する。
4.× 骨半規管は、「2つ」ではなく3つの半規管で構成される。三半規管(骨半規管)とは、①外側半規管、②前半規管、③後半規管の3つの半規管の総称である。すべての半規管は、頭が回転するときの方向と速さを感知する役割があり、外側半規管は水平回転(左右、 横方向の回転)、前半規管と後半規管は垂直回転 (上下、縦方向の回転)を感じ取る。ちなみに、膜半規管とは、半規管の外側は骨でできており(骨半規管)、そのすぐ内側に膜がある。その膜の事である。
5.× 鼓膜に付着している耳小骨は、「キヌタ骨」ではなくツチ骨である。
鼓膜から、ツチ骨→キヌタ骨→アブミ骨の順に伝わっていく。
(※画像引用:やまだカイロプラクティック院様)