【共通のみ】冠状動脈(心臓の構造)についての問題「まとめ・解説」

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※問題の引用:厚生労働省より

※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。

MEMO

・まとめてもらいたい問題や希望、漏れがあったらコメントください。

・当HPに「キーワード検索」の機能がありますので、そちらも積極的にお使いください。

45回 午後55

55.心臓で正しいのはどれか。

1.心臓壁は3層からなる。
2.大動脈弁は2尖である。
3.右心室から肺静脈が出る。
4.卵円窩は心室中隔にある。
5.健常成人の心臓は約500gである。

解答1

解説

(※図引用:「看護roo!看護師イラスト集」より)

1.〇 正しい。心臓壁は3層(心内膜、心筋層、心外膜)からなる。
2.× 大動脈弁は、「2尖」ではなく3尖弁である。ちなみに、心臓の4つ弁のうち、僧帽弁のみが2尖弁である。その他は3尖弁である。
3.× 右心室から、「肺静脈」ではなく肺動脈が出る。ちなみに、肺静脈は左心房に入る。
4.× 卵円窩は、「心室中隔」ではなく心房中隔(右側)にある。卵円窩は卵円孔の遺残したものである。
5.× 健常成人の心臓は、「約500g」ではなく約250~350gである。

 

 

 

 

46回 午前56

56.心臓の解剖で正しいのはどれか。2つ選べ。

1.僧帽弁は3尖である。
2.大静脈は左心房に入る。
3.右心室から肺動脈が出る。
4.卵円窩は心室中隔にある。
5.冠状動脈は大動脈から分岐する。

解答3/5

解説

(※図引用:「看護roo!看護師イラスト集」より)

1.× 僧帽弁は、「3尖」ではなく2尖である。ちなみに、3尖は三尖弁・大動脈弁・肺動脈弁である。
2.× 大静脈は、「左心房」ではなく右心房に入る。ちなみに、左心房に入るのが肺静脈である。
3.〇 正しい。右心室から肺動脈が出る。
4.× 卵円窩は、「心室中隔」ではなく心房中隔にある。心房中隔にある卵円孔が遺残したものであるが卵円窩である。卵円孔は、胎児のとき、胎盤を通して流れてくる酵素を含んだ血液を胎児の全身に循環させるためにある。

5.〇 正しい。冠状動脈は、大動脈から分岐する。拡張期に冠動脈に血液が流れる。

冠動脈の主な支配領域

右冠状動脈(後下行枝):洞房結節、房室結節、右心室、心臓の後壁および下壁に。
左冠状動脈(左前下行枝・左回旋枝):左心房・右心室の前壁・左心室の前壁と後壁・心室中隔の大部分に。

 

 

 

 

47回 午後75

75 右冠動脈が閉塞した場合に虚血が起こりやすい部位はどれか。

1.心室前壁
2.心室後壁
3.心室中隔
4.左心房
5.心尖部

解答2

解説

冠動脈の主な支配領域

右冠状動脈(後下行枝):洞房結節、房室結節、右心室、心臓の後壁および下壁に。
左冠状動脈(左前下行枝・左回旋枝):左心房・右心室の前壁・左心室の前壁と後壁・心室中隔の大部分に。

1.3.× 心室前壁/心室中隔は、左冠動脈(前下行枝の血流を受ける。
2.〇 正しい。心室後壁は、右冠動脈が閉塞した場合に虚血が起こりやすい部位である。右冠状動脈(後下行枝):洞房結節、房室結節、右心室、心臓の後壁および下壁を栄養しており、右冠状動脈の障害によって下壁梗塞が起こる。
4.× 左心房は、左冠動脈(回旋枝)の血流を受ける。
5.× 心尖部は、左冠動脈(前下行枝)の血流を受ける。

 

 

49回 午後65

65 心臓で正しいのはどれか。

1. 収縮期に冠血管の血流は増加する。
2. 心筋は伸張されると収縮力が低下する。
3. 左心室と左心房とは同時に収縮が始まる。
4. ノルアドレナリンは心筋収縮力を増加する。
5. 心筋の収縮は主に水素イオンの細胞内流入によって生じる。

解答4

解説

1.× 冠血管の血流は、「収縮期」ではなく拡張期に増加する。体循環とは異なる。
2.× 心筋は伸張されればされるほど収縮力が、「低下」ではなく増加する。これをFrank-Starlingの法則(フランクスターリングの法則)という。
3.× 左心室と左心房が、「同時に収縮が始まる」のではなく、左・右心房は同時に収縮し、少し遅れて左・右心室が同時に収縮する。
4.〇 正しい。ノルアドレナリンは、心筋収縮力を増加する。ノルアドレナリンの他にも、アドレナリンのカテコールアミンはアドレナリン受容体と結合して、心筋収縮力を増加させる。
5.× 心筋の収縮は、主に「水素イオン」ではなく、カルシウムイオンの細胞内流入によって生じる。

 

 

 

 

51回 午後91

91 急性心筋梗塞で左冠動脈閉塞に比べて右冠動脈閉塞に特徴的なのはどれか。

1. 房室伝導ブロック
2. 心原性ショック
3. 心室中隔穿孔
4. 心室性頻拍
5. 肺うっ血

解答1

解説

1.〇 正しい。房室伝導ブロック(特にWenckebach型)は、右冠動脈閉塞により起こる。右冠動脈は、房室結節枝が存在し、房室結節への血流を供給しているため。
2.× 心原性ショックは、左冠動脈の閉塞による前壁梗塞で多くみられる。心不全も同様である。
3.× 心室中隔穿孔は、左冠動脈前下行枝によることが多い。前壁中隔梗塞に合併しやすい。
4.× 心室性頻拍は、左冠動脈の閉塞による前壁梗塞で生じやすい。急性心筋梗塞の10~20%みられる。
5.× 肺うっ血は、左冠動脈の閉塞による前壁梗塞で生じやすい。

 

 

52回 午前93

93 急性心筋梗塞後の運動療法の効果として正しいのはどれか。

1. 梗塞範囲の減少
2. 心室破裂の減少
3. 心囊液貯留の減少
4. 左室駆出率の増加
5. 急性期心臓死の減少

解答:5

解説

1.× 梗塞範囲の減少は起こらない。なぜなら、心筋壊死は不可逆であるため。
2.× 心室破裂の減少はしない。なぜなら、心室破裂は心筋梗塞後1~2週間以内の急性期で起こりやすく、急性心筋梗塞の致死的合併症の1つであるため。症状が悪化する場合は緊急手術となる。
3.× 心囊液貯留の減少は起こらない。心囊貯留液が多い場合、静脈還流障害による身体所見では頸静脈怒張がみられる。急性心筋梗塞の合併症の1つとして、心破裂の一型で、心室中隔穿孔を来たすと急激な心タンポナーデを起こし、電気的機械的解離に至るため緊急手術が必要となる。
4.× 左室駆出率の増加はみられない。運動対応能の向上はみられる。
5.〇 正しい。急性心筋梗塞後の運動療法の効果として、急性期心臓死は減少する。心筋梗塞後の運動療法により心筋梗塞の再発が減少し,心臓血管死および全死亡が 20~25 % 減少するとされている。他にも、心疾患における運動療法に関するガイドラインよると、エビデンスAだけを抜粋すると、最高酸素摂取量増加、嫌気性代謝閾値増加、心筋虚血閾値の上昇による狭心症発作の軽減、同一労作時の心不全症状の軽減、最大下同一負荷強度での換気量減少、最大下同一負荷強度での心拍数減少、最大下同一負荷強度での心仕事量(二重積)減少、ミトコンドリアの増加、骨格筋酸化酵素活性の増大、毛細管密度の増加、Ⅱ型からⅠ型への筋線維型の変換、交感神経緊張の低下、冠動脈性事故発生率の減少などがあげられる。

心臓リハビリテーションの効果

①体力が回復し、スムーズに動けるようになる(運動耐容能の改善)。
②筋肉や骨が鍛えられ、疲れにくくなるとともに心臓の働きを助ける(心拍数減少)。
③動脈硬化のもととなる危険因子(高血圧、高脂血症、糖尿病、肥満)が軽減する(HDLコレステロール増加、中性脂肪の減少、肥満の改善)。
④血管が柔らかくなり、循環が良くなる(虚血徴候の軽減)。
⑤呼吸がゆっくりとして、息切れ感が軽減する(運動耐容能の改善)。
⑥自律神経を安定させ、動悸や不整脈が軽減する。
⑦不安やうつ状態が改善し気持ちが晴れやかになる。
⑧心筋梗塞の再発や突然死が減り、死亡率が減少する。

(参考:「心臓リハビリテーション(運動療法について)」神戸掖済会病院様HPより)

 

 

54回 午後56

56. 心臓で正しいのはどれか。2つ選べ。

1. 心臓壁は2層からなる。
2. 右房室弁は三尖弁である。
3. 心室中隔は左室側に凸である。
4. 心尖は左第8肋間に位置する。
5. 冠状動脈は大動脈から分岐する。

解答2,5

解説
1. ×:心臓壁は、「2層」ではなく3層(心内膜、心筋層、心外膜)からなる。
2. 〇:正しい。右房室弁は三尖弁である。ちなみに僧帽弁のみが二尖弁である。
3. ×:心室中隔は、「左室側」ではなく右心室側に凸である。
4. ×:心尖は、「左第8肋間」ではなく左第5肋間に位置する。ちなみに心基部はほぼ第2肋間の高さにある。
5. 〇:正しい。冠状動脈は大動脈から分岐する。冠状動脈は大動脈から分岐し、右冠動脈と左冠動脈に分かれる。左冠動脈はさらに、前行枝と回旋枝に分岐する。拡張期に冠動脈に血液が流れやすいのが特徴である。

 

 

 

55回 午後55

55 冠状動脈で正しいのはどれか。

1.大動脈弁の心室側から出る。
2.左右の冠状動脈は吻合しない。
3.左冠状動脈は房室結節に血液を送る。
4.右冠状動脈は前下降枝と回旋枝に分かれる。
5.左冠状動脈は心室中隔前方2/3に血液を送る。

解答
解説
1.× 大動脈弁の「心室側から」ではなく心房側から出る。冠状動脈は、大動脈起始部の膨大部から右冠状動脈と左冠状動脈として分岐する。
2.△ 左右の冠状動脈は吻合していることが多い。動脈は木のように1本の幹から複数の枝が出ているものばかりではなく、1本の幹から枝分かれした細い枝が、隣接する他の幹からの分枝と連結していることが多い。これを「吻合」と呼ぶ。一般には、冠状動脈は終動脈(吻合を持たない:側副循環がない)といわれているが、実際には吻合を持つことが多い。
3.× 左冠動脈の前下行枝は、心室中隔、心臓の前壁、心尖部に栄養分を供給している。左冠動脈の回旋枝は、心臓の左側壁、左後壁に栄養分を供給している。ちなみに、右冠動脈は洞房結節、房室結節、右心室、心臓の後壁および下壁に栄養分を供給している。
4.× 右冠状動脈の主な枝は、右外側枝後室間枝である。前下降枝と回旋枝に分かれるのは左冠状動脈である。
5.〇 正しい。左冠状動脈(左前下行枝)は、心室中隔前方2/3に血液を送る。

 

 

 

56回 午前56

56 心臓について正しいのはどれか。

1.僧帽弁は三尖弁である。
2.冠静脈洞は右心房に開口する。
3.大動脈弁には腱索が付着する。
4.冠動脈は大動脈弓から分岐する。
5.右冠動脈は前下行枝と回旋枝に分かれる。

解答

解説

(※図引用:「看護roo!看護師イラスト集」より)

1.× 僧帽弁は、「三尖弁」ではなく、唯一の二尖弁である。ちなみに、右房室弁や大動脈弁、肺動脈弁が三尖弁である。
2.〇 正しい。冠静脈洞は、右心房に開口する。冠状静脈洞は心臓壁にある静脈の主幹で、心臓の後面にある冠状溝中に存在し、回旋枝と伴走する。
3.× 腱索が付着するのは、「大動脈弁」ではなく、房室弁(僧帽弁三尖弁)である。乳頭筋は、心房内に反転しないように支える役割を果たす。 
4.× 冠動脈は、「大動脈弓」ではなく、大動脈の基部から分岐する。大動脈の基部にある少し膨らんだ部分をバルサルバ洞といい、その左右には冠動脈がつながり、それぞれ左冠動脈、右冠動脈と分岐する。ちなみに、大動脈弓から分岐するのは、中枢側から順に腕頭動脈、左総頚動脈、左鎖骨下動脈である。
5.× 右冠動脈は、「前下行枝と回旋枝」ではなく、「右外側枝と後室間枝」に分かれる。ちなみに、前下降枝と回旋枝に分かれるのは左冠状動脈である。拡張期に冠動脈に血液が流れやすいのが特徴である。

 

 

 

 

56回 午前65

65 心臓について正しいのはどれか。

1.冠動脈の血流は収縮期に増加する。
2.左心房と左心室は同時に収縮が始まる。
3.心筋は伸張されると収縮力が低下する。
4.心筋の収縮はH+の細胞内流入により生じる。
5.ノルアドレナリンは心筋収縮力を増加させる。

解答

解説
1.× 冠動脈の血流は、「収縮期」ではなく拡張期に増加する。冠動脈の血流は、体循環とは異なる。
2.× 左心房と左心室は、「同時に収縮が始まる」のではなく、「左心房→左心室」の順番で収縮する。洞房結節からの電気刺激により、左・右心房は同時に収縮し、ヒス束→左右脚→プルキンエ線維に伝えられ、左・右心室が同時に収縮する。
3.× 心筋は伸張されると収縮力が増加する。Frank-Starlingの法則(フランクスターリングの法則)とは、心筋は伸展されればされるほど、収縮力が増加することである。一方、心機能が悪いと心拍出量の増加は期待できない。
4.× 心筋の収縮は、「H+」ではなく「Ca2+」の細胞内流入により生じる。
5.〇 正しい。ノルアドレナリンは心筋収縮力を増加させる。ちなみに、ノルアドレナリンの他にも、アドレナリンのカテコールアミンはアドレナリン受容体と結合して、心筋収縮力を増加させる。

アドレナリンとノルアドレナリンの働き

①末梢血管の収縮
②心拍数・心収縮力の増加
③血糖値の上昇
④胃腸管運動の抑制
⑤気管支拡張作用が起こる(※個人差あり)

 

 

57回 午前56

56 心臓について正しいのはどれか。2つ選べ。

1.右房室弁は三尖弁である。
2.冠静脈洞は左心房に開口する。
3.大動脈弁には腱索が付着する。
4.Valsalva洞は肺動脈の起始部に位置する。
5.左冠動脈は心室中隔前方2/3に血液を送る。

解答1・5

解説

(※図引用:「看護roo!看護師イラスト集」より)

1.〇 正しい。右房室弁は三尖弁である。ちなみに、3尖は三尖弁(右房室弁)・大動脈弁・肺動脈弁である。
2.× 冠静脈洞は、「左心房」ではなく「右心房」に開口する。冠状静脈洞は心臓壁にある静脈の主幹で、心臓の後面にある冠状溝中に存在し、回旋枝と伴走する。
3.× 腱索が付着するのは、「大動脈弁」ではなく、「房室弁(僧帽弁と三尖弁)」である。乳頭筋は、心房内に反転しないように支える役割を果たす。
4.× Valsalva洞は、「肺動脈の起始部」ではなく「大動脈の起始部」に位置する。大動脈弁の直上にある大動脈の底の場所である。そこの壁が薄くなり、次第に瘤のように膨れてくるのをValsalva洞動脈瘤という。
5.〇 正しい。左冠状動脈(左前下行枝)は、心室中隔前方2/3に血液を送る。

冠動脈の主な支配領域

右冠状動脈(後下行枝):洞房結節、房室結節、右心室、心臓の後壁および下壁に。
左冠状動脈(左前下行枝・左回旋枝):左心房・右心室の前壁・左心室の前壁と後壁・心室中隔の大部分に。

 

 

 

58回 午前55

55.心臓の構造で正しいのはどれか。

1.僧帽弁は3尖である。
2.大動脈弁は2尖である。
3.洞房結節は左心房にある。
4.卵円窩は心房中隔にある。
5.三尖弁は右心室の流出口にある。

解答

解説

(※図引用:「看護roo!看護師イラスト集」より)

1.× 僧帽弁は、「3尖」ではなく2尖である。正常の場合では、右房室弁や大動脈弁、肺動脈弁が三尖弁であり、唯一の二尖弁が僧帽弁である。僧帽弁は、左心房と左心室の間にある弁である。
2.× 大動脈弁は、「2尖」ではなく3尖である。正常の場合では、右房室弁や大動脈弁、肺動脈弁が三尖弁であり、唯一の二尖弁が僧帽弁である。大動脈弁は、左心室から大動脈への血流を制御するための弁である。
3.× 洞房結節は、「左心房」ではなく右心房の上部にある。洞房結節は、「自然のペースメーカー」ともよばれ、ごく弱い電気信号を規則的に出している。
4.〇 正しい。卵円窩は心房中隔にある。卵円窩は、右心房と左心房の間の心房中隔にある、小さなくぼみ状の構造をしている。心房中隔にある卵円孔が遺残したものが卵円窩である。卵円孔は、胎児のとき開いており、胎盤を通して流れてくる酵素を含んだ血液を胎児の全身に循環させるためにある。出生後、卵円孔は閉じ、卵円窩が形成される。
5.× 右心室の流出口にあるのは、「三尖弁」ではなく肺動脈弁である。右心室から肺動脈への血流を制御している。ちなみに、三尖弁は、右心房と右心室の間に位置し、血液の逆流を防ぐ役割を果たす。

(※看護roo!様「看護師イラスト集」より)

 

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