第55回(R2) 理学療法士国家試験 解説【午後問題81~85】

 

81 心理検査と評価内容の組合せとして適切なのはどれか。

1.SCT:認知機能
2.WCST:自我状態
3.P-Fスタディ:認知症介護負担度
4.Rorschach テスト:自己効力感
5.内田・クレペリン精神テスト:性格・行動面の特徴

解答
解説
1.× SCT(sentence completion technique)は、文章完成法で投影法の心理検査である。
2.× WCST(Wisconsin Card Sorting Test)は、ウィスコンシンカード分類課題で前頭葉認知度試験である。
3.× P-Fスタディ(Picture Frustration Study)は、絵画欲求不満テストで心理検査である。
4.× Rorschach テストは、ロールシャッハテストで投影法の性格検査である。
5.〇 正しい。内田・クレペリン精神テストは、性格検査・職業適性検査の一種である。

 

 

 

82 切断後の幻肢で正しいのはどれか。2つ選べ。

1.幼児の切断では強く現れる。
2.四肢末梢部ほど明確に感じる。
3.いったん出現した幻肢は消失しない。
4.術直後義肢装着法には予防効果がある
5.上肢切断よりも下肢切断で強く現れる。

解答2,4
解説

 幻肢とは体の一部(通常は手や足)が切断されたにもかかわらず、そこに感覚や痛みを感じるものである。先天性切断とは、一時的な子宮内成長阻害、または二次的な正常胚組織の子宮内破壊により四肢が欠損した状態の事である。
1.× 一般に知覚形成が未熟な小児には、幻肢が少ないといわれている。
2.〇 正しい。四肢末梢部ほど明確に感じ、強く現れる。
3.× 幻肢は徐々に短くなり消失することが多い。
4.〇 正しい。術直後義肢装着法には予防効果がある。視覚的イメージ断端感覚の熟成で効果がある。
5.× 下肢より上肢の方が、大脳体性感覚野の領域が大きいため、上肢で起こりやすい。

 

 

 

 

 

83 Brown-Sequard 症候群で損傷髄節よりも下位の反対側に現れる症状はどれか。2つ選べ。

1.運動麻痺
2.触覚障害
3.痛覚障害
4.温度覚障害
5.深部覚障害

解答3,4
解説

Brown-Sequard 症候群(ブラウン・セカール症候群)は、脊髄半側症候群とも呼ばれ、損傷髄節よりも下位の反対側に温痛覚障害が生じ、同側に触覚の低下痙性麻痺深部感覚障害が生じる。よって、選択肢3.4.痛覚障害・温度覚障害が正しい。

 

 

 

 

 

84 脊髄損傷で正しいのはどれか。

1.受傷直後は尿失禁状態となる。
2.排尿筋括約筋協調不全は生じない。
3.残尿が150mLでは導尿は不要である。
4.核・核下型神経因性膀胱であれば尿道カテーテル長期留置を行う。
5.核上型神経因性膀胱であればトリガーポイントの叩打による反射性排尿を試みる。

解答
解説
1.× 受傷直後は尿失禁ではなく尿閉状態となりやすい(脊髄損傷のショック期に見られる症状)。
2.× 排尿筋括約筋協調不全は生じる
3.× 残尿が150mLでは導尿は必要である。残尿100ml以上は異常で間欠導尿が必要と判断することが多い。
4.× 核型・核下型膀胱(弛緩性膀胱)とは、膀胱筋は収縮する能力を失い、弛緩しやすくなるため、尿が多量に膀胱にたまりがちになる状態のこと。筋肉が収縮できないので、膀胱が過膨張した(たまりすぎた)結果として、尿が膀胱から出てくる。尿は水がいっぱい入りすぎたグラスのようにあふれてこぼれる。この膀胱のタイプは、仙髄レベルか馬尾損傷の脊髄損傷で一般的にある。膀胱が充満する感覚は障害されている。そのため、核・核下型神経因性膀胱であれば、尿道カテーテルを長期留置に行うことはなく、清潔間欠自己導尿投薬排尿の時に膀胱の収縮力を上げる治療、電気刺激により排尿を誘発する方法などを行う。
5.〇 正しい。核上型膀胱(反射型または痙性膀胱)とは、受傷前の膀胱のためられる尿量が少なくなる傾向になる状態である。ちょうど他の筋肉に痙性が出現し、独自で収縮するのと同様に、膀胱の筋肉にも痙性が起こり得る。その結果、排尿は頻回で少量になる。この膀胱のタイプは、仙髄レベルより上位の受傷では一般的になる。そのため、核上型神経因性膀胱であればトリガーポイントの叩打による反射性排尿を試みる。

脊髄損傷のショック期に見られる症状

①肛門括約筋反射の消失
②膀胱・尿道の弛緩による完全尿閉
③神経原性の血管拡張による血液分布異常性ショック
④弛緩性麻痺
⑤深部腱反射・表在反射消失

 

 

 

 

85 診断においてMRI拡散強調像が最も有用なのはどれか。

1.頭蓋底骨折
2.脳室内出血
3.脳梗塞急性期
4.脳出血急性期
5.くも膜下出血急性期

解答
解説
1~2.4~5× CTの原理はレントゲンに近いもので、石灰化やヘム鉄を含んでいる出血病変の検索には適している。また撮影時間が短いのも特徴の一つである。よって、頭蓋底骨折・脳室内出血・脳出血急性期・くも膜下出血急性期はCTの方が適している。
3.〇 正しい。MRI拡散強調像とは、MRI検査で急性期脳梗塞などを高信号で写し出す撮像法である。

 

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