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26 反復唾液嚥下テストのカットオフ値は30秒間に何回か。
1.1回
2.3回
3.5回
4.7回
5.9回
解答2
解説
30秒間の空嚥下を実施してもらい、嚥下反射の随意的な能力を評価する。
3回/30秒以上から嚥下の反復ができれば正常である。
1.3~5.× 1回/5回/7回/9回は、反復唾液嚥下テストで用いない。
2.〇 正しい。30秒間で3回が反復唾液嚥下テストのカットオフ値である。
27 高次脳機能障害の評価として用いられる神経心理学的検査において、動作性検査(絵画完成、符号、積木模様、行列推理、絵画配列、記号探し、組み合わせ)と言語性検査(単語、類似、算数、数唱、知識、理解、語音整列)の14 項目で構成される検査はどれか。
1. BADS
2. MMSE
3. SLTA
4. WMS-Ⅲ
5. WAIS-Ⅲ
解答5
解説
1.× BADS(Behavioral Assessment of the Dysexecutive Syndrome:遂行機能障害症候群の行動評価)は、カードや道具を使った6種類の下位検査と1つの質問紙から構成されている。下位検査は0~4点の5段階で点数化し24点満点で評価する。
2.× MMSE(Mini-Mental State Examination)は、認知障害に対するスクリーニング検査である。見当識、記銘力、注意と計算、 想起、言語、組み立ての各項目がある。30点満点のうち、26点以下で軽度認知隊害の疑い、23点以下では認知障害の可能性が高いことを示す。
3.× SLTA(Standard Language Test of Aphasia:標準失語症検査)は、成人の失語症の代表的な検査である。26項目の下位検査での構成で、「聴く」「話す」「読む」「書く」「計算」について6段階で評価する。
4.× WMS-Ⅲ(Wechsler Memory Scale:ウェクスラー記憶検査)とは、記憶の包括的検査である。13の下位検査により言語性記憶、視覚性記憶、総合、注意・集中力、遅延再生の5つの指標を求める。
5.〇 正しい。WAIS-Ⅲ(Wechsler Adult Intelligence ScaleⅢ:ウェクスラー成人知能検査・改訂版)は、記憶の包括的検査であり、知能の個人内差の診断が可能な成人用個別式検査である。高次脳機能障害の評価として用いられる神経心理学的検査において、①動作性検査(絵画完成、符号、積木模様、行列推理、絵画配列、記号探し、組み合わせ)と②言語性検査(単語、類似、算数、数唱、知識、理解、語音整列)の14項目で構成される検査である。適応年齢16歳0ヶ月~89歳 11 か月の偏差IQ(知能指数)を求めることができる。
28 手関節を保持する装具の中で静的装具はどれか。2つ選べ。
1. 長対立装具
2. RIC型把持装具
3. カックアップ装具
4. Thomas型懸垂装具
5. Oppenheimer型装具
解答1・3
解説
①静的装具
目的:関節を固定・保持あるいは矯正するため。
特徴:動作軸や継手など可動部分がない。
②動的装具
目的:動作の補助や制動を行う。
特徴:動作抽や継手、ゴムやばねなどがある。
1.〇 正しい。長対立装具は、手関節を保持する装具の中で静的装具である。正中神経麻痺高位型で、母指対立不能、母指・示指の屈曲障害を生じた際に用い、母指を対立位に保持する。
2.× RIC型把持装具は、動的装具である。C6の機能残存に適応で、手関節背屈運動により対立つまみを可能にする。
3.〇 正しい。カックアップ装具は、手関節を保持する装具の中で静的装具である。橈骨神経麻痺高位型で、下垂手を生じた際に用い、手関節を機能的肢位に保持する。
4.× Thomas型(トーマス型)懸垂装具は、動的装具である。橈骨神経麻痺高位型に適応で、ピアノ線やゴムで手背屈位にし、把持動作を獲得させる。
5.× Oppenheimer型(オッペンハイマー型)装具は、動的装具である。橈骨神経麻痺高位型に適応で、手関節背屈位、MP伸展位、母指外転位に保持する。
29 疾患と自助具の組合せで正しいのはどれか。
1. アテトーゼ型脳性麻痺:ソックスエイド
2. 関節リウマチ:キーボードカバー
3. 頸髄損傷:マウススティック
4. 脊髄小脳変性症:リーチャー
5. Parkinson 病:万能カフ
解答3
解説
1.× ソックスエイドは、「アテトーゼ型脳性麻痺」ではなく、脱臼の恐れのある人工股関節や股関節に負担をかけられないリウマチに適応となる。また、アテトーゼ型脳性麻痺には不随意運動を有するため使用が難しい。
2.× キーボードカバーは、「関節リウマチ」ではなく、運動失調のある脊髄小脳変性症、 アテトーゼ型脳性麻痺などに用いられる。なぜなら、キーボードカバーは、振戦があっても他のキーに触れずに目的のキーだけを押すことを補助するものであるため。また、関節リウマチは、指先の関節に負担をかけることは推奨できない。
3.〇 正しい。マウススティックは、頸髄損傷に適している。マウススティックとは、口にくわえてキーボードなどを操作する自助具である。高位頸髄損傷患者など手指を使ってパソコンなどの操作ができない場合に適している。
4.× リーチャーは、「脊髄小脳変性症」ではなく、脱臼の恐れのある人工股関節や車いす患者が、床のものや遠くのものを拾ったり操作したりするときに使用する。また、脊髄小脳変性症では、運動失調のためリーチャーの操作は難しい。
5.× 万能カフは、「Parkinson病」ではなく、頸髄損傷やリウマチなどに適している握る力がなかったり、痛みなどでスプーンやフォークの細い柄が握れない人に適している。握ることができなくても、面ファスナー製のバンドで器具を手に固定することができる。手のひら側のグリップ部のポケットに、用途に合わせた器具を差し込んで使用する。
脊髄小脳変性症とは、運動失調を主症状とし、原因が、感染症、中毒、腫瘍、栄養素の欠乏、奇形、血管障害、自己免疫性疾患等によらない疾患の総称である。遺伝性と孤発性に大別され、①純粋小脳型(小脳症状のみが目立つ)と、②多系統障害型(小脳以外の症状が目立つ)に大別される。脊髄小脳変性症の割合として、孤発性(67.2%)、常染色体優性遺伝性(27%)、が常染色体劣性遺伝性(1.8%)であった。孤発性のものの大多数は多系統萎縮症である。(※参考:「18 脊髄小脳変性症(多系統萎縮症を除く。)」厚生労働省様HPより)
多系統萎縮症とは、成年期(多くは40歳以降)に発症し、進行性の細胞変性脱落をきたす疾患である。①オリーブ橋小脳萎縮症(初発から病初期の症候が小脳性運動失調)、②線条体黒質変性症(初発から病初期の症候がパーキンソニズム)、シャイ・ドレーカー症候群(初発から病初期の症候が自律神経障害であるもの)と称されてきた。いずれも進行するとこれら三大症候は重複してくること、画像診断でも脳幹と小脳の萎縮や線条体の異常等の所見が認められ、かつ組織病理も共通していることから多系統萎縮症と総称されるようになった。(※参考:「17 多系統萎縮症」厚生労働省様HPより)
30 二分脊椎のSharrardの分類で股関節屈曲・内転運動が正常で外転が作用し始め、短下肢装具を用いて杖歩行が可能となるのはどれか。
1. Ⅱ群
2. Ⅲ群
3. Ⅳ群
4. Ⅴ群
5. Ⅵ群
解答2
解説
第Ⅰ群(胸髄レベル):車椅子を使用している。下肢を自分で動かすことはできない。
第Ⅱ群(L1〜2レベル):車椅子と杖歩行を併用している。股関節屈曲・内転、膝関節伸展が可能。
第Ⅲ群(L3〜4レベル):長下肢装具または短下肢装具による杖歩行可能。股関節外転、足関節背屈が可能。
第Ⅳ群(L5レベル):短下肢装具による自立歩行可能。股関節伸展、足関節底屈が可能。
第Ⅴ群(S1〜2レベル):ほとんど装具が不要で自立歩行可能。足関節の安定性が低い。
第Ⅵ群(S3レベル):ほとんど運動麻痺はなく、健常児とほぼ同様の歩行。
1.× Ⅱ群は、股関節屈曲・内転運動ができない。
2.〇 正しい。Ⅲ群(L3〜4レベル)は、長下肢装具または短下肢装具による杖歩行可能である。また、股関節外転、足関節背屈が可能になるレベルである。
3.× Ⅳ群は、短下肢装具による自立歩行可能である。設問では短下肢装具を用いて杖歩行となっている。
4.× Ⅴ群は、ほとんど装具が不要で自立歩行可能である。設問では短下肢装具を用いて杖歩行となっている。
5.× Ⅵ群は、ほとんど運動麻痺はなく、健常児とほぼ同様の歩行。設問では短下肢装具を用いて杖歩行となっている。