第58回(R5) 理学療法士/作業療法士 共通問題解説【午後問題56~60】

この記事には広告を含む場合があります。

記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。

 

56.左肺の内側面に接するのはどれか。

1.気管
2.横隔膜
3.奇静脈
4.上大静脈
5.大動脈弓

解答

解説

(※画像引用:中高津クリニック様HP)

 

1.× 気管ではなく「気管支」が肺と接する。
2.× 横隔膜は、肺底と接し安静吸気に働く。また、胃底部(胃の上部)とも接している。
3.× 奇静脈は、右肺の内側面に接する。奇静脈は、脊柱の右側を上行して右肋間静脈を受け入れて上大静脈に入る。また、半奇静脈は脊柱の左側を上行して、第9胸椎の高さで脊柱を横切って奇静脈に入る。
4.× 上大静脈は、右肺の内側面に接する。右心房に流入するため。
5.〇 正しい。大動脈弓は、左肺の内側面に接する。ちなみに、食道も、左肺の内側面下方と接する。

 

 

 

 

 

 

57.腎臓で正しいのはどれか。

1.糸球体は腎髄質に集まる。
2.輸出細動脈は集合管につながる。
3.ネフロンは糸球体と尿細管からなる。
4.輸入細動脈はHenle係蹄につながる。
5.腎乳頭はBowman嚢に覆われている。

解答

解説

(※図引用:「イラストボックス様」より)

尿の流れ

腎小体(糸球体→Bowman嚢)で濾過され、尿細管(近位尿細管→ヘンレのループ→遠位尿細管→集合管)を通り腎杯、腎盂(腎盤)、尿管、膀胱、尿道へと流れていく。

1.× 糸球体は、「腎髄質」ではなく腎皮質に集まる。糸球体とは、腎臓に血液を送る動脈が徐々に細くなった先にある毛細血管の球形の塊である。糸球体は、腎臓の機能単位であるネフロンの一部で、腎臓の外側部分である腎皮質に集まっている。腎髄質は腎臓の内側部分で、集合管などが存在する。
2.× 輸出細動脈は、「集合管」ではなく糸球体につながる。輸出細動脈とは、糸球体の毛細血管が収束したものである。輸出細動脈は糸球体から出て、腎小体を構成する。糸球体とボーマン嚢を合わせて腎小体という。ちなみに、集合管につながるのは、遠位曲尿細管である。尿は、腎小体(糸球体→Bowman嚢)で濾過され、尿細管(近位尿細管→ヘンレのループ→遠位尿細管→集合管)を通り腎杯、腎盂(腎盤)、尿管、膀胱、尿道へと流れていく。
3.〇 正しい。ネフロンは糸球体と(遠位)尿細管からなる。ボーマン嚢から尿細管が出ており、腎小体と尿細管を合わせてネフロン(腎単位)という。左右の腎合わせて、約200万個のネフロンがある。
4.× Henle係蹄につながるのは、「輸入細動脈」ではなく「近位尿細管と遠位尿細管」である。ちなみに、輸入細動脈は糸球体を通り、輸血細動脈へとつながる血管系である。糸球体から血液がろ過された後、輸出細動脈が形成され、これが腎小管周りの毛細血管を形成する。
5.× Bowman嚢に覆われているのは、「腎乳頭」ではなく糸球体である。腎乳頭とは、腎臓の内側部分、腎髄質の先端に位置し、集合管から尿が集められ、腎盂へと移動する場所である。

類似問題です↓
【共通のみ】腎・泌尿器(解剖)についての問題「まとめ・解説」

 

 

 

 

 

58.平衡聴覚器で正しいのはどれか。

1.蝸牛は鼓室にある。
2.鼓膜にはアブミ骨が接している。
3.耳管は上咽頭につながる。
4.耳小骨は外リンパ液に覆われている。
5.半規管膨大部にコルチ器がある。

解答

解説

(※図引用:「耳の構造・説明図」illustAC様より)

1.× 蝸牛は、「鼓室(中耳)」ではなく内耳にある。外耳は、耳介と外耳道からなる部分であり、中耳は、鼓膜から奥をいう。中耳のさらに奥を内耳といい、骨の中に埋もれている部分である。ちなみに、蝸牛とは、中耳から伝えられた音波を感じとり、それがどのような音であったかを分析して、聴神経(蝸牛神経)を通して脳へ伝える役割を持つ。
2.× 鼓膜には、「アブミ骨」ではなくツチ骨が接している。鼓膜から、ツチ骨→キヌタ骨→アブミ骨の順に伝わっていく。
3.〇 正しい。耳管は上咽頭(咽頭)につながる。耳管とは、鼓膜の前壁から始まり、中耳と上咽頭を連絡する管であり、中耳内の圧を調整する。
4.× 外リンパ液に覆われているのは、「耳小骨」ではなく内耳の前庭と三半規管である。耳小骨(ツチ骨・キヌタ骨・アブミ骨)は、中耳にあり、鼓膜と内耳の間で音の振動を伝達する役割を果たしている。
5.× 半規管膨大部には、「コルチ器」ではなくクプラがある。クプラは、平衡感覚に関与する。一方、コルチ器は、内耳の蝸牛にあり、聴覚に関与する。コルチ器の有毛細胞は、音の振動に対して有毛細胞が動くことで音を感知する。コルチ器官は、聴覚の受容器細胞である有毛細胞と複数の支持細胞で構成される。

(※画像引用:やまだカイロプラクティック院様)

類似問題です↓
【共通問題のみ】平衡聴覚器(内耳・中耳)についての問題「まとめ・解説」

 

 

 

 

59.動脈の触知部位で正しいのはどれか。

1.腋窩動脈
2.後脛骨動脈
3.総頚動脈
4.足背動脈
5.橈骨動脈

解答

解説


1.× 腋窩動脈は、腋窩内が最も触知しやすい。
2.× 後脛骨動脈は、内果後方が最も触知しやすい。
3.× 総頚動脈は、胸鎖乳突筋の前縁(頚部の前外側)が最も触知しやすい。収縮期血圧60mmHgまで触れる。注意するべきポイントとして、頸動脈洞反射を予防するため、両側を圧迫せず片側ずつ触知する。頸動脈洞反射を予防するため、両側を圧迫せず片側ずつ触知する。4.〇 正しい。足背動脈は、図の触知部位である。足背の長母指伸筋腱と長指伸筋腱の間で触知する。
5.× 橈骨動脈は、手首の掌側の橈側が最も触知しやすい。

頸動脈洞反射とは?

頸動脈洞反射(ツェルマーク・へーリング反射)とは、頸動脈を刺激することにより生じる迷走神経反射のことである。脈拍を抑えることを目的として利用されることがある(頸動脈洞マッサージ)。つまり、副交感神経優位になる。
求心路:舌咽神経
遠心路:迷走神経

類似問題です↓
【共通問題のみ】触知部位についての問題「まとめ・解説」

 

 

 

 

 

60.距骨と関節を構成するのはどれか。2つ選べ。

1.脛骨
2.舟状骨
3.立方骨
4.第1中足骨
5.内側楔状骨

解答1・2

解説

asi

MEMO

距骨と接する骨は、①脛骨(距腿関節)、②舟状骨(横足根関節:ショパール関節)、③踵骨(距骨化関節)である。

1.〇 正しい。脛骨は、距骨と関節を構成する。距腿関節を構成する。
2.〇 正しい。舟状骨は、距骨と関節を構成する。(横足根関節:ショパール関節)は、踵骨—距骨—舟状骨—立方骨の間の関節のことである。
3.× 立方骨は、踵骨、第4および第5中足骨、舟状骨、外側楔状骨と接する。
4.× 第1中足骨は、内側楔状骨、第1基節骨、種子骨、(第2中足骨)と接する。
5.× 内側楔状骨は、第1中足骨、第2中足骨、中間楔状骨、舟状骨と接する。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)