第56回(R3) 作業療法士国家試験 解説【午前問題16~20】

 

16 19歳の女性。大学1年生。小学生の時より、水泳に秀でていて競技大会では常に優勝を競うほどであった。しかし、高校時代にスランプに陥り当時身長160cm、体重58kgであったが体重を落とせば記録が伸びると思い込み、ダイエットをしているうちに無月経になり、気づくと体重32kgになっていた。心配した母親が本人を説得し病院の精神科外来を受診したところ低栄養で危機的状況にあると医師が判断し精神科病棟への入院を勧めたが、病識のない本人は納得せず、母親の同意による医療保護入院となった。その後作業療法に参加するようになり、1週間が経過した。
 患者に対する作業療法士の関わり方で適切なのはどれか。

1. 集団作業療法を勧める。
2. 食事の摂取を積極的に促す。
3. 現在取り組めていることを認める。
4. 高校時代のスランプについて深く聞く。
5. 食べ物を隠れて捨てるのを見つけたら叱る。

解答3

解説
1.× 集団作業療法を勧める。
2.× 食事の摂取を積極的に促す。
3.〇 正しい。現在取り組めていることを認める。
4.× 高校時代のスランプについて深く聞く。
5.× 食べ物を隠れて捨てるのを見つけたら叱る。

 

 

 

 

 

 

 

17 65歳の女性。約1年前から抑うつ気分、意欲低下、判断力低下、不眠、食思不振などがあり、約9か月前に精神科外来を初めて受診した。希死念慮や貧困妄想も加わり、約8か月前に医療保護入院となっている。抗うつ剤投与により不眠、食思不振はある程度改善されたが、悲観的な思考内容は遷延化した。促してかろうじて病棟外への散歩に応じるようになり、数か月が経過したところで、主治医から作業療法の依頼があった。
 この時点での作業療法として適切でないのはどれか。

1. 本人の自己決定を見守る。
2. 個別のかかわりから開始する。
3. 1回の活動時間は短く設定する。
4. 長期間をかけて完成する課題を採用する。
5. なじみのある課題より初めての課題を採用する。

解答4

解説
1.〇 正しい。本人の自己決定を見守る。
2.〇 正しい。個別のかかわりから開始する。
3.〇 正しい。1回の活動時間は短く設定する。
4.× 長期間をかけて完成する課題を採用する。
5.〇 正しい。なじみのある課題より初めての課題を採用する。

 

 

 

 

 

 

 

18 45歳の女性。20歳前後から、心理的負荷がかかるとリストカットを行うようになり縫合を必要とすることが多かった。また、自分の思い通りにいかないと易怒的となり、周囲に暴言を吐くこともあった。25歳時に精神科を初めて受診し、以後、過量服薬時に数回の入院歴があるが、現在は調理の仕事に就いて3年目となる。最近、職場の人間関係で正論を吐きすぎて孤立し、結果として焦燥感が強まり、主治医の勧めで仕事のシフトのない平日の日中に外来作業療法を開始することになった。
 この時点での作業療法士の関わりとして最も適切なのはどれか。

1. 転職を勧める。
2. 主治医に入院処遇を依頼する。
3. チームでの統一した対応をこころがける。
4. 行動化に対しては心的距離を縮めて対応する。
5. 本人の希望に応じて日々臨機応変に対応する。

解答3

解説
1.× 転職を勧める。
2.× 主治医に入院処遇を依頼する。
3.〇 正しい。チームでの統一した対応をこころがける。
4.× 行動化に対しては心的距離を縮めて対応する。
5.× 本人の希望に応じて日々臨機応変に対応する。

 

 

 

 

 

 

 

19 22歳の男性。職場でケアレスミスがあまりにも多いため、産業医の勧めで精神科を受診した。母親の話によると、幼少時から落ち着きがなく、小学校の担任から「人の話を聞いていない」、「順番を守れない」、「隣の子にちょっかいを出す」などと注意されたことがあり、大学でも提出物の締め切りを守れないなどといった問題から成績は悪かった。
 この患者に薬物療法を行う場合、最も適切と思われる向精神薬はどれか。

1. 気分安定薬
2. 抗うつ薬
3. 抗精神病薬
4. 抗不安薬
5. 精神刺激薬

解答5

解説
1.× 気分安定薬
2.× 抗うつ薬
3.× 抗精神病薬
4.× 抗不安薬
5.〇 正しい。精神刺激薬

 

 

 

 

 

 

 

20 45歳の男性。統合失調症。25年間の入院の後、退院してグループホームに入居することになった。作業療法士は患者の強みとしての性格、才能、希望、環境について、日常生活、経済的事項、仕事などの項目に分けて本人と一緒に確認の上文章化し、患者の言葉を用いて退院後の目標を立てた。
 本アセスメントの根拠となるモデルはどれか。

1. ICFモデル
2. 作業適応モデル
3. 人間作業モデル
4. ストレングスモデル
5. CMOP(Canadian Model of Occupational Performance)

解答4

解説
1.× ICFモデル
2.× 作業適応モデル
3.× 人間作業モデル
4.〇 正しい。ストレングスモデル
5.× CMOP(Canadian Model of Occupational Performance)

 

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