第57回(R4) 理学療法士/作業療法士 共通問題解説【午後問題66~70】

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66 近位尿細管に分泌されるのはどれか。

1.H+
2.K+
3.Na+
4.Ca2+
5.HCO3(重炭酸イオン)

解答

解説

(図引用: 泌尿器のしくみと働きより )

尿生成の流れ

尿は腎小体(糸球体→Bowman嚢)で濾過され、尿細管(近位尿細管→ヘンレのループ→遠位尿細管→集合管)を通り腎杯、腎盂 (腎盤)、尿管、膀胱、尿道へと流れていく。糸球体から遠位尿細管までの部分をネフロン(腎単位)という。

1.〇 正しい。H+は、近位尿細管から分泌される。他にも、遠位尿細管や集合管から分泌されている。
2.× K+を近位尿細管が再吸収している。ただし、遠位尿細管集合管から分泌されている。
3.× Na+は、遠位尿細管から分泌される。
4〜5.× Ca2+/HCO3(重炭酸イオン)を遠位尿細管が再吸収している。

尿細管で吸収されるもの

◎近位尿細管で再吸収されるもの
グルコース・アミノ酸・ビタミン・水・ナトリウムイオン・カリウムイオン・カルシウムイオン・リン酸イオン・重炭酸イオン

◎ヘンレループで再吸収されるもの
水・ナトリウムイオン・クロールイオン

◎遠位尿細管で再吸収されるもの
水(抗利尿ホルモンにより促進される)・ナトリウムイオン(アルドステロンにより促進される)

 

 

 

 

 

67 下垂体前葉から分泌されるホルモンはどれか。

1.メラトニン
2.オキシトシン
3.バソプレシン
4.プロラクチン
5.テストステロン

解答

解説

下垂体前葉から分泌されるホルモン

①成長ホルモン(欠損すると小人病)
②甲状腺刺激ホルモン
③副腎皮質刺激ホルモン(欠損するとアジソン病)
④性腺刺激ホルモン(卵胞刺激ホルモン・黄体形成ホルモン)
⑤プロラクチン(催乳ホルモン)

1.× メラトニン(概日リズム調整ホルモン)は、松果体から分泌される。他にも、松果体は、性腺刺激ホルモンの分泌抑制に関与する。
2.× オキシトシンは、下垂体後葉から分泌される。射乳の促し、分娩を促進する。
3.× バソプレシン(ADH:抗利尿ホルモン)は、下垂体後葉から分泌される。
4.〇 正しい。プロラクチン(催乳ホルモン)は、下垂体前葉から分泌されるホルモンである。ちなみに、プロラクチン放出ホルモンは視床下部から分泌される。乳腺の発育と乳汁の産生に働く。
5.× テストステロン(アンドロゲン、男性ホルモン)は、主に精巣(睾丸)で、わずかに副腎皮質から分泌される。

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【共通のみ】ホルモンについての問題「まとめ・解説」

 

 

 

 

68 体温について正しいのはどれか。2つ選べ。(※不適切問題:採点対象外)

1.体温調節中枢は延髄にある。
2.末梢血管収縮で熱放散が低下する。
3.ヒトの核心温度は体表で測定できる。
4.甲状腺ホルモンは熱生産を低下させる。
5.乳幼児は成人より体温調節機能が高い。

解答2(正式解答なし)
対応:採点対象から除外する。
理由:選択肢に誤りがあり、正解が得られないため。

解説

1.× 体温調節中枢は、延髄ではなく「間脳の視床下部」にある。視床下部の働きは、体温調節、下垂体ホルモンの調節、摂食行動、性行動、睡眠などの本能行動の中枢である。
2.〇 正しい。末梢血管収縮で熱放散が低下する。なぜなら、皮膚の血流量は減少するため。
3.× 体表で測定できるのは、「核心温度」ではなく「外殻温度」である。一方、核心温度は、環境の変動によっても温度が変化しない生態の核心部(中心部)の温度である。外殻温度と異なり体温調節により一定に調節されている。実際に、核心温度を常時測定するのは不可能であるが、最も核心温度に近いのは、直腸の温度であり37℃を超える。直腸温と腋窩温は1℃近くの差がある。
4.× 甲状腺ホルモンは、熱生産を低下ではなく「増加」させる。なぜなら、代謝亢進作用があるため。
5.× 乳幼児は成人より体温調節機能が「高い」のではなく低い。なぜなら、成人と比べて、乳幼児は体温を調整する機能が未熟であるため。また、他の理由としては、外的因子が体温に影響を及ぼしやすいため。室温や衣類、食事、外出、運動、入浴などでも、一時的に体温が上昇しやすい。

 

 

 

 

 

69 強制吸気時に働くのはどれか。2つ選べ。

1.横隔膜
2.腹直筋
3.肋下筋
4.外肋間筋
5.内腹斜筋

解答1・4

解説

呼吸運動について

①安静吸気:横隔膜・外肋間筋。
②安静呼気:呼気筋は関与しない。
③努力吸気:呼吸補助筋(僧帽筋、胸鎖乳突筋・斜角筋・大胸筋・小胸筋・肋骨挙筋など)が関与。
④努力呼気:内肋間筋・腹横筋・腹直筋が関与。

1.〇 正しい。横隔膜/外肋間筋は、強制吸気時(安静吸気)に働く。強制吸気とは、治療用噴霧、吸入、呼吸装置や治療用噴霧、吸入、呼吸装置などの分野において活用される。安静吸気が微弱であることがベースであるため、強制吸気時でも安静吸気時に働いている。
2.× 腹直筋は、努力呼気に働く。胸郭の前部を引き下げまたは骨盤の前部を引き上げ、また脊柱を前方に曲げる。
3.× 肋下筋は、内肋間筋に連続して存在し、内肋間筋の後方に存在する。ちなみに、内肋間筋は努力呼気に働く。外肋間筋と反対に肋骨を引き下げて胸郭を狭める(呼息)。
5.× 内腹斜筋は、上体を同側に回す。また、腹圧を高め、腹式呼吸のとき呼息を行う。

 

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70 筋と作用の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。

1.頬筋:頬をふくらませる。
2.咳筋:下顎を引き下げる。
3.前頭筋:眉を持ち上げる。
4.側頭筋:下顎を持ち上げる。
5.内側翼突筋:唇をすぼめる。

解答3・4

解説

咀嚼筋の分類

閉口筋:咬筋、側頭筋、外側翼突筋(上頭)、内側翼突筋
開口筋:顎舌骨筋、オトガイ舌骨筋、顎二腹筋、外側翼突筋(下頭)

1.× 頬筋は、頬をふくらませるのではなく「頬をすぼめる」。また、風船を膨らませるように強く空気を吹き出す時に働く歯と頬壁の間に挟まった食物を追い出す。
2.× 咳筋は、下顎を引き下げるのではなく「引き上げる」。頬筋は、口裂を閉鎖する。頬壁を形成し、これを歯列に押しつける、風船を膨らませるときのような強く空気を吹き出す時に働くしたがって口唇を狭めるときに作用する。
3.〇 正しい。前頭筋は、眉を持ち上げる。眉弓を引き上げ前頭部に皺(しわ)を作る。
4.〇 正しい。側頭筋は、下顎を持ち上げる。咀嚼筋は一般に、①咬筋、②側頭筋、③外側翼突筋、④内側翼突筋の4種類である。
5.× 内側翼突筋は、唇をすぼめるのではなく「下顎を引き上げる」。

 

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