第55回(R2) 作業療法士国家試験 解説【午前問題1~5】

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※問題の引用:第55回理学療法士国家試験、第55回作業療法士国家試験の問題および正答について

 

※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。コメント欄にて誤字・脱字等、ご指摘お待ちしています。よろしくお願いいたします。

 

1 関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)で正しいのはどれか。2つ選べ。

解答1/4

解説
1.〇 正しい。肩甲骨挙上の【基本軸】両側の肩峰を結ぶ線、【移動軸】肩峰と胸骨上縁を結ぶ線である。ちなみに、【測定部位及び注意点】は、背面から測定する。
2.× 肩内転の【基本軸】肩峰を通る床への垂直線、【移動軸】上腕骨である。ちなみに、【測定部位及び注意点】は、立位で20°または45°肩関節屈曲位で行う。設問の図の基本軸が両側の肩峰を結ぶ線となっている。
3.× 胸腰部屈曲の別法は、指先と床の間の距離(㎝)で表示する。設問の図は、頭部と床の間の距離となっているため不適切である。ちなみに、基本的な測定方法は、【基本軸】仙骨後面、【移動軸】第一胸椎棘突起と第5腰椎棘突起を結ぶ線である。【測定部位及び注意点】は、①体幹側面より行う。②立位、腰かけ座位または側臥位で行う。③股関節の運動が入らないように行う。
4.〇 正しい。頚部右側屈の【基本軸】第7頸椎棘突起と第一仙椎の棘突起を結ぶ線、【移動軸】頭頂と第7頸椎棘突起を結ぶ線である。ちなみに、【測定部位及び注意点】は、①体幹の背面で行う。②腰かけ座位とする。
5.× 足部外転の【基本軸】【移動軸】ともに、第2中足骨長軸(2022年改定)である。ちなみに、【測定部位及び注意点】は、膝関節を屈曲位, 足関節を0度で行なう。設問の図の基本軸・移動軸が第2、第3中足骨の間の中央線となっている。

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2 75歳の女性。頸椎症性神経根症。4年前から上肢のしびれ感がある。その領域を図に示す。
 障害を受けている神経根で正しいのはどれか。

1. C5
2. C6
3. C7
4. C8
5. Th1

解答2

解説

(※図引用:「看護roo!看護師イラスト集」より)

1.× C5は上腕外側である。
2.〇 正しい。C6は前腕橈側である。障害を受けている神経根と一致する。
3.× C7は中指である。
4.× C8は①手掌・手背の尺側と②第4~5指である。
5.× Th1は前腕尺側である。

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3 頭部MRIを下図に示す。
 正しいのはどれか。2つ選べ。

1. 第四脳室
2. 尾状核
3. 脳梁
4. 視床
5. 被殻

解答2/4

解説

頭部MRIのスライドは、視床・大脳基底核レベルである。

1.× 「第四脳室」ではなく側脳室前角を示している。ちなみに、第四脳室は脳幹レベルのスライドで所見できる。
2.4.〇 正しい。尾状核/視床である。ちなみに、被殻と尾状核で線条体という。
3.× 「脳梁」ではなく脳弓を示している。ちなみに、脳梁とは、左右の大脳半球をつなぐ交連線維の太い束のことである。
5.× 「被殻」ではなく第三脳室を示している。被殻は、淡蒼球の前方に位置する。

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4 上腕切断の適応義手を検討するための切断レベルを算出する式において、Aにあてはまるのはどれか。

1. ①
2. ②
3. ③
4. ④
5. ⑤

解答2

解説

上腕の切断レベル

上腕の切断レベルは、「肩峰」を基準として「健側の上腕長」と「上腕の断端長」を比較した割合である。

断端長(肩峰~断端末端部)/健側上腕長(肩峰~上腕骨外側上顆)×100=上腕切断(%)

【切断部位と義手】
0~30%:肩関節離断
30~50%:上腕短断端
50~90%:上腕標準断端
90~100%:肘関節離断

1.× ①上肢長:肩峰~中指先端までの長さである。
2.〇 正しい。②上腕長:肩峰~上腕骨外側上顆を結ぶまでの長さである。
3.× ③上腕長:上腕骨大結節~上腕骨外側上顆までの長さである。
4.× ④腋窩から上腕骨内側上顆までの長さである。義手の作製時に測定する。
5.× ⑤腋窩から尺骨茎状突起までの長さである。義手の作製時に測定する。

 

 

 

 

 

 

5 関節リウマチにみられる手指関節の変形を図に示す。
 番号と変形の組合せで正しいのはどれか。

1. ①:ダックネック変形
2. ②:槌指変形
3. ③:鷲爪指変形
4. ④:ボタン穴変形
5. ⑤:スワンネック変形

解答1

解説
1.〇 正しい。①は、ダックネック変形(あひるのくび変形、Z変形)である。MP関節屈曲、IP関節が過伸展する。
2.× ②は、「槌指変形」ではなく鷲手(内在筋マイナス位)の手指様である。MP関節過伸展、PIP・DIP関節の屈曲がみられる。ちなみに、槌指変形(マレット指)とは、DIP関節が曲がったまま伸ばせなくなった状態である。手指にも足趾にも見られる。
3.× ③は、「鷲爪指変形」ではなくスワンネック変形である。MP関節屈曲、PIP関節過伸展、DIP関節が屈曲変形となる。ちなみに、鷲爪指変形は、MP関節過伸展、PIP・DIP関節の屈曲がみられる。
4.× ④は、「ボタン穴変形」ではなく槌指変形である。DIP関節の屈曲拘縮を来す。ちなみに、ボタン穴変形は、PIP関節が屈曲し、DIP関節が過伸展する。
5.× ⑤:「スワンネック変形」ではなくボタン穴変形(ホール変形)である。PIP関節が屈曲し、DIP関節が過伸展する。ちなみに、スワンネック変形は、MP関節屈曲、PIP関節過伸展、DIP関節が屈曲変形となる。

”関節リウマチとは?”

関節リウマチは、関節滑膜を炎症の主座とする慢性の炎症性疾患である。病因には、遺伝、免疫異常、未知の環境要因などが複雑に関与していることが推測されているが、詳細は不明である。関節炎が進行すると、軟骨・骨の破壊を介して関節機能の低下、日常労作の障害ひいては生活の質の低下が起こる。関節破壊(骨びらん) は発症6ヶ月以内に出現することが多く、しかも最初の1年間の進行が最も顕著である。関節リウマチの有病率は0.5~1.0%とされる。男女比は3:7前後、好発年齢は40~60歳である。
【症状】
①全身症状:活動期は、発熱、体重減少、貧血、リンパ節腫脹、朝のこわばりなどの全身症状が出現する。
②関節症状:関節炎は多発性、対称性、移動性であり、手に好発する(小関節)。
③その他:リウマトイド結節は肘、膝の前面などに出現する無痛性腫瘤である。内臓病変は、間質性肺炎、肺線維症があり、リウマトイド肺とも呼ばれる。
【治療】症例に応じて薬物療法、理学療法、手術療法などを適宜、組み合わせる。

(※参考:「関節リウマチ」厚生労働省HPより)

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2 COMMENTS

大川 純一

コメントありがとうございます。
ご指摘どおり間違えておりました。
修正致しましたのでご確認ください。
今後ともよろしくお願いいたします。

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