第54回(H31) 作業療法士国家試験 解説【午前問題26~30】

26 トータルペインのうちスピリチュアルペインはどれか。

1. 体の倦怠感
2. 薬の副作用
3. 家庭内の問題
4. 生きる価値の喪失
5. 日常生活活動の困難さ

解答
解説

 トータルペイン(全人的苦痛)は身体的精神的社会的霊的(スピリチュアル)の4つの苦痛をいう。スピリチュアルペインとは、死を目前にした癌患者などが、患者自身の人生の否定価値観の否定存在自身の否定を受けたと感じることに起因する。抑うつ、不安、 怒り、いらだち、悲観などをいう。よって、4.〇 生きる価値の喪失が適当である。

1~2.× 体の倦怠感は、身体的苦痛である。
3.× 家庭内の問題は、社会的苦痛である。
5.× 日常生活活動の困難さは、身体的な困難であれば身体的苦痛に含まれ、心理的な困難であれば精神的苦痛に含まれる。いくつかの苦痛が合併することは多いが、スピリチュアルペインには含まれない。

 

 

 

27 呼びかけると開眼し、発語はあるが不適当である。運動の指示に応じた動きは見られず、逃避反応がある。
この時のGCS(Glasgow Coma Scale)はどれか。

1. E4V3M4
2. E4V4M5
3. E3V3M4
4. E3V4M3
5. E3V5M5

解答
解説
 呼びかけると開眼することよりE3

 発語はあるが不適当であるためV3

 運動において逃避反応がみられることよりM4が適当な評価である。よって、3.〇 E3V3M4が正しい。

GCSについてしっかり覚えたい方用にまとめました。参考にしてください↓

【暗記用】意識障害の評価(JCS・GCS)を完璧に覚えよう!

 

 

 

28 SF-36は、領域の健康概念の質問項目から成り立っている。その領域にある項目で正しいのはどれか。

1. 活力
2. 嗜好
3. 食欲
4. 人格
5. 知能

解答
解説
 SF-36 (the MOS 36-item short-form health survey)は、質問紙法により対象者の健康関連QOLを包括的に評価する尺度である。①身体機能、②日常役割機能(身体)、③体の痛み、④全体的健康感、⑤活力、⑥社会生活機能、⑦日常役割機能(精神)、⑧心の健康、以上8つの健康概念を測定する。よって、1. 活力が適当である。

 

 

 

29 小脳の機能不全による協調運動障害の説明で誤っているのはどれか。

1. 大文字症:文字が徐々に大きくなる。
2. 企図振戦:目標に近づくほど四肢の振戦が激しくなる。
3. 運動分解:拮抗する運動の切り替えが円滑に行えない。
4. 時間測定障害:運動の開始や停止が正常よりも遅れてしまう。
5. 協調収縮不能:一連の動作で運動の順番や滑らかさが障害される。

解答
解説
1.〇 正しい。大文字症:文字が徐々に大きくなる。パーキンソニズムでは小字症になる。
2.〇 正しい。企図振戦:目標に近づくほど四肢の振戦が激しくなる。静止状態では振戦がないことが特徴である。
3.× 運動分解とは、運動軌道が円滑ではなく何段階かに分かれる。運動軌道から行きつ戻りつする状態を指す。拮抗する運動の切り替えが円滑に行えないのは、反拮抗運動不能である。
4.〇 正しい。時間測定障害:運動の開始や停止が正常よりも遅れてしまう。
5.〇 正しい。協調収縮不能:一連の動作で運動の順番や滑らかさが障害される。

 

 

 

30 透析患者で正しいのはどれか。

1. 透析導入の原因疾患のうち慢性糸球体腎炎の割合は年々増加している。
2. 透析患者数はこの10年間減少し続けている。
3. 身体活動量の低下は生命予後を悪化させる。
4. 透析導入は腹膜透析が最も多い。
5. 死因の第一位は悪性腫瘍である。

 

解答
解説
1.× 透析導入の原因疾患のうち慢性糸球体腎炎の割合は年々増加ではなく、減少している。慢性糸球体腎炎(慢性腎炎)は、タンパク尿や血尿が長期間(少なくとも1年以上)持続するものをいう。 腎臓病の中でも最も多い。 慢性糸球体腎炎は1つの病気ではなく、さまざまな病気の総称である。病因が不明であるため、根本的な治療法は確立されていないが、食事療法や薬物療法を行う。透析患者の44%が「糖尿病腎症」が原因である。
2.× 透析患者数はこの10年間減少ではなく増加し続けている。約33.4万人(2017年末)で増え続けている。
3.〇 正しい。身体活動量の低下は生命予後を悪化させる。透析患者において定期的な運動習慣は生命予後を改善することが報告されており、運動療法を行い身体活動量を低下させないように保つ必要がある。
4.× 透析導入は腹膜透析(2.9%)ではなく、血液透析(97.1%)が最も多い。
5. × 死因の第一位は悪性腫瘍ではなく、心不全である。透析患者の死因の第1位は心不全(26.0%)であり、第2位は感染症(22.0%)、第3位は悪性腫瘍(9.3%)である。

 

 

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