第55回(R2) 理学療法士国家試験 解説【午後問題26~30】

 

26 Danielsらの徒手筋力テストで、検査する筋の段階と開始肢位の組合せで正しいのはどれか。

1.菱形筋群の段階4:肘関節伸展位
2.上腕三頭筋の段階4:肩関節屈曲位
3.大殿筋の段階3:膝関節伸展位
4.大腿四頭筋の段階2:股関節屈曲位
5.後脛骨筋の段階2:足関節底屈位

解答
解説
1.× 菱形筋群の段階4は、肘関節伸展位ではなく屈曲位で行う。腹臥位で、肩関節内転・内旋位、肘関節屈曲して手背部を背の上にのせて行う。
2.× 上腕三頭筋の段階4は、肩関節屈曲位ではなく外転90°で行う。腹臥位で肩関節90°外転、肘関節屈曲して前腕を検査台から垂直に下垂して行う。
3.× 大殿筋の段階3は、膝関節伸展位ではなく膝関節屈曲位で行う。二関節筋であるハムストリングスの影響を考慮する必要がある。「新・徒手筋力検査法第10版」では、大殿筋単独テストの開始肢位が膝関節90°屈曲位、股関節外転・外旋位に変更された。
4.× 大腿四頭筋の段階2は、股関節屈曲位ではなく伸展位で行う。検査側を上にした側臥位で、反対側下肢は安定のため屈曲位をとる。検査する下肢は膝関節を約90°屈曲位、股関節は完全伸展位に置く。
5.〇 後脛骨筋の段階2は、足関節軽度底屈位である。

 

 

 

 

27 Timed Up and Go Test(TUG)で正しいのはどれか。2つ選べ。

1.開始肢位は立位である。
2.6m先に目印を設置する。
3.歩行補助具の使用を禁止する。
4.バランス機能の評価方法である。
5.動作開始から背もたれ座位までの時間を測定する。

解答4,5
解説

Timed Up and Go Test(TUG)とは?

 Timed Up and Go Test(TUG)は、開眼片脚起立時間とともに運動器不安定症の指標となっている。信頼性が高く、下肢筋力、バランス,歩行能力、易転倒性といった日常生活機能との関連性が高いことが証明されており、高齢者の身体機能評価として広く用いられている。

1.× 開始肢位は立位ではなく座位である。
2.× 6m先ではなく、3mに目印を設置する。
3.× 歩行補助具の使用を禁止ではなく、使用して測定できる
4.〇 正しい。バランス機能の評価方法である。
5.〇 正しい。動作開始から背もたれ座位までの時間を測定する。

 

 

 

 

28 改訂日本版デンバー式発達スクリーニング検査<JDDST-R> で 8か月児が通過率75%以上で可能なのはどれか。2つ選べ。(※不適切問題 採点除外)

1.寝返り
2.1人で座る
3.5秒以上座れる
4.つかまって立ち上がる
5.5秒以上つかまり立ちできる

解答 解なし(採点対象から除外)
理由:設問が不十分で正解が得られないため。

解説

1.〇 寝返りは、6か月で通過率75%である。
2.〇 1人で座る(支えなしで座る)は、7カ月で通過率75%である。
3.△ 5秒以上座れる(支えなしで座る)は、7カ月で通過率75%である。ちなみに、5秒以上座れるのが可能かどうかの評価は、DENVER2(日本小児保健協会)で用いられている。JDDST-Rでの項目としてないため、不適切問題となった可能性がある。
4.× つかまって立ち上がるのは、9~10か月で通過率75%である。
5.× 5秒以上つかまり立ちできるのは、9~10か月で通過率75%である。

 改訂日本版デンバー式発達スクリーニング検査<JDDST-R>は、発達分野を個人・社会、微細運動-適応、言語、粗大運動に分けそれぞれの各発達項目で25%、50%、75%、90%の通過月齢が長方形で示されている。

 

 

 

 

 

29 遂行機能障害の診断に用いる検査はどれか。

1.WCST
2.WAIS-Ⅲ
3.図形模写
4.Reyの複雑図形検査
5.PASAT (paced auditory serial addition test)

解答
解説
1.〇 正しい。WCST(Wisconsin Card Sorting Test:ウィスコンシンカード分類課題)は、前頭葉機能検査法で遂行機能障害の診断に用いる。
2.× WAIS-Ⅲ(Wechsler Adult Intelligence Scale:ウェクスラー成人知能検査)は、知能を測るための一般的な検査である。VIQ(言語性IQ)、PIQ(動作性IQ)、FIQ(合成得点による全検査IP)のスコアを測定する。
3.× 図形模写は、MMSE(Mini Mental State Examination:ミニメンタルステート検査)の項目の1つである。認知症の疑いのある人のために開発した知能検査である。また、9種類の図形を模写させて、それを一定の基準に従って分析評価する検査もあり、それをベンダー・ゲシュタルト・テスト(BGT:Bender Visual Motor Gestalt Test)という。これも主に脳基質障害のスクリーニング検査として有効とされている。
4.× Reyの複雑図形検査(Rey-Osterrieth Complex Figure Test:ROCF)は、記憶力を診る検査である。複雑な図形を模写することを求め、次に図形を取り去った直後、および20分後に思い出して書くように求める視覚性の記憶検査である。
5.× PASAT (paced auditory serial addition test:低速聴覚的連続加算テスト)は、標準注意検査法(CAT)の構成されている項目の1つである。CDで連続的に呈示される1桁の数字について、前後の数字を順次暗算で母さんしていく。

 

 

 

 

30 下肢の異常と金属支柱付き短下肢装具の足継手の設定との組合せで正しいのはどれか。

1.尖足:前方制動
2.反張膝:遊動
3.立脚時の膝折れ:前方制動
4.下腿三頭筋の痙縮:遊動
5.前脛骨筋の弛緩性麻痺:遊動

解答
解説
1.× 尖足は、前方制動(背屈を抑制)ではなく、後方制動(底屈を抑制)する。尖足とは、痙縮などにより足関節が底屈位で固定されている状態である。
2.× 反張膝は、遊動(抵抗なしに動く)ではなく、固定(どちらの方向にも動かない)もしくは後方制動(底屈を抑制)を使用する。反張膝は、下腿が後傾位・足部が下腿に対して底屈位の状態である。
3.〇 正しい。立脚時の膝折れは、前方制動(背屈を抑制)で予防する。なぜなら、膝折れの足部は下腿に対して背屈位となるため。
4.× 下腿三頭筋の痙縮は、遊動(抵抗なしに動く)ではなく、後方制動(底屈を抑制)する。なぜなら、下腿三頭筋の痙縮により足関節底屈位となるため。
5.× 前脛骨筋の弛緩性麻痺は、遊動ではなく、固定(どちらの方向にも動かない)もしくは後方制動(底屈を抑制)を使用する。なぜなら、前脛骨筋の弛緩性麻痺により下垂足となるため。

継手の種類

①固定:どの方向にも動かない。
②遊動:どの方向にも抵抗なしで動く。
③制限:ある角度から動かない。
④制動:ある方向にブレーキを受けながら動く。
⑤補助:一度たるんだものが元に戻るときに、動きと同方向の力を発生する。

 

 

 

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