第46回(H23) 理学療法士/作業療法士 共通問題解説【午前問題56~60】

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56.心臓の解剖で正しいのはどれか。2つ選べ。

1.僧帽弁は3尖である。
2.大静脈は左心房に入る。
3.右心室から肺動脈が出る。
4.卵円窩は心室中隔にある。
5.冠状動脈は大動脈から分岐する。

解答3/5

解説

(※図引用:「看護roo!看護師イラスト集」より)

1.× 僧帽弁は、「3尖」ではなく2尖である。ちなみに、3尖は三尖弁・大動脈弁・肺動脈弁である。
2.× 大静脈は、「左心房」ではなく右心房に入る。ちなみに、左心房に入るのが肺静脈である。
3.〇 正しい。右心室から肺動脈が出る。
4.× 卵円窩は、「心室中隔」ではなく心房中隔にある。心房中隔にある卵円孔が遺残したものであるが卵円窩である。卵円孔は、胎児のとき、胎盤を通して流れてくる酵素を含んだ血液を胎児の全身に循環させるためにある。

5.〇 正しい。冠状動脈は、大動脈から分岐する。拡張期に冠動脈に血液が流れる。

冠動脈の主な支配領域

右冠状動脈(後下行枝):洞房結節、房室結節、右心室、心臓の後壁および下壁に。
左冠状動脈(左前下行枝・左回旋枝):左心房・右心室の前壁・左心室の前壁と後壁・心室中隔の大部分に。

類似問題です↓
【共通のみ】冠状動脈(心臓の構造)についての問題「まとめ・解説」

 

 

 

 

 

 

57.リンパの流れについて正しいのはどれか。

1.腸リンパ本幹は右リンパ本幹に注ぐ。
2.乳び槽は頭部のリンパを集める。
3.胸管は左鎖骨下静脈に注ぐ。
4.右上肢のリンパは胸管に注ぐ。
5.右下肢のリンパは右リンパ本幹に注ぐ。

解答3

解説

1.× 腸リンパ本幹は、「右リンパ本幹」ではなく、左右腰リンパ本幹→乳ビ槽→胸管に注ぐ。ちなみに、右リンパ本幹のリンパ(右頸リンパ本幹と右鎖骨下リンパ本幹が合流したもの)は、右静脈角から静脈に流入する。
2.× 乳び槽(胸管の起始部)は、腸リンパ本幹腰リンパ本幹(左右腰リンパ本幹)が合流してできる。頭部のリンパを集めるのは、左右頸リンパ本幹からリンパを集める。
3.〇 正しい。胸管は、左鎖骨下静脈に注ぐ。胸管は左鎖骨下静脈と左内頸静脈の合流点である。
4.× 右上肢のリンパは、「胸管」ではなく右リンパ本幹に注ぐ。右リンパ本幹は、右鎖骨下静脈と右内頸静脈の合流点である右静脈角に流入する。
5.× 右下肢のリンパは、「右リンパ本幹」ではなく胸管に注ぐ。右リンパ本幹は、右鎖骨下静脈と右内頸静脈の合流点である右静脈角に流入する。

 

参考にどうぞ↓

【共通のみ】リンパ系ついての問題「まとめ・解説」

 

 

 

 

58.気管について正しいのはどれか。2つ選べ。

1.気管は食道の背側にある。
2.気管分岐角は約70°である。
3.右主気管支は左主気管支よりも太い。
4.気管は第2胸椎の高さで左右に分岐する。
5.左主気管支は胸大動脈の背側から肺に入る。

解答2/3

解説

気管の基礎知識

高さ:第6頸椎下縁の始まる。
走行:食道の腹側を垂直に下る。
分岐:第4、5胸椎の高さ(気管分岐部)

1.× 気管は、食道の「背側」ではなく腹側にある。
2.〇 正しい。気管分岐角は、約70°である。成人の場合、右側が25°、左側が45° である。
3.〇 正しい。右主気管支は、左主気管支よりも太い。気管分岐角の右側は25°であるため、異物は右主気管支に落ちやすい。
4.× 気管は、「第2胸椎の高さ」ではなく、第4、5胸椎の高さ(気管分岐部)で左右に分岐する。
5.× 左主気管支は、胸大動脈の「背側」ではなく腹側から肺に入る。

類似問題です↓
【共通問題のみ】胸部・気管支の解剖についての問題「まとめ・解説」

 

 

 

 

 

 

59.左頸肩腕部の写真を下図に示す。
 指で示している部位はどれか。

1.第一肋骨
2.胸鎖関節
3.肩鎖関節
4.烏ロ突起
5.上腕骨小結節

解答4

解説

1.× 第一肋骨(部位:①)は、鎖骨の下に位置する。
2.× 胸鎖関節(部位:②)は、胸骨柄の鎖骨切痕と、鎖骨の胸骨端との間にできる関節である。
3.× 肩鎖関節(部位:③)は、肩甲骨の肩峰関節面と鎖骨の肩峰端との間にできる関節である。
4.〇 正しい。烏ロ突起(部位:④)は、指で示している部位である。
5.× 上腕骨小結節(部位:⑤)は、上腕骨頭の隆起である。

 

 

 

 

 

60.成人の体表面で、全体表面の約9%に相当するのはどれか。2つ選べ。

1.頭部
2.外陰部
3.胸腹部
4.一側上肢
5.一側下肢

解答1/4

解説

9の法則とは?

「9の法則」とは、体表面積を9%ごとに、11のブロックに分けたものである。熱傷評価などで用いられる。
部位は、①頭部、②〜④体幹(前面、後面、胸部、腹部)、⑤〜⑥上肢(左・右)、 ⑦〜⑪下肢(左・右、前・後)である。残りの1%は外陰部である。ちなみに、小児は、5の法則となる。頭部15%、前面体幹部20%、後面体幹部15%、左右上肢各10%、左右下肢各15%である。

1.〇 正しい。頭部は、全体表面の約9%に相当する。頭部全体で9%である。 顔面だけなら4。5%。
2.× 外陰部は、1%である。
3.× 胸腹部は、18%である。胸部9%+腹部9%となる。
4.〇 正しい。一側上肢は、全体表面の約9%に相当する。
5.× 一側下肢は、18%である。一側下肢の前・後9%となる。

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【PT/OT/共通】熱傷についての問題「まとめ・解説」

 

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