この記事には広告を含む場合があります。
記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。
26 8つの下位尺度で構成されているQOL評価はどれか。
1.TMT
2.SF-36
3.Katz Index
4.ESCROW Profile
5.老研式活動能力指標
解答2
解説
1.× TMT(Trail Making Test)は、一般的な注意障害の評価である。TMT-A検査(数字を順番に並べる作業)とTMT-B(数字と文字の切り替え作業)を行う。
2.〇 正しい。SF-36 (the MOS 36-item short-form health survey)は、8つの下位尺度で構成されているQOL評価である。SF-36は、質問紙法により対象者の健康関連QOLを包括的に評価する尺度である。①身体機能、②日常役割機能(身体)、③体の痛み、④全体的健康感、⑤活力、⑥社会生活機能、⑦日常役割機能(精神)、⑧心の健康、以上8つの健康概念を測定する。
3.× Katz Index(カッツインデックス)は、日常生活動作の指標である。①入浴、②更衣、③トイレへの移動、④移乗、⑤排尿・排便コントロール、⑥食事の6項目について自立・依存の2段階で評価する。これらの項目について自立か依存かを評価し、それに基づきA〜Gに分類する。
4.× ESCROW Profile(E:環境、S:社会交流、C:家族構成、R:経済状態、O:予後、W:就労などからなる)は、在宅生活における社会的不利の評価法である。すべての綴りは以下のとおりである。環境(Environment)、社会交流(Social Integration)、家族構成(Cluster of Family members)、社会資源(Resource)、予後・将来の見通し(Outlook)、学歴・職歴・生育歴、地位、身分(Work Status)の6項目で構成されている。
5.× 老研式活動能力指標とは、高次の生活機能の評価である。手段的自立(IADL)、知的能動性、社会的役割の3つの手段的日常生活動作能力(Instrumental ADL:IADL) 13項目を「はい」または「いいえ」で答えてもらう指標である。
27 四肢の周径測定法として正しいのはどれか。
1.記録は1cm単位とする。
2.メジャーは皮膚に密着させる。
3.寒い時期は着衣の上から測定する。
4.大腿周径の測定時には、膝関節を45°屈曲位とする。
5.下腿周径の測定時には、下腿後面をベッドに密着させる。
解答2
解説
1.× 記録は「1cm単位」ではなく、0.5cm単位で測定する。(※学校によって、小数点第1位で1mm単位まで表記するところもあるそう)
2.〇 正しい。四肢の周径測定の際、メジャーは皮膚に密着させる。締め付けない程度で測定する。
3.× たとえ寒い時期でも、服を脱いだ状態で測定することが望ましい。そのため、露出しやすい環境(部屋を暖かくしたり、毛布を用意したり)に設定する。
4.× 大腿周径の測定時には、膝関節「45°屈曲位」ではなく、膝関節伸展位(股関節屈曲・外転位)で測定する。
5.× 下腿周径の測定時には、特別に下腿後面をベッドに密着させない。下肢全体をリラックスさせたうえで膝を軽度屈曲させ、下腿三頭筋がベッドに接触しないようにする。
28 膝関節伸展位で足背屈の関節可動域測定をしたところ、可動域制限が認められた。次に、膝関節屈曲位で測定したところ可動域制限は認められなかった。
短縮している筋はどれか。
1.大腿直筋
2.大腿二頭筋長頭
3.半膜様筋
4.腓腹筋
5.ヒラメ筋
解答4
解説
足関節と膝関節をまたぐ、2関節筋が影響していることが考えられる。
1.× 大腿直筋は、股関節・膝関節の2関節筋である。ちなみに、大腿直筋の短縮を調べるためには、Ely test(エリーテスト:尻上がりテスト)がある。
2~3.× 大腿二頭筋長頭/半膜様筋は、股関節・膝関節の2関節筋である。ちなみに、大腿二頭筋長頭/半膜様筋の短縮を調べるためには、SLR(Straight Leg Raise:下肢伸展挙上テスト)がある。
4.〇 正しい。腓腹筋は、膝関節・足関節の2関節筋である。
5.× ヒラメ筋は、足関節のみの単関節筋である。膝関節の角度に関わらず、足関節背屈の可動域制限がみられる。
起始・停止・作用など詳しく勉強したい方はこちら↓
29 反復拮抗運動障害の検査法はどれか。
1.線引き試験
2.継ぎ足歩行
3.片足立ち検査
4.示指-耳朶試験
5.前腕回内外試験
解答5
解説
運動の反復を繰り返し行い、主動作筋と拮抗筋を交互に素早く収縮させる運動のことである。小脳性運動失調症の6つの要素には、①測定異常、②反復拮抗運動不能、③運動分解、④協働収縮不能、⑤振戦、⑥時間測定障害がある。そのうち、②反復拮抗運動不能を診察する検査のひとつが、前腕回内・回外試験である。
1.× 線引き試験は、測定障害の検査である。小脳障害の場合に、目標に持って行けず目標を越えてしまったり、または目標まで達しない。
2.× 継ぎ足歩行は、バランス能力の検査(体幹や下肢の運動失調の検査)である。小脳障害の場合に、ふらつきが強く、一直線上をまっすぐ歩くことができない。
3.× 片足立ち検査は、バランス能力の検査である。
4.× 示指-耳朶試験は、四肢の失調の検査(測定障害と運動分解の検査)である。小脳障害の場合に、示指までの距離が正しくとらえられず、運動軌道が円滑ではない。
5.〇 正しい。前腕回内外試験は、反復拮抗運動障害の検査法として正しい。他にも、foot pat(下肢遠位テスト)もそれにあたる。小脳障害の場合に、拮抗筋の動きの切り替えがスムーズにできない。
30 歩行障害とその原因の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
1.Frozen gait:小脳性運動失調
2.Scissors gait:パーキンソニズム
3.Steppage gait:総腓骨神経麻痺
4.Waddling gait:下肢帯の筋力低下
5.wide-based gait:両下肢の痙縮
解答3・4
解説
1.× Frozen gait(フローズン・ゲート:すくみ足)は、「小脳性運動失調」ではなく、パーキンソン病で生じやすい。
2.× Scissors gait(シザース・ゲート:ハサミ足)は、「パーキンソニズム」ではなく、両下肢の痙縮(上位運動ニューロン障害の痙性対麻痺)で生じやすい。両足をはさみのように組み合わせて歩く様子が観察できる。
3.〇 正しい。Steppage gait(ステッページ・ゲート:鶏歩)は、総腓骨神経麻痺(下肢運動ニューロン障害)で生じやすい。足関節背屈筋の低下のためつま先が上がりにくくなり、歩く際に毎回振り上げた足が地面から上に上がらず、上がってもつま先がすぐ床に落ちてしまう歩き方である。
4.〇 正しい。Waddling gait(ワードリング・ゲート:動揺性歩行)は、下肢帯(特に中殿筋)の筋力低下・機能不全で生じやすい。下肢帯の筋力低下がみられやすい進行性筋ジストロフィーや多発筋炎などで起こりやすい。 脊柱筋の筋力低下により、脊柱の前彎を伴い、腰を左右に揺すって歩く。
5.× wide-based gait(ワイドベース・ゲート:開脚歩行)は、「両下肢の痙縮」ではなく、小脳症状やバランス能力の低下、小児期にみられる。歩隔を広くとった歩行である。